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青年期
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「ばっ、何やってんだ!触るなって言っただろ!」
手を振り払いながら叫ぶ。
体が弱っているときに魔力まで吸い取られたら……最悪死だ。
嫌な想像にゾッとしてネロから一歩離れる。
それでも、ネロの様子が気になって顔を覗き込もうとした。
が、その時なぜか俺の視界は横に大きく揺れていた。
おかしいと思ったときには……俺の意識は途絶えていた。
――
カシャンという音に目を覚ました。
あれ、俺どうしたんだっけ。
なんで寝て…いや、寝てないな。上体は起きている。
視界が寝ているというより座っているときの高さにある。
座りながら寝てしまったのだろうか。
いや、どう考えてもおかしい。
最後に見たのは、ネロの顔のはずだ。いや、ネロの顔すら見ていないのか?
ああ、どうなったんだっけ?
思い出せない。
取りあえず、俺の身に何か起きたのは確かだ。
そうじゃなきゃ説明がつかない。
俺が知らない部屋にいる理由が。
ここは本当にどこだ。覚えがないぞ。
夢にしてはリアルな感触。固く冷たい床。あまり綺麗ではなさそうだ。
背中に冷たい感触がするから壁に寄りかかって座っているようだ。
薄暗い部屋に白い壁。
周りは鉄柵か?檻みたいに見える。部屋の中にまるでペットの囲いみたいに柵で囲われている。
俺は珍獣かなんかなのだろうか。
まさか…誘拐?家の中に誘拐犯が潜んでいた…とか。
どこかに売り飛ばされるんだろうか。
いやいや、考えすぎだ、と思おうにも視界から見える情報が完全に否定させてはくれない。
そんな恐ろしい考えを振り払うように頭を振ろうとした。
…できない。
それどころか体を固定されたようにピクリとも動かない。
視界は動く。
だが、それだけ。
痺れる薬でも盛られたのだろうか。
と、目だけで周りを見渡しているとあることに気づいた。
…これ、俺の体じゃないかも、と。
だって、俺の体はこんなに小さくないし。こんなに細っこくない。
何より視界の前で時折見える髪色が俺と正反対の色をしている。
つまり…黒色だ。
もしかしなくても、これはネロの体では?
おかしいことを言っているのは分かっているがそうとしか考えられない。
だが、ネロは今家にいるはずである。
ということは、ネロの過去だろうか。
俺はネロの幼少期を知らないし、どれだけゲームで語られているのかも知らないがネロの様子を見るに豊かな生活を送れていないことは想像に難くない。
ここは、ネロの過去で俺の意識だけが体の中に入ってしまったのだろうか。
そんなことあり得る?
考えていても現状は何も変わらない。
ただ、時間だけが過ぎていく。
俺の体はどうなっているのだろう。
ネロは大丈夫なのか?
俺は戻れるのか?
不安は尽きないが今の俺にはどうすることもできない。
まるで金縛りにあっているかのように依然として体は動きそうにない。
さて、どうするか。
現実味がなさ過ぎて冷静になってきた。
といっても体は動かないのだからどうすることもできないのだが。
そのままの姿勢でいることおそらく10分ほど。
右側からキィっという音がした。
扉の開く音だ。
驚くほど動かねぇな、とちょっと退屈し始めていた俺は、その音に飛び上がった。
心の中で。
心臓がバクバクする。
誰なんだ?
少しずつ近づいてくる靴音に戦々恐々としながらその時を待った。
「やあ、起きてたのかい。僕が来たよ」
中性的な男の声だ。なんか聞いたことがある。
男の声にブリキのおもちゃみたいに顔が動いた。
顔が動いたことに感動を覚える間もなく目の前にいた男に唖然とした。
?!
こ、こいつは…あの時の神官!
なんでこいつがここに?!
もう二度と会わないと決めていたというのに。
こんなところで見る羽目になるとは。
怪しいと思ってたんだ最初から。やはり糸目は信用ならない。
神官のくせにネロの監禁に一枚噛んでいたとは。
やたら長い金髪にへらへらと笑みを浮かべ神官の服をまとっている。
見れば見るほど胡散臭い。
男は柵の前まで来るとしゃがみ込み目を合わせてくる。
「可哀想に、いつまでこんな檻の中に閉じ込めておくのか。まったく理解できないねぇ」
「ま、あいつもうそろそろ死ぬしどうでもいっか!」
ニパッと、笑うその姿に背筋がゾッとした。
こいつはなんなんだ。
近くにいるだけで落ち着かない。
これは俺の感情か?それともネロの?
「今日はねぇ、魔物のことを勉強しよっか。嬉しいだろう?」
こちらの様子を見もせず本を持ちながらぺらぺらと話し出す。
こいつがネロに勉強?どういうことだ?
「彼らは綺麗だよ。人間と違って醜くないし馬鹿じゃない。ああ、たまに頭の弱い子がいるけど……それはそれで可愛いだろう?」
「僕の言うことは何でも聞いてくれるんだぁ。この前もムカつくやつがいてね。食べてもらっちゃった」
屈託のない顔で笑いながらとんでもないことを言っている。
食べてもらった?何を?人をか?
サイコパスだろ。こいつ。
自分と同じ人間とは思えない。
「ああ、ごめんね。脱線しちゃった。えっとどこからだっけな。ああここからだ。「魔物は魔王から生まれる」だって、これ間違ってるよ。僕が本当のことを教えてあげるね。彼らは皆、人間なんだ。魔王様のもとに行くと魔力が膨れ上がって体が変化してっちゃうんだって。いいなぁうらやましい!僕もおそばに置いてくれないだろうか」
は?
手を振り払いながら叫ぶ。
体が弱っているときに魔力まで吸い取られたら……最悪死だ。
嫌な想像にゾッとしてネロから一歩離れる。
それでも、ネロの様子が気になって顔を覗き込もうとした。
が、その時なぜか俺の視界は横に大きく揺れていた。
おかしいと思ったときには……俺の意識は途絶えていた。
――
カシャンという音に目を覚ました。
あれ、俺どうしたんだっけ。
なんで寝て…いや、寝てないな。上体は起きている。
視界が寝ているというより座っているときの高さにある。
座りながら寝てしまったのだろうか。
いや、どう考えてもおかしい。
最後に見たのは、ネロの顔のはずだ。いや、ネロの顔すら見ていないのか?
ああ、どうなったんだっけ?
思い出せない。
取りあえず、俺の身に何か起きたのは確かだ。
そうじゃなきゃ説明がつかない。
俺が知らない部屋にいる理由が。
ここは本当にどこだ。覚えがないぞ。
夢にしてはリアルな感触。固く冷たい床。あまり綺麗ではなさそうだ。
背中に冷たい感触がするから壁に寄りかかって座っているようだ。
薄暗い部屋に白い壁。
周りは鉄柵か?檻みたいに見える。部屋の中にまるでペットの囲いみたいに柵で囲われている。
俺は珍獣かなんかなのだろうか。
まさか…誘拐?家の中に誘拐犯が潜んでいた…とか。
どこかに売り飛ばされるんだろうか。
いやいや、考えすぎだ、と思おうにも視界から見える情報が完全に否定させてはくれない。
そんな恐ろしい考えを振り払うように頭を振ろうとした。
…できない。
それどころか体を固定されたようにピクリとも動かない。
視界は動く。
だが、それだけ。
痺れる薬でも盛られたのだろうか。
と、目だけで周りを見渡しているとあることに気づいた。
…これ、俺の体じゃないかも、と。
だって、俺の体はこんなに小さくないし。こんなに細っこくない。
何より視界の前で時折見える髪色が俺と正反対の色をしている。
つまり…黒色だ。
もしかしなくても、これはネロの体では?
おかしいことを言っているのは分かっているがそうとしか考えられない。
だが、ネロは今家にいるはずである。
ということは、ネロの過去だろうか。
俺はネロの幼少期を知らないし、どれだけゲームで語られているのかも知らないがネロの様子を見るに豊かな生活を送れていないことは想像に難くない。
ここは、ネロの過去で俺の意識だけが体の中に入ってしまったのだろうか。
そんなことあり得る?
考えていても現状は何も変わらない。
ただ、時間だけが過ぎていく。
俺の体はどうなっているのだろう。
ネロは大丈夫なのか?
俺は戻れるのか?
不安は尽きないが今の俺にはどうすることもできない。
まるで金縛りにあっているかのように依然として体は動きそうにない。
さて、どうするか。
現実味がなさ過ぎて冷静になってきた。
といっても体は動かないのだからどうすることもできないのだが。
そのままの姿勢でいることおそらく10分ほど。
右側からキィっという音がした。
扉の開く音だ。
驚くほど動かねぇな、とちょっと退屈し始めていた俺は、その音に飛び上がった。
心の中で。
心臓がバクバクする。
誰なんだ?
少しずつ近づいてくる靴音に戦々恐々としながらその時を待った。
「やあ、起きてたのかい。僕が来たよ」
中性的な男の声だ。なんか聞いたことがある。
男の声にブリキのおもちゃみたいに顔が動いた。
顔が動いたことに感動を覚える間もなく目の前にいた男に唖然とした。
?!
こ、こいつは…あの時の神官!
なんでこいつがここに?!
もう二度と会わないと決めていたというのに。
こんなところで見る羽目になるとは。
怪しいと思ってたんだ最初から。やはり糸目は信用ならない。
神官のくせにネロの監禁に一枚噛んでいたとは。
やたら長い金髪にへらへらと笑みを浮かべ神官の服をまとっている。
見れば見るほど胡散臭い。
男は柵の前まで来るとしゃがみ込み目を合わせてくる。
「可哀想に、いつまでこんな檻の中に閉じ込めておくのか。まったく理解できないねぇ」
「ま、あいつもうそろそろ死ぬしどうでもいっか!」
ニパッと、笑うその姿に背筋がゾッとした。
こいつはなんなんだ。
近くにいるだけで落ち着かない。
これは俺の感情か?それともネロの?
「今日はねぇ、魔物のことを勉強しよっか。嬉しいだろう?」
こちらの様子を見もせず本を持ちながらぺらぺらと話し出す。
こいつがネロに勉強?どういうことだ?
「彼らは綺麗だよ。人間と違って醜くないし馬鹿じゃない。ああ、たまに頭の弱い子がいるけど……それはそれで可愛いだろう?」
「僕の言うことは何でも聞いてくれるんだぁ。この前もムカつくやつがいてね。食べてもらっちゃった」
屈託のない顔で笑いながらとんでもないことを言っている。
食べてもらった?何を?人をか?
サイコパスだろ。こいつ。
自分と同じ人間とは思えない。
「ああ、ごめんね。脱線しちゃった。えっとどこからだっけな。ああここからだ。「魔物は魔王から生まれる」だって、これ間違ってるよ。僕が本当のことを教えてあげるね。彼らは皆、人間なんだ。魔王様のもとに行くと魔力が膨れ上がって体が変化してっちゃうんだって。いいなぁうらやましい!僕もおそばに置いてくれないだろうか」
は?
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