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第5章 再会
しおりを挟む見慣れた……でも案外そうじゃない、淡いペパーミントグリーンの天井。
同じ色の壁。
左右に広がる窓、教壇、黒板、ズラリと並んだ木目プリントの机―――誰もいない教室───の、一番後ろ。
上体を起こすように抱きかかえられていた。
「……せん……」
「バカ!」
覗き込まれるような間近な距離でいきなり怒鳴りつけられて、礼亜は自分の体がまるでプールから上がったときのような身重さと気怠さに浸されているのも気づかず、呆然とした。
「なんでタイムスリップなんか……っ! 下手すれば二度と時空の狭間から出てこれなくなるのはきみだって分かってるだろっ!」
「!───」
なまじ整っているだけに上総先生の真剣な表情は怖かった。
滅多に見ない───いや、見たことがなかったからこそ、余計に。
とはいえ恐怖───もしくは畏怖───に打ち勝てるものは理不尽さゆえの怒りと相場が決まっていて……。
「……わたしのこと、知ってるのね!?」
「レア……」
「あなたは一体誰っ? 誰よ! わたしは? わたしは誰!?―――こんなこと言うなんて! なんなのよいったい! さっぱり分からないっ! 先生は辞めちゃうっていうし―――ひどいわっ、無責任よ! バカ!―――」
先ほどまでいた(と思われる)、舞台セットのような訳の分からない空間。
全部知っているっぽいのに説明してくれない、思わせぶりなムカつく二人(特にディー!)。
そして今先生に怒られたこと。
突如吹き出した整理できない激情に抗おうと───むしろ流されたのか───礼亜は大声で叫んだ。
そんなことは生まれて初めてかもしれない。
その時、
「!」
両の頬を、先生の温かい両手で包まれた。
「―――落ち着くんだ、アストレア。……もっとよく“考えて”」
「………」
アストレア。
この懐かしい響き―――声!
手が離れていき、教室の床の上、二人は間近で見つめ合った。
「アストレア……って、わたしのこと……?」
「そう」
おそるおそる尋ねると、先生はあっさりと頷いた。
「レア───アストレアがきみの本当の名前」
「───先生、わたしのこと、知ってたんだ……」
唖然と見上げる礼亜に、先生は一瞬驚き、それから軽く肩を竦めた。
「……まーね。よく知っている」
「ひどいっ!」
それまでの至近距離を惜しげもなく離して───多少居心地悪い、と思っていたけれど───礼亜は床の上、先生から離れて座り直した。
「どうしてすぐに教えてくれなかったの? 知らんぷりして」
突飛な言いぐさ───かもしれなかったが、礼亜は真剣だった。
どんな理由があったとしても、どんなにその時機でなかったとしても、『知らんぷり』は傷つく。
「と、言われても……」
先生も真面目な様子だったが、礼亜よりは軽く。
「きみだって僕のこと忘れてるんだし───お互いさまだろ」
「そんな……!」
黒々とした誠実そうな瞳が一瞬だけ悪戯気を帯びて、どこかで見た気がしながらついカッとなった。
「ひどいっ、ひどすぎるっ! 先生のバカ!」
既視感と違和感。
現実が現実味を帯びた現実ではないというこの悪夢から逃れる術があったとしたら……。
───しかし自分は、自分のこの認識する世界以外の世界があるなんて気づいてさえいなかった。
ただ、しくしくと棘が刺さったように小さな鈍い痛みをずっと感じていて……。
それがどんなに苦しいものであったか、彼女のボキャブラリーではとても説明できない。
「―――あ……」
不意に、よりにもよって先生に───バカと言ってしまったことに気づく。
「すみません。そんなつもりじゃ───」
しかし先生は気にする様子も見せず、
「その方がきみらしいよ」
と笑った。
「わたしらしい?」
「ディーとはいつもそんな調子だったろ。きみはまるで変わってないよ」
「……ディー、とって……」
何か気になるようなことを言われた気もしたけれど、礼亜は先生の口から『ディー』の名前が出たことに驚いた。
ディーも先生のことは言っていたから、二人が知り合いなのは明らかだったが。
青い髪、紺色の瞳のコスプレイヤーのような───自分と同じ年くらいの少年。
───今日の午後から始まったのだ。
一人きりの緊張する追試が終わって、一息ついた途端、由美子から上総先生が聖セシリアを辞めたことを知らされ、自分でもびっくりするくらい動揺しながら、先生に会いたいと強く願ったら───一目、初めての日の先生に会えたような気がした。
実際、出会ったのは、あの少年とあの美しい人で───いや、あの少年はその前に一瞬見たかもしれないけれど───。
ブロンド美人はすぐにいなくなり、少し歩いた(?)あと、ディーに突き飛ばされて……。
…覚えてろ───…
そこでハッと我に返った。
「―――わたしらしいって何?」
「レア?」
「わたし、どんなコだったの?」
自分が礼亜でなく、アストレアというならば、知らぬ間に溜まっている利息のように、今の自分より性格が良ければいい、と期待したのだが……。
「どんなコ?」
クスッと、はぐらかした笑いだけが先生の答えだった。
「―――」
さっきも一瞬感じた、いたずらっ子めいたその笑みは、どこかあのディーという少年の面影にダブるような気もしたけれど───雰囲気も年も全然違う分───少年よりもさらに人の悪さに拍車がかかっているようにも思えた。
「―――きみも気が強いところ、あるしね。特にディー相手だと」
フフフと楽しげに笑う先生に礼亜は思わず見惚れた。
「だからケンカはしょっちゅうだったな」
「先生と!?」
「……僕と?」
意味あり気な眼差し。
「───」
息が、止まる。
「―――いい加減、限界だな」
「えっ……」
礼亜をドキリとさせた甘さは素早く消え、先生はその表情をわずかに引き締めて改めて礼亜を見つめた。
「もうずいぶん思い出しかけている。だからもう一息───僕の力を加えて、完全に思い出してみないか?」
「そっ……んなこと……!」
「いや?」
「───」
「いつまでもこの世界にいたい?」
礼亜は思い切り首を横に振った。───一瞬のためらいもなく。
「……そう」
先生は、この時初めて何かを納得したように―――あるいは満足いく答えを見い出したかのように頷いた。───決してあからさまではなかったが。
それを見て礼亜は、いつも穏やかな先生が、何かを今までずっと抑えて───というか、堪えていたことに今初めて気がついた―――ような気になった。
何か、は今はまだ───……今でもまだピンとこなかったけれど。
「できるの……?」
『何』をできるのか、そこは分からず、省略した。
それでも期待や興奮のようなものがこみ上げてきて、思わず声が掠れた。
「ああ」
即答のあと、先生は何かつけ加えかけたが結局は言葉にはしなかった。
「?」
その代わり、どこかじれったい、とでも言いたげに首を振ると、
「いいかい?」
更に畳みかけるように礼亜に確認した。
「こっ、ここで……?」
「すぐ済む。誰も来ないから大丈夫」
「えっ? 今は……」
そこで礼亜は初めて辺りをキョロキョロと見回した。
一目で自分の教室だと分かったからそれ以上深くは考えなかったけれど、もしかして、こんなところで先生と二人きりでいたら───誰かが来たら───マズイのではないか……。
床に直接、先生は片膝を立て、礼亜は両膝を揃えて正座するように、お互い顔を見合わせて向かい合っている。
「部活も終わってる。学校にはほとんど……校舎の中には誰もいないよ」
「え……部活……終わった……」
瞬間、「疲れたよー!」と元気にぼやく友だちの笑顔が思い浮かんだ。
彼女から聞いたのだ、自分が学校を休んでいる間、上総先生が辞めたと。
だから会いたくて……。何としても会いたくて……。
―――会ったような気がした。
……あの一瞬の光景は……。
「驚いたよ。ようやくきみを見つけたと思って感激していたら、三カ月後のきみまで現れたんだから」
「!」
「……ああ、でも戻ってきているよ、『今』に。僕と違って、今のきみはこの世界の人間だから」
どこかで聞いたフレーズ。
「―――まだ。だから……いきなりいなくなってしまうわけにはいかない。“彼女”の記憶を調整してからでないと」
「意味が……分からない」
「レア」
「でも『思い出せば』分かるの?」
失ったことさえ気づいていなかった記憶を───自分を。
礼亜はじっと先生を見つめた。
「ああ」
先生は力強く頷き、それから優しく付け加えた。
「怖がらないで……」
…怖くない───…
ふと思って、礼亜は小さく笑った。
…―――怖いのは、あなたのことだけ…
あなたを怒らせること、失望させること。
……が、他の誰かに心を寄せること……。
「───!」
思わずハッとした。
「レア?」
戻ってきている―――これが記憶。
「先生……」
なのにまだ実感が伴わないのは断片的でとりとめがないからだ。
印象的なこと、大事なことだけを思い出すにしても、こんな切れ切れじゃ本物の記憶とはいえない。
本物の自分じゃない。
「……思い出したい……」
目を閉じて、切に呟く。
「レア……」
微かな声と共に人の動く気配。目を開けると間近に先生がいて、その、どこか常人離れした黒い瞳に吸い込まれ……───いや、言葉も思考も消え去り、ただ見つめた。
いつの間にか先生は淡い光に包まれていた。
輪郭を微かにぼやかす、その光の色は何ともいえぬ───薄く、淡いのに決して他に紛れない、美しさよりは英知をイメージさせる雄弁なブルー。
それは彼のエネルギー固有の目に見える色であり、無造作にかきあげる緩やかなウェーブのかかった───今とあまり変わらぬ髪型の───色でもあった。
深い紺碧と漆黒のイメージ。───“デュアルス”。
…私の……───な、人───…
* * * *
エメラルドグリーンともセルリアンブルーともつかぬ不思議な色彩の、世にも美しい都・サルファディアザール。
幻想的で美しい、かつ機能的で清潔な街並みから抜け出すと、周囲は建物一つない、自然豊かな林に変わる。
ここもまだ都の一部。
無我夢中で走ってきたつもりでも、そう遠くまでは来ていない。
ずっと―――夢みたいだと思っていた。
デュアと想いが通じたこと。
最初、一目会った時から憧れてしまい、それから二年間、黙って見ていた。
正確には彼の弟と友だちだったから、遠くから見ているよりはずっと接する機会に恵まれていたけれど、その分、彼の目にどう映っているか……が、なんだか想像できてしまい、考えると切なかった(からあまり考えないようにしていた)。
自分は年上の彼にアピールできるような───際立った才能も個性も、優れた容姿も性格も───何一つ持っていない。
長所といえばごく普通の楽観的で明るめの性格(?)くらいで、それやこれやも考え出すとますますドツボにはまってしまうから、絶望―――まではしていなかったけれど、可能性や希望といったもの全く持っていなかった。
それが突然―――本当に不意に───彼から両想いだと告げられた。
デュアの、自分に向けてくれる優しさが万人───あるいは家族友人へ向けられるものと同じではないと―――微笑って───でも真面目に───あの、いつもの黒い瞳で語ってくれた。
……それ以来、夢見心地が続いている。
レアの両親は、装飾具や日用品から稀物・珍品まで幅広く扱う小間物屋を街中で営んでいて、彼女は今その見習い小僧のような身分だ。
そうは言ってもあと二、三年で小さな店をもたせてもらう予定になっていて、そうなったら───独立したら───一緒に暮らしてくれないか?というデュアからの問いかけに、レアは「なぜ今じゃダメなの?」と無邪気に返した。
その時、彼女はそれがプロポーズとは露とも思わなかったのだ。
相手の絶句した表情に、まだ訳の分からないまま、ただマズイと思った彼女は慌てて「もちろん!」と返した。
……その辺のいきさつは誰にも語らなかったはずなのに、なぜかディーだけは知っていて、彼は散々「おまえら二人喜劇役者か!」と痛烈に突っ込み、からかった。
それから時折───本当に時々───他人から“デュアの婚約者”という言葉を向けられることがあり、そのたび、レアの顔からは火が噴き、心臓が止まった───(比喩だけれど)。
もちろん、心から嬉しかった。
思えば『好き』という言葉は一度も使われなかったような気もしたけれど、あまり心に掛からなかった。
一度自分から使おうとして、思わずメゲてしまったくらい恥ずかしかったから……。
……しかし……。
「―――デュアが今度、フィアンセをフローレに会わせるってさー」
「おおーっ、大胆! フィアンセとあのウワサの恋人をか? ヤツも案外、人が悪いな」
恋人!? フィアンセ!?
無責任な周囲の言葉や雑音なんか気にしない……───はずだったのが、思いがけず傷ついてしまった自分にまず驚いた。
そして本当に“夢のような”が、“夢でしか”なかったことに―――……心臓が凍りついた。
そして何より……。
「案外―――ウワサでもなかったりして」
凍りついてしまった心を溶かしてくれるはずのあの人の弟―――気の置けない友だち―――であるディーの言葉が決定打になった。
砕けていく……。
気づけば林を通り抜け、都から一番近い“街の外”緑が丘までやって来ていた。
ここは、都全体の天候が悪いときなど、ごく稀に局地的な時空嵐が起こることはあるらしいが、それ以外は全く害のない───人工的なヒーリング機能もない───ただの森林地帯だ。
確実に誰もいない───ところなら泣けると思った。
そうやって───さあいざ涙を解放しようとしても、すぐには何も出てこない。
衝撃の───悲しみの大きさが我ながら把握不可能で、何が何だか……何に傷ついているのかさえ分からない。
夢のよう、と思っていた現実は、やっぱりぼんやりとしていて曖昧で、真実はびっくりするくらい脆くて……。
―――だったらいっそ、ずっと夢の中にいたい。
現実になんか戻りたくない。
目なんか覚めなくてよかったのに。
このままずっと……!
遅れてきた感情───強い慟哭に襲われた瞬間、
「れっ……あ―――ッ!」
誰かが大きく叫んだ―――自分の名を。
彼女の悲しみなどいとも簡単に押し流す、強すぎる悲嘆と絶望───。
「っ―――!!」
『行く!』とか、『引きずられる!』なんて感じている暇はなかった。
何が起こったのか全く分からなかった。
まるで落とし穴にはまった時のように足元がなくなり、体の重さが、周りの重力が突然消え去ったかのように体が浮いた。
いや引き込まれたのだ。
落ちたのかもしれない。
そのとき分かっていたのは、きっとこの衝撃が自分に何がしかの影響を与えることは避けられないだろう───という、ひどく冷静な───……それでいて頼りない思いだけだった。
* * * *
「───思い出した?」
天井や壁と同じ色の、淡いペパーミントグリーンの床。
柔らかいトーンの優しい男性の声。
「ええ……」
見慣れた───聡明で穏やかな───黒い瞳。
「ごめんなさい……」
見上げたレアの心からの謝罪は……。
「……いいよ」
分かってくれて、和む瞳につられて笑った。
優しい気持ちにならずにはいられない―――あなたがいるから。
「きみが無事なら……それでね」
「デュア……」
大好きな―――大好きな人。
初めて知った切なさや苦しさは……───全てあなたゆえ。
ふっと顔が近づいて―――息を詰める。
未だに慣れない―――瞬間。
好きでも……―――好きだから。
目を伏せただけ───瞼を閉じはしない……けれど唇が軽く触れ合った瞬間はギュッとつぶってしまった―――やっぱり。
鼻先を掠める吐息が笑っている。
穏やかに、優しく……。
「……戻ってきてくれてよかった」
「デュア」
「───婚約者殿」
「!───」
「行こうか。取りあえずきみは家に戻って、高月礼亜としての―――」
立ち上がっての口調は“上総先生”。
「………」
甘い余韻に浸る時間が欲しいとも言えなくて───レアはデュアの生来の───切り替えの早さに慌ててついていくしかない。
「レア?」
「はいっ、先生」
嫌味なんかじゃなく───彼相手に未だかつてそんな余裕を持ったことはない───ついレアは“先生”と口にした。
すると珍しく、
「―――いい加減、先生はやめてもらいたいな」
戸口で追いついたレアにデュアが苦笑混じりに呟いた。
「え? ええっと、ごめんなさい……」
「―――いいけど」
立ったまま―――つまり高い位置から降りてきたキスに、
「!?───」
覚悟(?)していた時とは違い、レアは思わず赤面した。
相手は笑っている。
普段の彼ならここまでレアをドギマギさせることはない。
…そんなに先生って呼ばれるの、ヤなのかな?…
レアは頭の片隅でチラリと思った。
“未来を識る者”という意味の“占師”であるデュアが属する、考える者層の『学問の塔』では、師弟関係はとてもクールでハードだ───(と聞いている)。
完璧に学問オンリーの世界だから、“先生”という言葉に甘さの入る余地は全くない。
───それはレアにとっても容易に頷ける認識だ。
レアの世界ではまず生活に必要な学問の初歩───読み書きや計算───は家で親から学び、そういう状況にない子は近所の小さな塾で学び、その後はなりたい職業の組織に入り、見習い修業から始める。
親の店を継ぐ予定のレアもそういったごく普通の道を歩んでいる。
『学問の塔』の“占師”であるデュアも、大まかにいえば同じルートだ。
ただ『学問の塔』に進む若者はごく僅かで、行き先としては非常にレアケースだが。
大勢の同じ年の子どもを一カ所に集めて、さまざまな分野の知識を一気に教えるこちらの世界の教育システムは、レアにとってはとても不思議で新鮮なものだった(今から思えば)。
レアの人生で“先生”に当たる存在は両親しかいない。
だから知らなかった。
年頃の女の子たちが、好感度の高い若い男性教師に呼びかける“先生”という言葉に秘められた淡い想いなんて───。
あれほどの熱気をこの学校の女子生徒たちに巻き起こしたデュア。しかし本人はきっと永遠に、彼女たちが抱いた“ときめき”を知ることはないだろう。
───耳が熱い。頬もきっと赤い。
意識しながらレアは、百年たっても追いつけそうにない───べつに追いつきたい、追い越したい、なんて思ったことはないけれど───年上の恋人に、一矢を報いることにした。
「知らないの? 教室でキスなんかしちゃいけないんだよ」
手で顔を隠しながら、なんて全くクールじゃないけれど……。
だけど一応、相手は目を丸くしてくれた。
そしてその唇が開く―――あるいは動く前に、
「きゃーっ!」
彼女は小さく叫んで、教室を飛び出していった。
浮き立つ心、そのままに。
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