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王都でのんびり
再びお城へ
しおりを挟む昨日は上げて落とされた一日だった。
でも、冒険者としての格も上がってお店も頂けて総合的に見ればラッキーなんだろう。
ポジティブに考えれば落ちていたテンションも持ち直してきたよ。
今日はどうしようか。
『ご主人様、もう間もなく王城から伝令役の兵が参ります。寝間着からいつもの服に着直した方が宜しいかと思います。』
「もしかしてお店の件で?」
『はい。候補がいくつか決まったようですのでその中からご主人様に選んで頂くようです。』
たった数日でもう決まるなんて王様の行動力って凄い。
あんなに渋くて行動力もあるなんて益々惚れてしまいそう。
『ご主人様、その恋心は至急捨てて下さい。王様には妻も子供も居ます。』
「わ、分かってるよ。でも、叶わなくても恋をするのは自由でしょ。」
そう、女の子は恋に生きるんだ!
「お前からまーた煩わしい雌豚の匂いがプンプンするなぁ…あぁん?」
兵士に連れられ王城へ。
そこで出会って5秒で校舎裏に呼び出された。
女ヤンキーもとい王妃様。
「おい、聞いてんのか?旦那に手を出すなって言ったよな?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。手は出していません手は出していません手は出していません。」
恋をしただけなのに…。
「頭に思い浮かべるのも止めろ。今回は直接手を出していないからこれくらいで許してやるが次はその首から上がそこらの野良犬にハムハムされているだろうよ。」
「は、はいぃぃ!!決して妄想しません!あわよくば目が合うかもとか思いません!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」
「………けっ。」
私の足元に唾を吐き捨てて去って行く王妃様。
もしかして、これから王城に訪れる度こんな目に遭うのかな?
『大丈夫です。もう頭の中で王様とのラブコメを繰り広げたりしなければ普通に接してくれます。』
「そ、そう?じゃあ、安心かな。」
もう王様への恋は捨てた、今度は本当。
次なる恋を探すぞ。
幸いお店を始めたら出会いも増える。
私の美少女っぷりならすぐに男達が群がってきて、お店が私目当ての客で埋まっちゃうはずだ。
『…………………。』
なんか言ってよ、なっちゃん。
新たな恋を見つける為に、元好きだった男性の元へ向かう。
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