対人恐怖症は異世界でも下を向きがち

こう7

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忍ばない包囲網

姫さまは交渉人3

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闘技大会の参加なんて僕には無理。人に観戦されながら戦うなんて出来るわけがない。

「す、すみませんが護衛ならともかく闘技大会はむ無理です。人前で戦うなんてとても出来ないです。」

「え?護衛は大丈夫なのでしょうか?」

護衛はまだチビうささん達が側にいるからなんとかいけると思う。
でも、闘技大会は一人だもん。

「はい、護衛なら大丈夫です。でも、闘技大会はごめんなさい。」

精一杯頭を下げて断る。姫さままた泣いてしまうかな?

「そうですか。いえいえ、しょうがないです。護衛をしていただけるだけ有難いです。闘技大会は残念ですが護衛は是非とも是非ともお願いいたしますね。」

泣いてない?
あまり落ち込んだ様子は無いから安心。
うん、護衛は頑張ろう。

「あの、でも闘技大会はどうするんですか?」

「はい、他を手配します。今年初めて試みる行事ですので参加したいと申し出る者はいるでしょうしね。」

「闘技大会って今まで無かった行事なんですか?」

「はい、色々口じ‥こほん、もっと多くの人々が王都に訪れてもらうための事業の一つとして開催します。」

なるほど観光事業の一環か。
姫さまが提案したらしい。すごいなぁ。
後ろの女騎士さんも誇らしげ。

「では、闘技大会の事はもう置いときまして、護衛の話にいたしましょうか。ふふ」

結局、護衛はうけることになってしまったなぁ。神様の時もそうだけど、目の前で泣かれるとどうしても強く言えなくなる。

溜息が止まらない。

姫さまの説明を黙って聞く。
護衛はサイデルから王都までの2週間。前回の二倍。
報酬は金貨3枚と破格の値段。姫さまだかららしい。
出発は5日後。
それまでに準備しとこないとね。


「護衛内容については以上です。何かご不明な点はございますか?」

「い、いえ無いです。」

話は終わった。依頼は受けることになったけど仕方がない。二つ中一つは断れたから十分な戦果だ。

よし帰ろうと意気込む僕を姫さまが引き止めてくる。
この後のお茶は結構ですぅ‥


どうしたらいいか困惑する僕に救世主が。

(コータよ、吾輩に任せるのである!この前みたいな失態は犯さぬわ)


ヴァルさんが姫さまの正面に舞い降りる。

なぜかデジャヴを感じてしまうのは僕だけなのだろうか?

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