魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫

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幼少期

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「やっぱり、色と魔法属性は似るんですね」

リュカの緑色の髪を見ながら言うと、感心したようにうなずいた。
明らかにほっとしたような顔をしているが、俺は絶対にリュカの呪文を聞くことに決めている。
逃げられると思うなよ。

「僕は緑色の髪をしているから母上のように炎は使えないんだ」
ほー、あの人は炎属性か。
髪色、紫色だったしな。

あの人の姿はしばらく見ていないな。5歳の魔力測定以来か?


…あの人のことはいいや。今は、魔法のことである。

やはり、俺の予想通り魔法と髪色や瞳の色は似てくるらしい。
となると、もし俺の魔力があって魔法を使えたとしたら…なんの魔法が使えただろうか。
元々の髪色は薄紫。瞳は薄緑だった。

やはり、炎か風だろうか。
炎出してみてー。外で暮らすにも炎は必需品だろ?


ハリー〇ッターの世界みたいにもっと呪文をかっこよくできないわけ?

…まあでも、そうだよなぁ。外国語で言っているからかっこいいのであって現地の人から見れば、「ルーモス!」じゃなくて「光よ!」みたいに聞こえるんだから一緒か。

てか、無詠唱とかは無理なんだろうか?
無詠唱ならこっぱずかしい呪文を言わずに済むし、相手に魔法を悟られることもない。
「兄上、お二人が呪文を恥ずかしがっているのはわかりましたが、無詠唱はできないのですか?」

「恥ずか…いや。居るにはいるらしいが、ここ最近は年々減っていってるな」
おお、やっぱりいるのか。
想像力がすごいんだろうか。俺だってオタクとして想像力は培ってきた。
…俺に魔力があればこの世界で無双できたかもしれないのに。
世知辛い世の中だ。

「なぜ減っているのですか?」

「最近隣国付近で魔物が大量発生しているらしい。その魔物に襲われて、魔法使いたちがやられていっていると、父上から聞いた」
そういや、伯爵は、魔法大臣だったか。興味なさ過ぎて忘れてたわ。

「無詠唱で魔法が使えるということは、それだけ魔法に長けているということだ。そういう人たちは、なぜか戦いに出たがるんだ。国としては外に出ず国防に力を入れてほしいと、父上が嘆いていたよ」
まったく、と言いたげに首を振っている。


強い魔法使いたちは戦闘狂なのか。絶対に会いたくないな。
目が合っただけで魔法勝負を仕掛けられるんじゃないか?

魔法使いといえば、スマートなイメージだが、今のところ筋肉ダルマの戦闘狂だぞ?
俺の頭の中で、筋肉ダルマが勝負を仕掛けてきた!と草むらから飛び出してくるさまが浮かんだ。

ひょろがりの俺は一瞬でやられるな。
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