16 / 76
第二章
16 気になって仕方ない
しおりを挟む
【第二章】
(ロドリック)
テオバルトが顔面蒼白でユリアンとの交流を報告してきた際、ロドリックは「好きにしろ」と伝えるのを忘れていた。
ユリアン・マルトリッツと契約上の結婚をしたのは三ヶ月ほど前で、それ以降ロドリックは公爵騎士団と共にバルシャ共和国へ出兵していた。
出兵といっても戦争のためではなく平和条約を結ぶためだ。ルーストランド王国は隣国のベルマニア王国と戦争を繰り返している。現在は停戦しているが事実上の終戦であり、しかし、バルシャ共和国がベルマニア共和国と手を組み可能性があるとルーストランド王国の諜報機関が幾つかの情報を入手したため、そうはさせないため急遽バルシャ共和国への遠征が決まったのだ。
出兵前にエデル公爵家はバルシャ共和国との国境付近に存在する貴族家を調べた。中でもマルトリッツ男爵領は国境に面している。
マルトリッツが一番好都合だったのだ。
幸いにも長男のユリアン・マルトリッツはオメガ性だったので、アルファ性のロドリックと結婚することができる。ユリアンと無事に結婚契約を交わし、ロドリックはすぐにバルシャへ向かった。条約の締結は来年となるが、ある程度の役目を果たしたため、冬が来る前に公爵邸へ帰還したのが昨晩である。
が、その三ヶ月の間でユリアンと、弟のテオバルトに交流が生まれていたらしい。
「……何なんだ?」
ロドリックは、ユリアンのいなくなった部屋で一人呟いた。
テオバルトにその報告を受けたのは、昨日の夜だ。弟がロドリックの『妻』に接近するとは思わなかったため、ろくに返答ができず、テオバルトが去ってから、好きに交流しろと伝え忘れていたことに気づいた。
そのため、今晩の夕食会にはユリアンを呼び出した。
ユリアン本人にテオバルトとの交友を認めるためである。そしてロドリックは疑問を抱いていた。
なぜテオバルトはユリアンと親しくなった? テオバルトからロドリックの妻に関わろうとしたのか? ユリアンはテオバルトとどんな会話をするのか。
弟に関して考えることは多かった。しかし晩餐では更なる疑問が追加される。
――『バルシャ共和国の紅茶はあまり口にしない方がいいですよ』
このユリアンという男は何者だ?
晩餐会でロドリックが話したかったのは、テオバルトとの親交を自由にしろということのみだった。他に話の種は浮かばなかったが、ユリアンとの会話は意外な方向へ向かった。
彼は博識で、バルシャ語を習得しており、植物や昆虫に詳しかった。詳しいどころかかなり肝が据わっていて、ロドリックの部屋に巣を作っていたハチの駆除まで難なく完了してくれた。
「何なんだ、あの男は……」
強く印象に残ったのは、殺したオスバチをポケットにしまった瞬間である。
子供が菓子を盗むようにこっそりと自分のものにしていた。あれをどうする気なんだ。ロドリックにはユリアンの考えていることがさっぱり分からない。マルトリッツ男爵家では目立った話がないため、彼を選んだが、ああも意味不明で、賢いと、この選択で良かったのかと不安になる。
ロドリックがユリアン・マルトリッツに関して知っていることは少ない。
マルトリッツ男爵家の長男で、オメガ性の男……。
ロドリックはマルトリッツ男爵家と男爵領を傀儡にするため彼と婚姻を結んだ。結婚を急いだのは、バルシャの姫がロドリックとの婚姻を望んでいるとの情報を入手したためである。
今までそういった話は一切なかったのにいきなり妙な動きを見せるなど、何か脅威をしでかそうとしているに違いない。情報を総合するとバルシャがベルマニアと手を組もうとしていることが分かった。
姫と結婚などして寝首をかかれるわけにはいかない。ロドリックはバルシャから持ちかけられる前に結婚することにしたが、あえてバルシャとの国境を有する貴族を選んだ。実際長男を迎えたことで、男爵家を恣にできているし、有事でなくても国境に公爵邸の騎士団を配置することが可能となったため、バルシャ共和国に重圧をかけることができた。
つまりロドリックが考えていたのはとにかくバルシャのことだけだった。
結婚相手であるユリアンには興味がなかったのだ。
ユリアンに関して知っていることは少ない。ユリアン・マルトリッツは男爵家で目立たない存在である。
社交界では『ユリアン』が遊び人と言われているらしいが、『魔性のユリアン』の容姿の特徴からするとその噂の人物は弟のアルノー・マルトリッツだ。噂でのユリアンは金髪だが実際のユリアンは茶髪である。男爵邸付近を探らせていたアルファ性の諜報員も、社交界で遊ぶ男はオメガ性ではなくベータ性だと言っていた。
本物のユリアン・マルトリッツは滅多に屋敷から出てこない。なぜそんな噂が回っているのか分からないが、兎にも角にもユリアン・マルトリッツが結婚相手として最適と判断し、早々に調査を打ち切らせ結婚を申し込んだ。
男爵邸で目立たない存在だったのなら公爵邸でもおとなしくしているだろう。何にせよ、二年の契約だ。
二年の間にバルシャと平和条約を締結し、近隣国の動きを止める。二年経てば男爵領は不要になる。
そしてエデル公爵家から外部の人間であるユリアンを解放する。
彼と良好な関係を結ぶ必要はない。
二年の契約満了まで、ユリアンが何もせずにいてくれればそれでいい。
――しかし、ユリアンは『おとなしい』男ではないように思える。
「あのハチをどうする気なんだ……」
ユリアンはハチとハチの巣を回収後、さっさと部屋を去っていった。
ロドリックはソファの背もたれに体重をかけて天を仰いだ。だめだ。自分でも分かっている。俺は、疲れている。
この一連でロドリックは全く冷静ではなかった。情けなくもユリアンの前でハチに動揺し、ハチを駆除するユリアンを見上げるだけの無力な存在でしかなく、しまいには弱音を吐いてしまった。
まさか自分がハチに刺された過去を語るとは思わなかった。ユリアンに恐怖を見抜かれてしまったのだ。弱みを見せてはならないのが軍人の常だが、ユリアンが軍人ではない他人だから、こうも簡単に恐怖を吐露してしまったのかもしれない。
それにしてもユリアンは奇妙な男だった。
……初めから、そうだったのだ。
大抵の人間はロドリックと目を合わせようとしない。人は、ロドリックを前にすると、自分に不吉が迫ったように怯え、忙しなく指先を動かし、みるみる顔色を失い、視線を彷徨わせる。
しかしユリアンは違った。契約を結んだあの日も、どこか気の抜けた態度をして当然のようにロドリックの目を見つめてきた。
ロドリックが望んでいたのは、前者の人間だったのだけれど。
「俺はまた間違ったのか」
ロドリックは、自分で呟いた言葉に、(そうだな)と共感をした。
ロドリックの関わる者と距離を置こうとするテオバルトがユリアンと友人になったことも不思議だ。テオバルトとどんな話をするのだろう。……ユリアンに聞いてみるか? いや、けれど……。
考えながらその日は眠り、翌日も同様だった。日中頭を悩ませていたのはテオバルトとユリアンについてばかり。
テオバルトとどうやって話すようになったのか、何の話をするのか。年が近いから友達になれた? テオバルトは煙草を嗜むようだ。好きな煙草は? 若いうちからそんなでは、体を壊すのでは?
ロドリックは二人の会話が気になって仕方ない。三ヶ月の間に、テオバルトとどこまで仲良くなれたのだろう。
「……聞いてみるか」
そう呟いたのは、夜だった。
窓の外では大雨が降っている。帰還と被っていたらかなりの被害を受けたであろう豪雨で、風も激しく雷もそこかしこで落ちている。いきなり天候が変わるのはこの地方特有で、今晩の雨は稀に見る激しさだ。
マルトリッツ領では考えられない雨なので、きっとユリアンも起きている。ロドリックは首の裏を触りながら部屋を一周し、ユリアンが好むか分からないがひとまずワインを手にして、彼の部屋へ向かった。
だが。
「……何だと?」
その部屋はもぬけの殻だった。
(ロドリック)
テオバルトが顔面蒼白でユリアンとの交流を報告してきた際、ロドリックは「好きにしろ」と伝えるのを忘れていた。
ユリアン・マルトリッツと契約上の結婚をしたのは三ヶ月ほど前で、それ以降ロドリックは公爵騎士団と共にバルシャ共和国へ出兵していた。
出兵といっても戦争のためではなく平和条約を結ぶためだ。ルーストランド王国は隣国のベルマニア王国と戦争を繰り返している。現在は停戦しているが事実上の終戦であり、しかし、バルシャ共和国がベルマニア共和国と手を組み可能性があるとルーストランド王国の諜報機関が幾つかの情報を入手したため、そうはさせないため急遽バルシャ共和国への遠征が決まったのだ。
出兵前にエデル公爵家はバルシャ共和国との国境付近に存在する貴族家を調べた。中でもマルトリッツ男爵領は国境に面している。
マルトリッツが一番好都合だったのだ。
幸いにも長男のユリアン・マルトリッツはオメガ性だったので、アルファ性のロドリックと結婚することができる。ユリアンと無事に結婚契約を交わし、ロドリックはすぐにバルシャへ向かった。条約の締結は来年となるが、ある程度の役目を果たしたため、冬が来る前に公爵邸へ帰還したのが昨晩である。
が、その三ヶ月の間でユリアンと、弟のテオバルトに交流が生まれていたらしい。
「……何なんだ?」
ロドリックは、ユリアンのいなくなった部屋で一人呟いた。
テオバルトにその報告を受けたのは、昨日の夜だ。弟がロドリックの『妻』に接近するとは思わなかったため、ろくに返答ができず、テオバルトが去ってから、好きに交流しろと伝え忘れていたことに気づいた。
そのため、今晩の夕食会にはユリアンを呼び出した。
ユリアン本人にテオバルトとの交友を認めるためである。そしてロドリックは疑問を抱いていた。
なぜテオバルトはユリアンと親しくなった? テオバルトからロドリックの妻に関わろうとしたのか? ユリアンはテオバルトとどんな会話をするのか。
弟に関して考えることは多かった。しかし晩餐では更なる疑問が追加される。
――『バルシャ共和国の紅茶はあまり口にしない方がいいですよ』
このユリアンという男は何者だ?
晩餐会でロドリックが話したかったのは、テオバルトとの親交を自由にしろということのみだった。他に話の種は浮かばなかったが、ユリアンとの会話は意外な方向へ向かった。
彼は博識で、バルシャ語を習得しており、植物や昆虫に詳しかった。詳しいどころかかなり肝が据わっていて、ロドリックの部屋に巣を作っていたハチの駆除まで難なく完了してくれた。
「何なんだ、あの男は……」
強く印象に残ったのは、殺したオスバチをポケットにしまった瞬間である。
子供が菓子を盗むようにこっそりと自分のものにしていた。あれをどうする気なんだ。ロドリックにはユリアンの考えていることがさっぱり分からない。マルトリッツ男爵家では目立った話がないため、彼を選んだが、ああも意味不明で、賢いと、この選択で良かったのかと不安になる。
ロドリックがユリアン・マルトリッツに関して知っていることは少ない。
マルトリッツ男爵家の長男で、オメガ性の男……。
ロドリックはマルトリッツ男爵家と男爵領を傀儡にするため彼と婚姻を結んだ。結婚を急いだのは、バルシャの姫がロドリックとの婚姻を望んでいるとの情報を入手したためである。
今までそういった話は一切なかったのにいきなり妙な動きを見せるなど、何か脅威をしでかそうとしているに違いない。情報を総合するとバルシャがベルマニアと手を組もうとしていることが分かった。
姫と結婚などして寝首をかかれるわけにはいかない。ロドリックはバルシャから持ちかけられる前に結婚することにしたが、あえてバルシャとの国境を有する貴族を選んだ。実際長男を迎えたことで、男爵家を恣にできているし、有事でなくても国境に公爵邸の騎士団を配置することが可能となったため、バルシャ共和国に重圧をかけることができた。
つまりロドリックが考えていたのはとにかくバルシャのことだけだった。
結婚相手であるユリアンには興味がなかったのだ。
ユリアンに関して知っていることは少ない。ユリアン・マルトリッツは男爵家で目立たない存在である。
社交界では『ユリアン』が遊び人と言われているらしいが、『魔性のユリアン』の容姿の特徴からするとその噂の人物は弟のアルノー・マルトリッツだ。噂でのユリアンは金髪だが実際のユリアンは茶髪である。男爵邸付近を探らせていたアルファ性の諜報員も、社交界で遊ぶ男はオメガ性ではなくベータ性だと言っていた。
本物のユリアン・マルトリッツは滅多に屋敷から出てこない。なぜそんな噂が回っているのか分からないが、兎にも角にもユリアン・マルトリッツが結婚相手として最適と判断し、早々に調査を打ち切らせ結婚を申し込んだ。
男爵邸で目立たない存在だったのなら公爵邸でもおとなしくしているだろう。何にせよ、二年の契約だ。
二年の間にバルシャと平和条約を締結し、近隣国の動きを止める。二年経てば男爵領は不要になる。
そしてエデル公爵家から外部の人間であるユリアンを解放する。
彼と良好な関係を結ぶ必要はない。
二年の契約満了まで、ユリアンが何もせずにいてくれればそれでいい。
――しかし、ユリアンは『おとなしい』男ではないように思える。
「あのハチをどうする気なんだ……」
ユリアンはハチとハチの巣を回収後、さっさと部屋を去っていった。
ロドリックはソファの背もたれに体重をかけて天を仰いだ。だめだ。自分でも分かっている。俺は、疲れている。
この一連でロドリックは全く冷静ではなかった。情けなくもユリアンの前でハチに動揺し、ハチを駆除するユリアンを見上げるだけの無力な存在でしかなく、しまいには弱音を吐いてしまった。
まさか自分がハチに刺された過去を語るとは思わなかった。ユリアンに恐怖を見抜かれてしまったのだ。弱みを見せてはならないのが軍人の常だが、ユリアンが軍人ではない他人だから、こうも簡単に恐怖を吐露してしまったのかもしれない。
それにしてもユリアンは奇妙な男だった。
……初めから、そうだったのだ。
大抵の人間はロドリックと目を合わせようとしない。人は、ロドリックを前にすると、自分に不吉が迫ったように怯え、忙しなく指先を動かし、みるみる顔色を失い、視線を彷徨わせる。
しかしユリアンは違った。契約を結んだあの日も、どこか気の抜けた態度をして当然のようにロドリックの目を見つめてきた。
ロドリックが望んでいたのは、前者の人間だったのだけれど。
「俺はまた間違ったのか」
ロドリックは、自分で呟いた言葉に、(そうだな)と共感をした。
ロドリックの関わる者と距離を置こうとするテオバルトがユリアンと友人になったことも不思議だ。テオバルトとどんな話をするのだろう。……ユリアンに聞いてみるか? いや、けれど……。
考えながらその日は眠り、翌日も同様だった。日中頭を悩ませていたのはテオバルトとユリアンについてばかり。
テオバルトとどうやって話すようになったのか、何の話をするのか。年が近いから友達になれた? テオバルトは煙草を嗜むようだ。好きな煙草は? 若いうちからそんなでは、体を壊すのでは?
ロドリックは二人の会話が気になって仕方ない。三ヶ月の間に、テオバルトとどこまで仲良くなれたのだろう。
「……聞いてみるか」
そう呟いたのは、夜だった。
窓の外では大雨が降っている。帰還と被っていたらかなりの被害を受けたであろう豪雨で、風も激しく雷もそこかしこで落ちている。いきなり天候が変わるのはこの地方特有で、今晩の雨は稀に見る激しさだ。
マルトリッツ領では考えられない雨なので、きっとユリアンも起きている。ロドリックは首の裏を触りながら部屋を一周し、ユリアンが好むか分からないがひとまずワインを手にして、彼の部屋へ向かった。
だが。
「……何だと?」
その部屋はもぬけの殻だった。
4,726
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
炊き出しをしていただけなのに、大公閣下に溺愛されています
ぽんちゃん
BL
希望したのは、医療班だった。
それなのに、配属されたのはなぜか“炊事班”。
「役立たずの掃き溜め」と呼ばれるその場所で、僕は黙々と鍋をかき混ぜる。
誰にも褒められなくても、誰かが「おいしい」と笑ってくれるなら、それだけでいいと思っていた。
……けれど、婚約者に裏切られていた。
軍から逃げ出した先で、炊き出しをすることに。
そんな僕を追いかけてきたのは、王国軍の最高司令官――
“雲の上の存在”カイゼル・ルクスフォルト大公閣下だった。
「君の料理が、兵の士気を支えていた」
「君を愛している」
まさか、ただの炊事兵だった僕に、こんな言葉を向けてくるなんて……!?
さらに、裏切ったはずの元婚約者まで現れて――!?
【完結】これをもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
「オレの番は、いちばん近くて、いちばん遠いアルファだった」
星井 悠里
BL
大好きだった幼なじみのアルファは、皆の憧れだった。
ベータのオレは、王都に誘ってくれたその手を取れなかった。
番にはなれない未来が、ただ怖かった。隣に立ち続ける自信がなかった。
あれから二年。幼馴染の婚約の噂を聞いて胸が痛むことはあるけれど、
平凡だけどちゃんと働いて、それなりに楽しく生きていた。
そんなオレの体に、ふとした異変が起きはじめた。
――何でいまさら。オメガだった、なんて。
オメガだったら、これからますます頑張ろうとしていた仕事も出来なくなる。
2年前のあの時だったら。あの手を取れたかもしれないのに。
どうして、いまさら。
すれ違った運命に、急展開で振り回される、Ωのお話。
ハピエン確定です。(全10話)
2025年 07月12日 ~2025年 07月21日 なろうさんで完結してます。
【8話完結】いじめられっ子だった僕が、覚醒したら騎士団長に求愛されました
キノア9g
BL
いじめられ続けた僕は、ある日突然、異世界に転移した。
けれど、勇者として歓迎されたのは、僕を苦しめてきた“あいつ”の方。僕は無能と決めつけられ、誰からも相手にされなかった。
そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、冷酷と恐れられる騎士団長・ジグルドだった。
なのに、あいつの命令で、僕は彼に嘘の告白をしてしまう――「ジグルドさんのことが、好きなんです」
それが、すべての始まりだった。
あの日から彼は、僕だけをまっすぐ見つめてくる。
僕を守る手は、やさしく、強くて、どこまでも真剣だった。
だけど僕には、まだ知られていない“力”がある。
過去の傷も、偽りの言葉も超えて、彼の隣にいてもいいのだろうか。
これは、いじめられっ子の僕が“愛されること”を知っていく、嘘と覚醒の物語。
全8話。
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる