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前夜の攻防戦
しおりを挟む今回の解放がこれで終了した。
まだまだ何十人も残っているけどひとまずはこれで止めておく。
天空城貯金にも回さないといつ解放出来るか分かったもんじゃない。
お金に関してはこれでいくとして目下の問題は、目の前でギラギラと本能に忠実になり始めた配下達だ。
アイリスの放った爆弾が周りにも触発されてしまった。
アイリスの発言以前からもこの世界に来てからの配下達には俺の就寝時に訪れるようとする者は毎回居るのは居た。
でも、ニトの協力もあって何重にも重ねた結界のお陰でぐっすり眠れていた。
しかし、今回は違う。
所詮ニトも女の子。
他の女性配下同様にギンギラギンにこちらを見ている。結界に期待は出来ない。
これはもう覚悟を決めて受け入れるしかないのか?
普通に考えればハーレムだぜやったぁ!!展開だ。
でも、認めたくないけど俺はほんの少しちょびっと少々ヘタレではある。
配下ハーレムへの一歩が踏み出せない。
男の野望が目の前に広がっているのに、くそっ…俺のヘタレめ。
いつまでも己のヘタレを嘆いている場合ではない、この場の危険な雰囲気を収めなければ。
「おっほん、お前らとりあえず落ち着こう。ほ、ほら旅行に向けての準備とか買い物とかしなきゃいけない事は沢山ある。い、今はそんな事をしている暇はない、そうだろう?」
受け入れる勇気の無いヘタレは先延ばしに全身全霊をかける。
ちょっと声が震えた、でも頑張ったよ。
「………そうですね。今はご主人様を不快にさせた者達を殲滅しに行く旅行が優先ですね。皆、ひとまずより良いご主人様との旅行の為にしっかり準備致しましょう。」
真っ先に納得してくれたのはまさかのアイリス。
何だかんだ言って主重いの良い子なんだよ、この子は。
「ご主人様、私が皆に指示を出して準備を進めておきますのでどうぞ自室でも町中でもごゆっくりお寛ぎ下さいませ。じゃあ、皆さん行きましょうかニヤリ。」
「「「はい!!!ニヤリ。」」」
皆のギラギラした目線は鳴りを潜めた。
良かった、アイリスはちょっとお茶目が過ぎるけどしっかり筆頭として配下をまとめてくれたようだ。
ユウは気付かない。
彼女達とのニンマリと三日月に歪む笑みに。
『旦那…ファイトっす。』
クロコがなんで励ましたのか俺にはその時分からなかった。
「では、ご主人様チキチキ籠絡子作り作戦の会議を始めましょう。ニトは家に居るご主人様の動向を随時確認しながら会議に参加して下さい。」
『は、はい。』
ここはケンゾウが地下室に作った作戦会議場。
彼女達の主は現在ソファでクロコをモフり中。
「まずは現時点でご主人様が色欲に溺れてくれない問題について挙げて行きましょう。何かありますか?」
「はい!はいはいはい!!」
「はい、ではヤオイさんどうぞ。」
早々に手を挙げたのは鼻息の荒いヤオイ。
「第一の問題はやはりご主人様のヘタレ受けだと思います!ハァハァ見るだけならそれで十分にハァ飯が何杯も食えますが私も女です、ヘタレゆえのあのガードの堅さは大問題です!!ハァハァハァ…。」
「ヤオイさん貴重なご意見をありがとうございます。息を整えて下さい。それでは皆さん、ヤオイの仰ったようにあの堅いガードは今後の大きな問題でしょう。どうぶち破って私達色に染めてあの目に映るのは私達だけにするか…難しいですね。」
「裸になって抱きつく。イチコロ?」
可愛い顔して大胆不敵なリリー。
「それでは無理でしょうね。おそらく女性のような甲高い悲鳴を上げて逃げるでしょう。」
その程度でヘタレの牙城は崩せない。
ユウなら自分の持てるスキル全てを使って全力でその場から消える自信がある。
「幸いこれからはニトもこちらの味方です。ニトも女性です、当たり前の心変わりといえます。これで寝室への結界は無いようなものになりましたがご主人様自身も結界を張ろうと思えば張れます。」
「しゅ、主君には申し訳無いが例え結界を張ろうとも我ら総出で結界に攻撃を行なえば壊れるであろう。あ、あとはしょの…抱きついて…ふぅぅ。」
物凄い可愛いシルヴィアの一面なのに考えは変態と犯罪の重ね掛け。
なんて残念な子達だろう。
作戦会議はその後も続き、最終的に決定したのは第一回籠絡作戦を今晩決行すること。
今回で成功するとは誰も思っていない。
成功は失敗の繰り返しから生まれる。
彼女達はこれから最難関のクエストを攻略していくのだ。
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