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街までの道のり
緊急措置の盗賊襲撃2
しおりを挟む拝啓、お母さん。
私は元気にやってます。
今も威勢よく崖の上から落下中です。
異世界からカエデより
3メートルちょっとの高さ。下に着くのにそう時間は掛からないけれどヤンチャじゃない女の子にはちと怖い。クッションは盗賊だけという地球と違って安全完備がされていない中での落下。
「んーふーふー!!」
せっかくの作戦を自分の叫び声で台無しに出来ない。
漏れ出そうになる悲鳴と色んな液体を未来で待ち受ける料理達への食欲でどうにか抑える。
けれど、盗賊達も間近まで迫ればどうあっても気付く。二人仲良く空を見上げた。
「ん?なんどぅぶひぃっ!?」
「ん?なんばぁばばばばあ!?」
一人は、真っ白な中の猫さんマークが眼前を覆いそのまま押し潰されて意識を失う。
そして、もう一人は額に硬い何かが思いっきり当たったかと思えば猛烈に迸る電流によって昏倒した。
「い、痛たたた…。スカートが捲れちゃったよ。」
盗賊クッションがあっても衝撃をある程度は伝えてくる。お尻をさすり、ポンポンと埃を払いながら立ち上がる。
『ご主人様、お疲れ様です。無事、成功致しましたね。』
「なっちゃん怖かったよー…。この人達死んだのかな?」
『いえ、二人共辛うじて生きていますよ。一人は首がいってて、もう一人は額からスタンガンなのでほぼ瀕死です。流石はご主人様です、外道には容赦ないですね。』
「そ、そこまでするつもり無かったのに…。」
『気に病む必要はございません。因果応報です。この人達はいずれ痛い目に遭っていたでしょう。それが早まっただけです。それよりもまだ敵は残っております。油断せず行きましょう。』
「……うん、気にしたら負けだね!」
とりあえず倒した二人はこのまま放置。ロープとか無いし仕方がない。例え目が覚めても動けないらしい。恐るべし、私の尻圧とスタンガン。
せめてものお詫びでお互いに抱き合うような形で寝かせる、もちろん武器が仕込まれてたら危ないので裸に剥いてから。
じゃあ、仲良くね。
愛し合うように眠る二人を残して私達は残りの盗賊達が潜む洞穴へと侵入する。
なっちゃん情報では単独行動しているのが3名、残りの3名は一つの空間に固まっているとのこと。
まずは各個撃破して最後にその3人をまとめて倒す。
ここからはスタンガン&なっちゃん指示の無双。
『ご主人様、もうまもなくこちらに一人歩いて来ます。合図を出しますのでスタンガンを右斜め上へ突き出して下さい。』
『ご主人様、ここに登って息を潜めてお待ち下さい。もうすぐ下を通ります。頭目掛けてスタンガンを放って下さい。』
『ご主人様、そこの隙間にスタンガンを持った状態で突っ込んで下さい。私がカウントしますのでゼロと言ったら魔力を込めて下さい。』
これで単独で動いていた3人は討伐した。いや本当になっちゃん様々だ。なっちゃんが万能過ぎて盗賊達が一切声を発する機会が無い。
ちょっと不憫。
倒した3人も武器を持つ危険性を考慮して裸に剥いて絡み合い愛を語らうような形で寝かせておく。
残りは3人。
最後は3人同時だから今までみたいに容易くとはいかないだろう。
なっちゃんの指示をより一層ちゃんと聞いて油断せずに行こう。
なっちゃんを先頭に奥へと進む。
そして、止まった。
穴は右へと続いており灯りが洩れている。どうやらそこに居るみたいだね。
『残りはこちらに居ます。それではご主人様進んで下さい。』
「え、何か指示は無いの?このまま策もなしに進んだら私の純潔が奪われると思うけど。」
『大丈夫です。ささ、どうぞどうぞ。』
「えぇー…うぅ分かったよぅ。」
全く作戦も無く進めと言う。
私は恐る恐る明かりが照らしている場所へと向かう。
やっぱり怖いので覗くように様子を見る。
なっちゃんが一切指示を出さなかった理由が判明した。
確かに3つの人の姿があった。
但しテーブルの上で伏せるように椅子に座っている。顔は腕で隠れて見えないけど、傍らには何本もの瓶が立ってたり転がってたりする。
そして、なによりもこの部屋いっぱいに酒の匂いが充満していた。
彼等はどうやら酔っ払って眠ってしまったようだ。
試しに近付くけど、大きないびきを上げて真っ赤に頬を染めている。接近しても全く起きる様子はない。
そっかぁ、なら安心だね。
てい!
てい!
てい!
酔っ払ったまま気持ち良く寝れて良かったね。
これにて盗賊殲滅ミッション完了。
この後、彼等はきちんと外へと引き摺り出して裸で組んず解れずの一種の芸術作品のように絡み合わせておきました。
お次は待ちに待った戦利品漁りタイム。
もぬけの殻になった洞穴へと再度突撃していく。
まずは金目のもの。倒した盗賊が懐に持っていたお金以外にも保管されていた金や宝石を塵一つ残さず根こそぎ頂戴する。
なっちゃんがいれば幾ら隠そうと無駄だぜぃ。
次に武器。
といっても、鉄で出来た武器ばかりなので私には重くて扱えないものばかり。売るとしてもそれほど高くは売れない。
扱えそうな短剣とナイフを今後の自分のメイン武器として残りは一応収納しておく。私の中のもったいないオバケが疼いちゃう。
最後に服。
野郎ばかりの盗賊団だったので女物は無い。盗品の中にあるかなと思ったけど無かった。
でも、ちょっと大きいけれど外套があったのでこれを羽織っておく。うん、少しは目立たなくなったかな。
あとは、布類を全て回収して戦利品漁りの時間はこれにて終了。
いやー悪さをする盗賊を倒すことが出来て良かったです。
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