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おいでませ妖精の里

神様への説教

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妖精王さんや妖精さん達と楽しい歓談中に突如として現れた災厄こと神様。
そんな神様はただいま妖精王さんにより正座をさせられている。

妖精王さんは仁王立ちと呆れ切った様子で見下ろし、その剣呑な雰囲気に僕とヴァルさんは少し震える。
チビうささんと妖精さん達はこの通夜のように重い空気の中で、きゃっきゃと楽しそうに辺りを飛び回っている。


「あの私、神様ですよー。ね、だから立っても‥はい。」

おぉ、ひと睨みで神様を制した。

「だいたいお主は抑えが効かん。好いとる者に一途で一直線なのはよく分かる。じゃが、相手の事ももうちっと思ってやらんといかんじゃろう。」

「でも、私神様で中々会えないですし、それにちゃんと支援もしていますよー。」

「直接介入が出来んから会えんのは知っておる。しかし、お主は支援として与えた物でちょくちょく絡んでおるじゃろう?」

「うぐっ‥」

多分、百科事典の事だよね。表記された情報に明らかに毎回神様口調で追記されているもん。

「それに偶に夢の中へ潜り込んでおるじゃろ。」

「うぐぐ‥」

「あれは神託と同義。わざわざ逢いたいが為に私利私欲に行なって良い訳があるまい。そうであろう?ん?」

「うぐ‥だ、だって他の雌豚達に先を越されたく‥」

「このたわけが!!でももだっても無かろうがぁっ!!」

雷ドーン。
流石に周りの妖精さん達も突然の大声にひゃあーと羽根をバタバタさせている。でも、祭りみたいに楽しそうなのは変わらない。

「はい、たわけです‥。ごめんなさい。」

「まだ反省しておらんじゃろ?」

「いえ、もうしっかりと反省をしておりますよー。」

じっと神様を見定める妖精王さん。
神様は沈んだ様子で俯き、深く反省しているように見える。

「ふむ、そうか。コータよ、悪いが此奴を起こしてやってくれ。」

「え、僕が‥」

僕がですかと言い切る前にそれは変貌する。

「えっコータさんにですか?やっふぅー!さすが王ちゃん分かってるぅ。あ‥」


こめかみに青筋を立ててとても神様に対してと思えない蔑んだ目をする妖精王さん。
しまったと青褪める神様な囚人。

「そうじゃ、お主とは付き合いは長い。よーく分かってるぞ。」

「あの王ちゃん?ちゃんと反省してますから許して、ね?王ちゃん聞いてる?ねぇ、聞いてる!」


妖精王さんが指をピッと振ると近くに扉が現れた。トンネルに繋がってた扉とよく似ている。
扉を開けて、神様の頭を掴んだまま引きずって行く。
神様の悲痛な叫びも届いてなさそう。

「コータよ、儂らは少しお話が必要でのう。暫し失礼させてもらう。お主らはそのままゆっくりと過ごして良いからの。」

ニカッと笑う妖精王さんの姿を最後に、その扉は閉じられた。


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