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楽しい旅行inお城
しおりを挟む「ま、待つのじゃお主ら!どうも話がおかしい。一度国と話しせねばいかんじゃろう。」
「おいおいサイモンさんよりあんな餓鬼を信じろってか。有り得ねぇよ。おい、お前らどっちが先に殺るか勝負しようぜ。」
「ふん、私達が本気を出せば一瞬。勝負にもならないでしょうね。」
もう俺が殺される前提。
漫画やアニメで色んなモブキャラを見てきたけど、このSランク冒険者の方々の圧倒的小物感が半端ない。
「メシアどうぞ。」
メシアはコクリと頷き、前へ躍り出る。
「地は凍土へ、天は雷鳴へ。我が血の契りに従い…。」
不必要な詠唱が始まった。
発動までに数分は掛かるだろう。
でも…。
「おい、あの嬢ちゃん何か魔法を発動する気か?」
「そのようですね。ですが、それはさせません。」
「そうだな。じゃあ、どっちが先に殺っても恨みっこなしだぜ。」
「ふぅ…いいでしょう。」
普通ならそれこそアニメや漫画ならちゃんと待つであろう詠唱タイムもこの世界では待ってくれない。
まだ詠唱を続けるメシアに向かって男達が走り出す。
「凍てつく大地は木々すら眠る。空から降る雷は」
「「「うおぉぉぉ!!!」」」
「ほ、星となり流星の群れとな」
「「「うぅおぉぉ!!!」」」
「う、う…」
「「「うおおぉぉぉぉぉ!!!」」」
「うるさーい!!!凍れ!!」
ね、詠唱要らないでしょ。
あれだけ騒がしかったひとときがあっという間に静けさで満ちる。
雄叫びを上げて迫っていた彼らはもれなく強制的に黙らされた。
今は氷の彫刻として立派に突っ立っている。
メシアの慈悲なのか彫刻化したのは迫って来ていた者だけ、それでも8割近くが凍ってしまった。
凍らなかった者達はまだ何が起きたのか理解が追いつかないようで目がグルングルンと泳いでいる。
「うぅ…ちゃんと決めたかったのにぃ…。」
メシアはメシアでせっかくの格好いい詠唱チャンスを邪魔されて口調が普通の女の子になっちゃってる。
「メシア、メシア口調!」
「あ……フフ、主よまだ血肉の乾きが癒えぬなら応えてやろうぞ。(まだ殺りますか?)」
良かった、いつものメシアだ。
爺ちゃん含めて全員が放心状態になっているしこれ以上無駄に殺生はしなくていいだろう。
「もう大丈夫だよ。ありがとうメシア。」
何気なく頭をポンポンと叩く。
「しゅ、主よよよ…はぅ。」
顔をボンと真っ赤にさせて倒れていく。
なんでこんな純情なのにあの日寝込みを襲いに来たのだろう。
女の子って分からない。
「じゃあ、片は付いたようだから先に進みますか。」
「「はい!!」」
真っ赤っかなメシアはヤオイに支えたもらって城へ侵入する。
流石にあの光景を見た後で躍起になって襲って来る者はいない。
「ま、待て!待つのじゃ!」
お、あの爺ちゃん復活が早い。
「まだ何か?」
「お、お主らは何者じゃ?」
もう弱者に対するそれではなく恐る恐るといった様子で尋ねられた。
ちょっと意味深風な笑みを作って答える。
「ふっ、俺達はただの旅人さ。」
よし、今夜もベッドで転げ回るのは確定だ。
羞恥で悶え苦しむね。
自分の顔が紅潮していくのを感じる。
早くその場から去りたくてまた歩みを再開する。
後ろから爺ちゃんが待てと言うけど無理です、なんでちょっとカッコつけたんだろう。
顔を両手で覆い隠して無事入城。
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