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《第一部》番外編
ザックとジャックとトッポ(2)
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砂漠地帯にある避難所で、ザックは2人に自分の気持ちを話した。
「2人に話がある」
「「なんだ」」
「今まで、俺って兄弟がいないから君たちが羨ましいと思っていることに気づいたが認めたくなかった。だからかもしれない、グランデール侯爵家には俺ひとりしかいない、なんでもひとりで乗り越えないと駄目だと思っていた」
「ひとりでなんでもできね~ぞ、俺らは、生まれた時から2人だけど、親方が言う、ひとつの有効な情報を得るにも、仕掛けや仕組みを作る者が居て、情報を取る者、情報を得て引き上げる時の引っ張り出すやつ、大きな仕掛けならそれを潰して痕跡を消すなど様々な人がいるって口を酸っぱく言われてきた」
ジャックは、答える。
「情報ひとつ得るにもチームでタイミングも合わせないと駄目だから相手の気持ちや状況迄知って動かないと駄目だからとも言われた」
トッポが、言う。
「そうなんだ、俺には番になりたいΩがいる。彼は、『オーデンスのΩ』と言われるΩで、天使のように可愛い。彼は、3歳の時に母親のΩであるルナおばさんを事故で亡くした。その為に王都で彼を匿う事ができないと判断され今は行方不明になっている。
彼の番として恥じない人間になりたくて、俺は頑張っているが、気ばかり焦る。彼をサポートするために必要な物を学んでいれば良いと思っていたが、自分にはあまり必要だと思わなかった事をおろそかにしていたことに気づいた」
「わかる、ザックは、いつも近道を探すだろう、勉強でも最短で解ける方法を考える。今回もここに寄るのが本当は何故だと思っていただろう。もっと最短距離で行ける道があるはずだと思っていたと思うだが、あのまま突っ切ると多分砂漠の真ん中での野営になる。だからこっちに迂回した」
トッポが、言った。
「だが、俺たちは君が、ちゃんと話せば理解度は高いことを知っている。だから、君にも感度は悪いかもしれないが、俺たちも話せばわかると言うのも知っていて欲しい」
ジャックが、話す。
「そうだな、俺は、もっと自分を晒す、その全てを見て俺についてきて欲しい」
ザックは頭を下げた。
「わかった。俺たちも自分を繕うことをやめる。俺たちも君の家来の家系だからって少し引いていたかもしれない。俺たち3人でいる時は気楽でいかないか?絶対その方が上手くいくと思う」
「そうだよ、友情を育てて行こう」
「了解だよ俺もその方が気楽だ。俺は本当は気楽な方が好きだから」
3人は笑い合い、握手した。
それから、3人は、それまでの双子とひとりではなく。3人連れの仲間になっていた。彼らは、砂漠を抜けて、オーデンスのフォンテン村に着いた時、3人は、一言も発せられなんかった。そこには、人の営みはなく、エルデの恵みと言われる恵みもない。一面に戦争の後を思わせるような無残な焼野原を晒していた。風は、焼けこげた匂いを何処か遠く迄運んでいた。
ジャックは、焼け焦げた楠木に祈りを捧げる人を見た。老人だった。
「牧師様の所への届け物なんですが、何処に行けば会えますか?」
「牧師?あいつは半年も経たずここから出て行った。フォンテン男爵家が原因だとアスラン国王に伝えに行くと言ってこの土地を見捨てた」
「フォンテン男爵は、オーデンス伯爵家の筆頭家老騎士ですよね」
「良く知っているなぁ、あのフォンテン男爵家がこの地を無闇に見捨てる訳はない。当主様がそんな事する訳はない。だが、そうしなくてはならない状況が起きたのだろう、儂はそう思っている多分、彼の方を守るためにそうなったと思う。だが、儂の友人達が、ここに眠っている。だから祈る、我が命が無くなる迄、そして何より彼の方がエルデ高原に再び舞い降りる迄祈り続ける」
「彼の方とは『オーデンスのΩ』ですね。彼は、絶対この地に戻ってきます。僕が、彼を連れてきます。もう、牧師が居ないのなら、この箱を開けよう」
ザックは、箱を開けた。そこには、供物が沢山入っていた。
「慰霊祭はいつですか?」
「明日、ここに沢山の人がきます」
「では、これを供物として使ってください」
そして、3人は、もう一度焼けこげたフォンテン村を目に焼き付けて、オーデンスの街にあるバザールに着いた。
そこには、親方のカルマが待っていた。
「親方、フォンて村に荷物は届けました。牧師はいなかったので、焼けた楠木に祈りを捧げている人に渡しました」
ザックが言う。
「わかった。明日は慰霊祭だ。オーデンス中が、各地の教会で祈りを捧げます。お前たちも慰霊祭に出るなら行っても良い」
「出ます。もう一度フォンテン村に行って目に焼き付けてきます」
3人は、一緒に頷いていた。
次の朝、3人はフォンテン村に再び来ていた。楠木の前には、数十人の人々と祭祀を司る司祭の姿があった。祭壇にはザックが昨日届けた物以外の沢山の供物があった。
暫くして、慰霊祭が行われ、鎮魂の鐘が鳴る。3人も静かに参列した。
そして、ザックが、司祭に一言皆に伝えておきたいとお願いしたら、司祭は、ザックを促した。
「皆さん、僕は、クラーブ・グランデールです。グランデール侯爵家の息子です。この地に来て初めて僕は、自分の使命を自覚しました。アスラン王国を脅かす者から人々も国土も守るために生きると言うこと、そして二度とこの風景を再現させないと言うことを皆さまの前で誓います。
『オーデンスのΩ』は、まだまだ幼くて皆さんの前には出れませんが、彼は必ずエルデ高原に降り立ちます。それまで、皆さんが力を合わせてオーデンスを守ってください。アスラン王国は、ここにある全てを見捨てることはありません。それを信じて頑張っていきましょう」
ザックは、自分の身分迄明かしても言いたいことを言った。人々は、素直に拍手してくれた。それから毎年クラーブは、『オーデンスのΩ』の名前で、供物を贈り続けた。
ジャックとトッポは、自分の身分を顧みずに晒すクラーブの覚悟を感じ、彼らもその気持ちに寄り添って生きること決めた。
3人が主人と従者と言う関係を持ち得た記念すべき日となった。3人の新たな旅立ちが、始まる。
「2人に話がある」
「「なんだ」」
「今まで、俺って兄弟がいないから君たちが羨ましいと思っていることに気づいたが認めたくなかった。だからかもしれない、グランデール侯爵家には俺ひとりしかいない、なんでもひとりで乗り越えないと駄目だと思っていた」
「ひとりでなんでもできね~ぞ、俺らは、生まれた時から2人だけど、親方が言う、ひとつの有効な情報を得るにも、仕掛けや仕組みを作る者が居て、情報を取る者、情報を得て引き上げる時の引っ張り出すやつ、大きな仕掛けならそれを潰して痕跡を消すなど様々な人がいるって口を酸っぱく言われてきた」
ジャックは、答える。
「情報ひとつ得るにもチームでタイミングも合わせないと駄目だから相手の気持ちや状況迄知って動かないと駄目だからとも言われた」
トッポが、言う。
「そうなんだ、俺には番になりたいΩがいる。彼は、『オーデンスのΩ』と言われるΩで、天使のように可愛い。彼は、3歳の時に母親のΩであるルナおばさんを事故で亡くした。その為に王都で彼を匿う事ができないと判断され今は行方不明になっている。
彼の番として恥じない人間になりたくて、俺は頑張っているが、気ばかり焦る。彼をサポートするために必要な物を学んでいれば良いと思っていたが、自分にはあまり必要だと思わなかった事をおろそかにしていたことに気づいた」
「わかる、ザックは、いつも近道を探すだろう、勉強でも最短で解ける方法を考える。今回もここに寄るのが本当は何故だと思っていただろう。もっと最短距離で行ける道があるはずだと思っていたと思うだが、あのまま突っ切ると多分砂漠の真ん中での野営になる。だからこっちに迂回した」
トッポが、言った。
「だが、俺たちは君が、ちゃんと話せば理解度は高いことを知っている。だから、君にも感度は悪いかもしれないが、俺たちも話せばわかると言うのも知っていて欲しい」
ジャックが、話す。
「そうだな、俺は、もっと自分を晒す、その全てを見て俺についてきて欲しい」
ザックは頭を下げた。
「わかった。俺たちも自分を繕うことをやめる。俺たちも君の家来の家系だからって少し引いていたかもしれない。俺たち3人でいる時は気楽でいかないか?絶対その方が上手くいくと思う」
「そうだよ、友情を育てて行こう」
「了解だよ俺もその方が気楽だ。俺は本当は気楽な方が好きだから」
3人は笑い合い、握手した。
それから、3人は、それまでの双子とひとりではなく。3人連れの仲間になっていた。彼らは、砂漠を抜けて、オーデンスのフォンテン村に着いた時、3人は、一言も発せられなんかった。そこには、人の営みはなく、エルデの恵みと言われる恵みもない。一面に戦争の後を思わせるような無残な焼野原を晒していた。風は、焼けこげた匂いを何処か遠く迄運んでいた。
ジャックは、焼け焦げた楠木に祈りを捧げる人を見た。老人だった。
「牧師様の所への届け物なんですが、何処に行けば会えますか?」
「牧師?あいつは半年も経たずここから出て行った。フォンテン男爵家が原因だとアスラン国王に伝えに行くと言ってこの土地を見捨てた」
「フォンテン男爵は、オーデンス伯爵家の筆頭家老騎士ですよね」
「良く知っているなぁ、あのフォンテン男爵家がこの地を無闇に見捨てる訳はない。当主様がそんな事する訳はない。だが、そうしなくてはならない状況が起きたのだろう、儂はそう思っている多分、彼の方を守るためにそうなったと思う。だが、儂の友人達が、ここに眠っている。だから祈る、我が命が無くなる迄、そして何より彼の方がエルデ高原に再び舞い降りる迄祈り続ける」
「彼の方とは『オーデンスのΩ』ですね。彼は、絶対この地に戻ってきます。僕が、彼を連れてきます。もう、牧師が居ないのなら、この箱を開けよう」
ザックは、箱を開けた。そこには、供物が沢山入っていた。
「慰霊祭はいつですか?」
「明日、ここに沢山の人がきます」
「では、これを供物として使ってください」
そして、3人は、もう一度焼けこげたフォンテン村を目に焼き付けて、オーデンスの街にあるバザールに着いた。
そこには、親方のカルマが待っていた。
「親方、フォンて村に荷物は届けました。牧師はいなかったので、焼けた楠木に祈りを捧げている人に渡しました」
ザックが言う。
「わかった。明日は慰霊祭だ。オーデンス中が、各地の教会で祈りを捧げます。お前たちも慰霊祭に出るなら行っても良い」
「出ます。もう一度フォンテン村に行って目に焼き付けてきます」
3人は、一緒に頷いていた。
次の朝、3人はフォンテン村に再び来ていた。楠木の前には、数十人の人々と祭祀を司る司祭の姿があった。祭壇にはザックが昨日届けた物以外の沢山の供物があった。
暫くして、慰霊祭が行われ、鎮魂の鐘が鳴る。3人も静かに参列した。
そして、ザックが、司祭に一言皆に伝えておきたいとお願いしたら、司祭は、ザックを促した。
「皆さん、僕は、クラーブ・グランデールです。グランデール侯爵家の息子です。この地に来て初めて僕は、自分の使命を自覚しました。アスラン王国を脅かす者から人々も国土も守るために生きると言うこと、そして二度とこの風景を再現させないと言うことを皆さまの前で誓います。
『オーデンスのΩ』は、まだまだ幼くて皆さんの前には出れませんが、彼は必ずエルデ高原に降り立ちます。それまで、皆さんが力を合わせてオーデンスを守ってください。アスラン王国は、ここにある全てを見捨てることはありません。それを信じて頑張っていきましょう」
ザックは、自分の身分迄明かしても言いたいことを言った。人々は、素直に拍手してくれた。それから毎年クラーブは、『オーデンスのΩ』の名前で、供物を贈り続けた。
ジャックとトッポは、自分の身分を顧みずに晒すクラーブの覚悟を感じ、彼らもその気持ちに寄り添って生きること決めた。
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