あやかしとシャチとお嬢様の美味しいご飯日和

二位関りをん

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第97話 敵機襲来?

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 この日の昼は、かぼちゃを薄く切って天ぷらにする。この時期はやはりかぼちゃだ。

「衣作り終えました」
「沼霧さんありがとう。じゃあ、揚げていこうか」

 その時だった。いきなり何やらけたたましい音が鳴り始める。

ヴ~ヴ~

「何でしょう?」
「空襲警報?」

 音を聞いた沼霧さんが台所の窓から、大きく身を乗り出して空を眺める。

「飛行機は何も飛んでませんが……」

 その後。特に何も起こる事は無かった。かぼちゃの天ぷらも揚げ終わり、食卓で皆と一緒に食べて行く。

「天ぷら美味しい!」

 ぬらりひょんは天ぷらを次々に、もりもりと食べ進めていく。彼女の食べっぷりは見ていて気分が良い。
 天ぷらが残り少なくなった所で、玄関からすみませんと男性の声が響き渡った。

「はーーい」

 私と母親が玄関の扉を開けると、陸軍の兵士が申し訳無さそうに立っている。

「先程の空襲警報は誤報です。すみません……」
「いえいえ。何も無いならそれで良かったです」

 と母親が返した。聞けば間違いの空襲警報が鳴らされた後に、放送機器が使えなくなってしまい各家を回って謝罪しているのだという。

「大変でしょう、気を付けて」
「ありがとうございます」

 兵士が去った後、昼食は再会される。小さな海坊主達がぬらりひょんの頭の上や食卓にいて目が合う。

「ごちそうさまでした!」

 ぬらりひょんは今日もしっかり完食である。昼食後、私は自室で過ごしていると、篝先生が別荘に帰って来た。私は階段を降りて篝先生を迎えに行く。

「篝先生、早いですね」
「いえ、一旦戻っただけです。この子をこちらで引き取ってほしくて」

 篝先生の左手には、カエルのような見た目の薄い緑色のあやかしがいた。というかどこからどう見てもカエルだ。

「この子のいたずらで、てんやわんやでして」
「あの警報もしかして……」
「この子のいたずらです。おそらく、誰かにかまってほしかったのでしょう」

 あやかしは目線を下に落としている。かなり反省しているようだ。篝先生曰く、陸軍の兵士達にはこのあやかしの存在は見えていないらしい。

(寂しかったのかな)
「分かりました、預かります」
「良いですか? ありがとうございます」

 篝先生はまた、陸軍の施設に戻っていった。私はあやかしを沼霧さんに見せ、事情を話した。

「私が面倒を見ましょう」
「いいの?」
「勿論です」

 沼霧さんは穏やかに笑った。あやかしは沼霧さんを見ると少しだけ朗らかな表情を見せた。

(これにて、一件落着かな?)

 夕方、篝先生が帰ってきた。

「おかえりなさい、篝先生」
「千恵子さんただいま。あのあやかしはどうなりました?」

 沼霧さんを呼ぶ。あのあやかしは沼霧さんが着ている着物の右袖の中にいた。

「大丈夫です。いたずらはしていませんし、心配はいらないかと」
「良かったです。安心出来ました」
「沼霧さんが、面倒を見てくださると」
「そうですか……じゃあ、お願いします」
「はい」

 沼霧さんの袖から、あやかしが顔を出した。
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