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第三章 訓練と初めての依頼
『第三十一話 第三騎士団の訓練~前編~』
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翌朝、俺たちは寮の裏手にある訓練場に集まっていた。
ちなみに、昨夜のピンチはセーラさんにお金を貸してもらって何とか乗り切れた。
はあ……次からは気を付けないとな。
近いうちに返しにいかなきゃいけないし……お金関係についても問題が山積みだ。
「来たな。早速訓練を始めよう」
「よろしくお願いします。最初なのでお手柔らかにお願いしますよ」
アリアが冗談めかして言う。
するとべネック団長も軽い口調で、「嫌だね。ビシバシ行くよ!」と一言だけ呟いた。
俺たちは総じて固まるしかない。
騎士団の訓練がどれほどのものなのかは分からないが、ダイマスが青い顔をしている。
これはダメなんじゃないか?
そう思った俺はべネック団長から視線を外して訓練場を見回した。
王城の中庭ほどの敷地に、白い砂が敷かれている。
転んでも痛くはなさそうだな。
周りは格子状のフェンスで囲まれており、数人の騎士と思われる人がこちらを見ている。
「それでは、新設第三騎士団最初の訓練を開始します!」
「「「はい!」」」
さて……俺の懸念通り、第三騎士団の訓練は凄絶を極めたと言ってもいいだろう。
まず剣の素振りを二百回も行うことになった。
アリアは遠距離担当の精霊使いだが、近接戦も出来た方がいいという理由で強制参加。
彼女は青い顔をしていた。
「ティッセ、ペースが落ちているぞ。もっとしっかり腰を入れて振れ!」
「はい。了解しました」
「すみません……体力的に限界なので休ませていただきます……」
体力がないダイマスが一番最初にダウンし、続いて本職ではないアリアがダウン。
俺とイリナの一騎打ちとなったが、木剣の素振りを毎日行っている人に勝てるはずもない。
結局、二百回を完璧に行いきったのはイリナだけだった。
「この訓練は体力を養うために必要だ。私たちは山の奥に討伐しに行くこともあるんだぞ」
「そうなんですか……予想以上に大変なんですね」
額に浮かぶ汗を拭いながらダイマスが呟くと、隣に座るアリアもコクコクと首を縦に振った。
冒険者なら山奥に行くのが日常だが、騎士団だとそうでもないんだな。
むしろありがたい限りだが。
どれだけSランククラスの魔物に出会い、どれだけ命の危険を感じたことか。
山奥は、軽い気持ちで入った低級冒険者が遺体で発見されるのが日常という世界だ。
そう簡単に踏み入っていい場所じゃない。
密かに安堵していると、休憩を終わらせたべネック団長が高らかに宣言した。
「水を飲んだら一人づつ模擬戦をするぞ」
「実際に戦ってみるってことですよね? 俺たちは誰と戦うんですか?」
「私だ。今回と次回で模擬戦を行い、その時の戦い方をもとに前衛と後衛を決定する」
「なるほど。効率的なやり方だと思います」
ダイマスが頷いたところで、べネック団長はダイマスの眼前に剣を突き刺した。
ザクッという小気味のいい音が訓練場に響き渡る。
「まずはダイマスから来てもらおう」
「僕からですか。いいでしょう……勝てないまでもマシな試合をしてみせましょう」
不敵な笑みを浮かべたダイマスとべネック団長が向かい合う。
「訓練で使うのはこの木剣だ」
「これなら当たっても命には関わりませんね。残念ながら魔力は通しにくそうですが」
ダイマスは木剣を振って感触を確かめている。
やがて十分に戦えると判断したのか、再び両者が剣呑な雰囲気を出しながら向き合った。
「それでは審判は俺がやらせていただきますね。両者向かい合って――始め!」
「火焔式剣術の壱、【バーニング・スラッシュ】」
「水遁式剣術の弐、【伏流水】」
俺の合図とともに、二人がそれぞれ剣に魔力を纏わせて睨み合う。
しばらく時間が過ぎ、最初に動いたのはダイマスだった。
剣を素振りのように数回振ったあと、右側面から回り込むようにして斬りかかる。
べネック団長は首を傾げながらも迎撃態勢に入り……肩を何かに切り裂かれた。
「何だとっ!?」
「引っかかりましたねっ!」
ダイマスが放ったのは水属性の斬撃だな。
あのまま正面から突っ込んでいくと、自身が斬撃を受けてしまうから回り込んだのか。
得意げな笑みを浮かべたダイマスが怒涛の連撃を繰り出すものの、相手の防御は強固。
崩すための取っ掛かりをなかなか見つけられていない。
「さてさて……体力勝負に持ち込まれたら勝ち目はないわ。どうやって反撃するのかしら」
「べネック団長の防御は硬いよね」
イリナが俺の横に陣取りながら、戦いを興味深そうに眺めている。
能力が防御だからなのかもしれないが……今も相手の攻撃を完璧に捌き切っているな。
やがてダイマスの顔に焦りの表情が色濃く浮かぶ。
既に肩で息をしている感じもあるし、やはり当面の課題は体力面と見ていいだろう。
するとダイマスは真剣な目をして剣を振るった。
「水遁式剣術の参、【神庭の滝】!」
切り札であろう一撃は、火の魔力を使い続けるべネック団長を飲み込んだ。
荒い息をしたダイマスが立ち竦んでいると、滝の中から伸びて来た剣がダイマスに刺さる。
まさに視覚外からの一撃。
ダイマスは一瞬、自分の身に何が起きたのか分からなかったのであろう。
彼は静かに怪訝な声を上げた。
「えっ……?」
「そこまで。審判であるティッセの名において宣言する。勝者はべネック団長!」
俺は高らかにべネック団長の勝利を宣言した。
未だに流れ落ちている滝の中から出てきた今回の勝者が、苦い表情をしながら問う。
「あの技は何だ?」
「肩を切り裂いた技であれば【伏流水】の効果ですね。斬撃を隠すことが出来る技です」
「だからわざわざ右から回ってきていたのか。納得がいった」
「それよりも何ですか!? あの異常な防御力は!」
満足げに頷くべネック団長に対し、悔しさを露わにするダイマス。
【伏流水】で一撃を与えたのに、その後の攻撃が入らなかったことに苛立っているんだな。
「あれは単純な技能の差だな。今の試合は防御の能力も使っていないし」
「何ですって!?」
ダイマスは目を見開いて膝から崩れ落ち、俺たちはその強さに驚愕するのだった。
べネック団長、最強すぎるだろ。
ちなみに、昨夜のピンチはセーラさんにお金を貸してもらって何とか乗り切れた。
はあ……次からは気を付けないとな。
近いうちに返しにいかなきゃいけないし……お金関係についても問題が山積みだ。
「来たな。早速訓練を始めよう」
「よろしくお願いします。最初なのでお手柔らかにお願いしますよ」
アリアが冗談めかして言う。
するとべネック団長も軽い口調で、「嫌だね。ビシバシ行くよ!」と一言だけ呟いた。
俺たちは総じて固まるしかない。
騎士団の訓練がどれほどのものなのかは分からないが、ダイマスが青い顔をしている。
これはダメなんじゃないか?
そう思った俺はべネック団長から視線を外して訓練場を見回した。
王城の中庭ほどの敷地に、白い砂が敷かれている。
転んでも痛くはなさそうだな。
周りは格子状のフェンスで囲まれており、数人の騎士と思われる人がこちらを見ている。
「それでは、新設第三騎士団最初の訓練を開始します!」
「「「はい!」」」
さて……俺の懸念通り、第三騎士団の訓練は凄絶を極めたと言ってもいいだろう。
まず剣の素振りを二百回も行うことになった。
アリアは遠距離担当の精霊使いだが、近接戦も出来た方がいいという理由で強制参加。
彼女は青い顔をしていた。
「ティッセ、ペースが落ちているぞ。もっとしっかり腰を入れて振れ!」
「はい。了解しました」
「すみません……体力的に限界なので休ませていただきます……」
体力がないダイマスが一番最初にダウンし、続いて本職ではないアリアがダウン。
俺とイリナの一騎打ちとなったが、木剣の素振りを毎日行っている人に勝てるはずもない。
結局、二百回を完璧に行いきったのはイリナだけだった。
「この訓練は体力を養うために必要だ。私たちは山の奥に討伐しに行くこともあるんだぞ」
「そうなんですか……予想以上に大変なんですね」
額に浮かぶ汗を拭いながらダイマスが呟くと、隣に座るアリアもコクコクと首を縦に振った。
冒険者なら山奥に行くのが日常だが、騎士団だとそうでもないんだな。
むしろありがたい限りだが。
どれだけSランククラスの魔物に出会い、どれだけ命の危険を感じたことか。
山奥は、軽い気持ちで入った低級冒険者が遺体で発見されるのが日常という世界だ。
そう簡単に踏み入っていい場所じゃない。
密かに安堵していると、休憩を終わらせたべネック団長が高らかに宣言した。
「水を飲んだら一人づつ模擬戦をするぞ」
「実際に戦ってみるってことですよね? 俺たちは誰と戦うんですか?」
「私だ。今回と次回で模擬戦を行い、その時の戦い方をもとに前衛と後衛を決定する」
「なるほど。効率的なやり方だと思います」
ダイマスが頷いたところで、べネック団長はダイマスの眼前に剣を突き刺した。
ザクッという小気味のいい音が訓練場に響き渡る。
「まずはダイマスから来てもらおう」
「僕からですか。いいでしょう……勝てないまでもマシな試合をしてみせましょう」
不敵な笑みを浮かべたダイマスとべネック団長が向かい合う。
「訓練で使うのはこの木剣だ」
「これなら当たっても命には関わりませんね。残念ながら魔力は通しにくそうですが」
ダイマスは木剣を振って感触を確かめている。
やがて十分に戦えると判断したのか、再び両者が剣呑な雰囲気を出しながら向き合った。
「それでは審判は俺がやらせていただきますね。両者向かい合って――始め!」
「火焔式剣術の壱、【バーニング・スラッシュ】」
「水遁式剣術の弐、【伏流水】」
俺の合図とともに、二人がそれぞれ剣に魔力を纏わせて睨み合う。
しばらく時間が過ぎ、最初に動いたのはダイマスだった。
剣を素振りのように数回振ったあと、右側面から回り込むようにして斬りかかる。
べネック団長は首を傾げながらも迎撃態勢に入り……肩を何かに切り裂かれた。
「何だとっ!?」
「引っかかりましたねっ!」
ダイマスが放ったのは水属性の斬撃だな。
あのまま正面から突っ込んでいくと、自身が斬撃を受けてしまうから回り込んだのか。
得意げな笑みを浮かべたダイマスが怒涛の連撃を繰り出すものの、相手の防御は強固。
崩すための取っ掛かりをなかなか見つけられていない。
「さてさて……体力勝負に持ち込まれたら勝ち目はないわ。どうやって反撃するのかしら」
「べネック団長の防御は硬いよね」
イリナが俺の横に陣取りながら、戦いを興味深そうに眺めている。
能力が防御だからなのかもしれないが……今も相手の攻撃を完璧に捌き切っているな。
やがてダイマスの顔に焦りの表情が色濃く浮かぶ。
既に肩で息をしている感じもあるし、やはり当面の課題は体力面と見ていいだろう。
するとダイマスは真剣な目をして剣を振るった。
「水遁式剣術の参、【神庭の滝】!」
切り札であろう一撃は、火の魔力を使い続けるべネック団長を飲み込んだ。
荒い息をしたダイマスが立ち竦んでいると、滝の中から伸びて来た剣がダイマスに刺さる。
まさに視覚外からの一撃。
ダイマスは一瞬、自分の身に何が起きたのか分からなかったのであろう。
彼は静かに怪訝な声を上げた。
「えっ……?」
「そこまで。審判であるティッセの名において宣言する。勝者はべネック団長!」
俺は高らかにべネック団長の勝利を宣言した。
未だに流れ落ちている滝の中から出てきた今回の勝者が、苦い表情をしながら問う。
「あの技は何だ?」
「肩を切り裂いた技であれば【伏流水】の効果ですね。斬撃を隠すことが出来る技です」
「だからわざわざ右から回ってきていたのか。納得がいった」
「それよりも何ですか!? あの異常な防御力は!」
満足げに頷くべネック団長に対し、悔しさを露わにするダイマス。
【伏流水】で一撃を与えたのに、その後の攻撃が入らなかったことに苛立っているんだな。
「あれは単純な技能の差だな。今の試合は防御の能力も使っていないし」
「何ですって!?」
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べネック団長、最強すぎるだろ。
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