78 / 180
第78話 新世界開拓計画と妖狐族の驚きの生態
しおりを挟む
ノートパソコン一式とソーラーパネルと蓄電池一式を携え、お母さんと一緒に新世界へと戻ってきた。
周囲の人はボクが持っているものに興味津々な様子だったけど、触らないようにとだけ言って一旦空間収納へと収めておいた。
元々の世界ではスキルなんて使えないので、こちらに戻ってきてからしか収納できなかったのだ。
でも、地球では妖力は使えるみたいなんだけどね……。
「お母さん、地球では妖力が使えそうなんですけど、なんでですか?」
ここはお母さんに聞いておくべきだろう。
「妖力自体は自然の力だからよ。【気】とかあるのを知っているかしら? あれと同じように妖種は元々、妖力を生み出すことができるの」
「魔力とは違うんですか?」
「魔力や魔素、マナ、エーテルといったものはそういう元素があって、それを加工吸収したりすることで得られているの。自身で生み出すことなんてできないわ」
「そうなんですか?」
妖力は、クたち自身が生み出していたなんて全く知らなかった。
だからどこの世界でも同じように使えるのか。
「神力や精霊力も、地震で生み出すことができるけど、ちょっと限定的なのよ。精霊は星に依存していたりするし、神力は信仰にも左右されてしまうから。宇宙空間には精霊が存在しないのは知っているかしら?」
「宇宙と精霊、ですか。イメージが湧きません」
宇宙精霊とか確かに聞いたことがない。
「宇宙では精霊は生まれないの。まぁそれは妖種もなんだけど、妖種と精霊の違いは力を持ち越せるかどうかね」
「力の持越し、ですか?」
「そう。精霊は契約者がいればその契約者の力を利用して、ほかの世界でも精霊力の生産を行うんだけど、契約していないとほかの世界では精霊力を生み出せないのよ。その点、妖種であればどこであろうと妖力を生み出せるわ。たとえ地獄でもね?」
なるほど、それでお婆様は理から外れても強くなれたのか。
異空間でも、妖種は妖種として振舞えると考えると、なんだかすごいことのように思えた。
そういえば、ミレたちフェアリーノームは過去は女神であったというようなことを言っていた気がする。
もしかして、力を回復させる方法があれば、ミレたちももっと強くなるのでは?
「お母さん、ミレたちはもっと強くなりますか?」
湧いた疑問をお母さんにぶつけてみた。
「えぇ。強くなるわよ」
お母さんは短くそう答えた。
ボクはその話を聞いて、気を利かせて離れて集まっているミレたち眷属を見ていた。
彼女たちも何らかの恩恵を受けることになるのだろう。
「遥ちゃんが色んな風に力を使って信仰も集めれば、眷属はもっともっと強くなるわ。将来的に人間でも昇神するかもしれないわね」
なんとなく、みんなの未来は明るそうに思えた。
うん、ボクももっともっと頑張らなきゃ。
「これからのことなんですけど、お母さんの世界を少し参考にしてもいいですか?」
いまいちイメージが掴めないので、手近なところを参考にしたい。
「それは構わないけど、あの世界はお母様の世界の引継ぎのようなものよ? お母様がいた時代がメインだったから」
あの日本の古い風景は、お婆様の思い出なのだろう。
そこにお母さんの手が加わっていろいろと入り混じった世界になったのかもしれない。
「古い日本もほしいですけど、現代・近未来も作りたいんです」
正直、快適な生活のためにも近未来感が欲しいところ。
それはもうファンタジー世界ではなくSF世界なのかもしれない。
「想像するのは大変よ? まぁ、お母さんに伝手はないけど、瑞歌ちゃんにはあるかもしれないわね」
「ほえ? なんでですか?」
お母さんから意外な言葉が出て驚いた。
どういうことだろう?
「wi-fiの件でも話したけど、瑞歌ちゃんたちのような理外の者なら、時空を超越しているはずよ。つまり、未来も過去も混在していると思うの。お母様はそういうのに興味はなさそうだけどね」
なるほど、理から外れているからこそ可能性があるってことか。
「あとで確認してみます。それと、お母さんの部屋の件ですけど……」
「あとでいいところ見繕ってみるわね。そこに建ててくれればうれしいわ」
お母さんはどうやら土地探しから始めるようだ。
多分完全にこっちに住み着くつもりだろう。
「さ、そうそう。たまには妖都にも来なさい? 一応姫なんですから」
「あ、はい」
そういえばそんな設定ありましたね?
「でもなんで姫なんですか?」
「お母さんの娘だからよ? 国家元首の子供だったらそうは言わないわね」
国家元首でもない象徴的存在のお母さん。
その娘だから姫ということらしい。
男のままだったら王子だったのか?
疑問が尽きない……。
「まぁ遥ちゃんは女の子になってから妖狐族になっただけマシかもしれないわね」
「え? どうしてです?」
どうして男の子よりマシと言われたのだろうか。
「三島玄斉、覚えているかしら?」
「はい。お世話になりました。お母さんの侍従長だとか?」
「そうよ。あの子の奥さん、何人いると思う?」
「えっと、普通に一人では?」
「残念。15人よ。なんでかわかるかしら?」
15人の奥さんですと!?
「いえ、ちょっと……」
「妖狐族は男性が生まれにくい種族なの。女性と比べると1/10くらいにね。破綻してるといっても過言ではないわ」
「そ、それはすごいですね……」
ということは、女性が溢れているということになるのか……。
「基本的に妖狐族は長寿だから気にしないのだけど、それでもそれくらいの男女差があるから、どうしても一夫多妻にせざるおえないのよ。だから女の子でよかったという話になったわけ。まぁ同族男性ととなると、ハードルがすごく上がることになっちゃうけどね」
妖狐族、恐るべし……。
周囲の人はボクが持っているものに興味津々な様子だったけど、触らないようにとだけ言って一旦空間収納へと収めておいた。
元々の世界ではスキルなんて使えないので、こちらに戻ってきてからしか収納できなかったのだ。
でも、地球では妖力は使えるみたいなんだけどね……。
「お母さん、地球では妖力が使えそうなんですけど、なんでですか?」
ここはお母さんに聞いておくべきだろう。
「妖力自体は自然の力だからよ。【気】とかあるのを知っているかしら? あれと同じように妖種は元々、妖力を生み出すことができるの」
「魔力とは違うんですか?」
「魔力や魔素、マナ、エーテルといったものはそういう元素があって、それを加工吸収したりすることで得られているの。自身で生み出すことなんてできないわ」
「そうなんですか?」
妖力は、クたち自身が生み出していたなんて全く知らなかった。
だからどこの世界でも同じように使えるのか。
「神力や精霊力も、地震で生み出すことができるけど、ちょっと限定的なのよ。精霊は星に依存していたりするし、神力は信仰にも左右されてしまうから。宇宙空間には精霊が存在しないのは知っているかしら?」
「宇宙と精霊、ですか。イメージが湧きません」
宇宙精霊とか確かに聞いたことがない。
「宇宙では精霊は生まれないの。まぁそれは妖種もなんだけど、妖種と精霊の違いは力を持ち越せるかどうかね」
「力の持越し、ですか?」
「そう。精霊は契約者がいればその契約者の力を利用して、ほかの世界でも精霊力の生産を行うんだけど、契約していないとほかの世界では精霊力を生み出せないのよ。その点、妖種であればどこであろうと妖力を生み出せるわ。たとえ地獄でもね?」
なるほど、それでお婆様は理から外れても強くなれたのか。
異空間でも、妖種は妖種として振舞えると考えると、なんだかすごいことのように思えた。
そういえば、ミレたちフェアリーノームは過去は女神であったというようなことを言っていた気がする。
もしかして、力を回復させる方法があれば、ミレたちももっと強くなるのでは?
「お母さん、ミレたちはもっと強くなりますか?」
湧いた疑問をお母さんにぶつけてみた。
「えぇ。強くなるわよ」
お母さんは短くそう答えた。
ボクはその話を聞いて、気を利かせて離れて集まっているミレたち眷属を見ていた。
彼女たちも何らかの恩恵を受けることになるのだろう。
「遥ちゃんが色んな風に力を使って信仰も集めれば、眷属はもっともっと強くなるわ。将来的に人間でも昇神するかもしれないわね」
なんとなく、みんなの未来は明るそうに思えた。
うん、ボクももっともっと頑張らなきゃ。
「これからのことなんですけど、お母さんの世界を少し参考にしてもいいですか?」
いまいちイメージが掴めないので、手近なところを参考にしたい。
「それは構わないけど、あの世界はお母様の世界の引継ぎのようなものよ? お母様がいた時代がメインだったから」
あの日本の古い風景は、お婆様の思い出なのだろう。
そこにお母さんの手が加わっていろいろと入り混じった世界になったのかもしれない。
「古い日本もほしいですけど、現代・近未来も作りたいんです」
正直、快適な生活のためにも近未来感が欲しいところ。
それはもうファンタジー世界ではなくSF世界なのかもしれない。
「想像するのは大変よ? まぁ、お母さんに伝手はないけど、瑞歌ちゃんにはあるかもしれないわね」
「ほえ? なんでですか?」
お母さんから意外な言葉が出て驚いた。
どういうことだろう?
「wi-fiの件でも話したけど、瑞歌ちゃんたちのような理外の者なら、時空を超越しているはずよ。つまり、未来も過去も混在していると思うの。お母様はそういうのに興味はなさそうだけどね」
なるほど、理から外れているからこそ可能性があるってことか。
「あとで確認してみます。それと、お母さんの部屋の件ですけど……」
「あとでいいところ見繕ってみるわね。そこに建ててくれればうれしいわ」
お母さんはどうやら土地探しから始めるようだ。
多分完全にこっちに住み着くつもりだろう。
「さ、そうそう。たまには妖都にも来なさい? 一応姫なんですから」
「あ、はい」
そういえばそんな設定ありましたね?
「でもなんで姫なんですか?」
「お母さんの娘だからよ? 国家元首の子供だったらそうは言わないわね」
国家元首でもない象徴的存在のお母さん。
その娘だから姫ということらしい。
男のままだったら王子だったのか?
疑問が尽きない……。
「まぁ遥ちゃんは女の子になってから妖狐族になっただけマシかもしれないわね」
「え? どうしてです?」
どうして男の子よりマシと言われたのだろうか。
「三島玄斉、覚えているかしら?」
「はい。お世話になりました。お母さんの侍従長だとか?」
「そうよ。あの子の奥さん、何人いると思う?」
「えっと、普通に一人では?」
「残念。15人よ。なんでかわかるかしら?」
15人の奥さんですと!?
「いえ、ちょっと……」
「妖狐族は男性が生まれにくい種族なの。女性と比べると1/10くらいにね。破綻してるといっても過言ではないわ」
「そ、それはすごいですね……」
ということは、女性が溢れているということになるのか……。
「基本的に妖狐族は長寿だから気にしないのだけど、それでもそれくらいの男女差があるから、どうしても一夫多妻にせざるおえないのよ。だから女の子でよかったという話になったわけ。まぁ同族男性ととなると、ハードルがすごく上がることになっちゃうけどね」
妖狐族、恐るべし……。
0
あなたにおすすめの小説
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜
キノア9g
ファンタジー
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」
20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。
一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。
毎日19時更新予定。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる