15 / 75
街までの道のり
緊急措置の盗賊襲撃
しおりを挟むやっと待ちに待った目的地まで訪れたのに入れないという有様。
一難去ってまた一難というか、いくつもの危機を乗り越えて来たのにまだ私に苦行を強いてくるか。
土下座か?あの土下座が悪いんか?
この町に教会があったら土下座にまた罰を与えるようエスちゃん様に祈ってやる。
なんて言ったもののどうしよう。
遠くに見えるサルサの町をぼんやりと眺めながら考える。
でも、異世界初心者の私がいくら考えたって何も思い浮かばない。せいぜいここを人が通ったら物乞いして銀貨一枚手に入れるしか出て来ない。
そこで皆大好きナビのなっちゃんの登場。
『ご主人様、一つだけ良い方法がございます。これなら銀貨一枚どころかその後の生活費もそこそこ手に入り、更には衣服も調達出来ると思います。』
「そ、そんな夢のような方法が?なに、なっちゃん教えて、それは何!!」
『落ち着いて下さい教えます。その方法とは……。』
「ごくり…その方法とは?」
『盗賊のアジトを襲撃です。』
聞き間違いかもしれない。こんな小娘が単身で盗賊団を襲撃なんてあり得ないね。
聞き間違いだね。
「ごめんなっちゃん、ちょっとちゃんと聞けてなかったみたい。もう一回教えてくれる?」
『はい、盗賊団の襲撃です。この付近だと2時間ほど歩いた場所に盗賊の隠れ家がございます。そこを襲撃すればまとまった金と衣類が手に入ります。』
そっかぁ、聞き間違いじゃないかー。
「なっちゃんや、それは無理じゃないかね。こんな女の子が盗賊を相手するなんて無理じゃよ。」
『口調がおかしくなっておりますが、ご主人様のようなこんな女の子でも大丈夫です。』
「盗賊だよ!無理無理だって!」
『落ち着いて下さいご主人様。不可能ではございません。盗賊団といっても人数は8名で実力もリーダー格含めて小物ばかりです。今まで働いてきた悪行も恐喝やスリに、酷いので小規模の商人の馬車を狙った強盗。強盗に関しては囮を犠牲にしてなんとか成功したようなものです。』
「な、何でも知ってるね。」
『はい。私がしっかりと案内して行きますので、ご主人様は落ち着いて従って頂ければ問題なく遂行可能でしょう。』
「で、でも…。」
『大丈夫です安心して下さい。相手はどう足掻いても悪人です。気に病む必要は全くございません。奪えるだけ奪い切って全てご主人様のものと致しましょう。』
やだ、この子怖い。
これじゃあ、どっちが悪人か分からない。
でも、いつ来るか不明な人相手に物乞いするよりも確実。
くっ…背に腹は変えられないか。
盗賊団には悪いけどこれも人生なのよね。
『盗賊の蓄えている資金があれば良い宿に泊まれますよ。美味しい料理にそういえばお風呂が設備された宿もあるそうですよ。』
「………なっちゃん、これは仕方がないこと。もしここで盗賊を倒さないと今後新たな被害が生まれるかもしれない。それは正義感に満ち溢れた私が見過ごすなんて出来ない。私達がやらなくて誰がやるんだってね。」
『そうです、その意気ですご主人様。』
悪には裁きの鉄槌を、それが私達の使命であり宿命だ。
初めて人相手との戦闘が待っているだろう。でも、お金の……正義の為なら私はやってやる。
さぁ、どれだけ蓄えてんだ盗賊共!
毎度お馴染みなっちゃんの案内を元に隠れ家探し。進むにつれ草原から丘がいくつも入り組んだエリアへとやって来た。
見た限りいくつもの横穴が見受けられる。隠れ家にするにはもってこいの立地。
「なっちゃん、何処にアジトがあるの?」
『こちらです。横穴に隠れ家を作っているようです。見張りとして穴の前に二人立っております。ここからは慎重に足音を立てずに移動しましょう。』
大人しく指示に従い、抜き足差し足忍び足でそろりそろーりと近付いてく。草むらからちょろっと顔を出して横穴を確認。なっちゃんの言う通り見張りが2名待機している。
どうします?
『正面からではご主人様の慰み者コースが待っておりますので奇襲しましょう。裏から回り込んで上に登りましょう。』
「あい!」
そして、やって参りました見張り達が居る穴の上。
ここからはどうします?
『この位置からお尻から飛び降りて下さい。スイッチオンにしたスタンガンは右手で持って角度は下に向けて、はいそうです。さあ、飛び降りて下さい。』
凄く淡々と言うねなっちゃん。
「ま、待ってここを飛び降りるの?死ぬって5メートルはあるよこの高さ。」
『正確には3,75mですね。下の見張りがクッションとなりますので大丈夫ですよ。ささ、飛んで下さいませ。』
「えぇー。」
簡単に飛び降りろなんて下を見たら尻込みしてしまう。無理、絶対無理だよ。
『サルサには美味しい料理屋がいくつもありましてお金があれば食べに行けるんですが…。』
「といやっ!!」
ヒップアタックをかますが如くお尻から飛び降りる。
お金が私を待っている。
0
あなたにおすすめの小説
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密
藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。
しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。
過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる