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第15話 水族館デート!
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いよいよ約束の日がやって来た。
朝日が差す中咲良がベッドでもぞもぞしていると、隣で眠っていた秀介に身体を揺さぶられ起こされる。
「おはよ~よく眠れた?」
「う……春日先輩、おはよう、ございます……」
前夜も夜遅い帰りだったのにも関わらず、秀介は咲良を何度も抱いては不健全な愛をぶつけてきた。そのせいか、咲良は腰を中心に痛みを覚えている。
「どっか痛い?」
「だって、昨日先輩が……」
「ごめんごめん、咲良が可愛かったからついやり過ぎた。痛み止めあるけど飲む? それとも湿布が良い?」
「湿布でお願いします……」
結局秀介が馬乗りになるような形で湿布を張ってもらう。
「あっ……!」
秀介が咲良のうなじをかき分けて口づけを落としてくる。甘美な気持ちよさが右後方の首付近から脳へと伝わっていくのがわかった。
「すまん、我慢できなくなった」
「やっ……! だってこれから、デート、行かなきゃなのにっ……」
「すまんすまん。ここにつけたら朝飯食おうか」
ちゅ。と咲良の左肩甲骨付近に秀介の唇が当たった。そこからじゅるじゅると吸い付く感覚と淫らな水音が鼓膜を揺らす。
「あっ……んっ」
「かわいい声……そんな声聞いたら、もっとつけたくなるだろ……」
寝起きから快楽を与えられたせいで頭がくらくらするが、彼と共に用意した朝食を口にした瞬間、甘い感覚は全て吹き飛んだ。
「卵焼き美味しい……!」
「咲良が作ったやつ、ほんとうまいよな。俺好みの味ドンピシャだもん」
「! あ、ありがとうございます……!」
(味覚解釈一致最高過ぎる……!)
同居を開始するようになってから、秀介に何度も料理を褒められてはいる。それでも彼から褒められると身体のむずがゆさと共に全身が喜びに包まれるのだった。
◇ ◇ ◇
化粧を施し秀介が購入してくれたワンピースに袖を通すと、不思議と胸の底から元気が湧いて出てきた。
「試着の時も思ったけどすっごい似合ってるよ」
「ありがとうございます。サイズもぴったりだったので良かったです」
「咲良、髪結んであげる」
ちょいちょい、と秀介は自分の太ももの上に座るように促してくるので、恥ずかしさをこらえながらちょこんと腰かけた。
彼の筋肉質な肌触りは臀部から太ももの裏全体で感じ取る事が出来る。
「ん、これでいいかな。ハーフアップも良いよな。はい、鏡」
「ありがとうございます。……なんだか、自分じゃないみたい……」
「俺はどんな咲良も好きだから、一粒で二度おいしいってやつ?」
「ふふっ。ありがとうございます」
最後に佳苗から貰ったバレッタタイプの黒い髪留めを止める。鏡に映し出される自分にテンションが上がるのが抑えられない。
「咲良、ちょっとだけいい?」
後ろから秀介がぎゅっと抱き着き、鼻を肩甲骨付近に抑え始める。匂いを嗅いでいるかのような姿に咲良は思わず声を上ずらせてしまった。
「も、もお……!」
◇ ◇ ◇
電車を乗り継ぎ、デート先となる水族館へ到着したのは11時前の事。この水族館は国内でも最大級の規模を誇る。
(久しぶりだなあ。変わってない)
正門ゲート前にある巨大な雄シャチの像を見上げながら、当時の事を思い出す。
(数少ない友達と巡ったなあ……あの時から私は春日先輩の事が好きで好きで、妄想ばかりしていた)
「咲良、何してんだ?」
がばっと秀介に肩を抱き寄せられる。唐突なボディータッチに思わず肩が跳ねあがるほど驚いた。
「せ、先輩!」
「さ、回ろうぜ。11時半くらいにシャチの公開プログラムがあるんだっけか」
秀介が黒い最新のスマホを片手に咲良へと見せて来る。彼が言う通り、画面には雌雄のシャチと共にプログラムの内容が映し出されていた。
(ジャンプの技とかシャチの生態についての解説かぁ……前行った時はトレーナーさんとショーしてた記憶があるけど、やめたのかな?)
「じゃあ早速行きましょうか先輩」
「ああ、そうだな」
と同時に秀介の腕が咲良の肩から骨盤へと降ろされていく。彼の大きな手が骨盤に触れた瞬間、びくっと全身に甘い衝撃が走った。
「だっだめですよ先輩! そんなところ触っちゃ……! 皆見てますよ……」
「いいだろこれくらい。君は俺の妻なんだから。……じゃあ、キスする?」
「やっ! だめですって! こないだ松原さんの前でもしてましたけどえっちすぎるのはだめです!」
「ははっ。初心な咲良可愛い」
ふふっと笑う秀介はどこか妖艶な空気を纏っているように見えた。その空気を全身で感じる度に彼への気持ちが昂る。
(春日先輩にはかなわないや……でも好き。妄想の中の先輩も、現実の先輩も、どっちも好き)
既に水族館の中は大勢の人達でにぎわっている。特に本館ドーム内にあるシャチプール前の座席は埋められつつあった。
「咲良が修学旅行で行った時もこんな感じだった?」
「そうですね。でも公開プログラムって名前じゃなかったと思います」
「変わったんですよ、2年くらい前に」
後ろから常連客と思わしき声がかかって来た。振りかえると白い毛糸のニット帽をかぶった老夫婦が一眼レフカメラを両手で抱えてにこにこと笑っている。
「そうなんすか? 俺ら久しぶりで」
「ああ、そうだったんですね。急に声かけちゃってごめんなさいねえ」
老夫婦が言うにはこれまではトレーナーもプールに入ってショーをしていたが、2年ほど前に方針転換したのだとか。
説明してくれた彼らにお礼を述べると、黒いポロシャツ姿なトレーナー達が現れて公開プログラムが始まった。
雌雄のシャチ4頭がそれぞれボウジャンプや回転するスピンジャンプ、ステージへのランディングなどの技を披露していく。
「わあ~! すごい!」
「かっこいいな、それに迫力が段違いだ!」
(はしゃいでいる春日先輩かっこかわいい……! シャチも可愛いけど先輩にも目がいっちゃう……!)
右には秀介、正面にはシャチ達。咲良は忙しなく目を動かしながらどちらも堪能するのだった。
公開プログラム終了後は館内のレストランで食事を取る。
それからはペンギンの散歩に心をときめかせたり、お土産ショップでシャチの巨大なぬいぐるみを購入。更に近くのワゴンでクレープを頬張ったりしているうちに夕方となった。
「お、もうこんな時間か。そろそろ電車乗らないと」
「あっという間過ぎましたね……」
「もっといたかった?」
ずいっと視界が秀介の顔で覆い尽くされる。咲良は爆発しそうになる胸を抑えながら顔を赤くさせた。
「ち、近いですって……!」
「咲良はどっちなんだ? もっといたい?」
「うぅ……また今度行きたいです……先輩と、一緒に」
「よく言えました」
ぽんぽんと頭を撫でられ、さあいこっか。と右手の隙間に指がすっと入り込み、恋人つなぎされる。頭から煙が出そうなのを必死に我慢しながら、正門ゲートに向かったのだった。
水族館を後にして、駅の東入り口が見えてきた時。白い立て看板の前に複数の人が注目しているのが確認できる。
「なんか書いてあるな。ちょっと見てみよう」
「はい。……え、電車が止まった?!」
白い看板に記されていたのは、電気系統の故障により、運休中。運行再開は未定と言う文言だった。
「えっ……」
「これは困ったな。タクシー呼ばねえと」
しかし、秀介がひいきにしているタクシー会社からは、既に出払っているので無理だと断られてしまった。他数社にも秀介が電話をかけてくれたが、どこも同じ。
頭を抱える秀介へ、咲良はなんて言葉をかけたらいいのかと考えを巡らせる。
「早く運行再開されると、いいのですが……」
「そうだよなあ……ん、もうタクシー諦めるわ。この辺のホテル泊ってかない?」
突然の提案に咲良は目をぎょっとさせる。
「いやいや、そんな……! タクシー代よりもお金が……!」
「心配するな。金ならある。それに腹も空いて疲れただろ? そういう時はさっさと休んで体力回復させた方がいい」
医者である秀介の言い分は理にかなっている。咲良はすみませんがお願いします。と頭をぺこぺこさせた。
「ははっ。いいってのそれくらい。皆考えてる事は一緒だろうからさっさと行こう」
「はいっ……!」
そんな彼に手を引かれ、近くのホテル街にあるビジネスホテルへと駆けこむ。外観はモノクロトーンで全国展開している有名なホテルなのだとか。
(こういうホテル行った事ないからどうなんだろう)
咲良にとってホテルと言えば修学旅行の思い出が真っ先によぎるくらいだ。秀介が手早く受付を済ませ案内されたのは4階の405号室。
がちゃりと黒い扉が開かれた先にあったのは、テレビに出てくるようなリゾートホテルの如き豪華な内装だった。
「それではごゆっくりおくつろぎくださいませ」
中年女性のホテルスタッフが静かに姿を消す。大きなキングサイズのベッドに広々とした空間。ソファもドレッサーもテーブルもすべてが高級感の漂う代物である。
しかもガラスの円卓の上にはワインが2本とお菓子がセッティングされているようだ。
「ちょ、先輩?! こ、こんなリゾート感あふれる場所で……いいんですか?! ぜ、ぜったい高いでしょ!」
このような場所とは縁もゆかりもなかった咲良はただただ驚愕するばかり。秀介はと言うと驚いている様子は全くなく、何事も無かったかのように部屋を見渡している。
「いいだろここしか空いてなかったんだから。お金の心配なんてしなくていい」
「うぅ……なんだか、申し訳、なくて……」
「咲良、こういう所でやるのもよくない?」
気がついた時には既に彼の胸の中へ抱きしめられ、唇が塞がれていた。
「んんっむっ……!」
彼の熱い舌が執拗に絡みついては離れない。息が出来なくて苦しいのに、もっと彼の熱を感じたいと全身の肌が訴えている気がする。
でもそのようなえっちな事は……と咲良の身体の中で叫んでいる理性はあっと言う間に薄くなった。秀介の指が咲良の下腹部を伝い、湿気を帯びつつある割れ目へと潜りこんでいく。
朝日が差す中咲良がベッドでもぞもぞしていると、隣で眠っていた秀介に身体を揺さぶられ起こされる。
「おはよ~よく眠れた?」
「う……春日先輩、おはよう、ございます……」
前夜も夜遅い帰りだったのにも関わらず、秀介は咲良を何度も抱いては不健全な愛をぶつけてきた。そのせいか、咲良は腰を中心に痛みを覚えている。
「どっか痛い?」
「だって、昨日先輩が……」
「ごめんごめん、咲良が可愛かったからついやり過ぎた。痛み止めあるけど飲む? それとも湿布が良い?」
「湿布でお願いします……」
結局秀介が馬乗りになるような形で湿布を張ってもらう。
「あっ……!」
秀介が咲良のうなじをかき分けて口づけを落としてくる。甘美な気持ちよさが右後方の首付近から脳へと伝わっていくのがわかった。
「すまん、我慢できなくなった」
「やっ……! だってこれから、デート、行かなきゃなのにっ……」
「すまんすまん。ここにつけたら朝飯食おうか」
ちゅ。と咲良の左肩甲骨付近に秀介の唇が当たった。そこからじゅるじゅると吸い付く感覚と淫らな水音が鼓膜を揺らす。
「あっ……んっ」
「かわいい声……そんな声聞いたら、もっとつけたくなるだろ……」
寝起きから快楽を与えられたせいで頭がくらくらするが、彼と共に用意した朝食を口にした瞬間、甘い感覚は全て吹き飛んだ。
「卵焼き美味しい……!」
「咲良が作ったやつ、ほんとうまいよな。俺好みの味ドンピシャだもん」
「! あ、ありがとうございます……!」
(味覚解釈一致最高過ぎる……!)
同居を開始するようになってから、秀介に何度も料理を褒められてはいる。それでも彼から褒められると身体のむずがゆさと共に全身が喜びに包まれるのだった。
◇ ◇ ◇
化粧を施し秀介が購入してくれたワンピースに袖を通すと、不思議と胸の底から元気が湧いて出てきた。
「試着の時も思ったけどすっごい似合ってるよ」
「ありがとうございます。サイズもぴったりだったので良かったです」
「咲良、髪結んであげる」
ちょいちょい、と秀介は自分の太ももの上に座るように促してくるので、恥ずかしさをこらえながらちょこんと腰かけた。
彼の筋肉質な肌触りは臀部から太ももの裏全体で感じ取る事が出来る。
「ん、これでいいかな。ハーフアップも良いよな。はい、鏡」
「ありがとうございます。……なんだか、自分じゃないみたい……」
「俺はどんな咲良も好きだから、一粒で二度おいしいってやつ?」
「ふふっ。ありがとうございます」
最後に佳苗から貰ったバレッタタイプの黒い髪留めを止める。鏡に映し出される自分にテンションが上がるのが抑えられない。
「咲良、ちょっとだけいい?」
後ろから秀介がぎゅっと抱き着き、鼻を肩甲骨付近に抑え始める。匂いを嗅いでいるかのような姿に咲良は思わず声を上ずらせてしまった。
「も、もお……!」
◇ ◇ ◇
電車を乗り継ぎ、デート先となる水族館へ到着したのは11時前の事。この水族館は国内でも最大級の規模を誇る。
(久しぶりだなあ。変わってない)
正門ゲート前にある巨大な雄シャチの像を見上げながら、当時の事を思い出す。
(数少ない友達と巡ったなあ……あの時から私は春日先輩の事が好きで好きで、妄想ばかりしていた)
「咲良、何してんだ?」
がばっと秀介に肩を抱き寄せられる。唐突なボディータッチに思わず肩が跳ねあがるほど驚いた。
「せ、先輩!」
「さ、回ろうぜ。11時半くらいにシャチの公開プログラムがあるんだっけか」
秀介が黒い最新のスマホを片手に咲良へと見せて来る。彼が言う通り、画面には雌雄のシャチと共にプログラムの内容が映し出されていた。
(ジャンプの技とかシャチの生態についての解説かぁ……前行った時はトレーナーさんとショーしてた記憶があるけど、やめたのかな?)
「じゃあ早速行きましょうか先輩」
「ああ、そうだな」
と同時に秀介の腕が咲良の肩から骨盤へと降ろされていく。彼の大きな手が骨盤に触れた瞬間、びくっと全身に甘い衝撃が走った。
「だっだめですよ先輩! そんなところ触っちゃ……! 皆見てますよ……」
「いいだろこれくらい。君は俺の妻なんだから。……じゃあ、キスする?」
「やっ! だめですって! こないだ松原さんの前でもしてましたけどえっちすぎるのはだめです!」
「ははっ。初心な咲良可愛い」
ふふっと笑う秀介はどこか妖艶な空気を纏っているように見えた。その空気を全身で感じる度に彼への気持ちが昂る。
(春日先輩にはかなわないや……でも好き。妄想の中の先輩も、現実の先輩も、どっちも好き)
既に水族館の中は大勢の人達でにぎわっている。特に本館ドーム内にあるシャチプール前の座席は埋められつつあった。
「咲良が修学旅行で行った時もこんな感じだった?」
「そうですね。でも公開プログラムって名前じゃなかったと思います」
「変わったんですよ、2年くらい前に」
後ろから常連客と思わしき声がかかって来た。振りかえると白い毛糸のニット帽をかぶった老夫婦が一眼レフカメラを両手で抱えてにこにこと笑っている。
「そうなんすか? 俺ら久しぶりで」
「ああ、そうだったんですね。急に声かけちゃってごめんなさいねえ」
老夫婦が言うにはこれまではトレーナーもプールに入ってショーをしていたが、2年ほど前に方針転換したのだとか。
説明してくれた彼らにお礼を述べると、黒いポロシャツ姿なトレーナー達が現れて公開プログラムが始まった。
雌雄のシャチ4頭がそれぞれボウジャンプや回転するスピンジャンプ、ステージへのランディングなどの技を披露していく。
「わあ~! すごい!」
「かっこいいな、それに迫力が段違いだ!」
(はしゃいでいる春日先輩かっこかわいい……! シャチも可愛いけど先輩にも目がいっちゃう……!)
右には秀介、正面にはシャチ達。咲良は忙しなく目を動かしながらどちらも堪能するのだった。
公開プログラム終了後は館内のレストランで食事を取る。
それからはペンギンの散歩に心をときめかせたり、お土産ショップでシャチの巨大なぬいぐるみを購入。更に近くのワゴンでクレープを頬張ったりしているうちに夕方となった。
「お、もうこんな時間か。そろそろ電車乗らないと」
「あっという間過ぎましたね……」
「もっといたかった?」
ずいっと視界が秀介の顔で覆い尽くされる。咲良は爆発しそうになる胸を抑えながら顔を赤くさせた。
「ち、近いですって……!」
「咲良はどっちなんだ? もっといたい?」
「うぅ……また今度行きたいです……先輩と、一緒に」
「よく言えました」
ぽんぽんと頭を撫でられ、さあいこっか。と右手の隙間に指がすっと入り込み、恋人つなぎされる。頭から煙が出そうなのを必死に我慢しながら、正門ゲートに向かったのだった。
水族館を後にして、駅の東入り口が見えてきた時。白い立て看板の前に複数の人が注目しているのが確認できる。
「なんか書いてあるな。ちょっと見てみよう」
「はい。……え、電車が止まった?!」
白い看板に記されていたのは、電気系統の故障により、運休中。運行再開は未定と言う文言だった。
「えっ……」
「これは困ったな。タクシー呼ばねえと」
しかし、秀介がひいきにしているタクシー会社からは、既に出払っているので無理だと断られてしまった。他数社にも秀介が電話をかけてくれたが、どこも同じ。
頭を抱える秀介へ、咲良はなんて言葉をかけたらいいのかと考えを巡らせる。
「早く運行再開されると、いいのですが……」
「そうだよなあ……ん、もうタクシー諦めるわ。この辺のホテル泊ってかない?」
突然の提案に咲良は目をぎょっとさせる。
「いやいや、そんな……! タクシー代よりもお金が……!」
「心配するな。金ならある。それに腹も空いて疲れただろ? そういう時はさっさと休んで体力回復させた方がいい」
医者である秀介の言い分は理にかなっている。咲良はすみませんがお願いします。と頭をぺこぺこさせた。
「ははっ。いいってのそれくらい。皆考えてる事は一緒だろうからさっさと行こう」
「はいっ……!」
そんな彼に手を引かれ、近くのホテル街にあるビジネスホテルへと駆けこむ。外観はモノクロトーンで全国展開している有名なホテルなのだとか。
(こういうホテル行った事ないからどうなんだろう)
咲良にとってホテルと言えば修学旅行の思い出が真っ先によぎるくらいだ。秀介が手早く受付を済ませ案内されたのは4階の405号室。
がちゃりと黒い扉が開かれた先にあったのは、テレビに出てくるようなリゾートホテルの如き豪華な内装だった。
「それではごゆっくりおくつろぎくださいませ」
中年女性のホテルスタッフが静かに姿を消す。大きなキングサイズのベッドに広々とした空間。ソファもドレッサーもテーブルもすべてが高級感の漂う代物である。
しかもガラスの円卓の上にはワインが2本とお菓子がセッティングされているようだ。
「ちょ、先輩?! こ、こんなリゾート感あふれる場所で……いいんですか?! ぜ、ぜったい高いでしょ!」
このような場所とは縁もゆかりもなかった咲良はただただ驚愕するばかり。秀介はと言うと驚いている様子は全くなく、何事も無かったかのように部屋を見渡している。
「いいだろここしか空いてなかったんだから。お金の心配なんてしなくていい」
「うぅ……なんだか、申し訳、なくて……」
「咲良、こういう所でやるのもよくない?」
気がついた時には既に彼の胸の中へ抱きしめられ、唇が塞がれていた。
「んんっむっ……!」
彼の熱い舌が執拗に絡みついては離れない。息が出来なくて苦しいのに、もっと彼の熱を感じたいと全身の肌が訴えている気がする。
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