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第45話 ちょっとしたハプニングと戦闘
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ある意味この世界では初のケモ耳娘が誕生した。
これからどうなるかはわからないけど、ボクの信仰者が増えたことを喜ばしく思いたい。
というわけで、今後もボクは眷属を増やして、加護を与えていこうと思う。
「遥様、この先に人間が複数人隠れているようです」
馬車での移動中、マルムさんが周囲の状況を教えてくれる。
こんなところに人ねぇ……。
現在通っている場所は街道だが、マルムさんが示した場所は街道から外れた場所にある、森と丘陵の間だった。
「絶妙に変な場所なんですね」
街道側からでは丘陵の奥の森までは見ることができない。
つまり、こちらからでは死角になるということだ。
「おそらく盗賊でしょう。とはいえ、こちらに来ない以上手を出すのも馬鹿らしい話です」
「ただ確実にこちらに来ないとも言えませんね」
マルムさんとセリアさんは語る。
「ミリアムさん、人数は?」
「20人です」
ミリアムさんは淡々と話す。
20人は多いね……。
「主。一人が街道付近の丘まで動いたようです」
「偵察ですね」
「タイミング最悪かぁ。あたしたちはいい獲物かもしれませんね」
マルムさんはそう分析する。
さて、どうしたものだろうか。
「ただ倒すだけなら簡単です。私たちならできるでしょう。ですが、逃げられてしまえば追うに追えません」
セリアさんの言うことももっともかもしれない。
となると……。
「もし戦闘になるようでしたら、マルムさんとセリアさんは敵を引き付けてください。奇襲はミレたちがやります。ボクと千早さんとミリアムさんは援護をします。特にミリアムさんは危なすぎる力は使わないようにしてくださいね」
「任せてください」
「わかりました」
「いつでもOKです~」
「主。問題ありません」
各々準備完了しているようなので、注意しながら馬車を進めることにした。
しばらく進むと一台の馬車が猛スピードでボクたちの馬車を追い越していく。
そしてその馬車は横滑りし、そのまま横転して道を塞いでしまった。
御者の姿はそれっきり見えない。
「おい、大丈夫か!」
ボクたちの後ろの馬車が横転した馬車に向かってそう声をかけた。
「やばくないか? 御者は大丈夫なのか?」
心配そうな声が聞こえる。
どうやら後ろにいる馬車は乗り合い馬車のようだ。
「主」
「うん。見ちゃいました」
ボクは見た。馬車が横転する瞬間、御者が軽業師のように飛び降りてさっと隠れるのを。
これは明らかな罠だった。
「救助と確認を急げ!」
「雇われたハンターたちは周囲の警戒を」
乗合馬車とそのほかの馬車からハンターたちが降りて救助と周囲の警戒を始める。
「おい、そこの女性ハンター二人組! 何の種族だかわからないが手伝ってくれないか?」
通りかかったハンターがマルムさんとセリアさんにそう声をかけた。
「ハンター規約については知っている。だが今手を貸すことはできない」
きっぱりとそう言い切るマルムさん。
「それは分かるしこっちも同じだ。だがこのまま放っておいては盗賊の餌食だ。特例ということもあるし」
どうやらハンター規約には救助に関する特例措置のような条項があるようだ。
ちなみにボクは正式なハンターではないので、それらのことは全く知らない。
「では、あたしが行こう。セリアはそのまま護衛をお願い」
「わかったわ、マルム。でも、気を付けて」
「あぁ」
マルムさんはそう言うとボクたちの馬車から離れていった。
何人かのハンターはすでに横転した馬車にたどり着いているようで、何かを探したり馬車をどけようとしているのが見えた。
マルムさんはそこから少し離れた場所に待機していて、直接救助には関わっていなかった。
そして、突如馬車が爆発し、馬車を起こそうとしていたハンターが全員吹き飛んでいった。
「な、なんだ!?」
「おい、要救助だ。警戒しつつ回収しろ!!」
ハンターたちが吹き飛んだハンターたちを助けに向かうと同時に、
丘の向こう側から盗賊たちが一斉に現れたのだ。
「盗賊だ! 迎撃!!」
残ったハンターたちは救助を中止して盗賊への対処を始める。
救助に当たっていたハンターと護衛・警戒に当たっていたハンター、合わせて13名のハンターがいたが、8名ほどのハンターが吹き飛んだせいでこちらのハンターは5名しか残っていなかった。
どう考えても圧倒的劣勢状態だ。
「セリアさん。ハンター一人で盗賊は何人倒せるんですか?」
「練度によります。今回の盗賊はどうも【ブラッド盗賊団】のようですね。赤と黒のバンダナをしているのが見えるので間違いありません。彼らはなかなかの強敵です。5人のハンターでは太刀打ちできないかもしれません」
セリアさんは冷静にそう判断する。
「じゃあこのままではまずいと?」
「……いえ。むしろ運が悪いのは彼らのほうでした」
セリアさんは不敵に笑う。
ブラッド盗賊団の20名はそのまま丘を越え、街道へと迫る。
緊張する5名のハンターとマルムさんとセリアさん。
「マルム、いけそうですか?」
「大丈夫よ。さくっと終わらせましょう。遥様、支援をお願いします」
救助を中止して戻ってきたマルムさんがボクにそう声をかける。
「わかりました。ミリアムさん、大地に働きかけて動きを制限してください」
「わかりました」
ミリアムさんはそう答えると、軽く手を振り上げた。
すると、盗賊たちの目の前の土が突然陥没した。
「おぉ!? なんだこれすげぇ!! 誰だかわからないがやるじゃねえか! おい、今だ!!」
地面が陥没し、足を取られたことで倒れこんだ盗賊たちにハンターたちが一気に襲い掛かった。
「主、弓使いがいます」
「わかりました」
ボクが認識できる範囲内に盗賊団の弓使いがいるのを発見。
すぐに影を操り、股座から影の槍を突き刺して串刺しにする。
「ぎゃああああああ」
串刺しにされた盗賊弓使いは弓を取り落とし、苦しそうに上半身だけ暴れて逃れようとするが下半身はもう使い物になっていなかった。
影の槍が消えると地面に倒れ伏し、そのまま動かなくなる。
最初に突撃した盗賊組が打ち取られると、後ろにいたリーダー格の男がその場から逃げ出そうとしているのが見えた。
「逃がしません」
千早さんはそう言うと、馬車付近の地面を錫杖の先で軽く突く。
すると、逃げようとしていた男の前方に巨大な土壁が生まれ、手の形に姿を変えたかと思うとそのまま男を飲み込んで拘束した。
あっという間の出来事だった。
「ふぅ。思ったより簡単だったね。ところでブラッド盗賊団って魔術師いないんですか?」
あまりにもあっけない幕引きだったのでセリアさんに聞く。
「彼らは魔術師を雇いません。まぁ脳筋です。それに彼ら自身は魔術防御力の高い装備を身に着けていることでも有名でして、普通だとあの突撃だけでも蹂躙されてしまうんです」
どうやらブラッド盗賊団はその防御力と突破力で相手を蹂躙するタイプの盗賊団だったようだ。
「ちなみに単体戦闘力だとどんな感じなんですか?」
「町の兵士程度では敵わないかと。騎士に匹敵する強さですね」
どうやら強力な脳筋集団だったようだ。
「それにしてもミリアム様の魔術、すごいですね。あんなことができる人はまずいません」
「だって、ミリアムさん」
「あれくらいはどうということはありませんが、代わりに人は殺せませんので」
どうやらミリアムさんにもできないことがあるようだ。
これからどうなるかはわからないけど、ボクの信仰者が増えたことを喜ばしく思いたい。
というわけで、今後もボクは眷属を増やして、加護を与えていこうと思う。
「遥様、この先に人間が複数人隠れているようです」
馬車での移動中、マルムさんが周囲の状況を教えてくれる。
こんなところに人ねぇ……。
現在通っている場所は街道だが、マルムさんが示した場所は街道から外れた場所にある、森と丘陵の間だった。
「絶妙に変な場所なんですね」
街道側からでは丘陵の奥の森までは見ることができない。
つまり、こちらからでは死角になるということだ。
「おそらく盗賊でしょう。とはいえ、こちらに来ない以上手を出すのも馬鹿らしい話です」
「ただ確実にこちらに来ないとも言えませんね」
マルムさんとセリアさんは語る。
「ミリアムさん、人数は?」
「20人です」
ミリアムさんは淡々と話す。
20人は多いね……。
「主。一人が街道付近の丘まで動いたようです」
「偵察ですね」
「タイミング最悪かぁ。あたしたちはいい獲物かもしれませんね」
マルムさんはそう分析する。
さて、どうしたものだろうか。
「ただ倒すだけなら簡単です。私たちならできるでしょう。ですが、逃げられてしまえば追うに追えません」
セリアさんの言うことももっともかもしれない。
となると……。
「もし戦闘になるようでしたら、マルムさんとセリアさんは敵を引き付けてください。奇襲はミレたちがやります。ボクと千早さんとミリアムさんは援護をします。特にミリアムさんは危なすぎる力は使わないようにしてくださいね」
「任せてください」
「わかりました」
「いつでもOKです~」
「主。問題ありません」
各々準備完了しているようなので、注意しながら馬車を進めることにした。
しばらく進むと一台の馬車が猛スピードでボクたちの馬車を追い越していく。
そしてその馬車は横滑りし、そのまま横転して道を塞いでしまった。
御者の姿はそれっきり見えない。
「おい、大丈夫か!」
ボクたちの後ろの馬車が横転した馬車に向かってそう声をかけた。
「やばくないか? 御者は大丈夫なのか?」
心配そうな声が聞こえる。
どうやら後ろにいる馬車は乗り合い馬車のようだ。
「主」
「うん。見ちゃいました」
ボクは見た。馬車が横転する瞬間、御者が軽業師のように飛び降りてさっと隠れるのを。
これは明らかな罠だった。
「救助と確認を急げ!」
「雇われたハンターたちは周囲の警戒を」
乗合馬車とそのほかの馬車からハンターたちが降りて救助と周囲の警戒を始める。
「おい、そこの女性ハンター二人組! 何の種族だかわからないが手伝ってくれないか?」
通りかかったハンターがマルムさんとセリアさんにそう声をかけた。
「ハンター規約については知っている。だが今手を貸すことはできない」
きっぱりとそう言い切るマルムさん。
「それは分かるしこっちも同じだ。だがこのまま放っておいては盗賊の餌食だ。特例ということもあるし」
どうやらハンター規約には救助に関する特例措置のような条項があるようだ。
ちなみにボクは正式なハンターではないので、それらのことは全く知らない。
「では、あたしが行こう。セリアはそのまま護衛をお願い」
「わかったわ、マルム。でも、気を付けて」
「あぁ」
マルムさんはそう言うとボクたちの馬車から離れていった。
何人かのハンターはすでに横転した馬車にたどり着いているようで、何かを探したり馬車をどけようとしているのが見えた。
マルムさんはそこから少し離れた場所に待機していて、直接救助には関わっていなかった。
そして、突如馬車が爆発し、馬車を起こそうとしていたハンターが全員吹き飛んでいった。
「な、なんだ!?」
「おい、要救助だ。警戒しつつ回収しろ!!」
ハンターたちが吹き飛んだハンターたちを助けに向かうと同時に、
丘の向こう側から盗賊たちが一斉に現れたのだ。
「盗賊だ! 迎撃!!」
残ったハンターたちは救助を中止して盗賊への対処を始める。
救助に当たっていたハンターと護衛・警戒に当たっていたハンター、合わせて13名のハンターがいたが、8名ほどのハンターが吹き飛んだせいでこちらのハンターは5名しか残っていなかった。
どう考えても圧倒的劣勢状態だ。
「セリアさん。ハンター一人で盗賊は何人倒せるんですか?」
「練度によります。今回の盗賊はどうも【ブラッド盗賊団】のようですね。赤と黒のバンダナをしているのが見えるので間違いありません。彼らはなかなかの強敵です。5人のハンターでは太刀打ちできないかもしれません」
セリアさんは冷静にそう判断する。
「じゃあこのままではまずいと?」
「……いえ。むしろ運が悪いのは彼らのほうでした」
セリアさんは不敵に笑う。
ブラッド盗賊団の20名はそのまま丘を越え、街道へと迫る。
緊張する5名のハンターとマルムさんとセリアさん。
「マルム、いけそうですか?」
「大丈夫よ。さくっと終わらせましょう。遥様、支援をお願いします」
救助を中止して戻ってきたマルムさんがボクにそう声をかける。
「わかりました。ミリアムさん、大地に働きかけて動きを制限してください」
「わかりました」
ミリアムさんはそう答えると、軽く手を振り上げた。
すると、盗賊たちの目の前の土が突然陥没した。
「おぉ!? なんだこれすげぇ!! 誰だかわからないがやるじゃねえか! おい、今だ!!」
地面が陥没し、足を取られたことで倒れこんだ盗賊たちにハンターたちが一気に襲い掛かった。
「主、弓使いがいます」
「わかりました」
ボクが認識できる範囲内に盗賊団の弓使いがいるのを発見。
すぐに影を操り、股座から影の槍を突き刺して串刺しにする。
「ぎゃああああああ」
串刺しにされた盗賊弓使いは弓を取り落とし、苦しそうに上半身だけ暴れて逃れようとするが下半身はもう使い物になっていなかった。
影の槍が消えると地面に倒れ伏し、そのまま動かなくなる。
最初に突撃した盗賊組が打ち取られると、後ろにいたリーダー格の男がその場から逃げ出そうとしているのが見えた。
「逃がしません」
千早さんはそう言うと、馬車付近の地面を錫杖の先で軽く突く。
すると、逃げようとしていた男の前方に巨大な土壁が生まれ、手の形に姿を変えたかと思うとそのまま男を飲み込んで拘束した。
あっという間の出来事だった。
「ふぅ。思ったより簡単だったね。ところでブラッド盗賊団って魔術師いないんですか?」
あまりにもあっけない幕引きだったのでセリアさんに聞く。
「彼らは魔術師を雇いません。まぁ脳筋です。それに彼ら自身は魔術防御力の高い装備を身に着けていることでも有名でして、普通だとあの突撃だけでも蹂躙されてしまうんです」
どうやらブラッド盗賊団はその防御力と突破力で相手を蹂躙するタイプの盗賊団だったようだ。
「ちなみに単体戦闘力だとどんな感じなんですか?」
「町の兵士程度では敵わないかと。騎士に匹敵する強さですね」
どうやら強力な脳筋集団だったようだ。
「それにしてもミリアム様の魔術、すごいですね。あんなことができる人はまずいません」
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