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第五十六話 聞いてくれますか?
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その貝は内側がオーロラのようにきらきらと光り輝いていた。おそらくは夜光貝、螺鈿でよく使われている貝に見える。
サリオスはその貝を右手でつまむようにして持つと、近くまで顔を寄せてじっと覗き込んでいる。
「この貝の内側をはぎ取って、装飾として使うのだ」
「成程…」
サリオスの話を聞く限り、この世界にも螺鈿の技術はあるようだ。そしてサリオスは貝をじっくりと観察しながら、このような貝が好きなのだと語る。
「これ…夜光貝でしょうか」
「そうだ。合ってる」
「良かった、合ってました」
(あってた)
聞けばサリオスは幼少期から夜光貝をよく集めていたという。それは今でも変わらないのだとか。
「では、一緒に集めませんか」
「そうだな。マーレは貝に興味あるのか?」
「あんまり詳しくはわかりませんけど…」
「そうか、では一緒に探した方がよりいいな」
その後もサリオスと共に浜辺で貝を探し、拾い続けたのだった。
昼食を取った後は、サリオスと共に部屋でティータイムを楽しむ。
「紅茶の銘柄を変えてみた。どうだ?」
「爽やかで…飲みやすいと思います」
「そうか、なら何よりだ…所で」
サリオスが紅茶の入った白いティーカップをすっと机に置いた。そして私へ真っすぐな目線を向ける。
「こないだの裁判の事だ。あれは一体何を話していたんだ?」
(!)
ジェインとの会話の事を指しているのはすぐに理解できた。私は思わず目線が泳いでしまう。
「教えてほしい。一体何だったのか」
「サリオス様…」
サリオスが向ける視線からは逃れられない。私は一つ二つ深呼吸をして、すべてを打ち明ける覚悟を決めた。
「長くなりますけど…聞いてくれますか?」
サリオスはその貝を右手でつまむようにして持つと、近くまで顔を寄せてじっと覗き込んでいる。
「この貝の内側をはぎ取って、装飾として使うのだ」
「成程…」
サリオスの話を聞く限り、この世界にも螺鈿の技術はあるようだ。そしてサリオスは貝をじっくりと観察しながら、このような貝が好きなのだと語る。
「これ…夜光貝でしょうか」
「そうだ。合ってる」
「良かった、合ってました」
(あってた)
聞けばサリオスは幼少期から夜光貝をよく集めていたという。それは今でも変わらないのだとか。
「では、一緒に集めませんか」
「そうだな。マーレは貝に興味あるのか?」
「あんまり詳しくはわかりませんけど…」
「そうか、では一緒に探した方がよりいいな」
その後もサリオスと共に浜辺で貝を探し、拾い続けたのだった。
昼食を取った後は、サリオスと共に部屋でティータイムを楽しむ。
「紅茶の銘柄を変えてみた。どうだ?」
「爽やかで…飲みやすいと思います」
「そうか、なら何よりだ…所で」
サリオスが紅茶の入った白いティーカップをすっと机に置いた。そして私へ真っすぐな目線を向ける。
「こないだの裁判の事だ。あれは一体何を話していたんだ?」
(!)
ジェインとの会話の事を指しているのはすぐに理解できた。私は思わず目線が泳いでしまう。
「教えてほしい。一体何だったのか」
「サリオス様…」
サリオスが向ける視線からは逃れられない。私は一つ二つ深呼吸をして、すべてを打ち明ける覚悟を決めた。
「長くなりますけど…聞いてくれますか?」
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