姉に巻き込まれて異世界転移〜ワガママ舌を満足させます〜

ぺんたまごん

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 森に入るとまず植物達の大きさに圧巻した。
 
 野菜も二倍の大きさだったけれど、木や自生する雑草もデカくて太くてドーンとしている。本当この世界はみんな大きい。僕が十五歳に間違われるのも仕方がないよね。(別に根に持ってるわけじゃないよ!)

 道中にヴィス君にここの野菜について聞いてみた。

 野菜は森の中に自生していて、日本と同じものが殆どだった。ヴィス君は歩きながら今日の分の野菜を取っていく。

 そしてお肉は、ドンドさんが言っていたように恐竜肉。ヴィス君の舌情報を聞いていると、周飾頭類のトリケラトプスとかは鶏肉っぽい味、竜脚系類のディプロドクスとかは牛肉っぽい味、装盾類のアンキロサウルスは豚肉っぽい味みたい。うう、味も気になるけど恐竜も気になる。

 恐竜肉は大きいから一度でこの群れ全員分の食事として数ヶ月は待つんだって。だから保存食として塩をまぶして干し肉にして長期保存してるってことだった。塩辛すぎるから、作る時に塩抜きしてもらうように言ってみよう。

 お魚は近くに水場があり、発酵種も囲うようにしてあるため、毎日キツネやリスなどの小動物が取りに行くそうだ。昼頃に帰ってくるらしい。時々お魚くれるとか。魚欲しいな……。

 どんな魚があるか聞くと、知っている魚が多かった。カンパチとか鮭とかスズキとか。
 でもアンモナイトやダングルオステウスとかもいて、もしかして恐竜が絶滅しなかった地球……パラレルワールドかも?と勝手に想像してロマンを感じた僕。

 真実はわらかないからね、ちょっとでもこの世界を楽しんで、好きにならなくちゃ。

「ルイ着いたぞ。これは米の発酵種だな」

 ヴィス君が歩みを止めた。僕も立ち止まってヴィス君の身体からひょっこり気を見る」
「米の発酵種……って米が木になってる!!」

 ビックリした。稲を予想していたら、米は木に枝垂れ桜みたいに垂れ下がっている。
 小さな花のようにお米の粒が沢山実っていた。しかも籾がほとんどついてなくて、玄米まで籾摺りしているような状態。この状態で実ってて虫にも食われてないなんてすごい。

 お米大好きだから収穫してそのまま食べれるのは助かるけどね。

「この米の木に絡まるように伸びているのが発酵種の蔓だな。この蔓は米の実の一部を養分として鶏卵大ぐらいの大きさに育つんだ。この実の中に透明の汁が入ってる」

 一つもいで、ちょっと硬めの実に指を入れ、中身を確認すると、溢れるように透明な液体が入っていた。鼻を近づけると独特な芳醇な香りがする。
 うわぁ、これは絶対アレだ!

 僕は思わず指を突っ込んでペロリと舐めた。コクがあって、後味がすっきりしている。

 そんな僕をヴィス君は口をあんぐりと開けて驚いてたみたいだけど僕は気づかなかった。

「これ日本酒だ!……美味しい」

 二十歳からはお酒をちょこちょこ嗜んでいた。
 この発酵種は、日本酒作りに必要な糖分、麹菌、酵母菌を保有してるんだろう。

 こんな風に日本酒が出来ているのか驚いたけれど、世界が変わってもあるのは嬉しい。

 だって日本酒があればお米をさらに美味しく炊けたり、肉や魚の臭み消しにも使える。さらに米酢が作れるし。酢が作れれば、旭も大好きな調味料が二つできる。
 ふふふ……これで今後の食事レパートリーは増えていくぞ。

「ルイ、解毒の実はもってるぞ。今すぐ煎じる」

 ヴィス君が真面目な顔で僕を見た。あ、そっか。こっちの世界では発酵種は食べたり飲んだりしていないんだもんな。
 ヴィス君が心配するのも仕方ないよね。

「大丈夫だよ。もしお腹痛くなったら薬貰ってもいい?」
「もちろんだ。飲まないのか?」
「大丈夫だと思うよ?僕の世界にあったものにすごく似てるから」
「……万が一のために葉と枝の薬も作っておく」

 解毒剤は解毒作用のある木から採取するらしく、軽度のものなら実を数粒食べれば良くなり、重度だとさらに解毒効果の高い葉と枝を細かくすり潰して、めちゃくちゃ苦い汁を飲まなくちゃいけないそう。
 ヴィス君は解毒の木を見つけて葉と枝を片手にこんもり取っていた。
 そんなにいる?と聞くと、ルイは何でも口に入れるとわかったから、備えるんだそうだ。なんでも入れないよ!
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