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ただいま
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話は少しだけ巻き戻って・・・ショウ達と一緒にレムと結婚式をあげて数週間後
「なんだろうな・・・ここの喫茶店すごく落ち着くんだよな」
俺たちはあの日訪れた喫茶店に通うようになっていた
「しかもまさかショウがマスターになってるとは思いもよらなかったし」
前は確か自称スライム?な人型が店長を任されていて、月の結婚式会場まで出張してたが・・・あの日は色々なことが起こりすぎて、正直結婚式どころの話じゃ無かったはずなんだけど・・・終わってみればとっても充実した数日を過ごしていた。
今もレムが隣の席で獣化して丸くなり・・・ティナはお気に入りの席?スライムクリーナーをクッションにして・・・今も店内を・・・クリスは・・・神界で忙しくしているようだ。
「それよりも驚いたのはショウの姿だよな・・・どしたん?」
そう、喫茶店のマスターが見た目子供じゃ・・・って事で、今は渋めの男性・・・ロマンスグレーでメガネの似合う・・・これはこれで・・・
「にゃ?ショウさんかっこいいにゃ」
レムがフッと起きてそう言い・・・また寝に入った
「確かにな・・・でも、妖精喫茶店っていうよりは純喫茶のマスターってイメージだなそれ」
「・・・やっぱそう思うか・・・セシリアにもそう言われたんだが・・・」
どうやら気にしていたようだ・・・と
「こんにちわ~」
「いらっしゃい。今日もいつものメンツかい?」
「うん。学校帰りで課題したいんだけど・・・奥借りてもいい?」
「はは、余り騒がしくしなければいいよ・・・っと、三名様ね」
女子高・・・いや大学?マテマテ、詮索しちゃだめだって・・
「アラ?こっちの人は初めましてかな?」
最初に入ってきた女性が奥の席へ向かう途中の俺たちに視線を・・・そして話しかけてきた
「あ、どうも」
「ふふふ。あなた達も常連さんになるのかな?よろしくね」
「うっわ!この子可愛い!」
「ほんとだ!」
レム・・・動じなくなったな・・・微かに耳だけ動かして・・・
「ん?クリーナーにも・・・狐?」
ティナも見つかったようだが、我関せずを・・・
「マスター?この子達いつもくるの~?」
「え?うそ!私もっと通っちゃう!」
今もウェイトレス達が上空を飛びまわっているが、それは既に当たり前の光景なので、レムやティナの存在の方が珍しいようだ
「ぁ、すみません。その二人は俺の家族なので・・・それに、常連になるかどうかは、まだ・・・」
「え?カイザー・・・常連になってくれないのかい?」
「「「カイザー?」」」
三人の俺を見る目が変わった・・・そりゃそうだろう・・・皇帝だしな・・・
「おっとすまんすまん。彼も少しだけ事情のある少年なんでね?あまり突っ込まないであげてね」
「違うよマスター。私たちの学校じゃそんなに珍しくもない名前だし」
「そうそう。もっとどぎついきらっとしたのとか」
「市役所によく通ったね?ってのもいるんだから・・・」
何それこわい!常用漢字外で名前登録できないやつとかのレベルじゃなさそうだな・・・
「そうなんだ・・・変わったね~」
そりゃそうだろ・・・ショウの話だと俺たちの世界と若干の位相のズレとは聞いていたが、年代的には100年以上の開きがあるってんだから・・・
「そういえば君たちの学校の話って聞いた事なかったね?どこの大学生かな?」
「・・・言ってなかったですか?私たち【勇者専門学校】の2年生ですよ」
「・・・勇者?」
「・・・専門学校?」
「「なにそれ・・・」」
思わずショウと言葉が一部被ったよ・・・そりゃそうだろ!勇者?専門学校?
「って、課題って・・・どんな課題なんだろう・・・」
「あら気になるの?一緒にする?」
・・・え?
「と言っても、自分の能力の把握と戦闘スタイルの確立~って論文のはしりだけどね?」
何それ面白そう
「それは興味を唆られるね・・・儂も参加していいかね?勿論タダとは言わん。なんでも好きなものを注文して良いよ。コーヒー1杯分の会計で済ませるからね」
「「「そこは無料で」」」
「それだと経営が立ち行かなくなるから・・・勘弁してよ」
ぉぃ・・・趣味で経営してるようなもんだろ此処・・・支店の売上だけで・・・そもそも妖精喫茶店なんだしさ・・・
「さて、注文はゆっくり決めてくれていいよ?その間に・・・君たちの能力を教えてもらえるかな?」
そして聞き出したのは・・・
「私は鉱石操作」
「私は水流操作」
「私は気流操作」
「・・・三姉妹?」
「あはは、それ絶対に言われるんだ・・・けど、クラスで初めて顔を合わせたし、完全に初対面よ?」
「でも、同じ操作系って事ですぐに仲良くなってね」
「逆に姉妹や兄弟よりも姉妹感出てるって周りに言われてるの」
なるほど、確かに見た目は全く違うから、三姉妹って話になっても異母姉妹や異父姉妹等々変な勘ぐりをもたれてしまいかねないね
「それでカイザー君は?」
これ正直に言っても良いのかな・・・
「一応・・・念動系・・・ですね」
「「「一応?」」」
やべ・・・何かマズったかな?
「ということはダブル?まさかトリプルってことは・・・」
「そのダブル?トリプルっていうのは?」
「・・・うちの学校でも大体みんな能力は一つだけなの。でも偶にふたつとかみっつ持ちの子が入学してくるの」
「しかもそんな子達に限って性格が悪くてね?」
「『俺たちは選ばれた存在なんだ!』って感じが滲み出てるのよね・・・」
「そんなに『選ばれた感』あるなら、専門学校になんか来ないで、独自で勇者活動しろってんのよ・・・まったく」
この三人以外にも闇の深い奴がいるようだ・・・
「それで・・・カイザー君はどうなのかな?言い淀んだ感じからするとダブルかな?」
鋭い・・・確かにあの日もらったスキルは2種だったが・・・もしかしたら色々増えてそうだけど・・・
このタイミングで
「にゃ~?カイにゃー?おはよーにゃー」
レムが目を覚まし、朝の挨拶をしてきた
「「「・・・」」」
え~っと
「「「喋ったぁぁぁぁ!?」」」
ダメだって・・・そんな急に大きな声出しちゃ・・・ほら・・・
「敵にゃ!?」
レムが獣化状態から半獣状態へ変身して・・・武器を構えて・・・
「「「・・・変身能力!?」」」
「おっとそこまでじゃ・・・それ以上動いたら首と胴体が永遠におサラバするぞ?」
と、いつのまにか三姉妹の背後をとったティナちゃんが半獣状態で両手の鉄扇を彼女達の首もとに・・・
「・・・はいはい、レムちゃんもティナちゃんも武器を仕舞ってね?それ以上はボクが許可しないよ?」
はい、最高権力者登場です
「ショウさんが言うなら・・・ごめんなさいにゃ」
「仕方ないのぉ・・・」
レムとティナは武器を仕舞、おれのりょうさいどに座り直し、思わぬ命の危険を感じた三姉妹は・・・その場に座り込んだ・・・そりゃね・・・専門学校ってんなら、授業で何かしらあると思うけど、命のやりとりまでは・・・まだないだろうしね・・・
「じゃぁ一先ずは食事と飲み物でゆっくりしてから、再度話をしようじゃないか・・・三人共いつ迄も注文しないからこっちで適当に作ってきたよ・・・さっ、カイザーも・・・残念ながらジョージのカレーはないけどね」
え?ないの???って、その名を聞いたレムとティナも耳をペタンと・・・
「「「何それ気になる!」」」
姉妹以上に姉妹じゃねぇか・・・
「それで、結局カイザー君は・・・ダブル?大丈夫。誰にも言わないから」
チラッとショウの方を見ると、無言で頷くので
「そうですね。念動系と移動系ですね」
「・・・知ってる?」
何を?
「〇〇系って言う人の殆どがダブル以上なんだよ?」
∑(゚Д゚)
「能力を誤魔化そうとしたりするからね・・・だから私達は操作系って言わずに、水流操作ってはっきり言い切ったのよ」
そんな事が・・・
「だから今後は『念動力』って言えばそれで終わりなの。使い方で派生が生まれるだろうけど、それをダブルやトリプルで分類しだしたら・・・それこそ世には数十種類使いこなす超越者が溢れかえってしまうから」
「ブフ~!?ゲフンゲフン・・・」
「超越者ねぇ~」
ショウ・・・後で覚えてろよ・・・
「それで・・・レム・・・ちゃんだったかな?さっきは驚かせちゃってごめんね?」
「大丈夫にゃ!お姉さん達が敵じゃないのはわかったのにゃ!」
「「「えぇ子や」」」
しかしそこで終わらないのがレムの・・・残念なところ・・・
「レムの能力は獣化と半獣化と人化と鑑定と解体技術とティナのお姉ちゃんとカイにゃーの奥様にゃ!」
ほ~ら・・・場をややこしくする大型の爆弾をぶっ込んできた・・・特に最後の『カイにゃーの奥様』ってところを強調するように腰に手を・・・胸を逸らして・・・
「「「・・・ハァァァァァ?」」」
これアカン奴やろ?
「カイザー君!こんな小さい子に手を出したの?」
「ちょ・・それ・・・ロリk」
「・・・おーまわーりさーん!」
・・・ショウが結界張ってくれてるから・・・いやいやそうじゃなくて・・・
「カイにゃーとは結婚式も終わらせたのにゃ」
レムさん?なんでそこで追加の爆弾投下するかな・・・しかもそれ焼夷弾?
「「「なんですってぇぇぇぇぇ!」」」
「フフン!ティナも来年カイザーと結婚式じゃ」
そこ!なに負けじと追加を落としてんだよ!
「・・・既に被害者が・・・」
「魔の手先・・・」
「こんな小さい子だけじゃなくさらに小さい子・・・ん?さっきレムちゃんがティナちゃんのお姉さんって・・・」
・・・もう殺してくれ
「再来年はクリスとも結婚式にゃ!その後は女子高生のお姉さん二人とも結婚するのにゃ!」
・・・レム?少し黙ろうか・・・
「・・・猫耳と狐耳とクリス・・・栗鼠かしら?更に女子高生二人???」
「・・・もう手遅れね・・・」
「私・・・これを黙っていられるほど・・・心が強くないの・・・今すぐ全世界に拡散してもいいかな?」
ヤメテクレ!・・・・っても、別に俺この世界軸の存在じゃないし・・・
「ハイハイ【テンションリラックス】」
ショウが魔法を使うとそれまで騒がしかった店内が静まり返って、興奮していた三姉妹も落ち着きを取り戻し、目の前の料理にゆっくりと手を出し始めた。
あらかた食事も終わった辺りで身も心も落ち着いたようで
「「「すみませんでした!」」」
いっそ清々しい・・・
「だってねぇ?こんなにも可愛い子達が・・・」
「お嫁さんだなんて・・・」
「裏山けしからん・・・」
反省してないのかお前ら・・・
「て言うかさ・・・二人とも・・・うちの学校受けてみない?中途入学も随時受け付けてるんだよ?」
「え?」
「新学期まで待ってたんじゃ、後天的に能力が生えた子は・・・扱いが難しいから、中途入学も推奨してるし、発見者には金一封も・・・」
それが狙いか!でも・・・
「「おもしろそうだな」」
ん?俺以外にも声が・・・
「って、ショウも?」
「「「流石にその年齢は無理でしょ」」」
三姉妹からのツッコミに・・・コイツもやらかした
「偽装してない姿なら大丈夫かな?」
そう言って・・・本来の不老不死の姿に変わると
「「「・・・」」」
そりゃそうなるよね・・・
「か・・・」
「可愛い!」
「ちっちゃぁぁぁい!」
確か異世界での成人から・・・15~6歳から変わってないんだっけか・・・なら・・・外見だけならレムと同じくらい・・・勿論レムの可愛さに叶うわけはないが
「・・・ロマンスグレーが幼児に変身したことにツッコミはないのか?」
「「「可愛ければ無問題!」」」
さいでっか・・・
「カイにゃー?なんの話してるの?」
最後まで食べてたレムが・・・(説明中)・・・
「レムも!学校に行きたい!」
爆弾再び・・・
「じゃぁ、学校には私達から打診しておくから・・・住所は・・・此処でいいの?」
「普通そう言うのってきちんとした住所が必要なんじゃ?」
「それがね?場合によっては大丈夫なの。過去に能力が原因で家から追い出されて路上生活寸前だった子を保護して・・・それから全寮制を導入したの」
「だから、明らかな外国籍や異世界人でない限り、簡単な審査でOKなんだよ」
「ショウって異世界人だよな・・・」
「・・・レムちゃんも・・・カイザーもある意味異世界人だよね・・・」
ふた・・・三人共OUTである
「・・・ま、まぁ・・・見た目で・・・判断すれば・・・って事だから・・・大丈夫だよ」
かくして三人姉妹の手引き?によって、ショウとレムと俺の学校生活が始まろうとしていた・・・どうなる!
以降次回からは通常サイズに戻ります。投稿頻度は・・・謎ですが・・・って、何だこのカンペ!
「ショウ!」
「・・・作者の手抜きだろ・・・」
「なんだろうな・・・ここの喫茶店すごく落ち着くんだよな」
俺たちはあの日訪れた喫茶店に通うようになっていた
「しかもまさかショウがマスターになってるとは思いもよらなかったし」
前は確か自称スライム?な人型が店長を任されていて、月の結婚式会場まで出張してたが・・・あの日は色々なことが起こりすぎて、正直結婚式どころの話じゃ無かったはずなんだけど・・・終わってみればとっても充実した数日を過ごしていた。
今もレムが隣の席で獣化して丸くなり・・・ティナはお気に入りの席?スライムクリーナーをクッションにして・・・今も店内を・・・クリスは・・・神界で忙しくしているようだ。
「それよりも驚いたのはショウの姿だよな・・・どしたん?」
そう、喫茶店のマスターが見た目子供じゃ・・・って事で、今は渋めの男性・・・ロマンスグレーでメガネの似合う・・・これはこれで・・・
「にゃ?ショウさんかっこいいにゃ」
レムがフッと起きてそう言い・・・また寝に入った
「確かにな・・・でも、妖精喫茶店っていうよりは純喫茶のマスターってイメージだなそれ」
「・・・やっぱそう思うか・・・セシリアにもそう言われたんだが・・・」
どうやら気にしていたようだ・・・と
「こんにちわ~」
「いらっしゃい。今日もいつものメンツかい?」
「うん。学校帰りで課題したいんだけど・・・奥借りてもいい?」
「はは、余り騒がしくしなければいいよ・・・っと、三名様ね」
女子高・・・いや大学?マテマテ、詮索しちゃだめだって・・
「アラ?こっちの人は初めましてかな?」
最初に入ってきた女性が奥の席へ向かう途中の俺たちに視線を・・・そして話しかけてきた
「あ、どうも」
「ふふふ。あなた達も常連さんになるのかな?よろしくね」
「うっわ!この子可愛い!」
「ほんとだ!」
レム・・・動じなくなったな・・・微かに耳だけ動かして・・・
「ん?クリーナーにも・・・狐?」
ティナも見つかったようだが、我関せずを・・・
「マスター?この子達いつもくるの~?」
「え?うそ!私もっと通っちゃう!」
今もウェイトレス達が上空を飛びまわっているが、それは既に当たり前の光景なので、レムやティナの存在の方が珍しいようだ
「ぁ、すみません。その二人は俺の家族なので・・・それに、常連になるかどうかは、まだ・・・」
「え?カイザー・・・常連になってくれないのかい?」
「「「カイザー?」」」
三人の俺を見る目が変わった・・・そりゃそうだろう・・・皇帝だしな・・・
「おっとすまんすまん。彼も少しだけ事情のある少年なんでね?あまり突っ込まないであげてね」
「違うよマスター。私たちの学校じゃそんなに珍しくもない名前だし」
「そうそう。もっとどぎついきらっとしたのとか」
「市役所によく通ったね?ってのもいるんだから・・・」
何それこわい!常用漢字外で名前登録できないやつとかのレベルじゃなさそうだな・・・
「そうなんだ・・・変わったね~」
そりゃそうだろ・・・ショウの話だと俺たちの世界と若干の位相のズレとは聞いていたが、年代的には100年以上の開きがあるってんだから・・・
「そういえば君たちの学校の話って聞いた事なかったね?どこの大学生かな?」
「・・・言ってなかったですか?私たち【勇者専門学校】の2年生ですよ」
「・・・勇者?」
「・・・専門学校?」
「「なにそれ・・・」」
思わずショウと言葉が一部被ったよ・・・そりゃそうだろ!勇者?専門学校?
「って、課題って・・・どんな課題なんだろう・・・」
「あら気になるの?一緒にする?」
・・・え?
「と言っても、自分の能力の把握と戦闘スタイルの確立~って論文のはしりだけどね?」
何それ面白そう
「それは興味を唆られるね・・・儂も参加していいかね?勿論タダとは言わん。なんでも好きなものを注文して良いよ。コーヒー1杯分の会計で済ませるからね」
「「「そこは無料で」」」
「それだと経営が立ち行かなくなるから・・・勘弁してよ」
ぉぃ・・・趣味で経営してるようなもんだろ此処・・・支店の売上だけで・・・そもそも妖精喫茶店なんだしさ・・・
「さて、注文はゆっくり決めてくれていいよ?その間に・・・君たちの能力を教えてもらえるかな?」
そして聞き出したのは・・・
「私は鉱石操作」
「私は水流操作」
「私は気流操作」
「・・・三姉妹?」
「あはは、それ絶対に言われるんだ・・・けど、クラスで初めて顔を合わせたし、完全に初対面よ?」
「でも、同じ操作系って事ですぐに仲良くなってね」
「逆に姉妹や兄弟よりも姉妹感出てるって周りに言われてるの」
なるほど、確かに見た目は全く違うから、三姉妹って話になっても異母姉妹や異父姉妹等々変な勘ぐりをもたれてしまいかねないね
「それでカイザー君は?」
これ正直に言っても良いのかな・・・
「一応・・・念動系・・・ですね」
「「「一応?」」」
やべ・・・何かマズったかな?
「ということはダブル?まさかトリプルってことは・・・」
「そのダブル?トリプルっていうのは?」
「・・・うちの学校でも大体みんな能力は一つだけなの。でも偶にふたつとかみっつ持ちの子が入学してくるの」
「しかもそんな子達に限って性格が悪くてね?」
「『俺たちは選ばれた存在なんだ!』って感じが滲み出てるのよね・・・」
「そんなに『選ばれた感』あるなら、専門学校になんか来ないで、独自で勇者活動しろってんのよ・・・まったく」
この三人以外にも闇の深い奴がいるようだ・・・
「それで・・・カイザー君はどうなのかな?言い淀んだ感じからするとダブルかな?」
鋭い・・・確かにあの日もらったスキルは2種だったが・・・もしかしたら色々増えてそうだけど・・・
このタイミングで
「にゃ~?カイにゃー?おはよーにゃー」
レムが目を覚まし、朝の挨拶をしてきた
「「「・・・」」」
え~っと
「「「喋ったぁぁぁぁ!?」」」
ダメだって・・・そんな急に大きな声出しちゃ・・・ほら・・・
「敵にゃ!?」
レムが獣化状態から半獣状態へ変身して・・・武器を構えて・・・
「「「・・・変身能力!?」」」
「おっとそこまでじゃ・・・それ以上動いたら首と胴体が永遠におサラバするぞ?」
と、いつのまにか三姉妹の背後をとったティナちゃんが半獣状態で両手の鉄扇を彼女達の首もとに・・・
「・・・はいはい、レムちゃんもティナちゃんも武器を仕舞ってね?それ以上はボクが許可しないよ?」
はい、最高権力者登場です
「ショウさんが言うなら・・・ごめんなさいにゃ」
「仕方ないのぉ・・・」
レムとティナは武器を仕舞、おれのりょうさいどに座り直し、思わぬ命の危険を感じた三姉妹は・・・その場に座り込んだ・・・そりゃね・・・専門学校ってんなら、授業で何かしらあると思うけど、命のやりとりまでは・・・まだないだろうしね・・・
「じゃぁ一先ずは食事と飲み物でゆっくりしてから、再度話をしようじゃないか・・・三人共いつ迄も注文しないからこっちで適当に作ってきたよ・・・さっ、カイザーも・・・残念ながらジョージのカレーはないけどね」
え?ないの???って、その名を聞いたレムとティナも耳をペタンと・・・
「「「何それ気になる!」」」
姉妹以上に姉妹じゃねぇか・・・
「それで、結局カイザー君は・・・ダブル?大丈夫。誰にも言わないから」
チラッとショウの方を見ると、無言で頷くので
「そうですね。念動系と移動系ですね」
「・・・知ってる?」
何を?
「〇〇系って言う人の殆どがダブル以上なんだよ?」
∑(゚Д゚)
「能力を誤魔化そうとしたりするからね・・・だから私達は操作系って言わずに、水流操作ってはっきり言い切ったのよ」
そんな事が・・・
「だから今後は『念動力』って言えばそれで終わりなの。使い方で派生が生まれるだろうけど、それをダブルやトリプルで分類しだしたら・・・それこそ世には数十種類使いこなす超越者が溢れかえってしまうから」
「ブフ~!?ゲフンゲフン・・・」
「超越者ねぇ~」
ショウ・・・後で覚えてろよ・・・
「それで・・・レム・・・ちゃんだったかな?さっきは驚かせちゃってごめんね?」
「大丈夫にゃ!お姉さん達が敵じゃないのはわかったのにゃ!」
「「「えぇ子や」」」
しかしそこで終わらないのがレムの・・・残念なところ・・・
「レムの能力は獣化と半獣化と人化と鑑定と解体技術とティナのお姉ちゃんとカイにゃーの奥様にゃ!」
ほ~ら・・・場をややこしくする大型の爆弾をぶっ込んできた・・・特に最後の『カイにゃーの奥様』ってところを強調するように腰に手を・・・胸を逸らして・・・
「「「・・・ハァァァァァ?」」」
これアカン奴やろ?
「カイザー君!こんな小さい子に手を出したの?」
「ちょ・・それ・・・ロリk」
「・・・おーまわーりさーん!」
・・・ショウが結界張ってくれてるから・・・いやいやそうじゃなくて・・・
「カイにゃーとは結婚式も終わらせたのにゃ」
レムさん?なんでそこで追加の爆弾投下するかな・・・しかもそれ焼夷弾?
「「「なんですってぇぇぇぇぇ!」」」
「フフン!ティナも来年カイザーと結婚式じゃ」
そこ!なに負けじと追加を落としてんだよ!
「・・・既に被害者が・・・」
「魔の手先・・・」
「こんな小さい子だけじゃなくさらに小さい子・・・ん?さっきレムちゃんがティナちゃんのお姉さんって・・・」
・・・もう殺してくれ
「再来年はクリスとも結婚式にゃ!その後は女子高生のお姉さん二人とも結婚するのにゃ!」
・・・レム?少し黙ろうか・・・
「・・・猫耳と狐耳とクリス・・・栗鼠かしら?更に女子高生二人???」
「・・・もう手遅れね・・・」
「私・・・これを黙っていられるほど・・・心が強くないの・・・今すぐ全世界に拡散してもいいかな?」
ヤメテクレ!・・・・っても、別に俺この世界軸の存在じゃないし・・・
「ハイハイ【テンションリラックス】」
ショウが魔法を使うとそれまで騒がしかった店内が静まり返って、興奮していた三姉妹も落ち着きを取り戻し、目の前の料理にゆっくりと手を出し始めた。
あらかた食事も終わった辺りで身も心も落ち着いたようで
「「「すみませんでした!」」」
いっそ清々しい・・・
「だってねぇ?こんなにも可愛い子達が・・・」
「お嫁さんだなんて・・・」
「裏山けしからん・・・」
反省してないのかお前ら・・・
「て言うかさ・・・二人とも・・・うちの学校受けてみない?中途入学も随時受け付けてるんだよ?」
「え?」
「新学期まで待ってたんじゃ、後天的に能力が生えた子は・・・扱いが難しいから、中途入学も推奨してるし、発見者には金一封も・・・」
それが狙いか!でも・・・
「「おもしろそうだな」」
ん?俺以外にも声が・・・
「って、ショウも?」
「「「流石にその年齢は無理でしょ」」」
三姉妹からのツッコミに・・・コイツもやらかした
「偽装してない姿なら大丈夫かな?」
そう言って・・・本来の不老不死の姿に変わると
「「「・・・」」」
そりゃそうなるよね・・・
「か・・・」
「可愛い!」
「ちっちゃぁぁぁい!」
確か異世界での成人から・・・15~6歳から変わってないんだっけか・・・なら・・・外見だけならレムと同じくらい・・・勿論レムの可愛さに叶うわけはないが
「・・・ロマンスグレーが幼児に変身したことにツッコミはないのか?」
「「「可愛ければ無問題!」」」
さいでっか・・・
「カイにゃー?なんの話してるの?」
最後まで食べてたレムが・・・(説明中)・・・
「レムも!学校に行きたい!」
爆弾再び・・・
「じゃぁ、学校には私達から打診しておくから・・・住所は・・・此処でいいの?」
「普通そう言うのってきちんとした住所が必要なんじゃ?」
「それがね?場合によっては大丈夫なの。過去に能力が原因で家から追い出されて路上生活寸前だった子を保護して・・・それから全寮制を導入したの」
「だから、明らかな外国籍や異世界人でない限り、簡単な審査でOKなんだよ」
「ショウって異世界人だよな・・・」
「・・・レムちゃんも・・・カイザーもある意味異世界人だよね・・・」
ふた・・・三人共OUTである
「・・・ま、まぁ・・・見た目で・・・判断すれば・・・って事だから・・・大丈夫だよ」
かくして三人姉妹の手引き?によって、ショウとレムと俺の学校生活が始まろうとしていた・・・どうなる!
以降次回からは通常サイズに戻ります。投稿頻度は・・・謎ですが・・・って、何だこのカンペ!
「ショウ!」
「・・・作者の手抜きだろ・・・」
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スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
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