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幼少期
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「シルヴァ様と一緒にしないでください」
ロット君はそういってから苦虫を噛み潰したような顔をして白状した。
リュカに突かれていたせいかもしれない。
「はぁ……我、汝の呼び声に答えよ。底より伸ばせ、黒き指先、掴め、奪え、抱け___」
小さな声だが聞こえた言葉は___
中二病感満載な言葉だった。
途端、飛び出してくる、先ほどの黒い影。
意味を理解した瞬間、俺は思わず噴き出していた。
「くっ、ふふっ、あはははは!」
なるほどな、二人が出し渋っていたのはこれか。
つまり、言っている二人も恥ずかしいと。
「ふっ、ふはっ、あー面白い。良かった、俺魔法使えなくて」
こんな恥ずかしい呪文言えるかっての。
これを大真面目に世の大人たちが使っていると考えるとシュールすぎて笑える。
おっと、久しぶりにリュカにも睨まれた。
こうなると使用人も恥ずかしかったのかもしれない。
そう考えるとあの時の俺が少し救われるな。
笑いが収まると新たな疑問が湧いてくる。
「呪文って、もっと短くできないのですか?」
あんな長ったらしい呪文を唱えていたら魔物を倒す前に襲われるんじゃね?
敵にもなんの魔法使うのかバレるし。
「できるにはできるんだが…そうすると完成度の低い魔法になる」
…どゆこと?
「つまりだな…魔法には使い手の魔力と想像力が必要なんだ」
ふむふむ。
「その想像力を補うために呪文を使うんだ」
人によって呪文の長さが違うと?
「つまりロット君は想像力が乏しいと」
他の人のは聞いたことがないから分からんけども。
リュカが否定しないからそうなんだろう。
「ちなみに呪文は、自分で考えるんだ」
追い打ちをかけるように放たれた言葉で、ロット君の顔はいっそう赤くなった。
えっ!自作なの?!
ということは…
「ふーん、あれがロット君の自作ねぇ。ほーん、どうなんですか、ロット君的には?出来栄えのほどは」
にやけた顔でロット君を煽り散らかした。手をマイクのようにしてロット君の方へ差し出す。
さぞ、イラつくことだろう。
普段の恨みも込めているんだ、火力高めでいかせてもらう。
ロット君は怒りと恥ずかしさで固まってしまったので使い物にならないと判断して、標的を兄上に変える。
ロット君をからかうときにつかう手札は増えたので、次はリュカである。
「ちなみにですけど、兄上はどんな呪文を?」
風属性だというからさぞかっこいい呪文なんだろう。
きらきらした顔で詰め寄ると、兄上は「うっ」と呻き後退した。
「まあ、それはおいおい、ね」
あ、逃げやがった。
ロット君はそういってから苦虫を噛み潰したような顔をして白状した。
リュカに突かれていたせいかもしれない。
「はぁ……我、汝の呼び声に答えよ。底より伸ばせ、黒き指先、掴め、奪え、抱け___」
小さな声だが聞こえた言葉は___
中二病感満載な言葉だった。
途端、飛び出してくる、先ほどの黒い影。
意味を理解した瞬間、俺は思わず噴き出していた。
「くっ、ふふっ、あはははは!」
なるほどな、二人が出し渋っていたのはこれか。
つまり、言っている二人も恥ずかしいと。
「ふっ、ふはっ、あー面白い。良かった、俺魔法使えなくて」
こんな恥ずかしい呪文言えるかっての。
これを大真面目に世の大人たちが使っていると考えるとシュールすぎて笑える。
おっと、久しぶりにリュカにも睨まれた。
こうなると使用人も恥ずかしかったのかもしれない。
そう考えるとあの時の俺が少し救われるな。
笑いが収まると新たな疑問が湧いてくる。
「呪文って、もっと短くできないのですか?」
あんな長ったらしい呪文を唱えていたら魔物を倒す前に襲われるんじゃね?
敵にもなんの魔法使うのかバレるし。
「できるにはできるんだが…そうすると完成度の低い魔法になる」
…どゆこと?
「つまりだな…魔法には使い手の魔力と想像力が必要なんだ」
ふむふむ。
「その想像力を補うために呪文を使うんだ」
人によって呪文の長さが違うと?
「つまりロット君は想像力が乏しいと」
他の人のは聞いたことがないから分からんけども。
リュカが否定しないからそうなんだろう。
「ちなみに呪文は、自分で考えるんだ」
追い打ちをかけるように放たれた言葉で、ロット君の顔はいっそう赤くなった。
えっ!自作なの?!
ということは…
「ふーん、あれがロット君の自作ねぇ。ほーん、どうなんですか、ロット君的には?出来栄えのほどは」
にやけた顔でロット君を煽り散らかした。手をマイクのようにしてロット君の方へ差し出す。
さぞ、イラつくことだろう。
普段の恨みも込めているんだ、火力高めでいかせてもらう。
ロット君は怒りと恥ずかしさで固まってしまったので使い物にならないと判断して、標的を兄上に変える。
ロット君をからかうときにつかう手札は増えたので、次はリュカである。
「ちなみにですけど、兄上はどんな呪文を?」
風属性だというからさぞかっこいい呪文なんだろう。
きらきらした顔で詰め寄ると、兄上は「うっ」と呻き後退した。
「まあ、それはおいおい、ね」
あ、逃げやがった。
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