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ああ無情女神さまっ
しおりを挟む私はククル様の力で、空間と時空の狭間を越えていた。
◆◆◆
「魔神め~! 不意打ち喰らわせたうえに人質とるとか、汚いな魔神さすが汚い。
私はこれで魔神嫌いになったな。 あもりにも卑怯過ぎるでしょう?」
………マルスたちは ぶじでしょうか………。
いっこくの ゆうよも ありませんよ…。 アキラ………。
「…あ、あの! なんで、私なんかが、救世主なんですか?」
わたしたちの せかいでは
『なまえ・・・』には とくべつな ちからが そなわるのです………
「ほうほう。 私の名前は、創龍 晶だから…。」
そう…。 『龍』…。
すなわち『神』をも『創』るちから………。
わたしたちの せかい では
すさまじい ちからを はっき できるのです………
「お、おおう…。 な、なんか、スケールが大きすぎて…。」
そうですよ…。
その ちからの すさまじさ ゆえに
もし つかいみちを あやまると………。
せかいは こんとんの うずに まきこまれるでしょう………。
「………ゴクリ………。」
ふふふ… そんな かおを しないで ください………。
あなたなら だいじょうぶ…。
『晶』…。
とても うつくしい なまえ………。
あなたの こころも なまえに たがわず うつくしい………。
「そ、そっすか? ロト11爆買いして、世間を混乱に陥れちゃったけど…。 てへ⭐️」
………さあ、きょうかいを こえますよ………
「………スルーされた………。」
◆◆◆
私達が異世界にたどり着いた頃には、もう世界は混沌の闇へと化していた…。
辺り一面、濃い淀んだ瘴気が立ち込め、立っているだけでもクラクラする。
木も海も枯れ、生き物の気配はまるで無い。
…あ ああぁっ………!
私の中にいるククル様が、悲嘆の嗚咽をもらした。
「…とにかく、マルス様のところへ急ぎましょう!
彼は何処に?!」
ククル様が、泣きながら私の腕を操作した。
指差した先にあるのは、見るからにオドロオドロしい、奇岩で出来た城だった。
◆◆◆
わたしが あなたの すがたを かくしましょう………。
かれらを たすけて………!
瞬間、スーッと姿が消えていく。
よ、よーし! やってやる!
女は度胸! なんでもためしてみるのさ!
迷路のような回廊を抜け、永遠に続くかと思われるほど長い長い階段を下りていく…。
◆◆◆
ゼーハーッ!
ゼーハーッ!
ゼーハーッ!
いや、ちょっと、すんません!
体力の無いアラフォーには、この階段はキツすぎます…!!
あと すこし です…!
いやでも、足なんか、笑っちゃって…!
す、少し、休ませ……。
がんばって…! がんばって…!
ひーん! この女神様、鬼軍曹だよー。 ハートマンだよー。
◆◆◆
つ、ついに、最下層…!
も、ダメ…!
ここ、空気最高だし…、す、凄い異臭…!
あ、頭がクラクラする…!
ああ…! マルス…!
えっ!?
見ると、石牢の鉄格子の中には、沢山の奴隷姿の人々がひしめきあっていた。
そのなかで、壁際まで追い詰められている、男の子と女の子。
彼らに今にも手を出そうとしている、屈強な体躯に狼の頭を乗っけたような化け物。
ヤバい!
助けなきゃ!
で、でも、どうしよう…!
わたし、喧嘩なんて、したことな……!
「剣も無いお前に何ができる?」
剣………?
私の力…。
『創造』する力………!
………出来るかもしれない…!
大切なのはイメージ。
想像すること…。
そして、『創造』すること…!
出来た!
地球上で、最強最高の硬度を誇る、伝説の鉱物、『緋緋色金』!
なんで、知ってるかって?
二次創作も好きだったのよ!
これで打ち直した、我が国が誇る伝説の名刀!
『童子切安綱』!
なんで、詳しいかって?
ゲームにハマってたのよ!
完璧よ!
魔改造剣、『緋緋色金之剣・童子切安綱』!
「剣ならあるよっ!!!」
ククル様の祝福が解けて、私の身体が色を取り戻していく。
男の子は一瞬、面食らったようだったけど、頷くと私の手から剣を受け取り、返す刀で化け物の首と胴体をちょんぎった!
ぱねぇっ!
この子、強ぇっ!
ああ…! マルス…! よくぞ ぶじでっ………!
………へ?
えーと、ククル様?
今、なんつった?
この、年端もいかないような子が勇者様~!!??
ちょっと、なにいたいけな子供に、世界の命運背負わせちゃってるんですかっ!!
もっと、酸いも甘いも噛み分けたおっさん選べっ!!
おっさんっ!!
わたしは めがみの めいうんに したがったまで………
すべては マルスの うんめい なのです………
あ、あああああ~!!!
ああっ無情女神さまっ
………しつれいな………。
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