何度でも恋をする。

ゆこ

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本編

~いち~ 美言

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「今日の注目は、星野 言ちゃんです!言ちゃんは、高3の‥‥ピッ!」  
こんなテレビ見てられない‥‥。恥ずかしい。

わたし自身がテレビに出てるだなんてね?
そう、私はモデルとして活躍している、星野 言。<ほしの こと>
本名、野々星 美言。<ののぼし みこと>
今は高3。通信制の高校に通っている。
確か、中1の時、モデルにスカウトされて、ママが無理矢理芸能界に入れられ、仕事をしている。
私は、普通の高校生をしたかった。

「ちょっと美言!今日は撮影の日よ?さっさと準備しなさい。」
「わかった。」
怒られるの怖いから急いだ。私、目立たないでひとりで仕事したいのにな。
この事をママに言ったら超怒鳴られた事がある。
そう‥‥。私のママは、よく聞く、毒母である‥‥。
自分が思い通りにならないと、怒る、縛り付けたりする。ママの代わりに稼いでるって感じ。

だから私は逆らうことを辞めた。だって怖いもの‥‥。

準備が済んだら、車に乗って撮影前に事務所に寄ってから撮影場所に行く。
今日は、ドラマ撮影。一応主人公なんだけどね‥‥。

「美言、台詞練習したんでしょ?言ってみなさい。」
「はい。」
台本を開いて、話し始めた。今回の撮影はもう最終回に近い。
主人公が告白するシーン‥‥。告白なんてしたことないから、言い方わからない‥‥。

「違うわ。もっと感情込めて、泣く勢いでやりなさい。もう一回。」
「私‥‥ハヤト君が好き‥‥。好き‥‥です。」
「違う。何で敬語入れたわけ?わからないなら恋愛小説を読むとかしなさいよ。使えない子ね‥‥。」

この言葉だけで現場に着くまでの20分間使った。
ここまで来るのに1時間かかるのにずっとしゃべってたから、少し喉が痛い。
はぁ‥‥。めんどくさい‥‥。
「おはようございます!星野 言です~今日もよろしくお願いします。」
「あら?新人なのに重役出勤なんですね?星野さん?」
あーぁ。今日この人と一緒かよ。早くクランクアップすればいいのに‥‥。
文句を言ってきたのは、名女優の人。よく化粧のCMに出てる人‥‥。

あぁ‥‥めんどくさい‥‥。
「すいません‥‥。事務所が西野市の方なんです‥‥。」
「前日宿泊したら良かったんじゃないの?売れっ子には無理かぁ?」
めっちゃバカにしてくる。相手にしてるとめんどくさいなぁ‥‥。

ママが言う通りに演技後、休憩時間が貰えた。
やっと、ひとりの時間だから、近くに公園に行こう。きっと誰も居ないからそこにいこう‥‥。

そう思って、お水を持って行こうと歩いていた。この公園、なんか懐かしいんだよね。
ここら辺に住んでたらしいけど‥‥。覚えてない。

「やってみよーん!!」
カメラを持っている少年が大きな声を出しててビックリした。
こんなとこで撮影かな‥‥?テレビ‥‥?なわけないか。

そう思ってたら少年がこっちに来た。やばい、ばれたかな‥‥。
逃げよう‥‥。
「野々星でしょ?」
え?何で本名知ってるの‥‥?
「え?俺小学校までお前と同じクラスだったけど。6年間‥‥。」
「ごめん‥‥誰だっけ?」
本当に思い出せない‥‥。誰‥‥小学生。確か牧野原小学校、ここら辺か。

<プルルルル‥‥>
携帯を見るとママだった。
「はい‥‥。」
<言、休憩終わりよ。早く戻ってきなさい!>
「わかった。戻る。」

はぁ・・仕方ない、戻ろう。
「ごめんね。少年、戻らないと。じゃあね?」
走って戻った。

今回はママに感謝しなきゃ‥‥。


実はママにも話して信じてもらえてない事がある。
それは、記憶が飛ぶこと。3年前の記憶が全くない。担任とかクラスの人とか全く覚えてないの。
そんなこと、ママに行ったら仮病でしょ?って言われて終わった。

だから、あの少年も覚えてなかった。
誰なんだろう。

思い出せなくてごめんね...






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