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第二章
遊女の恋(茜凛)(4)
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良弥は続けて言う。
「この前、富士山貿易の富士様が、奥様を先月亡くされた。子供もいないので跡継ぎもいない、気力が湧かず会社に此れと言って会社を任せたいような人間もいないと愚痴をこぼしていたので、お前の事を話した。βで、大学も行っていないが優秀な人間が居る、両親とも鬼籍にいる。いつかは一本立ちさせたいが、興味が有れば紹介すると伝えた。
富士様自体一代で富士山貿易を一流企業に伸し上げた人が、このまま萎まれるのは忍びなかった。お前の仕事ぶりを見て、お前なら面白いかもしれないと思ったらしく喜んで鍛えてやるとおっしゃった。
間違いが起こる前にお前を引かせる予定だった。今日の結果でお前たちをこれ以上は一緒にはできない。お前は明日から富士様に預ける。茜凛の事は守ってやる。茜凛が『藤ノ井』を去る時まで死にものぐるいで働き、身請けする気で頑張らないか?」
良弥は富士社長と会った時の事を思い出し『冨士山貿易の富士社長は人格者であり先見の明を持っている。その上、彼のブレーンを司る副社長や専務各支社の支社長など誰を見ても一人一人が社長の器を持っている。それらが別々の事をしていても富士社長の考えが先の先まで行き届いている。それらを動かすために新しい力を欲したあの会社に魅力を感じた。多分平太をトップに据えて追々各パーツを取り替えて若返らせると言っていた。平太を送り出すのも責任重大だ』と良弥は不敵に平太に告げた。良弥の思惑など気づかない平太は茜凛の部屋に行ったことまでバレていたことに少し慌てていた。
「楼主は、知っていたんですか?」
「村雨が1番目に気づいた、瑞葵もな。お前が、一線を越えるより茜凛が一線を越えさせるとお前を死なすことになる。それだけは、俺はしたく無いと思ってた」
「楼主、すみません。俺が未熟なばかりにご心配をおかけいたしました。一線はどうにか越えずに来ていますが、次はもう無理だと思うのです」
平太は困り顔で茜凛の事を伝えた。『茜凛を格下などにしたくない。いつまでもニコニコとしていて欲しい。少々分かれるのは仕方がないかもしれない』と腹をくくった。
「わかっている。富士様からは、来月から半年アメリカでの仕事が入っているからそれにお前を連れていきたいと言われていて、いつからでも富士様の下に入れる話となっていたので、今から話しても明日から相手先で働ける。心配しなくても大丈夫だ。アメリカに行く前迄に様々な手続きが必要だから寝ている暇はない。富士様の仕事を手伝い茜凛を身請けする人間になって戻ってこい」
良弥は平太が腹をくくったことがわかって嬉しくなった。平太は良弥の言う日程と内容を聞いて相当な覚悟が必要だと思った。富士山貿易の富士社長は、『藤ノ井』のお客様だが、海外の接待の時に英語の堪能な瑞葵と紅玉等を外の料亭に呼ばれるお客様だと思い出す。侍従の平太にも英語で話しかけて来る洒落た社長だった。
「楼主にここまでして頂ける自分は果報者です。本当にありがとうございます。死にものぐるいで茜凛を自分の者にするためにがんばります」
「平太君君は良い上司に仕えているね。富士社長は海外でもエコノミストとしても有名でメディアにもインタビューされている程の方だ。あそこの退職者の再雇用はすぐ決まる。富士山貿易の社員は間違いなく即戦力を期待されそれを難なくできるだけの能力を持っている集団と言われている。愛する人の為ならαは頑張れるそういう生き物だと思って頑張って欲しい」
祥吾が、旅立つ平太に声をかけた。
平太は、『楼主が茜凛を守ってくれるなら後顧の憂いはなく頑張れる。一目会いたいが会えないとしても茜凛ならわかってくれる』と平太は思った。
紅玉が、『藤ノ井』に先に平太も連れずに戻ったことに、茜凛がいの一番いい気づいた。
「おかえり、早くに戻ってきたけどなんかあった?」
「ただいま、平太さんが気分が悪くなったので、僕は帰る様に久乃先生に言われて帰ってきたんだけど……」
紅玉の話に茜凛は震えていた。
「平太さんがどうしたんって?」
「前から熱があって、心配していたが、今日は、タクシーから私が降りる時にドアを開けてくれる時にふらふらして倒れた」
「そっ、そんな事って、大丈夫なの平太は」
「久乃先生がすぐに診てくださったから大丈夫だと思う」
茜凛は顔色は真っ青になっていく、紅玉が茜凛の額に手を置いて熱を診る。平熱だったが、心配になって茜凛の部屋に彼を連れて行ってベッドに寝かせる。
「気分が悪いなら、お昼も寝た方が良いよ。村雨さんには僕から言っておくからゆっくりおやすみ」
紅玉は、茜凛の動揺は平太の事を心配したためだと思うが、はっきりとしたことを知らないで心配を煽りたくなくて静かに部屋を出た。
「この前、富士山貿易の富士様が、奥様を先月亡くされた。子供もいないので跡継ぎもいない、気力が湧かず会社に此れと言って会社を任せたいような人間もいないと愚痴をこぼしていたので、お前の事を話した。βで、大学も行っていないが優秀な人間が居る、両親とも鬼籍にいる。いつかは一本立ちさせたいが、興味が有れば紹介すると伝えた。
富士様自体一代で富士山貿易を一流企業に伸し上げた人が、このまま萎まれるのは忍びなかった。お前の仕事ぶりを見て、お前なら面白いかもしれないと思ったらしく喜んで鍛えてやるとおっしゃった。
間違いが起こる前にお前を引かせる予定だった。今日の結果でお前たちをこれ以上は一緒にはできない。お前は明日から富士様に預ける。茜凛の事は守ってやる。茜凛が『藤ノ井』を去る時まで死にものぐるいで働き、身請けする気で頑張らないか?」
良弥は富士社長と会った時の事を思い出し『冨士山貿易の富士社長は人格者であり先見の明を持っている。その上、彼のブレーンを司る副社長や専務各支社の支社長など誰を見ても一人一人が社長の器を持っている。それらが別々の事をしていても富士社長の考えが先の先まで行き届いている。それらを動かすために新しい力を欲したあの会社に魅力を感じた。多分平太をトップに据えて追々各パーツを取り替えて若返らせると言っていた。平太を送り出すのも責任重大だ』と良弥は不敵に平太に告げた。良弥の思惑など気づかない平太は茜凛の部屋に行ったことまでバレていたことに少し慌てていた。
「楼主は、知っていたんですか?」
「村雨が1番目に気づいた、瑞葵もな。お前が、一線を越えるより茜凛が一線を越えさせるとお前を死なすことになる。それだけは、俺はしたく無いと思ってた」
「楼主、すみません。俺が未熟なばかりにご心配をおかけいたしました。一線はどうにか越えずに来ていますが、次はもう無理だと思うのです」
平太は困り顔で茜凛の事を伝えた。『茜凛を格下などにしたくない。いつまでもニコニコとしていて欲しい。少々分かれるのは仕方がないかもしれない』と腹をくくった。
「わかっている。富士様からは、来月から半年アメリカでの仕事が入っているからそれにお前を連れていきたいと言われていて、いつからでも富士様の下に入れる話となっていたので、今から話しても明日から相手先で働ける。心配しなくても大丈夫だ。アメリカに行く前迄に様々な手続きが必要だから寝ている暇はない。富士様の仕事を手伝い茜凛を身請けする人間になって戻ってこい」
良弥は平太が腹をくくったことがわかって嬉しくなった。平太は良弥の言う日程と内容を聞いて相当な覚悟が必要だと思った。富士山貿易の富士社長は、『藤ノ井』のお客様だが、海外の接待の時に英語の堪能な瑞葵と紅玉等を外の料亭に呼ばれるお客様だと思い出す。侍従の平太にも英語で話しかけて来る洒落た社長だった。
「楼主にここまでして頂ける自分は果報者です。本当にありがとうございます。死にものぐるいで茜凛を自分の者にするためにがんばります」
「平太君君は良い上司に仕えているね。富士社長は海外でもエコノミストとしても有名でメディアにもインタビューされている程の方だ。あそこの退職者の再雇用はすぐ決まる。富士山貿易の社員は間違いなく即戦力を期待されそれを難なくできるだけの能力を持っている集団と言われている。愛する人の為ならαは頑張れるそういう生き物だと思って頑張って欲しい」
祥吾が、旅立つ平太に声をかけた。
平太は、『楼主が茜凛を守ってくれるなら後顧の憂いはなく頑張れる。一目会いたいが会えないとしても茜凛ならわかってくれる』と平太は思った。
紅玉が、『藤ノ井』に先に平太も連れずに戻ったことに、茜凛がいの一番いい気づいた。
「おかえり、早くに戻ってきたけどなんかあった?」
「ただいま、平太さんが気分が悪くなったので、僕は帰る様に久乃先生に言われて帰ってきたんだけど……」
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「平太さんがどうしたんって?」
「前から熱があって、心配していたが、今日は、タクシーから私が降りる時にドアを開けてくれる時にふらふらして倒れた」
「そっ、そんな事って、大丈夫なの平太は」
「久乃先生がすぐに診てくださったから大丈夫だと思う」
茜凛は顔色は真っ青になっていく、紅玉が茜凛の額に手を置いて熱を診る。平熱だったが、心配になって茜凛の部屋に彼を連れて行ってベッドに寝かせる。
「気分が悪いなら、お昼も寝た方が良いよ。村雨さんには僕から言っておくからゆっくりおやすみ」
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