36 / 150
《第一部》一途なΩは幼馴染のαに恋をする
ふたつの愛(ミッシェルとセバスチャン)
しおりを挟む
リュウールとクラーブが、別室に行ってからセバスチャンはミッシェルを隣の部屋に連れて行く。そして、セバスチャンは緊張気味にミッシェルに話し出した。
「君は、先日母と会った時に母から何をどう聞いたんだ?」
「初っ端に中等部の時のセバスチャン殿下の事を謝られました。サラン夫人が、主になって質問されたんですけど、私とリュウールにお互いの人をどう見ているか?私達の将来の夢は何?などを聞かれました」
ミッシェルは、あの日の事を思い出す様に答える。
「結婚については?」
「それについては、私の両親にアン王妃が会いに行って、話したことが全てでそれ以上もそれ以下もないっておっしゃていました。だから、その事については、両親と話し合って、結論はセバスチャン殿下に言ってあげて欲しいと」
セバスチャンは、自分が誰とも結婚したくないと言ったことで、母親が予想以上に焦るなんて思ってもいなかった。それで、ミッシェルの両親に話をする為にバーム迄行くなんてあまりにも大胆なやり方に腹が立つより笑いが止まらなかった事を思い出しながら、ミッシェルに尋ねる。
「それじゃ、僕が王太子を受けて来年に戴冠式を挙げることは、君のご両親から聞いたんだ」
「はい」
「兄と兄のパートナーの事は聞いているんでしょ?」
「はい」
「僕は君を失いたくないし君には寿命を全うして欲しいとも思っている」
セバスチャンは、真剣な表情でミッシェルに問う。
「それは良くわかりますが、親戚一同集まって話し合いをしました。それぞれに後悔がない様にと言ってくれました。だから、自分で決めなくてはならないと思いましたが、父が、最後に言った事は、『外からの敵に備えたとしても事件は自分が起こしてしまう事の方が多い。現実に事件が起きるか近づくと何の手立てを講じればいいのかわかるが、何も無いと知る事も手立てを講じる事もできないと思う。結局何がどう何てわからない』と言う事でした。それを聞いたときに、くよくよして、起きるかもしれないからって怖がって、何も見ないふりで過ごすと言う事を自分がするのかと思うとそう言う自分が嫌になりました。だから、殿下と話す機会があれば僕の気持ちを伝えようと思っていました」
ミッシェルは、思いっきりはっきりとセバスチャンの目を見て答えた。
「だから、僕は、殿下の横で事件も喜びも悲しみも味わいたいです。他の誰にもそれらを渡したくはありません。これが僕の答えです」
ミッシェルの顔も身体も全て赤く染まり、下を向く。セバスチャンは、ミッシェルの顎を支えて見つめる。
「ありがとう、今の話を聞いて、将来絶対起こるなら避けて通れば良い。だけど絶対なんて未来にはない、不確かな事しか無い。兄のことがあって以来僕は、自分の命はアスランに差し出しても良いと思っていた。だけど、君や将来の子供達はなどと考えると恐ろしくなった」
セバスチャンも目を逸らさずに言う。
「それはとてもわかります。フェルナンデス殿下の不幸はとても悲しいことですが、私も殿下と自分を比べたら殿下を取ると思います。しかし、そんな事になる前に出来る手立てを考えたいと思うんです。2人なら出来ると思ってみませんか」
セバスチャンが、ミッシェルの手を取って膝をついて言う
「ミッシェル、俺は君が好きだが、一番じゃない、一番はアスラン王国であり国民だ。これは、俺が生まれてきてからずーっと両親や周りに言われた事であり、自分も言い続けたことで身に染みた感情なんだ。それを了承して俺と一緒にアスラン王国を支えて欲しい」
「はい、私は、まだあなたが一番好きです。だけど殿下の側で、少しずつアスラン王国と国民が一番になる様に努力したい、それで良いですか?」
「勿論だよ。それで十分だ、2人で力を合わせて行けばどんな困難も上手くいく。それともうひとつお願いだが、2人でいる時はセバスチャンと呼んで欲しい」
「はい、セバスチャン」
ミッシェルは、恥ずかしくて顔を隠すとセバスチャンが立ち上がってミッシェルの手を退けて、もう一度顎を持ち上げて一言
「愛している」
そう言って、ミッシェルの唇はセバスチャンに塞がれた。口づけは、長くはなかったが、ミッシェルは、頭が痛くなっていた。
「君達をあまり遅くに返せないから、もう行こう」
「はい」
セバスチャンはミッシェルの手を引いて先程の部屋に戻って、クラーブを呼んだ。
「君は、先日母と会った時に母から何をどう聞いたんだ?」
「初っ端に中等部の時のセバスチャン殿下の事を謝られました。サラン夫人が、主になって質問されたんですけど、私とリュウールにお互いの人をどう見ているか?私達の将来の夢は何?などを聞かれました」
ミッシェルは、あの日の事を思い出す様に答える。
「結婚については?」
「それについては、私の両親にアン王妃が会いに行って、話したことが全てでそれ以上もそれ以下もないっておっしゃていました。だから、その事については、両親と話し合って、結論はセバスチャン殿下に言ってあげて欲しいと」
セバスチャンは、自分が誰とも結婚したくないと言ったことで、母親が予想以上に焦るなんて思ってもいなかった。それで、ミッシェルの両親に話をする為にバーム迄行くなんてあまりにも大胆なやり方に腹が立つより笑いが止まらなかった事を思い出しながら、ミッシェルに尋ねる。
「それじゃ、僕が王太子を受けて来年に戴冠式を挙げることは、君のご両親から聞いたんだ」
「はい」
「兄と兄のパートナーの事は聞いているんでしょ?」
「はい」
「僕は君を失いたくないし君には寿命を全うして欲しいとも思っている」
セバスチャンは、真剣な表情でミッシェルに問う。
「それは良くわかりますが、親戚一同集まって話し合いをしました。それぞれに後悔がない様にと言ってくれました。だから、自分で決めなくてはならないと思いましたが、父が、最後に言った事は、『外からの敵に備えたとしても事件は自分が起こしてしまう事の方が多い。現実に事件が起きるか近づくと何の手立てを講じればいいのかわかるが、何も無いと知る事も手立てを講じる事もできないと思う。結局何がどう何てわからない』と言う事でした。それを聞いたときに、くよくよして、起きるかもしれないからって怖がって、何も見ないふりで過ごすと言う事を自分がするのかと思うとそう言う自分が嫌になりました。だから、殿下と話す機会があれば僕の気持ちを伝えようと思っていました」
ミッシェルは、思いっきりはっきりとセバスチャンの目を見て答えた。
「だから、僕は、殿下の横で事件も喜びも悲しみも味わいたいです。他の誰にもそれらを渡したくはありません。これが僕の答えです」
ミッシェルの顔も身体も全て赤く染まり、下を向く。セバスチャンは、ミッシェルの顎を支えて見つめる。
「ありがとう、今の話を聞いて、将来絶対起こるなら避けて通れば良い。だけど絶対なんて未来にはない、不確かな事しか無い。兄のことがあって以来僕は、自分の命はアスランに差し出しても良いと思っていた。だけど、君や将来の子供達はなどと考えると恐ろしくなった」
セバスチャンも目を逸らさずに言う。
「それはとてもわかります。フェルナンデス殿下の不幸はとても悲しいことですが、私も殿下と自分を比べたら殿下を取ると思います。しかし、そんな事になる前に出来る手立てを考えたいと思うんです。2人なら出来ると思ってみませんか」
セバスチャンが、ミッシェルの手を取って膝をついて言う
「ミッシェル、俺は君が好きだが、一番じゃない、一番はアスラン王国であり国民だ。これは、俺が生まれてきてからずーっと両親や周りに言われた事であり、自分も言い続けたことで身に染みた感情なんだ。それを了承して俺と一緒にアスラン王国を支えて欲しい」
「はい、私は、まだあなたが一番好きです。だけど殿下の側で、少しずつアスラン王国と国民が一番になる様に努力したい、それで良いですか?」
「勿論だよ。それで十分だ、2人で力を合わせて行けばどんな困難も上手くいく。それともうひとつお願いだが、2人でいる時はセバスチャンと呼んで欲しい」
「はい、セバスチャン」
ミッシェルは、恥ずかしくて顔を隠すとセバスチャンが立ち上がってミッシェルの手を退けて、もう一度顎を持ち上げて一言
「愛している」
そう言って、ミッシェルの唇はセバスチャンに塞がれた。口づけは、長くはなかったが、ミッシェルは、頭が痛くなっていた。
「君達をあまり遅くに返せないから、もう行こう」
「はい」
セバスチャンはミッシェルの手を引いて先程の部屋に戻って、クラーブを呼んだ。
10
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に1話ずつ更新
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる