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第3章 銀髪の兄弟と国を揺るがす大戦
『107、閑話 奴隷になった獣人』
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「ここが魔物に襲われた村ですか。質の良い奴隷がいそうですね」
「はい。すぐに探しましょう」
突然現れた魔物に襲われて壊滅した村の中で、私は1人立っていた。
両親と弟は瓦礫に押しつぶされて死んだ。
どうして私だけが生き残ったのだろう。逆ならばまだ良かったのに。
私がいなくなったところで、両親と弟がいれば支え合って生きていけるはず。
しかし、こうなったら支え合うもクソも無い。
黒い笑みを浮かべる男であろうとも、助けを乞わないと生きられないのだ。
「すみません。あなたたちは誰ですか?」
「孤児ですか。救ってあげなさい。ただし私たちの商品になってもらうからね」
限りなく嫌な予感はしていた。
ただ、ここで怪しさ満載のジジイが言うことを断ったらどうなる?
――答えは明白だ。飢えて死ぬだけ。
もう生に執着はないと思っていたのに、助かると分かったら助かりたいらしい。
どこまでも私は汚い獣人なのだろうか。
その後は、奴隷商が用意した檻の中で過ごす日々が続いた。
肥え太った豚みたいな貴族が、私のことを嫌らしい視線で見つめて来る。
・・・幸か不幸か、私が買われることはなかったが。
しばらく経ったある日、奴隷商が私が入っていた檻の鍵を解錠してこう告げた。
「あなたの主人が決まりました。宮廷魔術師のマーハイ様という方です」
「そうですか。よろしくお願いします」
私はマーハイとかいう宮廷魔術師が13歳のときに買われた。
紫色の髪で気の強そうな目を見た瞬間、嫌な予感がしたが顔に出すわけにはいかない。
とりあえず挨拶として頭だけは下げておく。
ここからは自分の意志で動けず、主人であるマーハイの指示を待たないと動けないのだ。
「俺についてこい。出来るだけ早足でな」
「分かりました」
良い主人だといいなと思っていたが、その願いは一瞬で砕け散ることになる。
年齢にしては大きい家に着くと、マーハイは私を寝転ばせた。
「ここに寝転べ。グズグズするな!」
「はい。仰せのままに・・・痛いっ!突然何をなさるんですか!」
「うるさい。お前は俺に黙って蹴られていればいいんだよ。ただのストレス発散さ」
何と、言われた通り床に転がった私をマーハイは蹴飛ばしてきたのだ。
しかも自分のストレス発散などという理不尽な理由で。
あの時は絶望で目の前が真っ暗に染まったな。
後で聞いた話だが、マーハイは有名な貴族の3男坊だったそうだ。
ただ、あまりの凶暴さから手に負えないと判断した当主は彼を宮廷魔術師に押し込めた。
しかし宮廷魔術師もストレスは貯まる。
「だから、ストレス発散に使う道具が欲しくてな。お前を見繕ったのさ。体は丈夫だろ?」
「獣人だから体が強いってわけでは・・・ウッ!」
背中を思いっきり蹴られて、蹲る。
ところが、その行動により暴行を加えにくくなったマーハイは憤怒の表情を浮かべた。
これは・・・マズいかもしれない。
犬獣人の本能的なもので危機を察知したが、元より逃げられるはずもないのだ。
動かずに大人しく見守っていると、マーハイは徐に靴を脱ぎだした。
「あの・・・マーハイ様、どうして靴を脱いでいるのです?」
「それは・・・こうするためだ!」
人をバカにしたような声を上げて、マーハイが足を自分の顔面に近付けていく。
途端に感じる酷い臭い。
人間よりも嗅覚が優れている獣人に、この臭いが耐えられるはずもないだろう。
「止めてくださ・・・・ああああぁ!」
「いいね。その悲鳴。俺はそういうのが好みなんだよぉ。あの家では得られなかったが!」
足を顔に押し付けながら、狂ったような笑い声を上げるマーハイ。
今にも酷すぎる臭いで気絶しそうなのに、理不尽に対する抵抗は許されていない。
魔物で村が壊滅しなければこんなことにはなっていなかったのに!
あまりの悔しさに枕を濡らす日が続いた。
そして諦めの感情が出て来たとある日、マーハイはイルマス教国への遠征を命じられた。
当然、彼は荒れた。
村長から奪った豪華な民家に土足で入り込むと、普段のルーティーンの暴行を始めだす。
私は黙って耐えるしかない。
「ふざけるなっ!どうして俺がこんなクソ田舎を守らなきゃいけないんだ!」
「グギッ!・・・ちょっと待ってください!死んでしまいます!」
恐らくはブーツで蹴られたのだろう。背中に強烈な痛みを感じて、ストップを懇願する。
最も、彼がわざわざ止めるはずもない。
たっぷりと10分くらいは、体を襲う激痛を必死に耐えていた。
「じゃ、村のジジイどもがサボっていないか見て来る。お前は逃げられないようにこうだ!」
「ちょっ・・・縛ります!?普通」
私の体をロープで縛りつけたマーハイは外に出て行く。
静かな民家には、時々魔法のようなものが暴発する音が響いてきていた。
ああ、誰かマーハイを倒してくれないだろうか。
淡い期待を抱きながらロープと戦って1刻ほど経ったとき、誰かが民家に近付いてきた。
足音からして1人じゃない!?
警戒しながら入り口を見ていると、先頭で入ってきたのは緑色の髪をした剣士。
「グラッザド王国の将軍、エーリルだ。あなたは魔術師マーハイの奴隷で間違いないか?」
「はい。間違いありません。うっ・・・」
その剣士が放った言葉に、内心で歓喜しながら答えたとき、背中に痛みが走る。
忘れていたが酷い怪我をしている最中だ。
患部を確認することも出来なくて悶えていると、金髪の少年が短剣を持って歩いてきた。
「とりあえずロープを切断しますね。フローリーは回復魔法の準備をしてくれる?」
「分かったわ」
あまりの痛みにこう答えるのがやっとである。少年は気分を害しなかっただろうか。
心配しながら見ていると、少年の視線が背中で固定されて悲鳴をあげた。
「ヒッ!?何・・・その背中・・・」
「どうしたの?うわ・・・患部の腫れ具合から見て、恐らくは骨折だな。赤い跡はブーツか」
患部を確認して冷静に分析するブロンドの髪の少年が顔を顰めている。
今でも痛いし、よっぽど酷い怪我なのだろう。
「酷いわね。出来るだけ強い魔法を使いたいから・・・お姉ちゃんを連れて来てくれない?」
「分かった。ではボーラン、マイセス殿を呼んでそのまま外道魔術師の監視につけ」
「了解です。待っててくださいね」
今度はボーランなる少年が回復魔法のためだけに巫女姫様を呼んでくるようだ。
奴隷になった私のためだけに。
こんな扱い、今までされたことは無かったのに。
ウダハルで受けた視線は、憐みの視線やゴミを見るかのような視線ばかり。
温かい視線など1つも無かった。
その時、エーリルという将軍が首を傾げた。
「どうして獣人なのだ?あの時も獣人、今回も獣人・・・」
恐らくは、前にもどこかで獣人の奴隷を助けていたのだろう。
奴隷制が無いグラッザドは、獣人ばかりが奴隷となっていることに違和感を感じるらしい。
「ウダハル王国では獣人は奴隷に最適とされているんです。力も人間よりありますしね」
「肉体労働に使うってわけか。君も大変だっただろうに・・・」
エーリルが唇を噛みしめながら慰めの言葉をくれる。
彼女なりの優しさに触れたとき、今まで抑え込んできた怒りが再燃してくるのを感じた。
「そうなんですよ!アイツは毎回、ストレス発散とか言って私を殴ったり蹴ったり!」
「やりそうですね。特に驚きは無いです」
金髪の少年が無慈悲にそう告げてくれたため、私も少し表情を崩せた。
理解者というか、同情してくれる人が出て来てくれてメチャクチャ嬉しかったのである。
「そんなに強力な回復魔法が必要なのね。それじゃ行くわよ」
「分かったわ。タイミングを合わせて、せーのっ!」
「「合体回復魔法、ハイパー・ヒール!」」
姉の少女と山吹色の彼女の手から緑色の粒子が辺りを飛び交って、私を癒していく。
あれだけ痛かった背中だが、もう痛みが残っていない。
「ありがとうございました。ただ・・・奴隷紋がある限りは、アイツに従わなくちゃいけない」
「キュア。これで大丈夫です」
わずか3文字で終了した奴隷紋の解呪に、呆気に取られるしかない。
そんなに簡単に奴隷紋って解けたの?
「はい。すぐに探しましょう」
突然現れた魔物に襲われて壊滅した村の中で、私は1人立っていた。
両親と弟は瓦礫に押しつぶされて死んだ。
どうして私だけが生き残ったのだろう。逆ならばまだ良かったのに。
私がいなくなったところで、両親と弟がいれば支え合って生きていけるはず。
しかし、こうなったら支え合うもクソも無い。
黒い笑みを浮かべる男であろうとも、助けを乞わないと生きられないのだ。
「すみません。あなたたちは誰ですか?」
「孤児ですか。救ってあげなさい。ただし私たちの商品になってもらうからね」
限りなく嫌な予感はしていた。
ただ、ここで怪しさ満載のジジイが言うことを断ったらどうなる?
――答えは明白だ。飢えて死ぬだけ。
もう生に執着はないと思っていたのに、助かると分かったら助かりたいらしい。
どこまでも私は汚い獣人なのだろうか。
その後は、奴隷商が用意した檻の中で過ごす日々が続いた。
肥え太った豚みたいな貴族が、私のことを嫌らしい視線で見つめて来る。
・・・幸か不幸か、私が買われることはなかったが。
しばらく経ったある日、奴隷商が私が入っていた檻の鍵を解錠してこう告げた。
「あなたの主人が決まりました。宮廷魔術師のマーハイ様という方です」
「そうですか。よろしくお願いします」
私はマーハイとかいう宮廷魔術師が13歳のときに買われた。
紫色の髪で気の強そうな目を見た瞬間、嫌な予感がしたが顔に出すわけにはいかない。
とりあえず挨拶として頭だけは下げておく。
ここからは自分の意志で動けず、主人であるマーハイの指示を待たないと動けないのだ。
「俺についてこい。出来るだけ早足でな」
「分かりました」
良い主人だといいなと思っていたが、その願いは一瞬で砕け散ることになる。
年齢にしては大きい家に着くと、マーハイは私を寝転ばせた。
「ここに寝転べ。グズグズするな!」
「はい。仰せのままに・・・痛いっ!突然何をなさるんですか!」
「うるさい。お前は俺に黙って蹴られていればいいんだよ。ただのストレス発散さ」
何と、言われた通り床に転がった私をマーハイは蹴飛ばしてきたのだ。
しかも自分のストレス発散などという理不尽な理由で。
あの時は絶望で目の前が真っ暗に染まったな。
後で聞いた話だが、マーハイは有名な貴族の3男坊だったそうだ。
ただ、あまりの凶暴さから手に負えないと判断した当主は彼を宮廷魔術師に押し込めた。
しかし宮廷魔術師もストレスは貯まる。
「だから、ストレス発散に使う道具が欲しくてな。お前を見繕ったのさ。体は丈夫だろ?」
「獣人だから体が強いってわけでは・・・ウッ!」
背中を思いっきり蹴られて、蹲る。
ところが、その行動により暴行を加えにくくなったマーハイは憤怒の表情を浮かべた。
これは・・・マズいかもしれない。
犬獣人の本能的なもので危機を察知したが、元より逃げられるはずもないのだ。
動かずに大人しく見守っていると、マーハイは徐に靴を脱ぎだした。
「あの・・・マーハイ様、どうして靴を脱いでいるのです?」
「それは・・・こうするためだ!」
人をバカにしたような声を上げて、マーハイが足を自分の顔面に近付けていく。
途端に感じる酷い臭い。
人間よりも嗅覚が優れている獣人に、この臭いが耐えられるはずもないだろう。
「止めてくださ・・・・ああああぁ!」
「いいね。その悲鳴。俺はそういうのが好みなんだよぉ。あの家では得られなかったが!」
足を顔に押し付けながら、狂ったような笑い声を上げるマーハイ。
今にも酷すぎる臭いで気絶しそうなのに、理不尽に対する抵抗は許されていない。
魔物で村が壊滅しなければこんなことにはなっていなかったのに!
あまりの悔しさに枕を濡らす日が続いた。
そして諦めの感情が出て来たとある日、マーハイはイルマス教国への遠征を命じられた。
当然、彼は荒れた。
村長から奪った豪華な民家に土足で入り込むと、普段のルーティーンの暴行を始めだす。
私は黙って耐えるしかない。
「ふざけるなっ!どうして俺がこんなクソ田舎を守らなきゃいけないんだ!」
「グギッ!・・・ちょっと待ってください!死んでしまいます!」
恐らくはブーツで蹴られたのだろう。背中に強烈な痛みを感じて、ストップを懇願する。
最も、彼がわざわざ止めるはずもない。
たっぷりと10分くらいは、体を襲う激痛を必死に耐えていた。
「じゃ、村のジジイどもがサボっていないか見て来る。お前は逃げられないようにこうだ!」
「ちょっ・・・縛ります!?普通」
私の体をロープで縛りつけたマーハイは外に出て行く。
静かな民家には、時々魔法のようなものが暴発する音が響いてきていた。
ああ、誰かマーハイを倒してくれないだろうか。
淡い期待を抱きながらロープと戦って1刻ほど経ったとき、誰かが民家に近付いてきた。
足音からして1人じゃない!?
警戒しながら入り口を見ていると、先頭で入ってきたのは緑色の髪をした剣士。
「グラッザド王国の将軍、エーリルだ。あなたは魔術師マーハイの奴隷で間違いないか?」
「はい。間違いありません。うっ・・・」
その剣士が放った言葉に、内心で歓喜しながら答えたとき、背中に痛みが走る。
忘れていたが酷い怪我をしている最中だ。
患部を確認することも出来なくて悶えていると、金髪の少年が短剣を持って歩いてきた。
「とりあえずロープを切断しますね。フローリーは回復魔法の準備をしてくれる?」
「分かったわ」
あまりの痛みにこう答えるのがやっとである。少年は気分を害しなかっただろうか。
心配しながら見ていると、少年の視線が背中で固定されて悲鳴をあげた。
「ヒッ!?何・・・その背中・・・」
「どうしたの?うわ・・・患部の腫れ具合から見て、恐らくは骨折だな。赤い跡はブーツか」
患部を確認して冷静に分析するブロンドの髪の少年が顔を顰めている。
今でも痛いし、よっぽど酷い怪我なのだろう。
「酷いわね。出来るだけ強い魔法を使いたいから・・・お姉ちゃんを連れて来てくれない?」
「分かった。ではボーラン、マイセス殿を呼んでそのまま外道魔術師の監視につけ」
「了解です。待っててくださいね」
今度はボーランなる少年が回復魔法のためだけに巫女姫様を呼んでくるようだ。
奴隷になった私のためだけに。
こんな扱い、今までされたことは無かったのに。
ウダハルで受けた視線は、憐みの視線やゴミを見るかのような視線ばかり。
温かい視線など1つも無かった。
その時、エーリルという将軍が首を傾げた。
「どうして獣人なのだ?あの時も獣人、今回も獣人・・・」
恐らくは、前にもどこかで獣人の奴隷を助けていたのだろう。
奴隷制が無いグラッザドは、獣人ばかりが奴隷となっていることに違和感を感じるらしい。
「ウダハル王国では獣人は奴隷に最適とされているんです。力も人間よりありますしね」
「肉体労働に使うってわけか。君も大変だっただろうに・・・」
エーリルが唇を噛みしめながら慰めの言葉をくれる。
彼女なりの優しさに触れたとき、今まで抑え込んできた怒りが再燃してくるのを感じた。
「そうなんですよ!アイツは毎回、ストレス発散とか言って私を殴ったり蹴ったり!」
「やりそうですね。特に驚きは無いです」
金髪の少年が無慈悲にそう告げてくれたため、私も少し表情を崩せた。
理解者というか、同情してくれる人が出て来てくれてメチャクチャ嬉しかったのである。
「そんなに強力な回復魔法が必要なのね。それじゃ行くわよ」
「分かったわ。タイミングを合わせて、せーのっ!」
「「合体回復魔法、ハイパー・ヒール!」」
姉の少女と山吹色の彼女の手から緑色の粒子が辺りを飛び交って、私を癒していく。
あれだけ痛かった背中だが、もう痛みが残っていない。
「ありがとうございました。ただ・・・奴隷紋がある限りは、アイツに従わなくちゃいけない」
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