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12話 12月12日
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「レティ、私今日お弁当無いから、コンビニで何か買ってから行くね。先に研究室で待ってて」
「私も行くわ」
最近、レティがやたらと自分と一緒に居たがるような気がする、と深雪は思う。特に不快ではないから何も聞かずにいたのだが、昨日さすがに手洗い場まで一緒に行くと言い出した時は面食らった。明らかにあの図書館の件から態度がおかしい。どうして突然そこまでついてくるようになったのか気になって聞いてみたところ、「心配だから」と言われた。
(私、そんなに危なっかしいのかな)
深雪は隣で一緒に陳列棚を見るレティをちらりと盗み見る。
今まで生きてきて、それなりに友人にも恵まれていたが、危なっかしいなどとは言われたことが無かった。逆に落ち着きすぎていると言われるくらいだ。
(年を取って、変わってきたのかしら。嫌ね)
「先生、決まった?」
「ええ」
残り1つだけ並んでいたパスタの上にサラダが入ったものを手に取って、レジを済ます。外で待っていてもいいのに、レティは決して深雪から離れようとしなかった。
深雪よりも背の高いレティは、その見た目も相まって目立っている。本人はまるで気にしていないようだったが、コンビニを出るまでレティに向けられた視線で二次被害を受けた。あんなに居心地の悪い買い物は初めてだった。
「ねえ、レティ」
「なあに、先生」
「何か私に隠してる?」
「んふふ、何も?」
「……そう」
(嘘。最近ずっと周囲を警戒しているような目をするもの。レティに関すること?それとも)
「よう!レティ」
不意に背後からかけられた声に、深雪が振り向こうとした時。
「わっ」
レティに思い切り右腕を絡まれてぐっと引き寄せられた。眼前にレティのコートしか見えない状況で、頭上から発せられた声に、深雪は思わず耳を疑った。
「なんで居るの、ヘラ」
「おいおい、そんなに殺気立ってていいのか?愛しの先生の前だぞ」
レティの声はいつもの凛とした花のような優しい声とは違っていた。
獣が唸っている、深雪は咄嗟にそう感じた。
(ヘラって、この前レティと一緒に居た人かな)
「質問に答えて」
「急かすなよ。でも、今日はお前に宣戦布告をしに来たんだ」
深雪の頭を抱き込めるレティの指先が、深雪にも分かるくらい震えた。「レティ?」と声をかけようとしたとき、何かの気配が急速に近付いてくるのを感じた。
「お前のお気に入り、俺も狙うことにしたから」
瞬間、深雪の横を旋風が通り抜ける。風がおさまったころ、深雪はレティの拘束から逃れて後ろを振り向いた。
「あれ?誰もいない」
ふと、怖気だつような感覚がして深雪はレティを見た。
白銀の瞳。
それを怒りで震わせながら、どこを見ているのか、只々こぶしを握り締める、深雪の知らないレティの姿がそこにあった。
「私も行くわ」
最近、レティがやたらと自分と一緒に居たがるような気がする、と深雪は思う。特に不快ではないから何も聞かずにいたのだが、昨日さすがに手洗い場まで一緒に行くと言い出した時は面食らった。明らかにあの図書館の件から態度がおかしい。どうして突然そこまでついてくるようになったのか気になって聞いてみたところ、「心配だから」と言われた。
(私、そんなに危なっかしいのかな)
深雪は隣で一緒に陳列棚を見るレティをちらりと盗み見る。
今まで生きてきて、それなりに友人にも恵まれていたが、危なっかしいなどとは言われたことが無かった。逆に落ち着きすぎていると言われるくらいだ。
(年を取って、変わってきたのかしら。嫌ね)
「先生、決まった?」
「ええ」
残り1つだけ並んでいたパスタの上にサラダが入ったものを手に取って、レジを済ます。外で待っていてもいいのに、レティは決して深雪から離れようとしなかった。
深雪よりも背の高いレティは、その見た目も相まって目立っている。本人はまるで気にしていないようだったが、コンビニを出るまでレティに向けられた視線で二次被害を受けた。あんなに居心地の悪い買い物は初めてだった。
「ねえ、レティ」
「なあに、先生」
「何か私に隠してる?」
「んふふ、何も?」
「……そう」
(嘘。最近ずっと周囲を警戒しているような目をするもの。レティに関すること?それとも)
「よう!レティ」
不意に背後からかけられた声に、深雪が振り向こうとした時。
「わっ」
レティに思い切り右腕を絡まれてぐっと引き寄せられた。眼前にレティのコートしか見えない状況で、頭上から発せられた声に、深雪は思わず耳を疑った。
「なんで居るの、ヘラ」
「おいおい、そんなに殺気立ってていいのか?愛しの先生の前だぞ」
レティの声はいつもの凛とした花のような優しい声とは違っていた。
獣が唸っている、深雪は咄嗟にそう感じた。
(ヘラって、この前レティと一緒に居た人かな)
「質問に答えて」
「急かすなよ。でも、今日はお前に宣戦布告をしに来たんだ」
深雪の頭を抱き込めるレティの指先が、深雪にも分かるくらい震えた。「レティ?」と声をかけようとしたとき、何かの気配が急速に近付いてくるのを感じた。
「お前のお気に入り、俺も狙うことにしたから」
瞬間、深雪の横を旋風が通り抜ける。風がおさまったころ、深雪はレティの拘束から逃れて後ろを振り向いた。
「あれ?誰もいない」
ふと、怖気だつような感覚がして深雪はレティを見た。
白銀の瞳。
それを怒りで震わせながら、どこを見ているのか、只々こぶしを握り締める、深雪の知らないレティの姿がそこにあった。
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