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青年期
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馬車に揺られること数十分。
段々と、人の姿が見えてきて賑やかな街並みが広がってくる。
そっと、息を吐きだした。
良かった、ちょっと心配だったんだよな。
あの屋敷が燃えて魔物がいっぱい出てきて街の方にも影響があったんじゃないだろうかって。
まあ、俺の家でも何もないんだから、大丈夫だろうとは思っていたけど。
あとは、いなくなったネロを探している動きがなければいいのだけど。
二人の反応的にネロのことは知らなそうではあったけど、用心するに越したことはない。
「とりあえず、昨日と同じ停留所に向かってもらっていいか?…できれば帰りもお願いしたいんだが」
御者のおじさんに聞こえるように大きな声で言った。
のだが…「いいですよ」と返事したのはリウ君だった。
なぜ?
「えっと、リウ君はお仕事大丈夫なの?今日はお休み?」
「いえ、休みではないですけど。シルヴァさんの家に行くと言ったら快諾してくれました」
なぜ?!
セレフィアさんに感謝されるようなことなんかしたっけ。心当たりがないんだが。
「というか、馬車持ってるの?」
そう聞くとおかしな顔をされた。
「転移陣があるじゃないですか。何のために行ったと思ってるんですか?」
あほの子を見るような顔をされ、うなだれる俺。
あれ、やっぱりリウ君の兄というより弟ポジかもしれない。
てか、なんだよ転移陣って。そんな便利なもんあるの?
教えてもらってないよ。
リュカよ、こういうのは基礎知識じゃないのか。
リウ君の目が訝し気に変わってきたのを見て慌てて言い繕う。
「あ、ああ、あれね。便利だよな~」
冷や汗をかきながら、はははと乾いた笑いを浮かべるとリウ君はため息をついた。
呆れられてるらしい。
…冷静になってから思うのだが、普通ただのお客の家に勝手に転移陣置くだろうか。
せめて、俺に許可を取ってくれよ。犯罪一歩手前どころか半歩前に出てるよ。
想像するに転移陣とは、空間をゆがめて、ある地点からある地点へ瞬間移動するものだと思っているのだが…それって空間魔法を使うリウ君の専売特許では?
てことは、他の人は使えないんじゃないの?
「リウ君。それって転移できるのはリウ君だけ?」
「いいえ、僕が置いた転移陣なので僕の登録した人しか使えません」
良かった。誰でも俺の家まで転移してくんのかと思った。
「登録?それってどうやんの?」
「魔法陣の上に立って魔力を流す…んです、けど」
だんだん声が弱まっていくリウ君。
俺の顔も固まってしまった。
気付いた?俺、魔力ないの。
「ま、まぁそのほかにも登録した人と触れ合っていれば大丈夫です」
触れ合う?それもできないよ?
街まで俺だけ徒歩という事実に、撃沈した俺にリウ君が戸惑っている。
いいんだ、リウ君。わかってたから。異世界みたいな経験はできないって。
…泣いてなんかないもんね。
街の停留所につくと馬車の扉を開け、まずはリウ君。その後を俺、ネロが続く。
「ありがとな、送ってもらって…とりあえず帰りもお願いしていいだろうか」
おじさんが俺の髪色を見ながら「あ、ああ。それはいいが」とうなずいてくれた。
ああ、フードしてないから魔力ないのわかるよな。
「シルヴァさん、この子は登録できるんですよね?街の入り口と家の魔法陣に登録してもらえれば転移できるので」
「ああ、うん。ネロに登録してもらうよ。いろいろありがとな。また、お店行くから」
「はい、お待ちしております」
綺麗なお辞儀を見せたリウ君は、お店の方向へ去っていった。
「じゃあ、だいたい2時間後くらいにまた来るから」
「おうよ、待ってるぞ」
――
街中でネロと二人になった俺は、とりあえず腹ごしらえかと店を探した。
周りの人の様子を見てもネロの姿に騒ぐ者はいない。
認識阻害かかっているから当たり前っちゃ、当たり前なんだが。
ネロにとっては、初めての街だろうにはしゃぐ様子もなければ怖がる様子もない。
パニックにならないのは良いが、もっと感情を出してほしいな。
離れないように、かつ触れないように並びながらレストラン街とみられる方に歩いていくと分かれ道に出た。
右側には、冒険者が集まる酒屋。
左側には女性が多いおしゃれなカフェやレストラン。
気分的にはがっつり食べたいので酒屋に行きたいところだが…ネロの体を見るにいきなりがっつりは良くないだろう。
最後にいつ食べたのかもわからない。
とすると、粥やスープ系がいいか。
そういうのって売ってるんだろうか。
できれば落ち着いて食べられるといいんだが。
……ない。全然ない。
いろんなお店を見て回るが汁物を売っているお店がない。
そんなことある?
「お腹すいてるよな」
ごめんな、不甲斐ない親で。
ちょこちょことついてくるネロに申し訳なさがつのる。
フルフルと頭をふるネロ。
「もうちょい待っててな」
もう、俺が作るか?
ネロの洋服や日用品をさっと買って、手当たり次第に使えそうな食材を買っていく。
早歩きで停留所まで行くと、おじさんが外で待っていた。
「転移陣の登録はしたか?」
あ。
段々と、人の姿が見えてきて賑やかな街並みが広がってくる。
そっと、息を吐きだした。
良かった、ちょっと心配だったんだよな。
あの屋敷が燃えて魔物がいっぱい出てきて街の方にも影響があったんじゃないだろうかって。
まあ、俺の家でも何もないんだから、大丈夫だろうとは思っていたけど。
あとは、いなくなったネロを探している動きがなければいいのだけど。
二人の反応的にネロのことは知らなそうではあったけど、用心するに越したことはない。
「とりあえず、昨日と同じ停留所に向かってもらっていいか?…できれば帰りもお願いしたいんだが」
御者のおじさんに聞こえるように大きな声で言った。
のだが…「いいですよ」と返事したのはリウ君だった。
なぜ?
「えっと、リウ君はお仕事大丈夫なの?今日はお休み?」
「いえ、休みではないですけど。シルヴァさんの家に行くと言ったら快諾してくれました」
なぜ?!
セレフィアさんに感謝されるようなことなんかしたっけ。心当たりがないんだが。
「というか、馬車持ってるの?」
そう聞くとおかしな顔をされた。
「転移陣があるじゃないですか。何のために行ったと思ってるんですか?」
あほの子を見るような顔をされ、うなだれる俺。
あれ、やっぱりリウ君の兄というより弟ポジかもしれない。
てか、なんだよ転移陣って。そんな便利なもんあるの?
教えてもらってないよ。
リュカよ、こういうのは基礎知識じゃないのか。
リウ君の目が訝し気に変わってきたのを見て慌てて言い繕う。
「あ、ああ、あれね。便利だよな~」
冷や汗をかきながら、はははと乾いた笑いを浮かべるとリウ君はため息をついた。
呆れられてるらしい。
…冷静になってから思うのだが、普通ただのお客の家に勝手に転移陣置くだろうか。
せめて、俺に許可を取ってくれよ。犯罪一歩手前どころか半歩前に出てるよ。
想像するに転移陣とは、空間をゆがめて、ある地点からある地点へ瞬間移動するものだと思っているのだが…それって空間魔法を使うリウ君の専売特許では?
てことは、他の人は使えないんじゃないの?
「リウ君。それって転移できるのはリウ君だけ?」
「いいえ、僕が置いた転移陣なので僕の登録した人しか使えません」
良かった。誰でも俺の家まで転移してくんのかと思った。
「登録?それってどうやんの?」
「魔法陣の上に立って魔力を流す…んです、けど」
だんだん声が弱まっていくリウ君。
俺の顔も固まってしまった。
気付いた?俺、魔力ないの。
「ま、まぁそのほかにも登録した人と触れ合っていれば大丈夫です」
触れ合う?それもできないよ?
街まで俺だけ徒歩という事実に、撃沈した俺にリウ君が戸惑っている。
いいんだ、リウ君。わかってたから。異世界みたいな経験はできないって。
…泣いてなんかないもんね。
街の停留所につくと馬車の扉を開け、まずはリウ君。その後を俺、ネロが続く。
「ありがとな、送ってもらって…とりあえず帰りもお願いしていいだろうか」
おじさんが俺の髪色を見ながら「あ、ああ。それはいいが」とうなずいてくれた。
ああ、フードしてないから魔力ないのわかるよな。
「シルヴァさん、この子は登録できるんですよね?街の入り口と家の魔法陣に登録してもらえれば転移できるので」
「ああ、うん。ネロに登録してもらうよ。いろいろありがとな。また、お店行くから」
「はい、お待ちしております」
綺麗なお辞儀を見せたリウ君は、お店の方向へ去っていった。
「じゃあ、だいたい2時間後くらいにまた来るから」
「おうよ、待ってるぞ」
――
街中でネロと二人になった俺は、とりあえず腹ごしらえかと店を探した。
周りの人の様子を見てもネロの姿に騒ぐ者はいない。
認識阻害かかっているから当たり前っちゃ、当たり前なんだが。
ネロにとっては、初めての街だろうにはしゃぐ様子もなければ怖がる様子もない。
パニックにならないのは良いが、もっと感情を出してほしいな。
離れないように、かつ触れないように並びながらレストラン街とみられる方に歩いていくと分かれ道に出た。
右側には、冒険者が集まる酒屋。
左側には女性が多いおしゃれなカフェやレストラン。
気分的にはがっつり食べたいので酒屋に行きたいところだが…ネロの体を見るにいきなりがっつりは良くないだろう。
最後にいつ食べたのかもわからない。
とすると、粥やスープ系がいいか。
そういうのって売ってるんだろうか。
できれば落ち着いて食べられるといいんだが。
……ない。全然ない。
いろんなお店を見て回るが汁物を売っているお店がない。
そんなことある?
「お腹すいてるよな」
ごめんな、不甲斐ない親で。
ちょこちょことついてくるネロに申し訳なさがつのる。
フルフルと頭をふるネロ。
「もうちょい待っててな」
もう、俺が作るか?
ネロの洋服や日用品をさっと買って、手当たり次第に使えそうな食材を買っていく。
早歩きで停留所まで行くと、おじさんが外で待っていた。
「転移陣の登録はしたか?」
あ。
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