49 / 100
ケモ耳
しおりを挟む犬耳の美少女に出会いました。
一目惚れ?
いいや、そんなチャチなものじゃない。その耳に触れたい、それだけさ。
クロコの狼耳もなかなかの毛ざわりだったけれど、この娘はどれほどの毛並みを保有しているのだろうか。
つい触りたくて手を近付けるもビクリと身体を震わせて後退りする。
いきなり目の前に出現した形だから怯えさせてしまった。
でも、この小動物がフルフルと震える様子。
罪悪感と妙な高揚感が………はっ、駄目だ駄目だ変な態の性癖が誕生するところだった。
俺は普通、俺は普通。
『旦那、まず普通を名乗るならその手をワキワキさせるのは止めたほうが良いっすよ。』
まだ両手に性癖の名残が残っていたみたい、いかんいかん。
両手を後ろに組んで何もしないアピールを見せてもう一度話し掛ける。
「えーと、色々あったけどこんにちわ。ずーっと俺達の様子を見ていたようだけど王様の関係者さんかな?」
「ひぃ…。」
最初の出会いが不味かった。
どうにか緊張を解けないものか。
「貴様、主君の質問に答えよ。その口は飾りか。」
「うん、死ぬ?」
「ひぃ…。」
今度の出会いも不味かった。
どうやっても緊張を解ける気がしない。
さっきまで殺しまくってた集団が周りを囲んでいる。しかも、自分に殺す宣言をしている。恐怖に染まるのも仕方が無い。
「はい、皆とりあえず怖がっているから殺気は抑えてね。話出来ないしモフモフもさせてもらえないから。で、改めて聞くけど君は王様の関係者さんかな?」
触れたら壊れそうなくらいビビっておられるのでなるべく優しく優しく問いかける。
それが功を奏したのかようやく答えてくれた。
「は、はははい。わ、わたしはセフィーレ王国第3王女ティアラ様の従者でありますリンとも…申します。ドラゴン討伐者である貴方様にお伝えしたいことがあり参りました。」
序盤は噛まないか心配になるほど声が震えていたのにちゃんと終盤は調子を取り戻したようだ。
王子様の次は王女様か…。
先程までの出来事で王族関係者に禄な思い入れが無い。配下達ですら王女と聞いてまた殺意を滾らせている。
「王女様ねぇ…。それで伝えたい事とは?まさかあの王子様と同じ事でも言いに来たの?」
「ち、違います!姫様はそのような愚かな事を考えてなどおりません。今回、シェパード殿下の行ないを貴族王族全ての総意ではないと伝えに来たのです。決して無理矢理に取り込もうなどと姫様は考えておりません!」
周りから湯水の如く湧き出す殺気に当てられながらも懸命にお姫様を擁護する。
彼女の弁明に嘘偽り一切感じられない。
それだけで王女様の印象は王様王子様に抱いたものより遥かに良い。
なによりこんなケモ耳美少女が慕うくらいだ、悪い娘な訳がない。
「なるほど要はお姫様が俺達の敵になる気が無いって事だね?」
「は、はい!そうです。姫様の他にも同じ考えの方は居ます。」
ホッと安心した姿も可愛い。
外套からずっとチラ見していたお尻尾様が左右へ振れていやがる。
なんて破壊力だ。
「安心して、俺達は敵対してくる者以外には何もする気が無いから。だから、もしまた王子様が面倒事を持ち込んだら王子様に直接お返しを叩き込むけど、お姫様や無関係な人達は決して巻き込まないよ。」
そのケモ耳に誓う。
鬱陶しいのは排除するけどそれ以外には何もしない。
だから。
「そのケモ耳触ってもいいですか?」
「はい?」
『旦那、漏れてやす漏れてやす。流石のあっしも旦那のモフモフ愛にはちょい引きっす。』
許せ、クロコ。
それでも俺は…俺は、その犬耳に触りたいんだ!
結局、その後犬耳をモフらせて貰えるはずもなく残ったクロコの狼耳をめちゃくちゃモフモフしました。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
{完結保証}規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜
Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。
だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。
赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。
前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、
今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。
記憶を失ったふりをしながら、
静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。
しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。
――これは復讐でも、救済でもない。
自由を求めただけの少年が、
やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。
最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。
重複投稿作品です
小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる