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プロローグ1 ~女神に選ばれし少年~
しおりを挟む魔王が復活した。
そんな噂が、ディオス国レオン7世の耳に届くのに、そう時間はかからなかった。
大地は割け、海は荒れ、空は雷鳴轟く暗雲が立ち込め、日の光を遮った。
レオン7世は、すぐさま、各国に早馬を走らせた。
その昔、レオン1世が、創造神女神ククルより授かりし、3つの神器。
1つ、聖なる宝珠、『命の焔』
その宝珠はガーネットの様に紅く輝き、その内包に六方星のスターラインが美しくはしっている。
その聖なる光に照らされただけで、どんな病も傷も、たちどころに癒えてしまう奇跡の宝珠。
炎の中にあって、本物の勇者なら、火傷一つ負わずに手にすることが出来るという。
2つ、光の精霊石、『退魔の水』。
翡翠のようにトロリと艶をたたえ、水面のようにさざめき光る魔法の輝石きせき。
そのまばゆい閃光を浴びた悪しきもの達は、邪気を祓われ、光の彼方へと消し去られるのであった。
水の中に入れられており、勇者以外の者が掬すくおうとすると、たちまち指から流れ落ちてしまう。
そして、最後にして最強の神器、『女神の剣』。
切っ先と刃先と樋に、7つの美しい秘石が象眼されており、まさしく、女神ククルの化身と謳われていた。
ディオスの森奥深く、迷いの森の中、神秘の台座に突き刺さったまま、持ち主が現れるのを待っている…。
これら、伝説の3つの神器を扱うことが出来るのは、女神ククルに選ばれし勇者のみ。
その勇者を探せと、各国に御触れをださせたのだった。
しかし、女神ククルに選ばれた勇者は、さる王族のご子息でもなければ、屈強な歴戦の覇者でもない。
森林の山奥、辺境の片田舎に住む、ごくごく平凡な、純朴な少年だったのだ。
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