70 / 77
第四章
紅玉救出の結末
しおりを挟む
紅玉は、警察での聴取があり、『藤ノ井』の弁護士と一緒に南川警察に来ていた。
会議室に通されて、待っているとあの時の警察官の鈴木が入って来た。
「こんにちは、お久しぶりです。覚えているでしょうか、前お会いした鈴木です」
「こんにちは、覚えています。その節は無礼な態度ですみません」
「大丈夫ですよ、事件後の被害者の態度にしては耐えて、感情を抑えて対応されていたので少し心配でした。久乃先生から前向きに遊女を選んだと聞き、前向きな気持ちなら遊女も良いかもと不謹慎にも考えていました」
「そうですね。あの時の選択を後悔していません。今では遊女も良い選択だと思います」
「今回の話を聞かせてください」
鈴木は警察官の顔になって聴取を始めた。紅玉は、彼女も随分成長したのだと思いながら、聴取に応えた。
最後に野末夫人の事を教えてくれた。
野末夫人は、警察に始めこそ反抗していたが、日を追うごとに素直に取り調べに応じている。
『レイプ事件を起こした後、息子をハワイに追いやったのは息子が絶対自首すると思っていたからで、あの日の証拠は全て消し去ったのにおかしな話になると思ったからだった。しかし、一か月後からあの時の看護師や不良たちから金銭の恐喝を受けた。その為に少しずつだが、診療報酬の不正をするようになった。
咲山紅の行方も分からないなか恐喝の金額が徐々に増えてきた。その上ごまかしていた税金や診療報酬の不正を役所が調べに来て、とうとうお金が回らなくなった。
息子は、ハワイの水が有ったのか始めこそ文句も言っていたが半年で金の無心も無くなり放置していた。
夫が病気になったことで年金で暮らしはまかなえたが、恐喝は続く。
それによって気分の浮き沈みが激しくなり、家に居てばかりはと思い誰も知らないホテルの下働きに出るようになった。そんな時に『藤ノ井』のお得意様方に向けてのパーティーを目にした時に、偶然に咲山紅を見つけた。成功者たちの横で微笑む彼に嫉妬を覚えて、密かに付け回した。そして、あの日仕事を終えてホテルから出た時に彼がホテルに来たところに遭遇した。彼は、若い男には傅かれながら車を降りた。遊女らしく身体を売るためにホテルの部屋にきたんだと思った。ホテルに舞い戻って彼が部屋から出てくるのをストックコーナーで待った。出てきたところを見て犯行に及んだ。
息子を呼び出したのは、何かあったら罪を擦り付けようと考えていたが、自首しようと思っていると言うのを聞いて殺そうと思った。だが、殺す前にΩの紅に孕ませて孫を得てからでも遅くないと考えなおした』
その他にもいろいろと供述している様だった。
野末医院長は、相当痴呆が進んでいるので医者である将克の弟が、自分のいる離島の施設に連れて行ったそうだ。
そして、あのレイプ事件の関係者も恐喝や暴行犯等で捕まって各自自供して裁きを待っていると聞いた。
野末将克は、病院に運ばれたが内臓へのダメージは少なく。一週間で退院し、警察に全面に協力的に供述していた。
「咲山さん、この後Ω保護法で野末病院等を訴えますか?」
『納得しなくては、Ωに生まれた自分は納得するしかないんだ。しかし、Ωとして生まれたなら自分の気持ちに蓋をして納得するのが正しい? いやそんな事ない、バースがΩと言うだけで承諾できない納得を受け入れるのはおかしいと思う。僕はΩであり人間だ。自分の夢を叶える為に前に一歩出しても良いはずだ』と思っていると紅の中で何かが壊れていったあの日のことを思い出しながら紅は鈴木に訴えた。
「はい、だけどΩ保護法を訴えたいと思っています。Ωは無能ではないですし、発情期=セックスが大好きなわけではないです。今では随分と抑制剤も発展しています。今国がΩに無料で配布している物などは海外では使われていません。だから番のいる様なΩしか効き目のある抑制剤を手にできないのです。それに、Ωの発情期は3日は激しいと言われますが、それもその間に抑制剤を飲んで家で過ごせばどうにかできるようになっていくと思います。だから、あの法律をぶっ潰したい。そして、Ωだけでなく全ての人に納得できる法律に変えて欲しいと思います」
「なるほど、過激ですがすごくわかります。今までの価値観を変える事で、Ωがαと安全に出会い番になれる場所も必要になるでしょう。私はΩですとお伝えしてましたが覚えていますか?」
「はい」
「あなたの運動にひとりのΩとして参加します。私の夫は政治家でΩの社会進出に理解が有ります。ご紹介しても良いですか?」
「鈴木さんの警察官と言う仕事を支えてくれている方なら、良い方だと思います。これからの運動なのでひとつひとつつも重ねていくのでその時にはよろしくお願いします」
「もちろんです。人の倫理観は急には変わらないので、お互いに頑張りましょう」
鈴木と話して、紅は誰でも話せば賛同してくれる人、反対する人がいる。それを一歩ずつ変えていきながら進んで行けば良い。この事件がきっかけになることを祈った。
会議室に通されて、待っているとあの時の警察官の鈴木が入って来た。
「こんにちは、お久しぶりです。覚えているでしょうか、前お会いした鈴木です」
「こんにちは、覚えています。その節は無礼な態度ですみません」
「大丈夫ですよ、事件後の被害者の態度にしては耐えて、感情を抑えて対応されていたので少し心配でした。久乃先生から前向きに遊女を選んだと聞き、前向きな気持ちなら遊女も良いかもと不謹慎にも考えていました」
「そうですね。あの時の選択を後悔していません。今では遊女も良い選択だと思います」
「今回の話を聞かせてください」
鈴木は警察官の顔になって聴取を始めた。紅玉は、彼女も随分成長したのだと思いながら、聴取に応えた。
最後に野末夫人の事を教えてくれた。
野末夫人は、警察に始めこそ反抗していたが、日を追うごとに素直に取り調べに応じている。
『レイプ事件を起こした後、息子をハワイに追いやったのは息子が絶対自首すると思っていたからで、あの日の証拠は全て消し去ったのにおかしな話になると思ったからだった。しかし、一か月後からあの時の看護師や不良たちから金銭の恐喝を受けた。その為に少しずつだが、診療報酬の不正をするようになった。
咲山紅の行方も分からないなか恐喝の金額が徐々に増えてきた。その上ごまかしていた税金や診療報酬の不正を役所が調べに来て、とうとうお金が回らなくなった。
息子は、ハワイの水が有ったのか始めこそ文句も言っていたが半年で金の無心も無くなり放置していた。
夫が病気になったことで年金で暮らしはまかなえたが、恐喝は続く。
それによって気分の浮き沈みが激しくなり、家に居てばかりはと思い誰も知らないホテルの下働きに出るようになった。そんな時に『藤ノ井』のお得意様方に向けてのパーティーを目にした時に、偶然に咲山紅を見つけた。成功者たちの横で微笑む彼に嫉妬を覚えて、密かに付け回した。そして、あの日仕事を終えてホテルから出た時に彼がホテルに来たところに遭遇した。彼は、若い男には傅かれながら車を降りた。遊女らしく身体を売るためにホテルの部屋にきたんだと思った。ホテルに舞い戻って彼が部屋から出てくるのをストックコーナーで待った。出てきたところを見て犯行に及んだ。
息子を呼び出したのは、何かあったら罪を擦り付けようと考えていたが、自首しようと思っていると言うのを聞いて殺そうと思った。だが、殺す前にΩの紅に孕ませて孫を得てからでも遅くないと考えなおした』
その他にもいろいろと供述している様だった。
野末医院長は、相当痴呆が進んでいるので医者である将克の弟が、自分のいる離島の施設に連れて行ったそうだ。
そして、あのレイプ事件の関係者も恐喝や暴行犯等で捕まって各自自供して裁きを待っていると聞いた。
野末将克は、病院に運ばれたが内臓へのダメージは少なく。一週間で退院し、警察に全面に協力的に供述していた。
「咲山さん、この後Ω保護法で野末病院等を訴えますか?」
『納得しなくては、Ωに生まれた自分は納得するしかないんだ。しかし、Ωとして生まれたなら自分の気持ちに蓋をして納得するのが正しい? いやそんな事ない、バースがΩと言うだけで承諾できない納得を受け入れるのはおかしいと思う。僕はΩであり人間だ。自分の夢を叶える為に前に一歩出しても良いはずだ』と思っていると紅の中で何かが壊れていったあの日のことを思い出しながら紅は鈴木に訴えた。
「はい、だけどΩ保護法を訴えたいと思っています。Ωは無能ではないですし、発情期=セックスが大好きなわけではないです。今では随分と抑制剤も発展しています。今国がΩに無料で配布している物などは海外では使われていません。だから番のいる様なΩしか効き目のある抑制剤を手にできないのです。それに、Ωの発情期は3日は激しいと言われますが、それもその間に抑制剤を飲んで家で過ごせばどうにかできるようになっていくと思います。だから、あの法律をぶっ潰したい。そして、Ωだけでなく全ての人に納得できる法律に変えて欲しいと思います」
「なるほど、過激ですがすごくわかります。今までの価値観を変える事で、Ωがαと安全に出会い番になれる場所も必要になるでしょう。私はΩですとお伝えしてましたが覚えていますか?」
「はい」
「あなたの運動にひとりのΩとして参加します。私の夫は政治家でΩの社会進出に理解が有ります。ご紹介しても良いですか?」
「鈴木さんの警察官と言う仕事を支えてくれている方なら、良い方だと思います。これからの運動なのでひとつひとつつも重ねていくのでその時にはよろしくお願いします」
「もちろんです。人の倫理観は急には変わらないので、お互いに頑張りましょう」
鈴木と話して、紅は誰でも話せば賛同してくれる人、反対する人がいる。それを一歩ずつ変えていきながら進んで行けば良い。この事件がきっかけになることを祈った。
10
あなたにおすすめの小説
交際0日婚の溺愛事情
江多之折(エタノール)
BL
死にたくはない。でも、生きたくもない。ふらふらと彷徨う根無し草は、世界の怖さを知っている。救いの手は、選ばれた者にだけ差し伸べられることも知っている。
だから緩やかに終わりを探して生きていた。
──たった数回の鬼ごっこを経験するまでは。
誠実すぎて怖い人は、4回目の顔合わせで僕の夫となる。
そんな怖がりな男と誠実な男の、結婚生活の始まり。
■現実だけど現実じゃない、そんな気持ちで読んでください。
■家庭に関してトラウマを抱えている方は読まない方が良いと思います。
落としたのは化粧じゃなく、みんなの心でした
444
BL
『醜い顔…汚らしい』
幼い頃、実母が病気によって早くに亡くなった数年後に新しい義母からそう言われたシリルは、その言葉が耳に残って16歳となった今も引きずっていた。
だが、義母のその言葉は真っ赤な嘘でシリルはとても美しかった。ただ前妻の息子であるシリルに嫉妬した結果こぼした八つ当たりの言葉であったのをシリルは知らずに、義母のいう醜い顔を隠すために化粧をする。
その結果、彼は化粧によって本当に醜い顔になってしまった。そんな彼が虐げられながらも徐々に周囲を絆す話
暴力表現があるところには※をつけております
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる