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再災害
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「ごめん、我慢出来なくて」
「別にいいよ、今日、僕もマキナと同じようにこの部屋で号泣したから」
何度も涙を拭ったせいか目の周りを赤くしたマキナがクスッと笑み浮かべた。
「もしかしてそれって私のせい?」
「いや僕自身のせいだよ。自分が気持ち悪くて腹が立って殴りたくて殺したくて仕方がなかった」
「カナタのしたことは人間として普通のことよ。私だって父や執事を見捨ててこの世界に逃げてきたんだもん」
僕は何も言えなかった。きっとマキナも僕も今、同じようなことを考えているのだろう。
それは後悔だ。あの時、きっと自分にできたことがあったはずだ。
もうこんな辛い思いはしたくない。2度と同じ失敗をしてたまるか。
「提案なんだけどさ。マキナはこの世界の通過を持ってないよね?」
コクリと首肯するマキナ。
「日本は確かに平和だよ。でもやっぱり危険なことには変わりないんだ。マキナさえ良ければこの家で暮らさない?」
「え、ええ!? いや、うん確かにこの上なく嬉しい提案なんだけど、その……カナタは良いの?」
モジモジとしながらマキナが言った。ドキッとしたがすぐに別の少女が思い浮かぶ。
「僕は大丈夫。でも母さん達は分からない。誤解は生みたくないんだ。だからこの家とは言ったけど正確には僕の部屋だけ」
数分間考えた後ちマキナが僕に手を差し出した。僕はその手を握る。初めて母さん以外の異性と触れ合った。
「迷惑ばかりかけてゴメンなさい。本当にありがとう。この世界で初めて出会った人がカナタで良かった……」
「色々と大変かもしれない。でも協力していこう。」
「どうしてそこまでしてくれるの?」
僕は迷わずこう言った。
「僕のためさ」
「やっぱりカナタは面白いわね。普通そこはマキナの為って言うでしょ」
少し呆れたように、落胆したようにマキナが言った。
「え、じゃあマキナの為だよ」
「遅いってーの!」
マキナが片目を閉じながら口をツンとさせて僕の鼻先を人差し指でつついた。
ボロボロの服を着た女の子がこんな近くに……
すぐにマキナから離れる。
「じゃ、ぼ、僕は服を取ってくるから待ってて」
「ん? 服……あ、あぁぁバカ!」
マキナが顔を真っ赤にしながら怒鳴った。
多分僕は悪くないが一応謝罪してドアを開ける。
「ん……」
マキナが顔をしかめた。
「どうした、何かあった?」
「ううん、何でもない。そんなことより早く服を取ってきてよね」
「分かった、分かったからもう少し声量を小さくして」
部屋にマキナを残し僕は階段を降りて母さん達の寝室へと移動する。
まあどんな服でもいいよな。マキナは母さんより背が高いからブカブカそうなこれでいいや。
タンスから母さんが寝るときに着るパーカーを取り出して寝室から出ると廊下を歩いてきた父さんと衝突してしまった。
「いてて……父さんごめん」
僕は転けたというのに父さんは平然とした表情で立っていた。どうして僕は母さんに似てしまったのだろう。父さんに似ていればもっと逞しくなってたかもしれないのに……
笑いながら父さんが差し出す手を握り立つ。
「おぉ悪いカナタ。いや、何でお前、母さんと父さん寝室にいるんだ?」
父さんの視線は僕の持つパーカーに向けられていた。
「洗濯に出すのを忘れててさパジャマがなくて母さんのパーカーを借りようと思って」
「そういうことか。じゃあ俺のを貸してやるぞ」
すぐに首をふって断る。
「父さんのじゃブカブカ過ぎるよ」
「全く、母さんの料理を食ってるのにどうしてお前はそんなにヒョロいのか。俺を見ろ!」
力こぶを作る父さん。ボディビルダー顔負けの筋肉だ。僕の腕の2倍はありそうだ。
事件が起きて帰って来たらしいけど父さんならあの公園の悪魔さえ殺してしまいそうだ。
あれ、そう言えば……
「父さんは何をしてるのさ」
「久しぶりにお前の勉強を見てやろうと思ってな」
「父さんの知恵じゃ教えられないって」
「それもそうだな。まあ勉強を見るってのは口実だ。カナタと久しぶりに話したかったんだ」
「じゃ、待っててパジャマとって来るから」
「んーそうだな父さんはリビングにいるからすぐに来いよ!」
「うん分かった」
そのまま父さんを背に向けて階段を上がり僕の部屋に戻る。
「遅かったわね」
部屋に入るなりこの言葉。
「はいこれ着て。じゃあ僕は父さんに用事があるからこの部屋で待っててよ。またすぐに戻るから」
「分かった。でもその……ううん何でもない」
「うん? まあいいや。じゃあまた後で」
「うん」
マキナが微笑むのを見て僕は父さんの待つリビングに向かった。
「別にいいよ、今日、僕もマキナと同じようにこの部屋で号泣したから」
何度も涙を拭ったせいか目の周りを赤くしたマキナがクスッと笑み浮かべた。
「もしかしてそれって私のせい?」
「いや僕自身のせいだよ。自分が気持ち悪くて腹が立って殴りたくて殺したくて仕方がなかった」
「カナタのしたことは人間として普通のことよ。私だって父や執事を見捨ててこの世界に逃げてきたんだもん」
僕は何も言えなかった。きっとマキナも僕も今、同じようなことを考えているのだろう。
それは後悔だ。あの時、きっと自分にできたことがあったはずだ。
もうこんな辛い思いはしたくない。2度と同じ失敗をしてたまるか。
「提案なんだけどさ。マキナはこの世界の通過を持ってないよね?」
コクリと首肯するマキナ。
「日本は確かに平和だよ。でもやっぱり危険なことには変わりないんだ。マキナさえ良ければこの家で暮らさない?」
「え、ええ!? いや、うん確かにこの上なく嬉しい提案なんだけど、その……カナタは良いの?」
モジモジとしながらマキナが言った。ドキッとしたがすぐに別の少女が思い浮かぶ。
「僕は大丈夫。でも母さん達は分からない。誤解は生みたくないんだ。だからこの家とは言ったけど正確には僕の部屋だけ」
数分間考えた後ちマキナが僕に手を差し出した。僕はその手を握る。初めて母さん以外の異性と触れ合った。
「迷惑ばかりかけてゴメンなさい。本当にありがとう。この世界で初めて出会った人がカナタで良かった……」
「色々と大変かもしれない。でも協力していこう。」
「どうしてそこまでしてくれるの?」
僕は迷わずこう言った。
「僕のためさ」
「やっぱりカナタは面白いわね。普通そこはマキナの為って言うでしょ」
少し呆れたように、落胆したようにマキナが言った。
「え、じゃあマキナの為だよ」
「遅いってーの!」
マキナが片目を閉じながら口をツンとさせて僕の鼻先を人差し指でつついた。
ボロボロの服を着た女の子がこんな近くに……
すぐにマキナから離れる。
「じゃ、ぼ、僕は服を取ってくるから待ってて」
「ん? 服……あ、あぁぁバカ!」
マキナが顔を真っ赤にしながら怒鳴った。
多分僕は悪くないが一応謝罪してドアを開ける。
「ん……」
マキナが顔をしかめた。
「どうした、何かあった?」
「ううん、何でもない。そんなことより早く服を取ってきてよね」
「分かった、分かったからもう少し声量を小さくして」
部屋にマキナを残し僕は階段を降りて母さん達の寝室へと移動する。
まあどんな服でもいいよな。マキナは母さんより背が高いからブカブカそうなこれでいいや。
タンスから母さんが寝るときに着るパーカーを取り出して寝室から出ると廊下を歩いてきた父さんと衝突してしまった。
「いてて……父さんごめん」
僕は転けたというのに父さんは平然とした表情で立っていた。どうして僕は母さんに似てしまったのだろう。父さんに似ていればもっと逞しくなってたかもしれないのに……
笑いながら父さんが差し出す手を握り立つ。
「おぉ悪いカナタ。いや、何でお前、母さんと父さん寝室にいるんだ?」
父さんの視線は僕の持つパーカーに向けられていた。
「洗濯に出すのを忘れててさパジャマがなくて母さんのパーカーを借りようと思って」
「そういうことか。じゃあ俺のを貸してやるぞ」
すぐに首をふって断る。
「父さんのじゃブカブカ過ぎるよ」
「全く、母さんの料理を食ってるのにどうしてお前はそんなにヒョロいのか。俺を見ろ!」
力こぶを作る父さん。ボディビルダー顔負けの筋肉だ。僕の腕の2倍はありそうだ。
事件が起きて帰って来たらしいけど父さんならあの公園の悪魔さえ殺してしまいそうだ。
あれ、そう言えば……
「父さんは何をしてるのさ」
「久しぶりにお前の勉強を見てやろうと思ってな」
「父さんの知恵じゃ教えられないって」
「それもそうだな。まあ勉強を見るってのは口実だ。カナタと久しぶりに話したかったんだ」
「じゃ、待っててパジャマとって来るから」
「んーそうだな父さんはリビングにいるからすぐに来いよ!」
「うん分かった」
そのまま父さんを背に向けて階段を上がり僕の部屋に戻る。
「遅かったわね」
部屋に入るなりこの言葉。
「はいこれ着て。じゃあ僕は父さんに用事があるからこの部屋で待っててよ。またすぐに戻るから」
「分かった。でもその……ううん何でもない」
「うん? まあいいや。じゃあまた後で」
「うん」
マキナが微笑むのを見て僕は父さんの待つリビングに向かった。
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