私が本物の聖女です。~偽聖女の妹の代わりに王太子の治療と性処理をしたら溺愛されるようになりまして~

二位関りをん

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第16話 再会に向けて

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「いかがなさいましたか?」
「私、エドワード様をお助けした事を国王陛下に話した。と言った事覚えている?」
「はい。何かありました?」
「それで今度国王陛下の仲介でエドワード様と会わせてくれる事になったの!」
「え?」

 もしかして、またエドワード様と会えるのだろうか。というかまさか短い期間で再会が叶うとは。
 だが、本当に彼と再会出来るかどうかはわからない。あまり高望みはしないでおこう。

「それは喜ばしい事です」
「ええ! とても嬉しいわ! それにエドワード様はまだ独身だとか。この国より規模の小さな国の王太子だからうちの王族よりかは少し格は落ちるけどそれでもキープしておくべきね」

 エドワード様や隣国にとって明らかに不敬な言葉がレゼッタからすらすらと流れた事には心の中で呆れたが、顔には出さずにニコニコと作り笑いを浮かべたのだった。

「レゼッタお嬢様、場所はどちらになるご予定で?」
「まだわからないんですって。あちらへ向かうよりかはこの屋敷か王宮で会いたいわね」
「なるほど。承知しました」
「お姉様、ちゃんと仕事しなさいよ? ヘマしたら許さないから」

 そう言ってレゼッタは早足で姿を消した。

(はあ……)

 その後。交渉の結果エドワード様はこの屋敷に来る事が決まった。また、王宮で国王陛下と王妃様からのもてなしを受ける事も決まったのだった。

「メイドの皆、話があるから付いてきなさい」

 朝。カルナータカ夫人に連れられてルネらと共に大広間に入る。

「全員揃ったわね。明日、この屋敷に隣国の王太子であるエドワード様がお越しになる。しっかりと掃除をするように」
「はい!」

 私達の返事がこだました。

「無礼が無いようにもてなしなさい。そして工場での仕事も忘れないように。レゼッタが優れた聖女である事を示すためにもね」
「はい!!」

 私達は工場での仕事をしつつ、屋敷内の掃除もこなしていく。大変だがこれもエドワード様のためだ。
 木箱を持って完成した魔法薬を大広間に運び終わり、階段を降りていた時だった。

「!」

 いきなり誰かに押される。幸い手すりを持っていた為派手に転落するのは割けられたが、それでもバランスを崩して数段落ちてしまう。
 私を押したのは誰だ。振り向くと厳しい顔つきをしたカルナータカ夫人がいた。

「ふん、手すりを持つなんて……」
「な、何を」
「あなたは娼婦の子。エドワード様に色目でも使おうとしてるのは目に見えてるわ。隠したって無駄よ」
(私に怪我をさせて、明日仕事に出られなくしようとしたのか。こんな陰気な真似を……)

 私は治癒魔法が使えるのだから怪我をした所で無意味である。私はなんとか立ち上がってカルナータカ夫人を見上げる。

「ただのメイドである私など、エドワード様の眼中にないでしょう。私が怪我をすれば逆に働き手が少なくなるというデメリットがございkます。お気を確かにしてくださいませ」
「……っ! 確かにそうね……ふん、他のメイドにも言っておくけどくれぐれもエドワード様を誘惑しようなんて考えない事ね」
「勿論でございます。それに私ごときが誘惑しても無意味でしょう。レゼッタ様でないと」
「……そうね。あなたの言うとおりだわ」

 結局カルナータカ夫人は不機嫌さを隠しきれないままその場を後にした。私に怪我をさせた所で困るのはレゼッタとカルナータカ夫人。それにメイドや執事の人々だ。カルナータカ夫人からすればデメリットしか存在しない。

(こんな事したって無意味なのに)

 誰もいない階段で小さくため息をついたのだった。
 その夜。私はこの事をルネに伝えた。

「えっそんな事があったの?」
「そう。夫人が背中を押したの。私は手すりを持ってたから派手に落ちずに済んだけど」
「ええ……夫人怖いわね。それで何か言ってた?」
「エドワード様に色目使おうとしている。だって……」
「うわ、何それ。ひどい言いがかりじゃない。マルガリータがそんな事するわけないのに」
(とはいえ、処女はエドワード様に捧げてしまったのだけど)
「それと、他のメイドにもエドワード様を誘惑するような事はするなって」
「ああ、だから夜寝る前にわざわざ呼び出されたのね」

 実は先ほど。私達メイド全員は寝間着姿のままカルナータカ夫人に呼ばれてエドワード様にはお近づきにならないように。と改めて忠告されたのである。忠告後そのまま解散となりそれぞれの部屋に戻っていった訳だが皆の反応を言葉に表すと夫人は何を言っているんだ? と言った具合だった。

「エドワード様って孤児院に来てなかった?」

 ルネがベッドの天井をあおむけの状態で見上げながら、そうぽつりとつぶやいた。

「来てたわ。なんなら転んでた所に鉢合わせして治癒魔法で治してあげたもの」
「懐かしいわね。またお会いできるなんて。まあ、私達は遠目からでしか会えないでしょうし、向こうが孤児院に来た事を覚えているかどうかはわからないけどね」
「そうね。ルネの言う通り遠目から見れるだけでもうれしいわ」
(まさかこんな短いうちに会えるなんて思ってもみなかったもの)
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