45 / 100
面倒ごと4
しおりを挟む元の世界で巻き込まれ体質なんて無かった。なのに、ここに来てからやたらイベント事に遭遇する。
今回のイベントは金髪イケメン青年な王子様(仮)。まだ見た目判断だけなので断定は出来ない。
関わりたくないから目を逸らして逃げた。
でも、何をトチ狂ったのか俺の後を追ってきている。
なんで?
『旦那、後ろからどんどん距離を詰めてきておりやすぜ。旦那が本気を出せば簡単に撒けますがどうしやす?殺しやす?』
「主、殺る?」
「………ご主人様、いつでも殺れます。」
相変わらず配下達の思考はやや物騒。
国の王子様を殺っちゃったらさすがにちと不味いかな?
「ひとまずは様子見。このまま撒ければ良し。無理なら対話してから決めよう。それまで我慢ね。」
大通りに出て並ぶ野菜や果実を眺める振りして人混みに隠れていく。
いつの間にやら青年の周りには鎧を纏った騎士っぽいのが何人もいる。
手分けして俺を探す作戦か。
丁度その直後にニトから念話が入った。
『ご、ご主人、お、お家に複数の人間が近付いて来ておりますです。木にしますですか?』
む、あの青年かもしくは冒険者ギルドの手の者か。
はたまた新たな面倒事か。
『木にはまだしないで敵かどうか不明だからね。一応、敷居に跨がせないよう障壁でも張っといてくれる?』
『は、はい!分かりましたです!』
ニトとの通信は終了。王子様との姿も見えなくなった。上手く撒けたかな?
急いでお家に戻ろう。
戻ると待っていたのはさっき見たばかりの鎧姿の騎士達。ニトの張った障壁でそれ以上進めていないようで、数人掛かりで必死にどうにかしようと頑張っている。中には剣で視認出来ない障壁をガンガン叩いて壊そうとしている。
もうこの時点で友好的には見えない。
俺は大きく溜息を吐きながら一生懸命頑張る騎士達の間をすり抜けて障壁の内側へ入る。
その一連の流れを見た騎士達一同は少しの間理解が追い付かずキョトン顔で見送る。
けれど、我に返ってしまったのか怒鳴りに近い大声で声を掛けてくる。
近所迷惑極まりない。
「おい、貴様!この家の者か?なら、我々を中へ入れよ。我等は王家直属の騎士であるぞ!」
はい、もう配下の皆は貴方達を敵認定しましたよ。
「そうですか。それで王家の騎士様がこちらに何用でしょうか?」
「いいからまずは中に入れよ。まもなくシェパード殿下が来られる。出迎えの準備をせよ。」
全然話が通じる気しない。
周りの配下達の殺気に気付いていない。
早く逃げないと死んじゃうよ。
「準備も何もお迎えする気はありません。どうぞお帰り下さい、さようなら。」
「き、き、貴様あぁぁ!!!」
簡単にキレ過ぎ。
騎士ならどっしり構えて欲しい。
男は怒りのままに剣を抜き俺目掛けて振りかぶる。
しかし、当然ながら障壁によって弾かれる。それがまた苛つき何度も吠えながら障壁へ剣を振るいまくる。
頑張れ、あと何十年か頑張ればヒビくらい出来ると思う。
「お前達、よさないか。麗しい女性方も居られるというのに恥ずかしいだろう。」
怒声が舞う中、凛と響く声。
声の主は先程俺を追いかけていた金髪の青年。
流れ的に王子様だろうね。
「シェ、シェパード様…。申し訳ありません、しかしこの者が…。」
はい、当たり。
当たって欲しくなかった。
「しかしではない。見たまえ、お前達が大声を上げたせいであそこのお嬢さん方が怯えているではないか。」
お嬢さん方?
あぁ、リリー達のことか。
二人は怯えて震えている訳ではない、単純に不快でイライラMAX状態なだけ。
「お前達は下がりなさい。ここからはこの私が話をしよう。」
いちいち歯をキラリさせたり、自尊心の高さが垣間見えるけど案外発言はまとも。
もしかしたら、常識人か?
「やぁ少年、この見えない壁を消してくれかい?」
「…………目的は何でしょうか?」
まだ入れない。
目的を聞いて判断します。
「聞いた特徴から君が迷宮でドラゴンを討伐した人物だろう?私は君を王家の直属騎士にしてあげる為に来たのさ。だから、早くここを通したまえ。今後仕える主に失礼だよ。まぁ、私は寛容だから今なら許してあげるよ。」
前言超撤回。
凄い優しく上から目線。
誰も王家の騎士になりたいなんて言っていない。
はぁ、これからどう相手しようかな…面倒。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
{完結保証}規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜
Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。
だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。
赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。
前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、
今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。
記憶を失ったふりをしながら、
静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。
しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。
――これは復讐でも、救済でもない。
自由を求めただけの少年が、
やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。
最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。
重複投稿作品です
小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる