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第一章 帝国脱出
『第七話 弓使いの男』
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とある村の宿屋で宿泊中、俺は夜空を見上げながら今後のことについて考えていた。
すでに俺たちが王都を出発してから二日の時が経っている。
このまま隣国に行くのを、みすみすと見逃してくれるのかという疑問が湧いてくるのだ。
「考え事? もしかして追っ手のことかな?」
「えっ……あ、ダイマスか。そうだな。このままヘルシミ王国に行かせてくれるのかなって」
「多分、その可能性は限りなく低い。あの皇帝は執念深いからね。必ず罠があるはずだ」
ダイマスは暗い表情で断言する。
宰相として皇帝のそばにいた彼が言うのなら、間違いはないだろう。
問題は、その罠がどこにどんな形で仕掛けられているのかと言う話に発展する。
「私の考えでは、恐らく国境付近だろう。この国は戦争を仕掛けられることが多いからな」
「確かに、国境付近には壁と門がありますものね。つまり検査がある」
俺が言うと、ベネット騎士団長が頷く。
検査ということは、乗っている人物から馬車の紋章まで全て見られてしまうということだ。
商人の馬車に誤魔化せないことはないと思うが、俺は魔剣士として顔を知られているし、ダイマスやべネック団長も同様である。
イリナだけはよく分からないが、彼女一人に対応させるのもな理があるだろうな。
「ただ……皇帝やギルドマスターが自ら出て来るということは考えにくい」
「レベルが高くてもシーマさん程度ってこと?」
トイレから帰ってきたのだろうか。いつの間にか戻ってきていたイリナが尋ねた。
その問いにダイマスは否定の意を示す。
「さすがにシーマさんよりも強い人が出てくるだろう。具体的に言うと騎士団長クラスだ」
「それなら心配はいらない。この国の騎士団長との戦いで負けたことはないからな」
べネック団長が得意げに言う。
しかし、この国の事情に詳しいダイマスはゆっくりと首を横に振った。
「四つある騎士団のうち、第三騎士団と第四騎士団は中立の立場のはずです」
「そういえば、私が勝ったことがあるのは第三騎士団長と第四騎士団長だけだな」
「敵になるであろう第一騎士団長と第二騎士団長は合同訓練が嫌いですからね。そんなことだろうと思っていましたよ。ですからこちらが有利だという保証はどこにもありません」
まあ、べネック団長がいるから必ず戦いに勝てるわけではない。
敵は絶対に逃がしてはならないため、大軍を用意していることが容易に想像できる。
対してこちら側の戦力は四人だけ。
つまり今回の戦いで重要なのは、いかに早く門を突破するかというところになるだろう。
言い換えれば、門をどれだけ早く壊せるかということだ。
俺は策を考えながら空を眺めていたが、ふと何者かの気配を感じて階下を見つめる。
目を凝らして見つめると、弓を持った冒険者がいるのが見えた。
俺は咄嗟の判断で窓をゆっくりと閉めると、隠れる場所がないか部屋を見回す。
「どうしたのだ!? まさか追っ手か?」
「分かりませんが、弓を持った冒険者らしき人物が階下にいました」
べネック団長が険しい顔をして、同じように隠れる場所がないか視線を走らせる。
しかし、クローゼットしか隠れられそうな場所がない。
「とりあえず旅行客を装うんだ。そいつが二階に上がってきたタイミングで浴場に行くぞ」
「了解です。わざと渦中に飛び込み、なおかつ二対二に分かれるんですね」
俺たちはちょうど男二人に女二人の構成である。
浴場に隠れることによって、性別が異なるペアがいるのかを確認させないのだ。
つまり、俺たちだけで入るため、連れとしてイリナたちがいるのかは確認しようがない。
本人確認が取れないのが分かっているため、似ているだけの人で強引に押し通す。
「あくまで時間稼ぎの策だがな。それで弓のヤツが去ってくれれば……」
「べネック団長、後ろを見てください!」
「ん? 何だ……っ!?」
苦い顔をするべネック団長の後ろには、弓を持った男が直立不動で立っていた。
あの位置からなら、弓で殴ることも出来るだろう。
いや、そもそも俺たちに気づかれずにどうやってこの部屋に入った!?
首を傾げながら後ろを振り向いたべネック団長は男を視界に入れて固まる。
「お前、どうしてここに……」
「ヘルシミ国王からの指示です。“何としてでもべネック団長を生きて返せ”と」
そう言って一礼する男。
しかし、俺たちからすれば彼は正体不明の男だ。
べネック団長と親しげに話していることから考えて、敵ではなさそうだが。
「ちょっと待って。あなたは誰ですか?」
「僕はヘルシミ国王の指示で皆さんの護衛に来ました、弓使いのデールさんです」
「ヘルシミ国王? つまり国王は僕たちに来て欲しいと?」
ダイマスが信じられないといった感じで尋ねると、デールさんは当然とでも言いたげに頷いた。
べネック団長も安堵の表情をしている。
やっぱり、他国の人間が受け入れられるのかという疑問は常にあったに違いない。
「リ―デン帝国随一の魔剣士に、有名剣士の娘さんに元宰相ですからね。ヘルシミ国王もあなたたちと会えるのを楽しみにしていますよ」
「前の二人はともかく、僕の期待は情報源としてってことかな?」
黒い笑顔でダイマスが呟く。
ここで機嫌を損ねられたらマズイと考えたのだろう。デールさんが慌てて階下を指さす。
「気分転換にお風呂でも入りませんか?」
「誤魔化したね。まあいい。剣を見せて、実力があるということを分からせればいいや」
切り替えが早いのもダイマスの特徴であった。
どこかホッとしたようなデールさんとともに浴場に行こうとすると、女性陣も立ち上がる。
「私たちも入るか。早ければ明日にはヘルシミ国王と謁見することになると思うからな」
「そうなんですか。でしたら私もご一緒しますわ」
国で一番偉い人と会う前に、汗をしっかりと流しておこうといった感じか。
こうして俺たちは浴場へ向かうのだった。
すでに俺たちが王都を出発してから二日の時が経っている。
このまま隣国に行くのを、みすみすと見逃してくれるのかという疑問が湧いてくるのだ。
「考え事? もしかして追っ手のことかな?」
「えっ……あ、ダイマスか。そうだな。このままヘルシミ王国に行かせてくれるのかなって」
「多分、その可能性は限りなく低い。あの皇帝は執念深いからね。必ず罠があるはずだ」
ダイマスは暗い表情で断言する。
宰相として皇帝のそばにいた彼が言うのなら、間違いはないだろう。
問題は、その罠がどこにどんな形で仕掛けられているのかと言う話に発展する。
「私の考えでは、恐らく国境付近だろう。この国は戦争を仕掛けられることが多いからな」
「確かに、国境付近には壁と門がありますものね。つまり検査がある」
俺が言うと、ベネット騎士団長が頷く。
検査ということは、乗っている人物から馬車の紋章まで全て見られてしまうということだ。
商人の馬車に誤魔化せないことはないと思うが、俺は魔剣士として顔を知られているし、ダイマスやべネック団長も同様である。
イリナだけはよく分からないが、彼女一人に対応させるのもな理があるだろうな。
「ただ……皇帝やギルドマスターが自ら出て来るということは考えにくい」
「レベルが高くてもシーマさん程度ってこと?」
トイレから帰ってきたのだろうか。いつの間にか戻ってきていたイリナが尋ねた。
その問いにダイマスは否定の意を示す。
「さすがにシーマさんよりも強い人が出てくるだろう。具体的に言うと騎士団長クラスだ」
「それなら心配はいらない。この国の騎士団長との戦いで負けたことはないからな」
べネック団長が得意げに言う。
しかし、この国の事情に詳しいダイマスはゆっくりと首を横に振った。
「四つある騎士団のうち、第三騎士団と第四騎士団は中立の立場のはずです」
「そういえば、私が勝ったことがあるのは第三騎士団長と第四騎士団長だけだな」
「敵になるであろう第一騎士団長と第二騎士団長は合同訓練が嫌いですからね。そんなことだろうと思っていましたよ。ですからこちらが有利だという保証はどこにもありません」
まあ、べネック団長がいるから必ず戦いに勝てるわけではない。
敵は絶対に逃がしてはならないため、大軍を用意していることが容易に想像できる。
対してこちら側の戦力は四人だけ。
つまり今回の戦いで重要なのは、いかに早く門を突破するかというところになるだろう。
言い換えれば、門をどれだけ早く壊せるかということだ。
俺は策を考えながら空を眺めていたが、ふと何者かの気配を感じて階下を見つめる。
目を凝らして見つめると、弓を持った冒険者がいるのが見えた。
俺は咄嗟の判断で窓をゆっくりと閉めると、隠れる場所がないか部屋を見回す。
「どうしたのだ!? まさか追っ手か?」
「分かりませんが、弓を持った冒険者らしき人物が階下にいました」
べネック団長が険しい顔をして、同じように隠れる場所がないか視線を走らせる。
しかし、クローゼットしか隠れられそうな場所がない。
「とりあえず旅行客を装うんだ。そいつが二階に上がってきたタイミングで浴場に行くぞ」
「了解です。わざと渦中に飛び込み、なおかつ二対二に分かれるんですね」
俺たちはちょうど男二人に女二人の構成である。
浴場に隠れることによって、性別が異なるペアがいるのかを確認させないのだ。
つまり、俺たちだけで入るため、連れとしてイリナたちがいるのかは確認しようがない。
本人確認が取れないのが分かっているため、似ているだけの人で強引に押し通す。
「あくまで時間稼ぎの策だがな。それで弓のヤツが去ってくれれば……」
「べネック団長、後ろを見てください!」
「ん? 何だ……っ!?」
苦い顔をするべネック団長の後ろには、弓を持った男が直立不動で立っていた。
あの位置からなら、弓で殴ることも出来るだろう。
いや、そもそも俺たちに気づかれずにどうやってこの部屋に入った!?
首を傾げながら後ろを振り向いたべネック団長は男を視界に入れて固まる。
「お前、どうしてここに……」
「ヘルシミ国王からの指示です。“何としてでもべネック団長を生きて返せ”と」
そう言って一礼する男。
しかし、俺たちからすれば彼は正体不明の男だ。
べネック団長と親しげに話していることから考えて、敵ではなさそうだが。
「ちょっと待って。あなたは誰ですか?」
「僕はヘルシミ国王の指示で皆さんの護衛に来ました、弓使いのデールさんです」
「ヘルシミ国王? つまり国王は僕たちに来て欲しいと?」
ダイマスが信じられないといった感じで尋ねると、デールさんは当然とでも言いたげに頷いた。
べネック団長も安堵の表情をしている。
やっぱり、他国の人間が受け入れられるのかという疑問は常にあったに違いない。
「リ―デン帝国随一の魔剣士に、有名剣士の娘さんに元宰相ですからね。ヘルシミ国王もあなたたちと会えるのを楽しみにしていますよ」
「前の二人はともかく、僕の期待は情報源としてってことかな?」
黒い笑顔でダイマスが呟く。
ここで機嫌を損ねられたらマズイと考えたのだろう。デールさんが慌てて階下を指さす。
「気分転換にお風呂でも入りませんか?」
「誤魔化したね。まあいい。剣を見せて、実力があるということを分からせればいいや」
切り替えが早いのもダイマスの特徴であった。
どこかホッとしたようなデールさんとともに浴場に行こうとすると、女性陣も立ち上がる。
「私たちも入るか。早ければ明日にはヘルシミ国王と謁見することになると思うからな」
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