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第177話 ドタバタお正月と体力のない遥①
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「やっぱり届いてる……」
御神楽家の七不思議の1つである元日朝に必ず届く豪華なおせち料理のお弁当。
今回はそれがなんと2つも配達されていた。
その上なぜか、一部ではぽち袋とも言われたりしているお年玉袋も一緒に置かれていたのだ。
「あら? 今回は遥ちゃんの領地についてのお願いの手紙も一緒についているわね。読んでみる? 遥ちゃん」
「あ、はい」
ボクが元日おなじみの光景を見て呆然としていると、お母さんがそう問いかけてきた。
とりあえず読むだけ読んでみようかな? と思い手紙を受け取る。
するとそこには次のような内容が書かれていた。
『商館を建てたら美味しいものを優先的に取り扱ってください。お願いします』
すっごく簡潔にそう書かれてしまっていたのだ。
これは美味しいものを食べたいという催促に他ならない。
もしかして、天照様?
「ずいぶん簡潔な手紙じゃのぅ。食いしん坊な内容といい簡潔な文の書き方といい、確実に天照じゃな」
「わかるんですか?」
「うむ。付き合いは無駄に長いからのぅ」
「ふむ……」
美味しいものといえばアキの料理だろうか? それとも他の物のほうがいいのだろうか?
「まぁそれは妖都との融合が完了してから考えましょう。とりあえずそれまでは遥ちゃんが作った手作りの大福でもあげておけばいいわよ」
突然お母さんがそんなことを言いだした。
「それでいいんですか?」
「うむ。遥の手作りなら喜ぶじゃろうな」
「えぇ……」
よくわからないけどそれで喜ぶならそれでもいいのかな……。
お婆様までお母さんに同意しているし、たぶん間違ってはいないんだろうけど……。
「む?」
一緒に置いてあったお年玉袋の中身を確認してみると、1万円札とよくわからない謎の金貨が1枚入っていた。
金貨は15mmくらいの長方形をしていて、よくわからない文字が書かれているという特徴があった。
これはなんだろう?
「ほぅ。高天原で作っている通貨じゃな。珍しいものを寄こしてきおったのぅ」
「高天原にも貨幣が流通してるんですか?」
というか、神様の世界にも通貨があったことに驚きを隠せません。
「頻繁に使われておるわけではないぞ? この手の通貨は妖精郷との取引に使われることが多いのじゃ。妖精郷は貨幣経済じゃろ?」
「まだ詳しくないですけど、そのようですね」
「なので、これを作ってお互いの買い物に利用しておるのじゃ。今も現役の通貨じゃぞ? まぁ人間界には出せぬがのぅ」
お婆様はそう言うと、長方形の金貨を袋へと戻した。
そういえば妖精郷の通貨ってどうなってるんだろう? 今度ちゃんと調べてみようかな。
それからボクたちはお節料理を頂き、午前中のうちにお父さんの働いている神社へと向かった。
◇
「うわっ、相変わらず人が多いですね……」
人間界側の神社はとても人が多く賑やかで、警備員があちこちで誘導を行っている状況だった。
とてもじゃないけど自由に見て回ることなんてできない。
なので行きたいところはあるけど仕方なく順路に従って進んでいくことにした。
「押さないでくださ~い! ただいま神社は大変混雑しております。小さなお子様の手を離されませんようにご注意ください」
「警察署からのお知らせです。ただいまスリが発生しています。くれぐれも盗まれやすい場所に貴重品などを入れないでください」
「現在、神社は大変混雑しております! 境内への入場は係員の案内に従ってください」
あちこちから聞こえるこのような放送と声掛け。
まだ神社の境内にすら入っていないのに、嫌でも混雑してることを知らされてしまう。
「うぅ……。人に酔いそうです……」
「さすがに苦しいのぅ……」
「二人とも小さい分酔いやすくなってるのかしら」
さすがの人ごみに、ボクもお婆様もダウン気味だ。
正直もう帰りたいし、下手をしたら戻してしまいそうですらある。
「はぁ……はぁ……。辛い……」
「ほれ、頑張るんじゃ。もう少しで落ち着く場所に出るからのぅ」
「本当にダメそうなら言いなさいね?」
「ふぁい……」
前の時はどうだったっけ? 小さくなったから弱ってるのかな? それとも前からだっけ? うぇ、思い出せない……。
なんだかこの姿になってから非力さが増したような気もするし、今のところ日本での日常生活には全く役に立ってない気がするなぁ……。
そんなことを無意味に考えていると、いつの間にか周囲にあった人の圧力が消えていた。
「遥ちゃん、着いたわよ」
「よう頑張ったのぅ。社務所に着いたから中で休むのじゃ」
「あっ、遥ちゃん大丈夫? 具合悪そうだけど」
「な、なんとか……」
話しかけてきたのはこの前神社で出会った権禰宜の女性だった。
女性は心配そうにボクを見ると、奥から飲み物を持ってきてくれたのだ。
「これを飲んで落ち着いてね? ごめんなさいね、御神楽宮司は少し手が離せなくって……」
「いえ、大丈夫です……。ふぅ……」
「少しバタついてるけど、落ち着くまでここにいてね」
そう言うと権禰宜の女性はどこかへと行ってしまった。
「ふぅ……。にしてもみんな忙しそうですね」
「じゃのぅ」
おみくじを販売したりお土産やお札などを販売したりと巫女装束の女性たちは大忙しで動き回っている。
お正月の人ごみもすごいくて並ぶのもたいへんだけど、神社で働く人たちはそれ以上に大変なようだった。
「若葉様、奥へは落ち着いたらご案内しますね」
「若葉さん、これちょっと教えてください~」
「あらあら」
お母さんは神社の人とも顔馴染のようで何やら頼まれごとをしていた。
お母さんってもしかして神社でも働いてたことあるのかな?
「ああ見えて若葉も色々やっておるからのぅ。最近は離れておるが一応資格も持っておるのじゃよ」
「それは、意外ですね」
お婆様の一言を聞いてボクはなんとなく納得してしまった。
そういえばお母さんも見た目通りの年齢じゃないんでしたね。
「遥ちゃん? ちょっとだけ着替えてお手伝いお願い~」
「えぇ~!? わ、わかりました……」
なんでか急にボクまで手伝わされることになってしまった。
良いのだろうか? いや、良くないよね?
御神楽家の七不思議の1つである元日朝に必ず届く豪華なおせち料理のお弁当。
今回はそれがなんと2つも配達されていた。
その上なぜか、一部ではぽち袋とも言われたりしているお年玉袋も一緒に置かれていたのだ。
「あら? 今回は遥ちゃんの領地についてのお願いの手紙も一緒についているわね。読んでみる? 遥ちゃん」
「あ、はい」
ボクが元日おなじみの光景を見て呆然としていると、お母さんがそう問いかけてきた。
とりあえず読むだけ読んでみようかな? と思い手紙を受け取る。
するとそこには次のような内容が書かれていた。
『商館を建てたら美味しいものを優先的に取り扱ってください。お願いします』
すっごく簡潔にそう書かれてしまっていたのだ。
これは美味しいものを食べたいという催促に他ならない。
もしかして、天照様?
「ずいぶん簡潔な手紙じゃのぅ。食いしん坊な内容といい簡潔な文の書き方といい、確実に天照じゃな」
「わかるんですか?」
「うむ。付き合いは無駄に長いからのぅ」
「ふむ……」
美味しいものといえばアキの料理だろうか? それとも他の物のほうがいいのだろうか?
「まぁそれは妖都との融合が完了してから考えましょう。とりあえずそれまでは遥ちゃんが作った手作りの大福でもあげておけばいいわよ」
突然お母さんがそんなことを言いだした。
「それでいいんですか?」
「うむ。遥の手作りなら喜ぶじゃろうな」
「えぇ……」
よくわからないけどそれで喜ぶならそれでもいいのかな……。
お婆様までお母さんに同意しているし、たぶん間違ってはいないんだろうけど……。
「む?」
一緒に置いてあったお年玉袋の中身を確認してみると、1万円札とよくわからない謎の金貨が1枚入っていた。
金貨は15mmくらいの長方形をしていて、よくわからない文字が書かれているという特徴があった。
これはなんだろう?
「ほぅ。高天原で作っている通貨じゃな。珍しいものを寄こしてきおったのぅ」
「高天原にも貨幣が流通してるんですか?」
というか、神様の世界にも通貨があったことに驚きを隠せません。
「頻繁に使われておるわけではないぞ? この手の通貨は妖精郷との取引に使われることが多いのじゃ。妖精郷は貨幣経済じゃろ?」
「まだ詳しくないですけど、そのようですね」
「なので、これを作ってお互いの買い物に利用しておるのじゃ。今も現役の通貨じゃぞ? まぁ人間界には出せぬがのぅ」
お婆様はそう言うと、長方形の金貨を袋へと戻した。
そういえば妖精郷の通貨ってどうなってるんだろう? 今度ちゃんと調べてみようかな。
それからボクたちはお節料理を頂き、午前中のうちにお父さんの働いている神社へと向かった。
◇
「うわっ、相変わらず人が多いですね……」
人間界側の神社はとても人が多く賑やかで、警備員があちこちで誘導を行っている状況だった。
とてもじゃないけど自由に見て回ることなんてできない。
なので行きたいところはあるけど仕方なく順路に従って進んでいくことにした。
「押さないでくださ~い! ただいま神社は大変混雑しております。小さなお子様の手を離されませんようにご注意ください」
「警察署からのお知らせです。ただいまスリが発生しています。くれぐれも盗まれやすい場所に貴重品などを入れないでください」
「現在、神社は大変混雑しております! 境内への入場は係員の案内に従ってください」
あちこちから聞こえるこのような放送と声掛け。
まだ神社の境内にすら入っていないのに、嫌でも混雑してることを知らされてしまう。
「うぅ……。人に酔いそうです……」
「さすがに苦しいのぅ……」
「二人とも小さい分酔いやすくなってるのかしら」
さすがの人ごみに、ボクもお婆様もダウン気味だ。
正直もう帰りたいし、下手をしたら戻してしまいそうですらある。
「はぁ……はぁ……。辛い……」
「ほれ、頑張るんじゃ。もう少しで落ち着く場所に出るからのぅ」
「本当にダメそうなら言いなさいね?」
「ふぁい……」
前の時はどうだったっけ? 小さくなったから弱ってるのかな? それとも前からだっけ? うぇ、思い出せない……。
なんだかこの姿になってから非力さが増したような気もするし、今のところ日本での日常生活には全く役に立ってない気がするなぁ……。
そんなことを無意味に考えていると、いつの間にか周囲にあった人の圧力が消えていた。
「遥ちゃん、着いたわよ」
「よう頑張ったのぅ。社務所に着いたから中で休むのじゃ」
「あっ、遥ちゃん大丈夫? 具合悪そうだけど」
「な、なんとか……」
話しかけてきたのはこの前神社で出会った権禰宜の女性だった。
女性は心配そうにボクを見ると、奥から飲み物を持ってきてくれたのだ。
「これを飲んで落ち着いてね? ごめんなさいね、御神楽宮司は少し手が離せなくって……」
「いえ、大丈夫です……。ふぅ……」
「少しバタついてるけど、落ち着くまでここにいてね」
そう言うと権禰宜の女性はどこかへと行ってしまった。
「ふぅ……。にしてもみんな忙しそうですね」
「じゃのぅ」
おみくじを販売したりお土産やお札などを販売したりと巫女装束の女性たちは大忙しで動き回っている。
お正月の人ごみもすごいくて並ぶのもたいへんだけど、神社で働く人たちはそれ以上に大変なようだった。
「若葉様、奥へは落ち着いたらご案内しますね」
「若葉さん、これちょっと教えてください~」
「あらあら」
お母さんは神社の人とも顔馴染のようで何やら頼まれごとをしていた。
お母さんってもしかして神社でも働いてたことあるのかな?
「ああ見えて若葉も色々やっておるからのぅ。最近は離れておるが一応資格も持っておるのじゃよ」
「それは、意外ですね」
お婆様の一言を聞いてボクはなんとなく納得してしまった。
そういえばお母さんも見た目通りの年齢じゃないんでしたね。
「遥ちゃん? ちょっとだけ着替えてお手伝いお願い~」
「えぇ~!? わ、わかりました……」
なんでか急にボクまで手伝わされることになってしまった。
良いのだろうか? いや、良くないよね?
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