神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~

じゃくまる

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第160話 理外の話とお婆様の知識

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 混沌の根と呼ばれるものの正体は暴かれたわけだが、なぜそのような不可解なものが生まれてしまうのだろうか。
 一番の謎はやはり理外の者自身だろう。
 彼らは果たして生物なのか、それとも生物に似たなにかなのか、ボクにはまるで判別がつかないのだ。

「遥お姉様、クズどものことを考えても無駄ですわよ? そもそもあれらは過去には生物であったものというだけの存在ですもの。今はそのみすぼらしい残留思念が理外の力を吸収して醜く膨らんだだけのもの」
「そうじゃのぅ。わしらと違ってあやつらは色んなものが混じったゴミのようなものじゃからのぅ。前に言うたかもしれぬが、力を求めて好き放題した者が死後に理外に弾き飛ばされたものがあやつらじゃ。だからあやつらを生物と思う必要はないぞ?」
「そうなんですか? だとするとお婆様たちも持っている核はなんなんでしょう?」
 
 ボクにもお婆様の影響のせいかその核が存在する。
 これ自体はボクに直結しているわけではなく、何かのタンクのように別に存在しているという感覚がある。
 まるで何かを貯めておくように。

「わしらにある核は理外の力の受け皿のようなものじゃ。瑞歌は粘性生物じゃが元々混沌で生まれたよくわからぬ存在じゃが核を壊しても別に死なぬ」
「最初に出会った時を思い出しますわぁ~」
「えぇ!?」
 お婆様のトンでも発言にもびっくりするが、それを思い出してうっとりとする瑞歌さんにもドン引きだ。
 彼女は真正のマゾであるようだ。

「つまりじゃ。存在をそれに頼っているかがポイントということじゃな。あやつらは自身の存在を【混沌の核】に委ねておる。なので、【混沌の根】も同じと言えるのじゃ」
「はえー……」
 だとすると、【理外の者】である通称【亜神】を倒したお父さんにも討伐できたのではないだろうか?

「お父さんにも討伐できる可能性はあるのでしょうか?」
 これはただの興味本位の質問だ。
 しかし、お婆様は首を横に振る。

「倒せはするじゃろうが、雄一郎に与えられる影響は看過できん。雄一郎が死後、高天原に昇れば影響を受けることはなくなるじゃろうが、今はダメじゃな」
「遥お姉様のお父様はそもそも力ある人間ですから、【理外の者】程度なら良くても周囲に無差別に感染しようとする【混沌の根】との接触は汚染のリスクがありますわ」
 どうやらお父さんと【混沌の根】の接触は良くないらしい。

「なあに、ミリアムがそれを抑えているのなら周囲の汚染はある程度で収まっておるじゃろう。そもそも妖精銀が大量に発生しておると言うしな。あの特殊な銀は力を抑え込む能力があるから【混沌の根】も汚染を拡げることはできぬよ」
「へぇ~……。そんな効果があるんですね」
 全く知らない効果だった。
 でもお婆様はなぜそのことを知っているのだろうか。

「お婆様は妖精銀について詳しいんですね?」
 すると、お婆様は微笑みを浮かべてこう言ったのだ。

「あれはわしが定義して作ったものじゃからな。あのあほうの妻であった時のことじゃよ。そもそもあれがなぜ妖都に輸出されて利用されておるか考えたこともないじゃろう?」
「た、たしかに……。しかし驚きました……」
 本当に驚きである。

「妖精銀は妖種や神族関係者でなければまともに使えぬのじゃ。採掘しているハイゴブリンはミリアムの加護もあり影響を受けぬが使用することはできぬ。加工品を使ったとて鉄製品を使うのとそう変わらぬじゃろう。それゆえ人間にも貴金属以上の価値はないのじゃ。まぁこの世界の人間でわしらの加護を受ける者はほぼおらんから妖精銀に近づくことすらできぬがのぅ」
 お婆様はそう言うと、愉快そうに笑いだした。
 あれ? でもそうなると、この世界で移住することになった人間の子たちはどうなるのだろうか?

「お婆様お婆様、この世界で眷属になった人間の子がそれなりの数いるんですけど、彼女たちは大丈夫なんですか?」
 お婆様の言葉が正しいとなると、少なからず影響を受けているはずだ。

「眷属になった時点で大丈夫じゃよ。とはいえ、あのあほうの眷属では使うことはできん。わしや遥、あとは若葉くらいかのぅ。じゃから妖精銀も扱うことができるし制限もかからぬ。それと新世界の妖銀じゃが、あれもただの人間には使うことが出来ぬから注意するのじゃぞ。使える者はわしらの眷属だけじゃ」
「はい」
 どうやらボクの影響を受けて生成されたあれらの鉱物も、妖精銀と同じ制限を受けるらしい。
 新世界に連れて行った子たちも眷属にはなっているし問題はないだろう。
 あれ? そうなると旧世界に街を作るときは流通品に気をつけなきゃいけないのか。

「でもこれでやるべきことと注意しなきゃいけないことがよくわかりました。ところで【混沌の根】はどうしましょう」
「残滓の駆除ならわしも喜んでやろう」
「私もですわ。踏みつぶすのが今から楽しみでなりませんわ」
「あ、あはは……」
 どうやらボクたちの中でも一番の危険人物たちが乗り気になってしまったようだ。
 こうして【混沌の根】は蹂躙されることが確定したのだった。
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