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青年期
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パチリと目を覚まし一番に考えたことは風呂ってどうするんだろう、ということだった。
眠る前に考えていたから夢にまで出てきた。
伯爵家にいたときは、もちろん毎日風呂に入っていた。
元日本人としてシャワーでは満足できなかったんだ。
一応貴族だから大浴場の風呂があった。
兄上や、ロット君はシャワーや魔法で済ませてしまう日も多いと聞いた。
信じられないというと、それはお前の方だと二人の目が言っていた。
ステラはもちろん毎日入ってるよな、と聞いたところ「魔法って便利ですよね~」と濁された。
前世は、風呂キャンセル界隈の住人だったに違いない。
はあ、毎日温泉に浸かっているみたいで幸せだったなぁ。
もう入れないなんて。もっと入っておくべきだった。
平民となった今、家にはもちろん風呂なんてなかった。
その時の絶望感と言ったら。
この宿にはあるんだろうか。
フードをかぶり一階に降りると何人か他のお客さんがいた。
「おはよう。早いね。今日は肉と魚があるよ。どっちにする?」
昨日受付をしてくれたおばさんが笑って言った。
朝から元気だな。
あくびをかみ殺しながら肉と魚が頭の中にぐるぐる回る。
うーん、肉も魚も捨てがたい。
考えながらカウンター席に座る。
すると、隣に座っていたお客から声がかかった。
「兄ちゃん、ここの魚料理はうまいぞ。嫌いじゃなかったら食ってけよ」
冒険者のなりをした若い男が親切に教えてくれる。
「そうなのか。なら魚にするよ」
「なんであんたが偉そうなんだい。まあ、うまいのはホントさ」
とても温かな雰囲気だな。
「ああ、そうだ。ここには風呂はあるか?入りたいんだが」
そういうと、お客もおばさんも変な顔をした。
おかしなことでも聞いただろうか。
「風呂なんてここらで入れるところはあったかねぇ。みんな魔法で済ませちまうしな」
そういってお互い目を合わせてうなずきあっている。
そんなっ。ここでも魔法なのか。
みんな生活魔法的な固有スキルを持っているのだろうか?
じゃあ、俺はどうすれば。
「まあ、生活魔法が苦手な奴もいるよな。確か教会にいけばクリーン魔法を使ってもらえるはずだぞ。ま、金はとられるけどな」
フォローをしてくれたところ悪いがそうじゃないんだ。
魔法ってあれだろ。魔法をかけると体が清潔に、みたいな。
俺は風呂に浸かりたいんだ!
と、そんなことを訴えたところで風呂はないのは分かったし、かといって伯爵家に風呂だけ入らせてもらうこともできない。
ぐでぇとカウンターに伏せる俺に憐れみの視線が突き刺さった。
はぁ、とでかめのため息をつき、とりあえずご飯ができるのを待つことにした。
10分後、出てきたのは白身魚の周りに小麦粉を付けて焼かれた料理、ムニエルだった。
ふんわりとレモンの香りもする。
おお、美味しそう。
さっそくフォークとナイフでいただく。
大変美味しかった。
朝からこんな豪華なご飯を食べてしまったら、自分で作るのが嫌になるな。
満腹になったお腹をさすり、先ほど教えてもらった教会に向かう。
風呂には入れなくても綺麗にしてもらいたかった。
大通りからそれ、歩くこと10分。
ついて早々気が付いた。
ここ、5歳の時に鑑定された教会だわ。
なんか、見覚えあるなぁと思ったんだよね。
大きな建物に煌びやかな装飾が施された教会。
街の家との差が半端ないな。
俺を魔力なし認定した神官は、まだ、いるんだろうか。
そっと中を覗くと数人の神官が忙しなく動いていた。
そんな慌てるようなことがあるんだろうか。
お偉いさんが来たとか?
焦るよな。
会社にお偉いさんがくるってその日になって伝えられて、その時だけちゃんとやってます感出しちゃうんだよな。
わかるわかる。
ここまで来たけどまた、あとで来るか?
忙しそうだし。
そう思い、振り返ると目の前に人がいた。
「ヒョッ!!」
ビビりすぎておかしな声が出てしまった。
恥ずかしさから口元を手で覆うと目の前の男は、笑いをかみ殺しながら「ごめんごめん」と謝ってきた。
男は身なりからしてここの神官だろう。
腰まである金髪の髪が動くたびにさらさらと揺れている。
目はパッチリではないが糸目というやつだ。
怪しい雰囲気はあるが、あっさりとした物言いと神官の服というダブルコンボになぜか安心感を持ってしまう。
初対面だというのに。
まさか、攻略対象?
フルフルと頭を振ってその考えを振り払った。
会う人会う人みんな攻略対象に見える。
だって、もれなくみんなイケメンか、イケオジなんだもん。
「こんにちは。初めて見る顔だね」
「ああ、はい。クリーン魔法かけてもらえるって聞いて」
「ああ、なるほど。君、魔力ないもんね」
は?なんでバレたし。
眠る前に考えていたから夢にまで出てきた。
伯爵家にいたときは、もちろん毎日風呂に入っていた。
元日本人としてシャワーでは満足できなかったんだ。
一応貴族だから大浴場の風呂があった。
兄上や、ロット君はシャワーや魔法で済ませてしまう日も多いと聞いた。
信じられないというと、それはお前の方だと二人の目が言っていた。
ステラはもちろん毎日入ってるよな、と聞いたところ「魔法って便利ですよね~」と濁された。
前世は、風呂キャンセル界隈の住人だったに違いない。
はあ、毎日温泉に浸かっているみたいで幸せだったなぁ。
もう入れないなんて。もっと入っておくべきだった。
平民となった今、家にはもちろん風呂なんてなかった。
その時の絶望感と言ったら。
この宿にはあるんだろうか。
フードをかぶり一階に降りると何人か他のお客さんがいた。
「おはよう。早いね。今日は肉と魚があるよ。どっちにする?」
昨日受付をしてくれたおばさんが笑って言った。
朝から元気だな。
あくびをかみ殺しながら肉と魚が頭の中にぐるぐる回る。
うーん、肉も魚も捨てがたい。
考えながらカウンター席に座る。
すると、隣に座っていたお客から声がかかった。
「兄ちゃん、ここの魚料理はうまいぞ。嫌いじゃなかったら食ってけよ」
冒険者のなりをした若い男が親切に教えてくれる。
「そうなのか。なら魚にするよ」
「なんであんたが偉そうなんだい。まあ、うまいのはホントさ」
とても温かな雰囲気だな。
「ああ、そうだ。ここには風呂はあるか?入りたいんだが」
そういうと、お客もおばさんも変な顔をした。
おかしなことでも聞いただろうか。
「風呂なんてここらで入れるところはあったかねぇ。みんな魔法で済ませちまうしな」
そういってお互い目を合わせてうなずきあっている。
そんなっ。ここでも魔法なのか。
みんな生活魔法的な固有スキルを持っているのだろうか?
じゃあ、俺はどうすれば。
「まあ、生活魔法が苦手な奴もいるよな。確か教会にいけばクリーン魔法を使ってもらえるはずだぞ。ま、金はとられるけどな」
フォローをしてくれたところ悪いがそうじゃないんだ。
魔法ってあれだろ。魔法をかけると体が清潔に、みたいな。
俺は風呂に浸かりたいんだ!
と、そんなことを訴えたところで風呂はないのは分かったし、かといって伯爵家に風呂だけ入らせてもらうこともできない。
ぐでぇとカウンターに伏せる俺に憐れみの視線が突き刺さった。
はぁ、とでかめのため息をつき、とりあえずご飯ができるのを待つことにした。
10分後、出てきたのは白身魚の周りに小麦粉を付けて焼かれた料理、ムニエルだった。
ふんわりとレモンの香りもする。
おお、美味しそう。
さっそくフォークとナイフでいただく。
大変美味しかった。
朝からこんな豪華なご飯を食べてしまったら、自分で作るのが嫌になるな。
満腹になったお腹をさすり、先ほど教えてもらった教会に向かう。
風呂には入れなくても綺麗にしてもらいたかった。
大通りからそれ、歩くこと10分。
ついて早々気が付いた。
ここ、5歳の時に鑑定された教会だわ。
なんか、見覚えあるなぁと思ったんだよね。
大きな建物に煌びやかな装飾が施された教会。
街の家との差が半端ないな。
俺を魔力なし認定した神官は、まだ、いるんだろうか。
そっと中を覗くと数人の神官が忙しなく動いていた。
そんな慌てるようなことがあるんだろうか。
お偉いさんが来たとか?
焦るよな。
会社にお偉いさんがくるってその日になって伝えられて、その時だけちゃんとやってます感出しちゃうんだよな。
わかるわかる。
ここまで来たけどまた、あとで来るか?
忙しそうだし。
そう思い、振り返ると目の前に人がいた。
「ヒョッ!!」
ビビりすぎておかしな声が出てしまった。
恥ずかしさから口元を手で覆うと目の前の男は、笑いをかみ殺しながら「ごめんごめん」と謝ってきた。
男は身なりからしてここの神官だろう。
腰まである金髪の髪が動くたびにさらさらと揺れている。
目はパッチリではないが糸目というやつだ。
怪しい雰囲気はあるが、あっさりとした物言いと神官の服というダブルコンボになぜか安心感を持ってしまう。
初対面だというのに。
まさか、攻略対象?
フルフルと頭を振ってその考えを振り払った。
会う人会う人みんな攻略対象に見える。
だって、もれなくみんなイケメンか、イケオジなんだもん。
「こんにちは。初めて見る顔だね」
「ああ、はい。クリーン魔法かけてもらえるって聞いて」
「ああ、なるほど。君、魔力ないもんね」
は?なんでバレたし。
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