知らない世界はお供にナビを

こう7

文字の大きさ
6 / 75
街までの道のり

恐るべし我が妄想

しおりを挟む

魔法。
なっちゃん曰く、属性は火・水・風・雷・土が主流で他にも氷や時空間、身体強化や鑑定などの無属性と多種多様にある。もちろん、それぞれの魔法に適性が無ければ幾ら頑張っても使えないし、必ずしも適性があるといってまともに使えるともいえない。
なっちゃん調べでは、エスちゃん様のご厚意で全属性に適性があるらしい。あとは、練習を重ねて努力するのみ。

幸い私には魔法に不可欠な妄想力もとい想像力が豊からしい。
なっちゃんも鼻で笑って褒めてくれていたから大丈夫。私はやれば出来る子。

『ではご主人様、残り49分38秒以内に牽制程度の魔法まで取得を目指しましょう。』

「おーう……ってどうしてそんな具体的な数字を持ち出して来たの?」

『………さあ取得目指して頑張りましょう!』

「あ、今話を逸らした。逸らしたよね?」

『残り時間49分15秒。』

謎のカウントダウンしか発しなくなった。し、仕方がない諦めて魔法の勉強をします。

「もういいよ。まずはなにをしたらいいの?」

『……はい、最初は体内にある魔力を感じてみましょう。』

みましょうと言われてもこちとら魔法の無い世界からやって来た女の子。
どうしろと?

『……まずは目を閉じて下さい。胸の辺りに集中してみて下さい。どうですか?温かな何かを感じませんか?そうです、それが魔力です。感じたらそれを動かしてみて下さい。』

言われた通りに目を閉じてCへと進化した胸元に集中する。集中する。集中する。

「あのね、怒らないで聞いてね。その…ね、何も感じなかった、てへ。」

『…………残り時間38分28秒。』

「うわぁ、待って見捨てないで!まだやれるからあたいまだやれるから!」

光球だから表情は読めないけど、絶対残念な子を見る目をしている。絶対両親や親友が偶に見せる目をしている。

『……はぁ、では私に触れて下さい。私がご主人様の魔力を操作しますのでその感覚を覚えて下さい。残り時間37分46秒。』

覚えろよと脅しのように制限時間をおっしゃる。
これはヤバイと急いでなっちゃんに触れる。電球と違って発光しているのに熱くない。

従姉妹のみっちゃんが言ってたクーデレって奴だね。

うんうん違いないと唸ってたら突然私の中を駆け回る熱。

なに、これ、あ、あぁ…。

『どうですか、ご主人様。血液のように身体中へ循環しましたが…。温かいのが分かりましたか?』

「はぁ、はぁ……も、もう一回お願いします。その温かくて気持ちいいのワンモアプリーズで。」

『………………………残り時間35分12秒。』

「なっちゃん、聞いてる?もう一回お願いします、ね、お願い。聞いてるなっちゃん。」

『……………。』

ついになっちゃんが制限時間も言ってくれなくなった。クールなナビゲーターさんだね。
もっと感じたか……感覚を覚えたかったけど仕方がない。
仕事放棄のなっちゃんにもう一度振り向いて貰う為、私頑張る。目指せ汚名挽回!

集中集中、あの時気持ち良かったぐへへな感覚を思い出せ。むふふ思い出したらまただらしない顔になっちゃう。
集中集中集中。


そして、カエデの集中は続いた。時折、途切れることもあったけど彼女は頑張った。何度も何度も挫けそうになってあの時の感覚を思い出して気持ち悪い笑みをしちゃうけども頑張った。

そして、なっちゃんによる残り時間はもう5分を切っていた。

「なっちゃん。」

カエデの言葉には力が備わっていた。ほんの数十分前までは何処か頼りない声。でも、今は違うようだ。
大学の面接で見せた真剣な眼差しがそこにある。

「なっちゃん。」

『ご主人様。』

「なっちゃん、私頑張ったよ。」

『ご主人様、そうですね。ご主人様の中では頑張ったのでしょう、ご主人様の中では。ですが……………………残念です残り時間3分13秒。』

「なっちゃん私を見捨てないで!あと、いい加減その不吉な制限時間は何なの?」

私はやれば出来る子。だけど、集中がほんのちょっと足りない女の子。だから許して、なんて事は言わないよ。言わないからその数字の意味教えてください。

『これは魔物つまり敵が現れるまでの時間です。あんなに急ぐように申しましたのに、残念です。短い間でしたがお世話になりました。ご主人様との日々はとても幸せでした。』

「なっちゃん待って待って。なんで魔物が来るって教えてくれなかったの!?あと、流れるように別れの挨拶告げないで!」

なんで魔物の出現を予知出来るのかはこの際気にしない。何でも知ってるナビゲーターだから知ってたんでしょう。
でも、ちゃんと魔物が来るって教えてくれていたらもっと真剣にやったのに。
本当だよ、やってたよ嘘じゃないからね。

『あぁご主人様おいたわしや。ほんの小一時間でもうお別れなんて…。』

「凄いこれほど感情のないおいたわしやは初めてだよ。それとまだお別れするには早いから。生きよう、ね、頑張って生きようよ!」



そんなカエデちゃんの必死の願いは虚しく、ガサゴソと音がしたかと思えば三匹の魔物が現れてしまった。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです

MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。 しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。 フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。 クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。 ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。 番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。 ご感想ありがとうございます!! 誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。 小説家になろう様に掲載済みです。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

処理中です...