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《第一部》一途なΩは幼馴染のαに恋をする
困った資料の行方
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2組のカップル誕生をお互いに喜びあった後にリュウールが、先程の資料について尋ねた。
「ところで、あの資料はどうなったのか?」
「あの資料は持っていた人に返した」
クラーブが答える。
「あの資料で、ミッシェルの兄は脅される事はないのか?」
「それはない、脅されているのはシモンズ伯爵だ」
「えっ、父が?」
「ミッシェルは知っているだろう、シモンズ伯爵が如何に仕事ができ、君の兄さんに目を掛けて指導しているか」
セバスチャンが、ミッシェルに確認する。
「はい、兄はシモンズ伯爵を尊敬してます。だから、家でも仕事の愚痴は言わない」
ミッシェルは、兄の事を伝える。
「あの資料には、ミッシェルの兄さんの名前しかなかった。課長であるシモンズ伯爵のサインが無いし、紙の右隅にアスランの紋章がない、公式文書には必ずナンバリングしてあるがそれもない、だから非公式の文書で意味のない文書と言える。だが、宰相はその紙を手に入れてナンバリングも偽造できる立場である為いつでもミッシェルの兄さんを陥れてやるぞという書類だと思う」
クラーブがそう言うとミッシェルは青ざめた。
「シモンズ伯爵はそれを踏まえて相手の希望額を駆け引きしながら決めているのだろう。その傍で貴族がオーナーの店舗の脱税を見つけて税として吸い上げている。多分この不正額より多く」
「父がそんな仕事をしているとは知らなかった」
「だから、あの資料はガラクタだと言われて処分される」
セバスチャンが、強く言う。
「わかった。それよりも火事が多いと思わないか、もう春になって火を使うことも少なくなってるはずなのに」
「そうだな、例年より火事が多いと思う」
ミッシェルも、同意する。
「ただ、この火事は放火ではないかと推測できる」
「どうして?」
「火事の被災範囲が小さい割に被害額が大きいから」
「ふーん、根拠は?」
クラーブが、世間話を聞く様に尋ねた。
「火事の現場には行くとその大きさと被害額がアンバランスなのがわかる」
「リュウール、火事の現場に1人で行ったのか?」
セバスチャンが、少し驚きながら怒った声で聞くと
「馬車の通れるところは馬車で行くけど、2、3件は馬車では行けないところだったから、警護隊を撒いた」
「リュウール、それは警護隊が」
クラーブが、嘆く様に非難すると
「わかっている、トーマス兄さんには凄く怒られたからこれからはヘインズさんに相談して一緒に来てもらう」
「ヘインズさんも災難だな。このところの火事は放火が多いのは確かだ」
「やっぱり、僕の勝手な想像だが、アレは強盗や犯罪の証拠隠滅の為に燃やしている?」
クラーブが、少し驚いた顔をして言う。
「それは今トーマスさんが色々調べている見たいだからリュウールは突っ込まない方が良いと思うよ」
「えっ兄さんが調査しているの?」
「近衛騎士団副団長だから、王都の治安維持管理するのは当たり前だろう」
セバスチャンが言う。
「さっきも言っただろ、素人が首を突っ込んで怪我をしたら大変だ。特に君は、貴族リュウール・オーデンス伯爵で色々と狙われているんだから警護隊が付いている。何かあってからじゃ目も開けれないぞ、じゃじゃ馬も大概にしろ」
セバスチャンが怒る。
「リュウール、君の好奇心は大切だけど君を守る為に沢山の人々が働いているんだ。その側の気持ちも汲み取るのも伯爵家の当主の務めだよ。君には下働きしてくれる人がいないから自分が動けば良いと思っているなら、トーマスさんにちゃんと話して動いてくれる人を雇ってもらえば」
クラーブが、提案する。
「そんなこと、兄様が許すと思う?」
「それは俺も援護できるかもしれない。だけど、リュウール、他人を使うならいろんなことのリスクもある事を考えないといけない」
クラーブが答える。
「セバスチャンはそんな人は双子か、クラーブはジャックか、ミッシェルは誰かいる?」
「そうだなぁ、侍従かな、リュウールの女神隊の面々はあれは使っているでしょう、特にカーツとフェズ」
「あいつらはだめだよ、家来じゃないし友達だよ。僕は侍女がいるけど、屋敷内だけで、何か欲しい時は兄様やヘインズさんに言えば次の日にヘインズさんが届けてくれる」
「リュウール、ヘインズさんは良い人だけど、近衛騎士団の中で副長だから結構忙しい人なんだよ」
「それは、僕も知ってるが、ヘインズさんが僕の警備はご褒美だから大丈夫ですって言っていつもニコニコして届けてくれる」
クラーブは、そんなヘインズに少しイラッと思いながらも、その話をリュウールに話すだけ無駄に思えて夕食の相談に切り替えた。
そして、4人で夕飯を食べて、リュウールは、ヘインズが迎えにきて帰り、ミッシェルは、叔母の家の執事が迎えに来て帰っていく。
残ったクラーブにセバスチャンが言う。
「リュウールはとんでもない男だなぁ、俺は色々上がる報告書を父親が回してくるから大体の想像はつくが、リュウールは…」
「リュウールの情報源は新聞でしょう。それ自体は短時間で読めるでしょうが記憶の蓄積によって物事を立体的に捉えて結論を導いていく」
「本当に、王宮に出仕してもらいたい」
「流石シモンズ伯爵家の直系ですね。直感と分析によって心臓を一掴みな感じで恐ろしくなってしまう」
「この事を」
「トーマスに伝えておきます。釘を刺して貰わないとこっちの心配が増えるだけですから、それじゃ出ます、又明日報告します」
「よろしく、俺も家に帰るそれじゃまた明日」
2人は別れた。
「ところで、あの資料はどうなったのか?」
「あの資料は持っていた人に返した」
クラーブが答える。
「あの資料で、ミッシェルの兄は脅される事はないのか?」
「それはない、脅されているのはシモンズ伯爵だ」
「えっ、父が?」
「ミッシェルは知っているだろう、シモンズ伯爵が如何に仕事ができ、君の兄さんに目を掛けて指導しているか」
セバスチャンが、ミッシェルに確認する。
「はい、兄はシモンズ伯爵を尊敬してます。だから、家でも仕事の愚痴は言わない」
ミッシェルは、兄の事を伝える。
「あの資料には、ミッシェルの兄さんの名前しかなかった。課長であるシモンズ伯爵のサインが無いし、紙の右隅にアスランの紋章がない、公式文書には必ずナンバリングしてあるがそれもない、だから非公式の文書で意味のない文書と言える。だが、宰相はその紙を手に入れてナンバリングも偽造できる立場である為いつでもミッシェルの兄さんを陥れてやるぞという書類だと思う」
クラーブがそう言うとミッシェルは青ざめた。
「シモンズ伯爵はそれを踏まえて相手の希望額を駆け引きしながら決めているのだろう。その傍で貴族がオーナーの店舗の脱税を見つけて税として吸い上げている。多分この不正額より多く」
「父がそんな仕事をしているとは知らなかった」
「だから、あの資料はガラクタだと言われて処分される」
セバスチャンが、強く言う。
「わかった。それよりも火事が多いと思わないか、もう春になって火を使うことも少なくなってるはずなのに」
「そうだな、例年より火事が多いと思う」
ミッシェルも、同意する。
「ただ、この火事は放火ではないかと推測できる」
「どうして?」
「火事の被災範囲が小さい割に被害額が大きいから」
「ふーん、根拠は?」
クラーブが、世間話を聞く様に尋ねた。
「火事の現場には行くとその大きさと被害額がアンバランスなのがわかる」
「リュウール、火事の現場に1人で行ったのか?」
セバスチャンが、少し驚きながら怒った声で聞くと
「馬車の通れるところは馬車で行くけど、2、3件は馬車では行けないところだったから、警護隊を撒いた」
「リュウール、それは警護隊が」
クラーブが、嘆く様に非難すると
「わかっている、トーマス兄さんには凄く怒られたからこれからはヘインズさんに相談して一緒に来てもらう」
「ヘインズさんも災難だな。このところの火事は放火が多いのは確かだ」
「やっぱり、僕の勝手な想像だが、アレは強盗や犯罪の証拠隠滅の為に燃やしている?」
クラーブが、少し驚いた顔をして言う。
「それは今トーマスさんが色々調べている見たいだからリュウールは突っ込まない方が良いと思うよ」
「えっ兄さんが調査しているの?」
「近衛騎士団副団長だから、王都の治安維持管理するのは当たり前だろう」
セバスチャンが言う。
「さっきも言っただろ、素人が首を突っ込んで怪我をしたら大変だ。特に君は、貴族リュウール・オーデンス伯爵で色々と狙われているんだから警護隊が付いている。何かあってからじゃ目も開けれないぞ、じゃじゃ馬も大概にしろ」
セバスチャンが怒る。
「リュウール、君の好奇心は大切だけど君を守る為に沢山の人々が働いているんだ。その側の気持ちも汲み取るのも伯爵家の当主の務めだよ。君には下働きしてくれる人がいないから自分が動けば良いと思っているなら、トーマスさんにちゃんと話して動いてくれる人を雇ってもらえば」
クラーブが、提案する。
「そんなこと、兄様が許すと思う?」
「それは俺も援護できるかもしれない。だけど、リュウール、他人を使うならいろんなことのリスクもある事を考えないといけない」
クラーブが答える。
「セバスチャンはそんな人は双子か、クラーブはジャックか、ミッシェルは誰かいる?」
「そうだなぁ、侍従かな、リュウールの女神隊の面々はあれは使っているでしょう、特にカーツとフェズ」
「あいつらはだめだよ、家来じゃないし友達だよ。僕は侍女がいるけど、屋敷内だけで、何か欲しい時は兄様やヘインズさんに言えば次の日にヘインズさんが届けてくれる」
「リュウール、ヘインズさんは良い人だけど、近衛騎士団の中で副長だから結構忙しい人なんだよ」
「それは、僕も知ってるが、ヘインズさんが僕の警備はご褒美だから大丈夫ですって言っていつもニコニコして届けてくれる」
クラーブは、そんなヘインズに少しイラッと思いながらも、その話をリュウールに話すだけ無駄に思えて夕食の相談に切り替えた。
そして、4人で夕飯を食べて、リュウールは、ヘインズが迎えにきて帰り、ミッシェルは、叔母の家の執事が迎えに来て帰っていく。
残ったクラーブにセバスチャンが言う。
「リュウールはとんでもない男だなぁ、俺は色々上がる報告書を父親が回してくるから大体の想像はつくが、リュウールは…」
「リュウールの情報源は新聞でしょう。それ自体は短時間で読めるでしょうが記憶の蓄積によって物事を立体的に捉えて結論を導いていく」
「本当に、王宮に出仕してもらいたい」
「流石シモンズ伯爵家の直系ですね。直感と分析によって心臓を一掴みな感じで恐ろしくなってしまう」
「この事を」
「トーマスに伝えておきます。釘を刺して貰わないとこっちの心配が増えるだけですから、それじゃ出ます、又明日報告します」
「よろしく、俺も家に帰るそれじゃまた明日」
2人は別れた。
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