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第42話 人見知りに野営は無理でした
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マルムさんとセリアさんを一時的に加えてボクたちは街道を進む。
今のところ何もなく、変なところで露店している人もいなければ突然馬車が横倒しになっているなんていう状況もない。
ただただ順調である。
「この馬車、揺れが少ないですね」
ゆらゆらと揺れる馬車に乗りながらマルムさんがそう話す。
「えっ? そ、そうですか? うぷっ」
「だ、大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫、です……」
「遥様は馬車酔いですね。ちょっと休憩しましょうか」
千早さんの指示を聞いたミレがペガサスさんたちに停止の合図を送る。
ほどなくして馬車はわき道に逸れて停まり、フェアリーノームたちがわらわらと外に出て日よけとベッドの準備を始める。
ある程度準備ができたところでミリアムさんに抱えられてボクはベッドの上にIN。
続いてミカがボクのそばに付き風を送ってくれた。
ミナは任せろと言わんばかりに酔いに効くらしい飲み物を用意してそばで待機している。
「なんだかすごく重症みたいに見えます」
馬車から降りたセリアさんがボクを見ながらそう話すけど、こればっかりは仕方ないと思う。
「ご、ごめんなさい。少し休んだら、再出発しましょう」
「これは一体どうしたことでしょう」
「馬車酔いです。激しく揺れない分ゆらゆらと揺れるので、揺れに弱い主が潰れました」
「め、面目ないです……」
ボクがダウンした理由をミリアムさんがマルムさんに語った。
「まぁこういうのは慣れですからね」
「初の馬車旅だったとしたらこういうこともあると思います」
「お二人は大丈夫ですか?」
「もっと揺れる馬車を経験しているので大丈夫ですね」
「揺れ方は違いますけど、そこは獣人なだけあって意外と酔わないんですよ」
千早さんは二人を心配したものの、獣人は意外と頑丈で大丈夫な様子。
「うぐぐ。千早さんは大丈夫なんですね……」
息も絶え絶えなボク。千早さんの丈夫な三半規管が羨ましい。
「はい。昔から酔わないんです。遥様はまだ小さいのですから酔いやすくても仕方ないですよ」
「ぐぬぬ……。羨ましい……」
千早さんは酔いにくい体質らしかった。
羨ましい。
「遥さんはおいくつなのですか?」
「遥様は8歳です。かわいいでしょう?」
なぜか自慢げに千早さんがそう伝えた。
しばらく休んだところで体調が回復したので再出発だ。
しかし気が付けば日は傾きつつある。
「そろそろ良いところで野営の準備を始めましょうか」
「そうですね。そのほうがいいと思います」
「もう少し行くと野営用の広場があるようですね。かなりの数の人間が集まっているようです」
ミリアムさんが調べた結果をボクに教えてくれた。
「人間ねぇ……。一か所にそんなに集まるといいことがないような……。キャンプ場じゃないんだし……」
「では迂回しますか?」
「う~ん……。迂回もいいけど、やっぱり森の中に転移ポイントを置いて一度帰ろうか」
「わかりました。ミレ様、お願いします」
(グッ)
ミレは任せろとボクたちにアピールし、馬車を森の中へと移動させた。
「遥さん、一体どうしたんです?」
「野営広場は常時兵士が待機しているので盗賊などに襲われる心配はありませんよ?」
「うん。そうなんだろうけど、なんとなくね……」
二人は不思議そうに首を傾げている。
でもボクにはそれを避けたい大きな理由があった。
(知らない場所で寝るのに、人が多いと怖い……)
ボクの気持ちを知ってか知らずか、千早さんもミリアムさんも何も言わず粛々とボクの指示に従ってくれている。
ごめんなさい、今回ばかりはボクの我がままです……。
「マルムさんとセリアさんは、ここで見たことは秘匿してくださいね。ここからがお約束です」
「は、はい」
「わ、わかりました」
何かに当てられたのか、マルムさんとセリアさんが若干焦りながら同意してくれたので、さっそく転移ポイントを設置する。
「千早さん、結界をお願いします。見えないように」
「は~い」
「ミリアムさんはフェアリーノームのみんなのお手伝いを」
「わかりました」
「ミレたちはポイントの記録をお願いします」
各自が頷いてくれたので、転移水晶の設置を始めた。
「えっと、あっちとこっちを繋ぎ合わせて……と。よし、繋がった。続いてエネルギーを注入。よしOK。ミレ、記録できた?」
ボクが尋ねると、ミレが場所の記録をした紙を渡してくれた。
「ありがとう。ふんふん。これであっちにも使えるね」
転移水晶が設置された場所の位置情報をミレたちが記録したことで、最悪、こっちの転移水晶が壊れたとしてもこの場所に転移してくることができるようになった。
言ってみればセーブポイントのようなものだ。
「じゃあ開くよ」
転移水晶に力を込めて念じる。
すると、一瞬光った後くらい回廊が生まれた。
「ペガサスさんたちはそのまま侵入で。あ、そういえば、転移部屋の拡張終わってる?」
馬車ごと入る予定だったので、事前に転移部屋の拡張をお願いしていたのだが、終わっているのだろうか? 確認し損ねた……。
ボクの問いかけに、フェアリーノームたちがコクンと頷いた。
どうやら終わっているようだ。
「じゃあこのまましゅぱ~つ。寝て起きたらまたここに戻って出発します」
こうしてボクたちは馬車ごと森のロッジへと帰還するのだった。
呆然としているマルムさんとセリアさんを馬車に乗せたまま放置して。
今のところ何もなく、変なところで露店している人もいなければ突然馬車が横倒しになっているなんていう状況もない。
ただただ順調である。
「この馬車、揺れが少ないですね」
ゆらゆらと揺れる馬車に乗りながらマルムさんがそう話す。
「えっ? そ、そうですか? うぷっ」
「だ、大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫、です……」
「遥様は馬車酔いですね。ちょっと休憩しましょうか」
千早さんの指示を聞いたミレがペガサスさんたちに停止の合図を送る。
ほどなくして馬車はわき道に逸れて停まり、フェアリーノームたちがわらわらと外に出て日よけとベッドの準備を始める。
ある程度準備ができたところでミリアムさんに抱えられてボクはベッドの上にIN。
続いてミカがボクのそばに付き風を送ってくれた。
ミナは任せろと言わんばかりに酔いに効くらしい飲み物を用意してそばで待機している。
「なんだかすごく重症みたいに見えます」
馬車から降りたセリアさんがボクを見ながらそう話すけど、こればっかりは仕方ないと思う。
「ご、ごめんなさい。少し休んだら、再出発しましょう」
「これは一体どうしたことでしょう」
「馬車酔いです。激しく揺れない分ゆらゆらと揺れるので、揺れに弱い主が潰れました」
「め、面目ないです……」
ボクがダウンした理由をミリアムさんがマルムさんに語った。
「まぁこういうのは慣れですからね」
「初の馬車旅だったとしたらこういうこともあると思います」
「お二人は大丈夫ですか?」
「もっと揺れる馬車を経験しているので大丈夫ですね」
「揺れ方は違いますけど、そこは獣人なだけあって意外と酔わないんですよ」
千早さんは二人を心配したものの、獣人は意外と頑丈で大丈夫な様子。
「うぐぐ。千早さんは大丈夫なんですね……」
息も絶え絶えなボク。千早さんの丈夫な三半規管が羨ましい。
「はい。昔から酔わないんです。遥様はまだ小さいのですから酔いやすくても仕方ないですよ」
「ぐぬぬ……。羨ましい……」
千早さんは酔いにくい体質らしかった。
羨ましい。
「遥さんはおいくつなのですか?」
「遥様は8歳です。かわいいでしょう?」
なぜか自慢げに千早さんがそう伝えた。
しばらく休んだところで体調が回復したので再出発だ。
しかし気が付けば日は傾きつつある。
「そろそろ良いところで野営の準備を始めましょうか」
「そうですね。そのほうがいいと思います」
「もう少し行くと野営用の広場があるようですね。かなりの数の人間が集まっているようです」
ミリアムさんが調べた結果をボクに教えてくれた。
「人間ねぇ……。一か所にそんなに集まるといいことがないような……。キャンプ場じゃないんだし……」
「では迂回しますか?」
「う~ん……。迂回もいいけど、やっぱり森の中に転移ポイントを置いて一度帰ろうか」
「わかりました。ミレ様、お願いします」
(グッ)
ミレは任せろとボクたちにアピールし、馬車を森の中へと移動させた。
「遥さん、一体どうしたんです?」
「野営広場は常時兵士が待機しているので盗賊などに襲われる心配はありませんよ?」
「うん。そうなんだろうけど、なんとなくね……」
二人は不思議そうに首を傾げている。
でもボクにはそれを避けたい大きな理由があった。
(知らない場所で寝るのに、人が多いと怖い……)
ボクの気持ちを知ってか知らずか、千早さんもミリアムさんも何も言わず粛々とボクの指示に従ってくれている。
ごめんなさい、今回ばかりはボクの我がままです……。
「マルムさんとセリアさんは、ここで見たことは秘匿してくださいね。ここからがお約束です」
「は、はい」
「わ、わかりました」
何かに当てられたのか、マルムさんとセリアさんが若干焦りながら同意してくれたので、さっそく転移ポイントを設置する。
「千早さん、結界をお願いします。見えないように」
「は~い」
「ミリアムさんはフェアリーノームのみんなのお手伝いを」
「わかりました」
「ミレたちはポイントの記録をお願いします」
各自が頷いてくれたので、転移水晶の設置を始めた。
「えっと、あっちとこっちを繋ぎ合わせて……と。よし、繋がった。続いてエネルギーを注入。よしOK。ミレ、記録できた?」
ボクが尋ねると、ミレが場所の記録をした紙を渡してくれた。
「ありがとう。ふんふん。これであっちにも使えるね」
転移水晶が設置された場所の位置情報をミレたちが記録したことで、最悪、こっちの転移水晶が壊れたとしてもこの場所に転移してくることができるようになった。
言ってみればセーブポイントのようなものだ。
「じゃあ開くよ」
転移水晶に力を込めて念じる。
すると、一瞬光った後くらい回廊が生まれた。
「ペガサスさんたちはそのまま侵入で。あ、そういえば、転移部屋の拡張終わってる?」
馬車ごと入る予定だったので、事前に転移部屋の拡張をお願いしていたのだが、終わっているのだろうか? 確認し損ねた……。
ボクの問いかけに、フェアリーノームたちがコクンと頷いた。
どうやら終わっているようだ。
「じゃあこのまましゅぱ~つ。寝て起きたらまたここに戻って出発します」
こうしてボクたちは馬車ごと森のロッジへと帰還するのだった。
呆然としているマルムさんとセリアさんを馬車に乗せたまま放置して。
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