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青年期
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ギルドから一歩出て気づいた。
あれ、親子登録忘れてね?
ということに。
いやー気づきたくなかった。
戻る?いやいや、そんな選択肢俺の中にはない。
あの空気感の中、戻れねえよ。
戻ってきたぞ、なんだなんだと噂されたら恥ずかしいだろうが。
またグレイヴさんのいるこのギルドに来なければいけないのは嫌だが……しょうがない。
今回は冒険者登録できただけいいとしよう。
さ、もう帰ろう。
御者のおじさんが待っている。
魔法に関する本は後にしよう。どうせまた来るのだから。
二時間後とか言いながら、大幅に時間を過ぎてしまった気がする。
ご飯まで食べちゃったし。
悪いことをした。待たずに他のお客さんを乗せていてくれていればいいんだが。
はあ。特に大きなことをした覚えはないのだが、なんかどっと疲れた。
――
「おじさん!ごめん!待たせちゃった。これお詫びにお土産買ってきた」
ここを離れる前と同じ場所に止まっていたので、他のお客さんは乗せていないと見える。
走りながら停留所につくと、おじさんは目をこすりながら、あくびをした。
ガサリと紙袋を、おじさんの前に差し出す。
「おお、やっと来たか今日はもう来ないかと思ってたぞ」
と、言いながらも嬉しそうだ。
時間を伝えておきながら遅刻だなんて元社会人として申し訳なかったので帰る道中にあった串焼き屋さんで5本買っていった。
俺がこの街で初めて食べた串焼きだ。
5本中2本は俺とネロの胃に収まった。
食べるつもりはなかったのだけどあのおいしそうな匂いが悪いと思う。
ネロもお気に召したようだった。
分かる。うまいよな。
そんなこんなで馬車に揺られ家への帰路についているわけだ。
「ネロ、帰ったらリウ君が設置してくれた転移陣に魔力流してくれるか?あ、ついでに魔力を少しだけ流す練習もしてみよう」
それくらいなら俺も見てあげられる。
見たところで教えられねえけどな。
うなずくネロによしよしと頭を撫でてやりたい衝動にかられた。
本当に黒猫のようである。
日本にいたときには黒髪の子供なんてたくさんいたのにどうしてネロは、こうもかわいく思うのだろうか。
…しょた好きとかじゃねえからな?!断じて!!
そうだ、息子だからだ。
ほら、子供自体はあまり好きじゃなくても自分の子供は可愛いっていうもんな。
それと一緒だ。自分の子は特に可愛く見えるんだ。
……誰に言い訳しているんだろうか、俺は。
ネロから視線を外し、街の様子を馬車の窓から眺める。
買い物中も思ったが、人々の様子を見ていても魔物への不安なんか一ミリも感じていないように見える。
もちろん魔王への不安も。
子供たちが無邪気に笑い、走り回りそれを注意する親たちも笑っていて平和そのものだった。
寝物語に魔王の話をするくらいだから魔物への恐怖心があってもいいような気もするが。
魔物が増えていると聞いたのに警戒心のかけらもない。
最近、魔物に鉢合わせてしまったからそう思ってしまうだけだろうか。
確かにこの街には魔物が入ってこられないように結界が張ってあったり、冒険者たちや傭兵らしき人が見回っている。
だが、もし急に結界が壊れたら?ここの人たちは戦えるのだろうか。
なんて、全く戦えない俺が心配したところでどうにもならないのだけど。
ガラス窓に頬杖をつきながら反射で映るネロの顔をジッと見つめた。
この子が将来魔王になるなんて到底信じられない。
黒猫みたいなこの子が。
誰かに害を加える?世界を滅ぼさんとする?
魔王になったらこの子はどうなるのだろう。
討伐対象になる?殺されてしまうんだろうか。
……それは、嫌だな。
――
「着いたぞ」というおじさんの声にハッとする。
考え事をしている間に家に到着したらしい。
「ありがとう。これ代金ね」
金貨を1枚渡す。
「お、おい!多すぎるぞ!」
慌てるおじさんに、馬車を下りてひらひらと手を振る。
「今日、俺たちを待ってたなら仕事にならなかっただろ?迷惑料だと思ってもらってくれ」
「お前さん見た目に似合わず豪快な奴だな」
と、呆れたようにおじさんは言った。
どういう意味だろうか。誉め言葉だと思っていいのか。
それとも、悪口?
聞こうと思って振り返ると、おじさんはすでに向きを変え出発しようとしていた。
早いな。
「おじさん!また頼むな!」
大声で手を振るとおじさんも手を振り答えてくれた。
「おう、いつでも待ってるぜ」
おじさんこそ豪快な性格だと思うのだが。
そう思いながら家の鍵を開け中に入る。
ネロには外で待ってもらって買ってきた荷物をマジックバッグから取り出してテーブルの上に置いてしまうと、俺もまた外に出た。
「お待たせネロ。じゃあ転移陣に登録しちゃおうか」
なぜ気づかなかったのだろうかと思うほどには、地面が発光している。
おかげで転移陣の場所はすぐにわかった。
家の裏にあった転移陣の上にネロに立ってもらう。
「リウ君、いつの間に転移陣なんて置いたんだろう。せめて俺には言ってからにしない?普通」
文句を言いつつ使えたら便利なので本人には言わないけども。
「ギルドでは魔力流しすぎな。あんなに一気に出さなくていいんだ。こう自分から少量の魔力を出すイメージでだな」
自分では思い切り出すイメージでやっても少しの魔力しか出せないくせに偉そうだな。
と、自分の姿を客観視して思う。
よくわかっていなさそうなネロにどう説明すればいいんだと頭を抱える。
誰かにものを教えるって難しいな。
自分が理解してないものを教えるってのも無謀な話か。
「こうちょろちょろっと出すイメージで……」
伝わってないな、これ。
まあ、いいか。別に魔力流しすぎちゃダメってことはないだろうし。
これについてはおいおい、な。
あれ、親子登録忘れてね?
ということに。
いやー気づきたくなかった。
戻る?いやいや、そんな選択肢俺の中にはない。
あの空気感の中、戻れねえよ。
戻ってきたぞ、なんだなんだと噂されたら恥ずかしいだろうが。
またグレイヴさんのいるこのギルドに来なければいけないのは嫌だが……しょうがない。
今回は冒険者登録できただけいいとしよう。
さ、もう帰ろう。
御者のおじさんが待っている。
魔法に関する本は後にしよう。どうせまた来るのだから。
二時間後とか言いながら、大幅に時間を過ぎてしまった気がする。
ご飯まで食べちゃったし。
悪いことをした。待たずに他のお客さんを乗せていてくれていればいいんだが。
はあ。特に大きなことをした覚えはないのだが、なんかどっと疲れた。
――
「おじさん!ごめん!待たせちゃった。これお詫びにお土産買ってきた」
ここを離れる前と同じ場所に止まっていたので、他のお客さんは乗せていないと見える。
走りながら停留所につくと、おじさんは目をこすりながら、あくびをした。
ガサリと紙袋を、おじさんの前に差し出す。
「おお、やっと来たか今日はもう来ないかと思ってたぞ」
と、言いながらも嬉しそうだ。
時間を伝えておきながら遅刻だなんて元社会人として申し訳なかったので帰る道中にあった串焼き屋さんで5本買っていった。
俺がこの街で初めて食べた串焼きだ。
5本中2本は俺とネロの胃に収まった。
食べるつもりはなかったのだけどあのおいしそうな匂いが悪いと思う。
ネロもお気に召したようだった。
分かる。うまいよな。
そんなこんなで馬車に揺られ家への帰路についているわけだ。
「ネロ、帰ったらリウ君が設置してくれた転移陣に魔力流してくれるか?あ、ついでに魔力を少しだけ流す練習もしてみよう」
それくらいなら俺も見てあげられる。
見たところで教えられねえけどな。
うなずくネロによしよしと頭を撫でてやりたい衝動にかられた。
本当に黒猫のようである。
日本にいたときには黒髪の子供なんてたくさんいたのにどうしてネロは、こうもかわいく思うのだろうか。
…しょた好きとかじゃねえからな?!断じて!!
そうだ、息子だからだ。
ほら、子供自体はあまり好きじゃなくても自分の子供は可愛いっていうもんな。
それと一緒だ。自分の子は特に可愛く見えるんだ。
……誰に言い訳しているんだろうか、俺は。
ネロから視線を外し、街の様子を馬車の窓から眺める。
買い物中も思ったが、人々の様子を見ていても魔物への不安なんか一ミリも感じていないように見える。
もちろん魔王への不安も。
子供たちが無邪気に笑い、走り回りそれを注意する親たちも笑っていて平和そのものだった。
寝物語に魔王の話をするくらいだから魔物への恐怖心があってもいいような気もするが。
魔物が増えていると聞いたのに警戒心のかけらもない。
最近、魔物に鉢合わせてしまったからそう思ってしまうだけだろうか。
確かにこの街には魔物が入ってこられないように結界が張ってあったり、冒険者たちや傭兵らしき人が見回っている。
だが、もし急に結界が壊れたら?ここの人たちは戦えるのだろうか。
なんて、全く戦えない俺が心配したところでどうにもならないのだけど。
ガラス窓に頬杖をつきながら反射で映るネロの顔をジッと見つめた。
この子が将来魔王になるなんて到底信じられない。
黒猫みたいなこの子が。
誰かに害を加える?世界を滅ぼさんとする?
魔王になったらこの子はどうなるのだろう。
討伐対象になる?殺されてしまうんだろうか。
……それは、嫌だな。
――
「着いたぞ」というおじさんの声にハッとする。
考え事をしている間に家に到着したらしい。
「ありがとう。これ代金ね」
金貨を1枚渡す。
「お、おい!多すぎるぞ!」
慌てるおじさんに、馬車を下りてひらひらと手を振る。
「今日、俺たちを待ってたなら仕事にならなかっただろ?迷惑料だと思ってもらってくれ」
「お前さん見た目に似合わず豪快な奴だな」
と、呆れたようにおじさんは言った。
どういう意味だろうか。誉め言葉だと思っていいのか。
それとも、悪口?
聞こうと思って振り返ると、おじさんはすでに向きを変え出発しようとしていた。
早いな。
「おじさん!また頼むな!」
大声で手を振るとおじさんも手を振り答えてくれた。
「おう、いつでも待ってるぜ」
おじさんこそ豪快な性格だと思うのだが。
そう思いながら家の鍵を開け中に入る。
ネロには外で待ってもらって買ってきた荷物をマジックバッグから取り出してテーブルの上に置いてしまうと、俺もまた外に出た。
「お待たせネロ。じゃあ転移陣に登録しちゃおうか」
なぜ気づかなかったのだろうかと思うほどには、地面が発光している。
おかげで転移陣の場所はすぐにわかった。
家の裏にあった転移陣の上にネロに立ってもらう。
「リウ君、いつの間に転移陣なんて置いたんだろう。せめて俺には言ってからにしない?普通」
文句を言いつつ使えたら便利なので本人には言わないけども。
「ギルドでは魔力流しすぎな。あんなに一気に出さなくていいんだ。こう自分から少量の魔力を出すイメージでだな」
自分では思い切り出すイメージでやっても少しの魔力しか出せないくせに偉そうだな。
と、自分の姿を客観視して思う。
よくわかっていなさそうなネロにどう説明すればいいんだと頭を抱える。
誰かにものを教えるって難しいな。
自分が理解してないものを教えるってのも無謀な話か。
「こうちょろちょろっと出すイメージで……」
伝わってないな、これ。
まあ、いいか。別に魔力流しすぎちゃダメってことはないだろうし。
これについてはおいおい、な。
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