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《第一部》一途なΩは幼馴染のαに恋をする
東の離宮の生活(3)
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朝からセバスチャン殿下が侍女長に連れられてリュウールのいる東の離宮にやって来た。
「おはよう、元気にしている?」
「おはようございます、セバスチャン殿下」
「気持ち悪いからセバスチャンで良いよー」
侍女長はお茶の用意をして出ていった。
「セバスチャン、何でお前のポケットの中からクラーブの匂いがするんだ」
「流石だな、恋するΩか、はいコレ、1週間に1回ぐらいで渡せるだろう」
ポケットの中から手紙とあの日のロザリオがハンカチに包まれて入っていた。
「ありがとう」
ロザリオを見つめてそっと胸にかけた。
「リュウールに感謝されるのは良い気分だ。だが、ここに一般人は入れないんで、客間に行こう」
セバスチャンに促されて王宮内の客間に行くとそこにはミッシェルがいた。2人は思わず抱きしめ合う。セバスチャンは微笑んでいる。
「おはよう、リュウール」
「おはよう、ミッシェル、君に会えてホッとしたよ。やっぱりここは王宮だからな」
セバスチャンは二人だけにしてくれた。
「そうだろうな、コレも僕とセバスチャン殿下の噂が立たない様にって思って行動したらキスまでやっちゃったって聞いたんだが、君に悪い事したかと思って」
「まぁ、キスしたのは本当だし、今でもクラーブが一番だよ。それに僕自体は悪い事したって思ってないし、ここにはいつか入る事になっていたから大丈夫だよ。このことでミッシェルを守れたのなら問題ないよ」
「リュウールは始めからクラーブが一番よね。そう言ってくれると気兼ねなく甘えておく。素敵なロザリオお母様の?」
「違うクラーブがくれた」
「だったらちゃんと服の中に入れて、みんなに見せびらかすのはダメだよ。君だけに見てもらう為の物なんだから、他人にはお母様の形見って言えば良い、このデザイン少し古いけど相当いい物だから。こういうのは仕舞って送った相手が何の時に見て喜ぶ物らしいぞ、従姉の姉さんが行ってた」
「ミッシェル、スケベだぞ」
二人は大声で笑いながらリュウールは胸に仕舞った。
ミッシェルは思った
『クラーブさんも独占欲がすごい、あのロザリオは白金だと思う、それに真ん中の石本物のダイヤモンド?わー金かかっている。それをリュウールに言うと彼は身に着けなくなるから黙っておかなくてはいけない、セバスチャン殿下にも釘を刺しておこう』
「だけど、王宮って広いよね、リュウールが初めて来た時、上を見すぎて迷子になったって聞いたけど実感したよ。兄達は未だに自分の必要があるところしか行ったことがないって言ってたし、今日はセバスチャン殿下が手を引いてくれたから迷子にならなかった」
「え、えー手を引いてセバスチャンがミッシェルを連れて来たって、今頃噂が飛んでいるぞ」
「え、嘘でしょ、そんな。後でセバスチャン殿下に聞いておかないと大変だ」
「多分、この時間なら朝議が始まっているから殆どの役人は忙しくて他人を見てないと思うよ。だから朝からミッシェルが王宮に連れてこられたんだろ」
「そうか、朝議ってセバスチャン殿下は出なくても大丈夫なの?」
「あれは、国王の采配だから、セバスチャンはまだ王太子でも、臣下でもないから関係ないよ」
「そう言えば、水掛け祭りの後には、学園を飛び級するって聞いた」
「多分、ミッシェルもだろ」
「僕は、まだ良くわかっていないから…」
「そう、だけど多分近々王宮内で暮らす事になると思うよ」
「そんな、家を出ることは…」
「アン王妃が今何処にミッシェルの離宮をするのか思案してたから、王都に住んでいてもお妃教育は秘密裏に進める為に王宮内で暮らすって聞いた。本来は南の大きな離宮で暮らすけど、今、ローラン王子夫妻が双子と一緒に暮らしているので、って言っていた」
「ローマン王子ってあの幻のだよね。リュウールは会った事ある?」
「あるよ、僕の兄の番だから」
「え、本当に、なんなの意味わかんない。だってお兄様ってトーマス・シモンズ様だよね。次男の兄の同級生だったんだよ。秀才でハンサムで、あらゆる令嬢が立候補していて、すごかったらしいよ。本人はさっさと飛び級して近衛騎士団に入団してしまったって、今や伝説だよ」
「ほ、ほんと兄様の噂って殆ど聞いた事がなかったから、びっくりだよ。だけど、兄様よりクラーブの方が頭も顔も1番だよ」
「セバスチャン殿下は頭は良いけどクラーブがいるから1番じゃないけどそこそこだって、何と言ってもクラーブさんよりハンサムだよ」
ミッシェルがリュウールに宣言した時にセバスチャンが入ってきた。
「俺のミッシェルのツンデレって可愛いだろ」
「そうだね、朝の混雑を利用して、王宮で手をつなぐなんて恥ずかしい状況にも気づかずについて歩くぐらい君にゾッコンだな」
「そう思うよね。俺の自惚れじゃないよな。だが、お前を王宮に入れる為にあの気位の高いαのクラーブが自己犠牲を払うのはリュウール、お前だけだから、寂しくても耐えてやって欲しい」
「わかっているから」
それから、水掛け祭りの女神の衣装をミッシェルも一緒に決めて打合せの後、ミッシェルをラウルに任せて、リュウールをセバスチャン殿下が東の離宮に送っていった。
「おはよう、元気にしている?」
「おはようございます、セバスチャン殿下」
「気持ち悪いからセバスチャンで良いよー」
侍女長はお茶の用意をして出ていった。
「セバスチャン、何でお前のポケットの中からクラーブの匂いがするんだ」
「流石だな、恋するΩか、はいコレ、1週間に1回ぐらいで渡せるだろう」
ポケットの中から手紙とあの日のロザリオがハンカチに包まれて入っていた。
「ありがとう」
ロザリオを見つめてそっと胸にかけた。
「リュウールに感謝されるのは良い気分だ。だが、ここに一般人は入れないんで、客間に行こう」
セバスチャンに促されて王宮内の客間に行くとそこにはミッシェルがいた。2人は思わず抱きしめ合う。セバスチャンは微笑んでいる。
「おはよう、リュウール」
「おはよう、ミッシェル、君に会えてホッとしたよ。やっぱりここは王宮だからな」
セバスチャンは二人だけにしてくれた。
「そうだろうな、コレも僕とセバスチャン殿下の噂が立たない様にって思って行動したらキスまでやっちゃったって聞いたんだが、君に悪い事したかと思って」
「まぁ、キスしたのは本当だし、今でもクラーブが一番だよ。それに僕自体は悪い事したって思ってないし、ここにはいつか入る事になっていたから大丈夫だよ。このことでミッシェルを守れたのなら問題ないよ」
「リュウールは始めからクラーブが一番よね。そう言ってくれると気兼ねなく甘えておく。素敵なロザリオお母様の?」
「違うクラーブがくれた」
「だったらちゃんと服の中に入れて、みんなに見せびらかすのはダメだよ。君だけに見てもらう為の物なんだから、他人にはお母様の形見って言えば良い、このデザイン少し古いけど相当いい物だから。こういうのは仕舞って送った相手が何の時に見て喜ぶ物らしいぞ、従姉の姉さんが行ってた」
「ミッシェル、スケベだぞ」
二人は大声で笑いながらリュウールは胸に仕舞った。
ミッシェルは思った
『クラーブさんも独占欲がすごい、あのロザリオは白金だと思う、それに真ん中の石本物のダイヤモンド?わー金かかっている。それをリュウールに言うと彼は身に着けなくなるから黙っておかなくてはいけない、セバスチャン殿下にも釘を刺しておこう』
「だけど、王宮って広いよね、リュウールが初めて来た時、上を見すぎて迷子になったって聞いたけど実感したよ。兄達は未だに自分の必要があるところしか行ったことがないって言ってたし、今日はセバスチャン殿下が手を引いてくれたから迷子にならなかった」
「え、えー手を引いてセバスチャンがミッシェルを連れて来たって、今頃噂が飛んでいるぞ」
「え、嘘でしょ、そんな。後でセバスチャン殿下に聞いておかないと大変だ」
「多分、この時間なら朝議が始まっているから殆どの役人は忙しくて他人を見てないと思うよ。だから朝からミッシェルが王宮に連れてこられたんだろ」
「そうか、朝議ってセバスチャン殿下は出なくても大丈夫なの?」
「あれは、国王の采配だから、セバスチャンはまだ王太子でも、臣下でもないから関係ないよ」
「そう言えば、水掛け祭りの後には、学園を飛び級するって聞いた」
「多分、ミッシェルもだろ」
「僕は、まだ良くわかっていないから…」
「そう、だけど多分近々王宮内で暮らす事になると思うよ」
「そんな、家を出ることは…」
「アン王妃が今何処にミッシェルの離宮をするのか思案してたから、王都に住んでいてもお妃教育は秘密裏に進める為に王宮内で暮らすって聞いた。本来は南の大きな離宮で暮らすけど、今、ローラン王子夫妻が双子と一緒に暮らしているので、って言っていた」
「ローマン王子ってあの幻のだよね。リュウールは会った事ある?」
「あるよ、僕の兄の番だから」
「え、本当に、なんなの意味わかんない。だってお兄様ってトーマス・シモンズ様だよね。次男の兄の同級生だったんだよ。秀才でハンサムで、あらゆる令嬢が立候補していて、すごかったらしいよ。本人はさっさと飛び級して近衛騎士団に入団してしまったって、今や伝説だよ」
「ほ、ほんと兄様の噂って殆ど聞いた事がなかったから、びっくりだよ。だけど、兄様よりクラーブの方が頭も顔も1番だよ」
「セバスチャン殿下は頭は良いけどクラーブがいるから1番じゃないけどそこそこだって、何と言ってもクラーブさんよりハンサムだよ」
ミッシェルがリュウールに宣言した時にセバスチャンが入ってきた。
「俺のミッシェルのツンデレって可愛いだろ」
「そうだね、朝の混雑を利用して、王宮で手をつなぐなんて恥ずかしい状況にも気づかずについて歩くぐらい君にゾッコンだな」
「そう思うよね。俺の自惚れじゃないよな。だが、お前を王宮に入れる為にあの気位の高いαのクラーブが自己犠牲を払うのはリュウール、お前だけだから、寂しくても耐えてやって欲しい」
「わかっているから」
それから、水掛け祭りの女神の衣装をミッシェルも一緒に決めて打合せの後、ミッシェルをラウルに任せて、リュウールをセバスチャン殿下が東の離宮に送っていった。
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