金曜日はピアノ

葉嶋ナノハ

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1巻

1-1

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   一 つきのひかり


 四月の雨が冷たくて優しいことを、私は知っている。


 このまま家へ帰るのは気が進まなかった。
 電車のドア際に立っていた私は、窓を濡らす細かい雨を見つめながら、次で降りようと心に決めた。そこには友人も知り合いもいない。繁華街の派手な看板も見当たらない。毎日通過するだけの駅は、彷徨さまよい歩く私にとって、刺激の少ない気楽な場所に思えた。
 改札を出て、春雨の中、折り畳み傘を広げ歩き出す。午前中は汗ばむくらいの陽気だったのに、今は肌寒い湿った空気が私を先導した。
 年季の入ったお豆腐屋さんに、お蕎麦屋そばやさん。美味しそうな匂いが届くお惣菜の店。この雰囲気には似つかわしくない、最近よく見かけるコーヒーショップ。いかにも入りづらそうな文房具屋さんに手芸洋品店。十分も歩かないうちに終わってしまう短い商店街を抜け出ると、そこから先は閑静かんせいな住宅街だった。


 広めの道路から、少しずつ幅の狭い道へと、水溜りを避けながら入っていく。次は右へ曲がる。次は左。知らない家の庭では、花の散った葉桜が、鮮やかな若い色を惜しげもなくさらけ出していた。
 次の角をまた左へ曲がったその時、雨音と共に何かの音が微かに流れてきた。一瞬止まった歩みは、そこを求めて自然と早足になる。跳ね上がる水音すら邪魔に感じた。
 息を切らして低い垣根を辿たどるとすぐに、腰ぐらいまでの高さの黒い門が現れた。表札には「深山みやま」と書かれている。門の向こうには間口の狭い、古そうな二階建ての日本家屋。水滴が滑り落ちる鉄の門に手を置くと、鍵の掛かっていないそれは、何の抵抗もなくひらく。その無防備さに、まるで招かれているような錯覚に襲われて、私は躊躇ためらうことなく門の中へ足を踏み入れた。玄関へと続く、雨に黒く濡れた飛び石を進む。五つ目で足を止めた。


 この家から聴こえてくるピアノ曲は、私が幼い頃、母が好んで弾いていたもの。何度も何度も繰り返し聴かせてくれた柔らかく透き通った旋律せんりつ。傍にいる私に微笑みかけ、母は滑らかに指を動かし続ける。その細かい動作のひとつひとつが、未だに心の中へ、しっかりと刻み込まれていた。


 懐かしさにぼんやりとしていたせいで、とっくに演奏の終わったピアノにも、いつの間にか近付いていた気配にも、全く気付かなかった。ふいにガラリと玄関の戸が開き、中から一人の男の人が現れる。

「あ」

 思わず出してしまった私の声に、こちらをいぶかしげに見つめたその人は、何かを言おうとしてそれを止めた。そして玄関脇にあるブリキの新聞受けに手をやり、馴れた動作で夕刊を引き抜くと、再び私を見た。

「何か?」
「あの、すみません私」
「保険も宗教も、電話の契約も、全部間に合ってますけど」

 そっけない口調に、このままここから逃げ出したい気分になった。恥ずかしい。きっと変に思われてる。傘の柄を強く握って言い訳を考えていると、彼は口の端を上げてほんの少しだけ笑った。

「そういうたぐいのものじゃなさそうだけど、いつからいたの」

 声が、耳に残る。真っ直ぐな視線が私をとらえた。

「そこを歩いていたら、ピアノの音が聴こえてきたので、つい入ってしまったんです。ごめんなさい」

 ここで立ち去ればいいのに――動こうとはしない自分の両足に戸惑った私は、その意味をさぐろうか迷っていた。

「好きなの? ピアノ」

 初めてのことに困惑する。

「さっきの曲が、とても好きなんです」

 男の人は無言で私の足元へ視線を移した。
 体に沿ったリネンのシャツワンピースは短めで、膝が丸見えになっている。袖のないそれに、羽織っていたのはネイビーのニットカーディガン。ヒールの高いコーラルピンクのサンダルの上を、細かい雨粒がいくつも流れた。幅広のリボンが付いたお気に入りなのに、今は何故か心細さを感じさせる。き出しの両足を微かに震わせたのも、息苦しいのも、春の肌寒さのせいだと思い込んでいた。

「どうぞ。寒いでしょ」
「え……」
「良ければ、もう一度弾くけど」

 私の返事などお構いなしに、その人はくるりと背を向けて、戸を開け放したまま玄関へ入っていった。
 他に誰がいるのか、わからない。もしかしたらこの男の人と、知らない家の中で二人きりなのかもしれない。普段ならこんなこと、絶対に有り得ないのだけれど。それでもこの人が弾いた「月の光」を間近で聴いてみたかった。私の足を止めた彼の奏でるピアノを。その声も、もう一度。
 傘を畳んだ私は彼のあとについて玄関に入り、深く息を吸い込んだ。大きな音を立てないよう、そろそろと後ろ手で引き戸を閉める。
 雨で濡れてしまったサンダルが素足に引っかかり、急ぎたい私をもたつかせた。ストラップを無理に引っ張ってかかとを外し、やっとのことで玄関先に揃える。意外と広さのある三和土たたきには、私のものの他には彼が脱いだ男物のサンダルしか置かれていなかった。

「お邪魔、します」

 妙に響いた自分の声に驚く。足裏に触れる、ひやりとした板張りの廊下は、薄暗い中でも美しく黒光りしているのがわかった。上品な香りが鼻先へ届く。何の匂いだろう。
 男の人は一度も振り向かず、さっさと歩いて、どこかの部屋へ入ってしまった。他に物音はしない。話し声も聞こえない。彼と二人きりなのだという確信が、急に私を怖気付かせた。
 本当にピアノを弾いてくれるのだろうか。
 不安に駆られ始めた私の耳に、外で聴いたものとは比べ物にならないほど大きく、美しい音色が届いた。廊下を駆け出し、音が流れ出ている部屋の入り口で足を止める。廊下と同じ板張りの部屋にはグランドピアノがひとつ。二人掛けのソファがひとつ。楽譜の入った棚がひとつ。彼が弾くピアノの音は部屋の隅々まで広がり、ひしめき合い、私を包み込んで、そこから動けなくした。持っていた鞄を足元へ落とし、空いた両手を合わせて強く握り締める。


「気に入らなかった?」

 曲が終わり、振り向いた彼に言われて初めて自分の頬が濡れていることに気付いた。

「いえ、違います」

 うつむき、指で手早くぬぐって、お辞儀をする。

「とても素敵でした。本当に、ありがとうございました」

 素敵だった。他には何の言葉も思い浮かばないくらい、素敵だった。
 顔を上げると、椅子に座る彼は、まだ私を見つめていた。紺色のVネックのニットから、白いボタンダウンのシャツがのぞいている。首元のボタンは一つだけ外されていた。ベージュのチノパンは、きちんとアイロンが掛けられ、まだ何も知らない彼の性格を教えてくれるようだった。きっと年上なんだろうけれど、若くも見える。表札に書かれていたものを頼りに、名前を呼んだ。

「あの、みやま、さん」
「はい」
「ピアノを教えていただけませんか」

 私、何を言っているんだろう。もう一人の冷静な自分を置き去りにして、抑えきれない衝動が言葉を押し出した。

「僕が君に?」

 眉を寄せた彼は、玄関で私を見かけた時と同じ顔をした。

「いつか、この曲を弾いてみたいと思っていたんです。でも小学生の時にやめてしまって」
「どうしてやめたの」
「引越しをしたんです。それで」

 とっに嘘を吐いた。引越しなんて一度もしたことはない。

「僕はピアノ教師でも何でもない、普通の会社に勤めるサラリーマンだよ」
「構いません」
「ちゃんとしたピアノ教室に通った方がいいと思うけど」
「深山さんに……教えていただきたいんです」

 しばらく沈黙した後、彼は大きな溜息を吐いて、ピアノのふたを静かに閉じた。さっきまで鍵盤に乗せていた人差し指で黒いピアノの蓋をトントンと叩き、仕方なさそうに口をひらいた。

「どこまでやったの? 練習曲は?」
「ごめんなさい。あの、下手なんです」
「いいからどこまで? 小学生でやめたっていうと、ブルグミュラーかソナチネあたり?」
「いえ、ツェルニーです」
「何番?」
「三十番の終わりの方です。バッハのインヴェンションとシンフォニアを併用していました」
「……ふうん」

 意外だという目をこちらへ向けて、彼は続けた。

「真面目に練習してたんだ。何年生まで?」
「五年生の終わりです」
「それきり弾いてないの? ピアノは?」
「ほとんど触っていません。ピアノはまだ家にあって、一応調律はしてもらってます」
「だったら問題ないけど、僕は人に教えたことがないから、どうなるかわからないよ?」
「はい」

 教えてくれるのかもしれない。今のやり取りに期待を乗せ、弾んだ調子で返事をする。嬉しさに顔がほころんでいた。そんな私とは反対に、彼はこちらに向き直りながら不機嫌そうな表情を浮かべる。

「ねえ、ちゃんと理解した?」
「え?」
「僕の言ってる意味だよ」

 低い声に体が緊張でこわる。

「どうなるかわからないって、言ったんだけど」

 私を見上げる睨むような眼差しに胸が震えた。怖い、というのとは違う。言葉の意味に気付いてしまった方がいいのか、知らないふりをしていた方がいいのか……。迷う私を無視した唇が、考えるよりも先に動いていた。

「大丈夫、です」
「あ、そう」

 ふいと横を向いてピアノの上にあった楽譜を手にし、彼が独り言のように呟いた。

「金曜の六時。それしか時間は取れないから」
「いいんですか?」
「楽譜はまだ持ってる? なければ貸すけど」
「バッハはあります。ツェルニーはもう、ないかもしれない」
「いきなりインヴェンションは難しいだろうから少し戻そうか。ここで待ってて」

 立ち上がった彼は、開け放されたままのドアから出ていった。
 足音が遠ざかると同時に大きく深呼吸をした。美しく光るピアノには私の姿が映っている。見ず知らずの、それも男の人に、自分がこんなことを頼むなんて、まだ信じられない。けれど私は、胸の中にひた隠しにしていたものを、彼の奏でる音と、その瞳の奥に見つけてしまった。……見つけたような気がした。ただ、それだけ。


「捨てたと思ってたのに、まだあった」

 苦笑しながら戻ってきた彼は、古ぼけた楽譜を手にしていた。

「指慣らしってことで、ラジリテーの三曲。簡単だし、これならすぐに感覚が戻るよ。その後ツェルニーへ移行しよう。上手く弾けなくてもいいから練習してきて」
「ありがとうございます」
「『月の光』が弾きたいってことは、最終的に『ベルガマスク組曲』でいいの?」
「そんなにずっと、本当にいいんですか?」
「さあ。君の頑張り次第だけど」

 彼は、私を試すように言った。
 この人はなぜ、私をここへ招き入れてくれたんだろう。初対面でピアノを教えてほしいなんて、普通はそんなこと受け入れられない。
 けれど、ただの興味本位というのなら、それはそれで良かった。たとえこの先、何を求められたとしても。

「あの、月謝は」
「いらない」
「でも」
「本当にいらないよ。僕は教師じゃないんだし、それに」

 すぐ隣に立っていた彼は、戸惑う私の指をそっと取った。抵抗することなど思いつかないくらい、自然な動きで。

「責任持てないからね。君の指に変な癖がついたとしても知らないし、さっき言ったようにどうなるかもわからない。それでも構わないなら来週から来ればいいし、嫌なら来なくていい。貸した楽譜はいらないから、君がそのまま処分すればいいよ」

 名残惜しさなんて微塵みじんも感じさせず、彼は私の手を離す。触れられた指先が残された彼の熱を感じていた。

「ああ、そうだ」

 薄暗くなった部屋の明かりを点け、歩き出した彼はピアノの上から何かを取り上げた。

「名前。ここに書いて」

 促された私はそこへ近づき、彼が差し出した黒い革の手帖へ、池森苑子と記す。

「いけもり、そのこ?」
「はい」

 名前を呼ばれ、奪われそうになった何かを隠しながら頷いた。

「深山さんは」
「さとし」

 彼は私が返したボールペンを左手で持ち、自分の名前を書く。
 ――深山聡。今日から私の、先生。



   二 ふたりだけのレッスン


 暖かい春の陽気は、初めてのレッスンへ向かう私の足取りを軽いものにした。全ての光景が目に柔らかく、頬に触れる風さえも私を歓迎しているように思える。
 鍵の開いた黒い門を押して飛び石の上を歩く。右側には、まだ花のない、青く大きな葉を揺らす紫陽花あじさいが、左側には黄緑色の葉を茂らせた樹木がある。足元に余計な雑草はなく、整った緑が形よく配置されていた。新聞受けの上に付いている古いインターホンを押す。ピアノの音が止み、すりガラスの引き戸の向こう側に人影が現れた。

「どうぞ」
「お邪魔、します」

 ひらいた戸から玄関へ入ると、先週と同じように、彼は私を置いて部屋へ行ってしまった。靴を揃えて廊下へ上がる。外の空気とは違い、薄暗い廊下の板がきしむ音は、私を歓迎するどころか緊張を誘おうとしているように感じられた。
 部屋に一歩入ったところで、足を止める。閉めて、という彼の言葉に従い、小さな覚悟を持って厚みのある重たい扉を引っ張り、この空間を閉じた。

「本当に来たんだね」

 ピアノの前で楽譜を片付けながら、振り向いた彼が笑った。冷ややかに感じた視線は、私の体を上から下まで往復する。図々しいお願いをして、彼の言葉を真に受けて、当たり前のようにやってきた愚かな私を、隅々まで観察しているように思えた。恥ずかしさで急激に顔が熱くなり、居心地の悪さに視線を泳がせる。

「どうしたの?」
「いえ、すみません。やっぱりご迷惑でしたよね」
「嫌なら嫌だって、はっきり言うから大丈夫だよ。今のところは迷惑じゃない。ただ、急に仕事が入る日もあるから連絡先を教えてくれると助かるんだけど」

 彼の事務的な口調が、かえって私の緊張を解いてくれた。足を踏み出し、彼とピアノに静かに近付く。ソファの後ろにある窓の向こうでは、大きな黒い蝶が羽を光らせ優雅に飛んでいた。

「携帯でいいですか?」
「ああ。僕のも教えておく」


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