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幼少期
35~ステラの話6~
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「この世界がゲームなのは分かった。それで主人公は誰なの?」
今のところ登場人物が二人しかいないぞ。
「それ、聞いちゃいます?」
うざっ。
「実は主人公はいないんじゃないかな、と思ってます」
いない?
「そんなことあり得るの?」
「ゲームと言っても一人称なので自分の姿は分からないんです。名前も自分で決めますし。そもそもいたとして、まだ、子供です」
そうか、容姿も名前もわからないんじゃ探しようがないよな。
ということは、リュカの運命の相手は分からないのか。
なんだ、気になってたのになぁ。
ん?そうすると彼は誰なんだ。
てっきり彼は主人公なのかと思っていたが…
「ステラの話に出てくる彼は主人公じゃないの?」
主人公適正ありそうなのに。
魔力の多さ、重たい過去。攻略対象との出会い。
ピッタリじゃないか。
「ああ、彼は主人公ではないです。むしろその逆です」
逆。敵ってこと?
「なんで、敵の話から始めたの?」
「えへへ、私の一番の推しなので」
怒っていいだろうか。
可愛いからってなんでも許されると思うなよ。
「はぁ、じゃあその推しの彼はどうなるの?リュカが家を出て行かないなら森の中で死ぬんじゃない?」
「それなんですが、お願いがあります。シルヴァ様にもいいお話かと」
にっこりと笑うステラになぜだかぞわっとした。
悪い予感しかしない。
「シルヴァ様は18歳で家を追い出されるでしょう?ですが、到底生きていける気がしません」
なんだと?喧嘩売ってんのか?
これでも中身は30越えだぞ。一人暮らし歴だって長いんだ。
そんな俺の胸中を見破るように続ける。
「ここは平和な前世とは違うんです。魔法がすべて。魔物だって出てきます。そこに魔法の使えないあなたが放り出されたら…どうなります?」
はっ!確かに。生きていける気がしない。
ステラの言い方はむかつくがぐうの音も出ない。
「そこでなんですが…お金の支援をする代わりに彼を助けてくれないでしょうか」
はあ?!彼って敵なんだろ?!
リュカの代わりになれってか?
「私たちは彼の行く末を知っています。彼が魔物に殺されるのをわかっていて放置できません」
ご立派な正義感だこと。
ステラは放置できなくても俺はする。
だってそんなの知ったことじゃないし。
もしかしたら、あっちの現状も変わってるかもしれないし。
「それなら、伯爵家が助ければいいじゃないか」
「それは…難しいです。彼は司祭だけでなく王族にも知られています。というか、王族が主に利用しているのです」
おおう、そういえば司祭になれたのは王族の援助でって言っていたっけな。
「ですから、彼が魔道具を壊し自分で逃げ出してからが一番いいのです」
「うん、だから逃げ出してから伯爵家が保護すればいいだろう?」
お互いヒートアップしてだんだん声が大きくなっている。
が、ここで弱気になったら負ける。
「それは無理ね」
ステラの息を吸い込む音と同時に聞こえたのは母上の静かな声だった。
小さな声なのにその場がスッと静まり返った。
「彼は王族に狙われる。うちのような力のない伯爵家では到底勝ち目がないわ」
――そうなればこの世界が終わってしまう。
言葉を失った。
世界が終わる?
「それはどういう…」
「シルヴァ様、先ほどお願いと言いましたが撤回します。これはシルヴァ様にしかできないことなのです」
「ちょっと、待ってくれ。意味が分からない。彼を王族に取られたら世界が終わるという意味か?」
自分でも、よくわからないが母上の言い方だとそうなる。
「彼は…魔王になるのです」
――魔王?
落ち着け、さっきからスケールが大きくなりすぎだ。
王族だの、魔王だの。
「……。魔王になるのなら保護したらダメなんじゃないの?」
「いえ、魔王になっていただかないといけないのです」
……。
もう!順序だててゲームの内容を教えてくれっ!!
今のところ登場人物が二人しかいないぞ。
「それ、聞いちゃいます?」
うざっ。
「実は主人公はいないんじゃないかな、と思ってます」
いない?
「そんなことあり得るの?」
「ゲームと言っても一人称なので自分の姿は分からないんです。名前も自分で決めますし。そもそもいたとして、まだ、子供です」
そうか、容姿も名前もわからないんじゃ探しようがないよな。
ということは、リュカの運命の相手は分からないのか。
なんだ、気になってたのになぁ。
ん?そうすると彼は誰なんだ。
てっきり彼は主人公なのかと思っていたが…
「ステラの話に出てくる彼は主人公じゃないの?」
主人公適正ありそうなのに。
魔力の多さ、重たい過去。攻略対象との出会い。
ピッタリじゃないか。
「ああ、彼は主人公ではないです。むしろその逆です」
逆。敵ってこと?
「なんで、敵の話から始めたの?」
「えへへ、私の一番の推しなので」
怒っていいだろうか。
可愛いからってなんでも許されると思うなよ。
「はぁ、じゃあその推しの彼はどうなるの?リュカが家を出て行かないなら森の中で死ぬんじゃない?」
「それなんですが、お願いがあります。シルヴァ様にもいいお話かと」
にっこりと笑うステラになぜだかぞわっとした。
悪い予感しかしない。
「シルヴァ様は18歳で家を追い出されるでしょう?ですが、到底生きていける気がしません」
なんだと?喧嘩売ってんのか?
これでも中身は30越えだぞ。一人暮らし歴だって長いんだ。
そんな俺の胸中を見破るように続ける。
「ここは平和な前世とは違うんです。魔法がすべて。魔物だって出てきます。そこに魔法の使えないあなたが放り出されたら…どうなります?」
はっ!確かに。生きていける気がしない。
ステラの言い方はむかつくがぐうの音も出ない。
「そこでなんですが…お金の支援をする代わりに彼を助けてくれないでしょうか」
はあ?!彼って敵なんだろ?!
リュカの代わりになれってか?
「私たちは彼の行く末を知っています。彼が魔物に殺されるのをわかっていて放置できません」
ご立派な正義感だこと。
ステラは放置できなくても俺はする。
だってそんなの知ったことじゃないし。
もしかしたら、あっちの現状も変わってるかもしれないし。
「それなら、伯爵家が助ければいいじゃないか」
「それは…難しいです。彼は司祭だけでなく王族にも知られています。というか、王族が主に利用しているのです」
おおう、そういえば司祭になれたのは王族の援助でって言っていたっけな。
「ですから、彼が魔道具を壊し自分で逃げ出してからが一番いいのです」
「うん、だから逃げ出してから伯爵家が保護すればいいだろう?」
お互いヒートアップしてだんだん声が大きくなっている。
が、ここで弱気になったら負ける。
「それは無理ね」
ステラの息を吸い込む音と同時に聞こえたのは母上の静かな声だった。
小さな声なのにその場がスッと静まり返った。
「彼は王族に狙われる。うちのような力のない伯爵家では到底勝ち目がないわ」
――そうなればこの世界が終わってしまう。
言葉を失った。
世界が終わる?
「それはどういう…」
「シルヴァ様、先ほどお願いと言いましたが撤回します。これはシルヴァ様にしかできないことなのです」
「ちょっと、待ってくれ。意味が分からない。彼を王族に取られたら世界が終わるという意味か?」
自分でも、よくわからないが母上の言い方だとそうなる。
「彼は…魔王になるのです」
――魔王?
落ち着け、さっきからスケールが大きくなりすぎだ。
王族だの、魔王だの。
「……。魔王になるのなら保護したらダメなんじゃないの?」
「いえ、魔王になっていただかないといけないのです」
……。
もう!順序だててゲームの内容を教えてくれっ!!
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