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おいでませ妖精の里
ここは良いとこ妖精の里
しおりを挟む谷の底にあるトンネルを抜けると、そこは平原へと続いていた。
さっきまでと別世界。
通ったトンネルと見比べようと思い振り返ると、そこにトンネルは無く一枚の扉だけ。
どういうこと?
好奇心の赴くままに扉を開けてみる。
僕達が通ったトンネルだ。
不思議な構造。
何度目かの異世界感を感じる。
谷底なのに新鮮な空気を吸っている気がする。
深く深呼吸する僕を妖精さん達が顔を強引に動かす。
な、なんでしょうか?
向けられた先に見えたのは、とってもとっても大きな大木があった。
ここから大木までどれくらいの距離かは不明。
でも、谷底なのに雲があるこの空間であの木は先端を雲まで届かせている。
妖精さん達はどうやらあそこまで行って欲しいみたい。
しきりに僕の両腕を引っ張っているもん。
あの大木の周りに住んでいるのかな。
妖精さん達に掴まれたまま、僕達は移動を開始。
なんだか近付くにつれて妖精さん達の数が増えているような‥。
あ、普通にどんどん集まって来ている。
とても好奇心旺盛な子達だね。
大きな木までもう少し。
でも、目の前の風景に僕は思わず立ち止まる。
あの木を囲むように色んな花が咲き誇る花畑。
僕の世界と同じような花から淡い光の泡を放出する異世界産の花まで、想像以上に沢山の種類が見受けられる。
チビうささんも歓喜をあげるように大興奮。
いつもより頭へのタシタシが強くなっている。
しばらくはこの壮観な光景に見惚れ続けました。
妖精さん達の早く行こうよと急かすような歌声で正気に戻る。
眼前にそびえ立つ巨木。
これまたあんぐりと口を開けて見上げる。
ここから見るとどこまでも続いてそうに見えちゃう。
また引っ張られて巨木の周りを歩く。
妖精さん達が立ち止まる。
僕達も当然止まる。
巨木の方を見ているので僕達も見る。
僕らが通れるほどの穴が巨木に生まれる。
何が起きているの?
おいでおいでと連れられるまま侵入。
この大きな大きな木の中で沢山の妖精さん達が暮らしていました。
今日の僕はあんぐりと口を開けることがとても多い日だ。
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