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青年期
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「ってことで、水汲みに行くんで帰ってもらって」
「兄ちゃん、一人で大丈夫かい?着いていこうか?」
あんたは、俺の保護者か。
「シルヴァさん。僕も行きましょうか?」
リウ君まで。
俺、いくつに見られてるわけ?
もう、18だよ。この世界じゃ大人のはずだ。
「心配してくれてありがたいけど、大丈夫。一人で行くよ。おじさんもありがとう」
「そうかい、それならいいが」
気を付けるんだぞ、と言い馬車の準備をし始めた。
馬さんにご飯をあげて、満足したら出発らしい。
馬さんもありがとうな。
あー、触りたい!
「何かあったらまた、来てくださいね」
「うん、まだ足りないものとかあるしね。近々行くと思うよ」
あそこは癒やしの空間だからな。営業トークだろうが、絶対に行くぞ。
リウ君はなお心配そうにこちらを見ながら馬車に乗り込んだ。
遠ざかる馬車に向かって軽く手を振りながら、今後のことを考える。
「さて、これからどうしようか」
「彼」が現れるのはこれから二ヵ月後。
それまで、俺はここで一人暮らしをしなければいけない。
魔法の使えない俺が。魔物がうろついているであろう森で。
はっきり言って無理ゲーである。
という旨をステラに訴えたところ、あるものを渡してくれた。
鞄に入っていた匂い袋だ。
魔物よけの魔道具はあるが俺は使えない。
ならばと、魔力のいらない匂い袋が採用されたわけである。
中に入っているのは「アストラ・リリウム」という花だそうで、ぱっと見は紫の小さいユリって感じだな。
魔力を使わない代わりに匂いが無くなってきたら中の花を定期的に変えないといけない。
普通は買いに行かないといけない。
が、なんとここは森の中。
この花を取りたい放題である。
以前、ステラと来た時に群生場所は、把握済みだ。
ちなみにこれはゲームに出てくるアイテムなんだと。
初期のうちは魔道具が高く買えないため森の中で採取しなければいけないらしい。
要はチュートリアルだな。
そんな匂い袋の中身「アストラ・リリウム」を水汲みと共に取ってこようと思い、現在群生場所へ向かっているところだ。
いや~、煙の方向と反対方向で良かった。
あっちには行きたくないもんね。
今、なんか起こってるっぽいし。
あー怖い。
右手にナイフと左手にバケツを持って森の中に入る。
フードも被っているのではたから見たら不審者だな。
木に縛り付けておいた黄色のリボンをたどり獣道を進んでいく。
獣と出会う確率も上がる。だが、そうなると大小の石や木の根っこなどが散らばっている道なき道を歩いていかなければいけなくなる。
若いとはいえ山登りなんてやったことのない体にはきついのだ。
木の枝を避けながら進むこと10分。
ザーッと水の音が聞こえてきた。
水場までもうすぐだ。
ここら辺もリサーチ済みである。
水はないと困るからな。
地図は描けないかとステラに聞いたことがあったのだがRPGゲームじゃないのだから、そんなものはない。ゲーム内もざっくりとした地図で転々とマップ移動できただけなので正確な場所は分からない、とのこと。
ま、期待はしてなかったけどな。
そんな思い出を振り返っていると、急に開けた場所に出た。
俺の向かっていた場所である。
「ふー、やっと着いた~」
バケツを置いて、ナイフを鞄にしまう。
慣れない山の中を歩くのは意外と疲れる。
腕を頭上に伸ばしてグーっと伸びをする。
目の前にあるのは大きな湖。
人の立ち入らない場所だから整備なんかもちろんされておらず柵もない。
足を踏み外しでもしたら、ボチャン、だ。
言っておくが俺は泳げない。
落ちでもしたら、きっと這い上がれないだろう。
プールと違うのだ。深さなんか見ただけでは分からない。
だが、人が手を入れていないということはそれだけ自然的な美しさがある。
周りは白い木と緑の葉っぱが覆い、遠くの方には動物たちの憩いの場になっているようで、シカのような姿が見える。
動物たちが飲めるのだ、飲み水として申し分ない。
覗き込めば透明な水面がゆらりと揺れた。
小魚もいるようだ。
「さて水をいただきますよっと」
バケツに水を入れてまずは一口飲む。
「うん、美味しい」
冷たい水が喉を通ったのを感じた。
朝ぶりの水だ。一口飲むと急に喉の渇きを覚えていくらでも飲めそうな気がする。
一休みを終えた俺は、バケツに再度水を汲みなおし蓋をする。
鞄に入れるためである。
このマジックバッグすごいよな。
10リットルくらい入るバケツだ。普通に持って帰ろうとするとものすごい重労働だが、この鞄に入れてしまうとあら、不思議。重さも感じないのだ。
マジックバッグ様様だ。
「次は植物採取、だな」
鞄にしまっていたナイフを取り出す。
湖から少し離れたところにその場所はあった。
紫色をしているから分かりやすい。
ここら一帯は魔物も来ないから安心だ。
なんせ魔物よけの花だからな。
何度も取りに来るのは面倒なのでまとめて一か月分くらいは持つように多めに鞄に詰めていく。
だんだん楽しくなってきて無心で取っていると泥に濡れた花を見つけた。
何だ?雨でも降ったのだろうか。
しゃがんでいた姿勢からゆっくりと立ち上がる。
腰が痛いので結構な時間熱中していたらしい。
腰をさすりながら目線を遠くにやると…ん?
ま、魔物っ?!
「アストラ・リリウム」の群生場所から少し離れた場所に鳥型の魔物の姿が見えた。
こんなところにっ!
どうすんの?どうすればいい?
初めての遭遇だよ!
あんな3メートルもある鷹みたいな魔物に襲われでもしたらひとたまりもないぞ!
「兄ちゃん、一人で大丈夫かい?着いていこうか?」
あんたは、俺の保護者か。
「シルヴァさん。僕も行きましょうか?」
リウ君まで。
俺、いくつに見られてるわけ?
もう、18だよ。この世界じゃ大人のはずだ。
「心配してくれてありがたいけど、大丈夫。一人で行くよ。おじさんもありがとう」
「そうかい、それならいいが」
気を付けるんだぞ、と言い馬車の準備をし始めた。
馬さんにご飯をあげて、満足したら出発らしい。
馬さんもありがとうな。
あー、触りたい!
「何かあったらまた、来てくださいね」
「うん、まだ足りないものとかあるしね。近々行くと思うよ」
あそこは癒やしの空間だからな。営業トークだろうが、絶対に行くぞ。
リウ君はなお心配そうにこちらを見ながら馬車に乗り込んだ。
遠ざかる馬車に向かって軽く手を振りながら、今後のことを考える。
「さて、これからどうしようか」
「彼」が現れるのはこれから二ヵ月後。
それまで、俺はここで一人暮らしをしなければいけない。
魔法の使えない俺が。魔物がうろついているであろう森で。
はっきり言って無理ゲーである。
という旨をステラに訴えたところ、あるものを渡してくれた。
鞄に入っていた匂い袋だ。
魔物よけの魔道具はあるが俺は使えない。
ならばと、魔力のいらない匂い袋が採用されたわけである。
中に入っているのは「アストラ・リリウム」という花だそうで、ぱっと見は紫の小さいユリって感じだな。
魔力を使わない代わりに匂いが無くなってきたら中の花を定期的に変えないといけない。
普通は買いに行かないといけない。
が、なんとここは森の中。
この花を取りたい放題である。
以前、ステラと来た時に群生場所は、把握済みだ。
ちなみにこれはゲームに出てくるアイテムなんだと。
初期のうちは魔道具が高く買えないため森の中で採取しなければいけないらしい。
要はチュートリアルだな。
そんな匂い袋の中身「アストラ・リリウム」を水汲みと共に取ってこようと思い、現在群生場所へ向かっているところだ。
いや~、煙の方向と反対方向で良かった。
あっちには行きたくないもんね。
今、なんか起こってるっぽいし。
あー怖い。
右手にナイフと左手にバケツを持って森の中に入る。
フードも被っているのではたから見たら不審者だな。
木に縛り付けておいた黄色のリボンをたどり獣道を進んでいく。
獣と出会う確率も上がる。だが、そうなると大小の石や木の根っこなどが散らばっている道なき道を歩いていかなければいけなくなる。
若いとはいえ山登りなんてやったことのない体にはきついのだ。
木の枝を避けながら進むこと10分。
ザーッと水の音が聞こえてきた。
水場までもうすぐだ。
ここら辺もリサーチ済みである。
水はないと困るからな。
地図は描けないかとステラに聞いたことがあったのだがRPGゲームじゃないのだから、そんなものはない。ゲーム内もざっくりとした地図で転々とマップ移動できただけなので正確な場所は分からない、とのこと。
ま、期待はしてなかったけどな。
そんな思い出を振り返っていると、急に開けた場所に出た。
俺の向かっていた場所である。
「ふー、やっと着いた~」
バケツを置いて、ナイフを鞄にしまう。
慣れない山の中を歩くのは意外と疲れる。
腕を頭上に伸ばしてグーっと伸びをする。
目の前にあるのは大きな湖。
人の立ち入らない場所だから整備なんかもちろんされておらず柵もない。
足を踏み外しでもしたら、ボチャン、だ。
言っておくが俺は泳げない。
落ちでもしたら、きっと這い上がれないだろう。
プールと違うのだ。深さなんか見ただけでは分からない。
だが、人が手を入れていないということはそれだけ自然的な美しさがある。
周りは白い木と緑の葉っぱが覆い、遠くの方には動物たちの憩いの場になっているようで、シカのような姿が見える。
動物たちが飲めるのだ、飲み水として申し分ない。
覗き込めば透明な水面がゆらりと揺れた。
小魚もいるようだ。
「さて水をいただきますよっと」
バケツに水を入れてまずは一口飲む。
「うん、美味しい」
冷たい水が喉を通ったのを感じた。
朝ぶりの水だ。一口飲むと急に喉の渇きを覚えていくらでも飲めそうな気がする。
一休みを終えた俺は、バケツに再度水を汲みなおし蓋をする。
鞄に入れるためである。
このマジックバッグすごいよな。
10リットルくらい入るバケツだ。普通に持って帰ろうとするとものすごい重労働だが、この鞄に入れてしまうとあら、不思議。重さも感じないのだ。
マジックバッグ様様だ。
「次は植物採取、だな」
鞄にしまっていたナイフを取り出す。
湖から少し離れたところにその場所はあった。
紫色をしているから分かりやすい。
ここら一帯は魔物も来ないから安心だ。
なんせ魔物よけの花だからな。
何度も取りに来るのは面倒なのでまとめて一か月分くらいは持つように多めに鞄に詰めていく。
だんだん楽しくなってきて無心で取っていると泥に濡れた花を見つけた。
何だ?雨でも降ったのだろうか。
しゃがんでいた姿勢からゆっくりと立ち上がる。
腰が痛いので結構な時間熱中していたらしい。
腰をさすりながら目線を遠くにやると…ん?
ま、魔物っ?!
「アストラ・リリウム」の群生場所から少し離れた場所に鳥型の魔物の姿が見えた。
こんなところにっ!
どうすんの?どうすればいい?
初めての遭遇だよ!
あんな3メートルもある鷹みたいな魔物に襲われでもしたらひとたまりもないぞ!
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