姉に巻き込まれて異世界転移〜ワガママ舌を満足させます〜

ぺんたまごん

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 朝起きて、僕は心の充足感にびっくりした。
 寝て、起きたら、目の前にはスヤスヤ眠るヴィス君の姿。こんな間近で熊さんの寝顔を見たことがなくて、身体を丸めて寝る姿にキュンとした。
 僕はヴィス君を起こさないように、身体を極力動かさずに、ジッと伴侶になったヴィス君の顔を見つめる。

 この獣人さんが、僕の大事な人になったんだ。僕の大事な家族。

 一番始めはお母さんを亡くして、続けるように父親をなくして、どんどん世界から繋がりが消えていくのが悲しかった。
 僕は自覚のないまま、寂しさでぽっかりと心に穴を空けていたのかもしれない。

 でも。
 昨日身体を触れ合って、好きだと言葉を送られて。僕はこうやってヴィス君を見ているだけで、ぽっかりと空いていた穴が埋められたみたいだった。

 しばらくしてヴィス君が目を覚ました。「おはよう」と声をかけると、ヴィス君がぼーっとした顔で僕を見る。これは寝ぼけてるなぁ。

「ヴィス君、朝になったみたい」
「……ん、ルイ、おはよぅ……」
「か、可愛い……っ」

 ヴィス君が気怠げな声で僕の名前を呼んでくれたことに、キュンと胸が締め付けられる。
 僕は思わず寝ぼけ眼のヴィス君の口にチュッとした。

「ふふっ……今日の初チューは僕からだね」
「……ありがとう」

 ヴィス君がフッと抜けるような笑い声で僕の口にお返しのキスをしてくれる。ああ、好きだなぁ。
 イチャイチャしてたら、僕の息子さんがムクムク頭を上げて主張してきて、ヴィス君のお腹をツンツンと突く。

「ルイの種族もこの時期が発情期?」

 ヴィス君は僕のモノを優しく大きな肉球の手で包み込んで上下にコスコスしてくれる。

「んっ……ぁ、発情期……?僕は、発情期とかはないよ?」
「ん?そうなの?でもこうやって勃ってる」
「あっ、は……っ、ぅん……刺激したら勃っちゃうよ」
「そうなのか?」
「はぁ……ん、気持ちいい」

 僕はヴィス君の手にピュクっと白濁液を吐き出した。くったりとヴィス君の胸に頭を預けて息を整えていると、ヴィス君が「俺は発情期が終わったみたいだ」と言ってきた。

「えっと……よくわかんない。どういうこと?」

 ヴィス君は熊獣人さんは一年に一回、一ヶ月ほど発情期があることを教えてくれた。
 発情期は性的刺激によってアレが元気になれる期間。つまり、発情期が終われば、性的刺激を与えてもアレはうんともすんとも反応しなくなるんだそう。

「……試してもいい?」
「ああ。いいよ」

 ヴィス君の息子さんを手に取る。昨日は凶器のように大きかったのに、今は僕の手の平ぐらい。手をシュシュって動かして刺激してみるけど、ヴィス君が言った通りうんともすんともしてくれず、シュンと下を向いていた。

「僕の種族は発情期なんかなくて、年中したくなったらできるんだよ。だから獣人さんの身体って不思議に感じるね」

 僕を見ても昨日みたいにムラムラしないんだと言われ、僕は心の中でちょっと傷つきながらも、そういう身体なんだからどうしようもないと、理解している言葉を使う。

「ああ、ルイ悲しいのか?発情期が合わないとこんな気持ちになるのか……。ごめんな。身体は反応しなくても、ルイのことが好きなのは変わらない。一番好きだ。愛してるよ」
「ヴィス君……。僕も好き」

 ヴィス君がヨシヨシと頭を撫でてくれる。僕はモヤモヤとする気持ちが飛散していくのがわかった。顔をグリグリとふわふわだけど硬い胸に押しつける。

「俺の胸が好きか?」
「うん。ふかふかで硬くて温かいから、思わず顔を埋めたくなっちゃう」
「それは嬉しいな。俺もルイのサラサラの肌に、くりくりとした目に、ぷっくりとした唇、俺の愛撫に反応してくれるコレも全部が可愛い」
「……もう恥ずかしいっ」
「ははっ」

 僕の不安を払拭するようにヴィス君とたっぷりイチャイチャして、愛情を沢山感じた。
 番になって、もっとラブラブできると思ってたから残念は残念だけど、エッチするのは来年まで待つよ。
 でも他のは遠慮せずにいっぱいラブラブする!ふふふ。


 ***


「おはよう。みんなご飯出来たよ」

 僕は朝ご飯として、塩おにぎりとミルクスープ、そして塩でつけた白菜ときゅうりの浅漬けを食卓に並べた。

「ルイ君、ヴィスおはよう。……おお、昨日は無事に交尾できたんだな」

 ドンドさんがさらりと爆弾発言する。

「いや、まだなんだ。挿れる前に人間化が解けちゃって、最後まで出来なかった。発情期も終わっちゃったし。でもマーキングはしたよ」
「そうか。二人ともまだ若い。ゆっくりでいいさ」
「うん」

 昨日の痴態をヴィス君もドンドさんもなんてことないように、みんなの前で話している。
 お姉ちゃんも旭もいるのに。僕はびっくりして思わず叫んじゃった。

「な、なんで言うの?!」

 僕の中でそういう下のことは隠すイメージなんだもん。明け透けとしているヴィス君の口を両手め思わず塞いだ。

「ルイ?どうしたんだ?」
「き、昨日のことなんで言っちゃうの?ってかなんでドンドさんにバレてるの?」
「ん?何がだ?」

 ヴィス君は僕が何を気にしているのかわからないらしい。僕は口には出せないので、どう伝えたものか、口をパクパクする。
 そこでお姉ちゃんが助け舟を出してくれた。

「ルイ……私は今人間じゃなくて、獣人でしょ?」
「え、こんな時に改まってなんなの?」

 お姉ちゃんに知られた気恥ずかしさから、つっけんどんに返事をする。

「獣人は人間よりも感覚が鋭くなるってわかる?」
「わかるよ。聞いたもん」
「なら話が早いわ。……あのね、お姉ちゃんの口から言うのは、すごく、すごーく悪いなとは思うんだけど、瑠偉の身体からヴィス君の匂いがぷんぷんするのよ」
「ヴィス君の匂い……?」
「そう。これは俺の番だっていう匂い。何というか、この感覚は獣人にならないとわからないんだけど、瑠偉が隠そうとしても絶対にわかっちゃうような匂いなのよ。そうね……『あ、この人ニンニク食べたな』ってわかる感じ」
「ええっ!?」

 ニンニクの例えはどうかと思うが、確かに僕にはよく理解できた。そして僕から香っている匂いでみんなに昨日の行いがバレていることも。

「だからヴィス君が明け透けと話すのもわかるわ。だって隠す必要ないし。バレるから」
「……まじか」

 なんだかカルチャーショック。ヴィス君のキョトン顔も納得。熊さんの顔でキョトン顔すると、すごく可愛いんだけど。惚れた欲目?

「まぁいいじゃない!日本にいる時には浮いた話の一つ出なかったんだから。お姉ちゃんは嬉しいわよ。ねぇ、旭も嬉しいわよね?」
「うん!ラブラブできる時にしとかないと後悔するもんね!」

 五歳の旭がませたことを言う。旭もお父さんを亡くして、お姉ちゃんの死顔も一度見てるから、突然の別れがいつくるかわからないのは、小さくてもよくわかってるんだろう。
 昨日の発情期だって、もし僕が恥ずかしがっていたら、あんなに愛し合うこともできなかった。もう次に愛し合えるのは一年後だ。なんて僕にぴったりの言葉だろう。

「……うん、旭が言う通りだよ。発情期終わっちゃったけど、僕はヴィス君と沢山ラブラブする!」
「ヒューヒュー」
「ヒューヒュー!」
「……ルイ」

 お姉ちゃんと旭の茶々を横に、ヴィス君が僕をぎゅっと抱きしめてくれた。幸せ。

「あっ、じゃあさ、折角結婚したんだし式でもあげる?この世界結婚式とかするのかな?」

 お姉ちゃんが瑠偉の結婚式したい!って熱を入れて話し始めた。
 ドンドさんに聞くと、結婚式はないけど、番を祝う食事パーティーを群れでするのが習慣なんだって。なので今夜はパーティーなんだそうだ。

「食事はルイが作ってね!」

 お姉ちゃんがさも当然のように言ってくる。

「え、僕が主役なのに?」
「だってルイ以外の料理食べれないもん」

 確かに。料理担当になるって言ったのば僕だしね。みんなってことは、狐さんや猿さん達にも洞窟に住んでいる獣人さんに僕の料理を食べてもらえるってことだ。
 口に合うかはわからないけど、ニコニコ笑って食べてくれたらいいな。何がいいだろう。料理のことを考えるとワクワクしてきた。

 今日は何しようかなと考えて起きたけれど、パーティーの準備に決定だ。
 朝ごはんが終わったら、ヴィス君と一緒に午前中食材探しをして、午後いっぱいパーティーの準備をすることにしよう。
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