その呪術師とてつもなく強いが、本人にその気がないので自由気ままに生きている

ばふぉりん

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ワンコインで

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 夏休みのある日

「・・・ねぇ?これってどうなの?」

「・・・どうなんだろうね・・・」

 私は加藤 楠かとうくすのき。友人の風祭 澪かざまつりみおとフリーマーケットを散策していて、完全にエリアからはずれたところにいた男性の前で困惑していた

「ワンコイン診断?いくらなんだろう?」

「だよね?100円?500円?そういえばお父さんのコレクションに天皇なんたらかんたら記念コインってのが、壱万円っての見た事があるけど・・・」

「それは一般普及じゃないから・・・ないんじゃない?」

 結局その男性がなければ、判明しない謎であった

「そもそも、何を診断してくれるの?」

「健康診断?」

「・・・お巡りさん呼ぶ?」

「・・・呼ばれちゃ困るな」

「「!?」」

 男性は目を覚ましたようで、会話に突如として参加してきた。今回のフリーマーケットでは面白そうな物が見当たらなかったから、興味本位で此処にいたのだが・・・

「お嬢さん?ワンコで見てあげるよ?」

「「ワンコ?」」

 まだねぼけてるのかな?と、思ってると、大きなあくびが・・・3連発・・・

「そうだな・・・あくまでその看板のは誘い文句であって、実際はなんだ。誰か恨んでる者や物がある人しか、僕の存在に気が付かないはずなんだけど・・・この意味よね?」

 つまり、私か彼女が誰かを恨んでる?呪いなんて非科学的なもの・・・

「ワンコインって曖昧だよね?」

「そうだね。呪いの強さを最終的に君たちが支払ったコインで決めるからね。例えば、友人を転けさせるとして、その結果の強さをコインの価値で決めるんだ。1円でもコインはコインだよね?その場合転けるだけ。100円なら少し擦りむくかな?500円なら・・・最悪骨折もありうるけど、呪いなんて非科学的でフワフワした物だから、どうなるかは本当謎なんだよね」

 ・・・運任せってこと?

「恨むって・・・が出来ないことを・・・」

「・・・」

 それも間違ってないよ?でもさ?

「なら、出会える呪いってどう?」

「「???」」



「呪いの定義も曖昧でね?誰彼構わず殺すとか不幸にするだけじゃないんだよ。
 [おまじない]って、[お呪い]って書くんだよ?
 じゃぁ・・・お試しで100円で一回。結果はどうあれ、必ず異性と出会える呪いまじないを。ただ、時間と場所は指定できない代わりに、条件だけ伝えておくね」

 そうだよね。言われてみれば『厄除けのおまじない』とか『車で酔いにくくなるおまじない』とか聞いた事がある

「朝、パンを咥えて曲がり角で・・・ぶつかる」

「「・・・何その頭の悪いラブコメ・・・」」

「来週も此処に来るから、結果教えてね?」





「どうだった?」

「ベタベタ」

「あれって呪いだったんですね」

 私は隣のクラスの男の子と。澪はかなり年輩のお爺ちゃんとぶつかりました

「楠は良いよ!同級生で!なんかあれからいい雰囲気だし!」

「あはは」

 そう、ぶつかったのが故意なのか恋なのかは分からないけど、あれから楽しい毎日なのだ

「おじさん!お試しで一回100円だったじゃない?キチンとした奴なら幾らなの?」

「ちょっと澪!やめなって!」

「相手の見つかった楠は黙ってて!私は出会いたいの!彼氏が欲しいの!」

「でも!幾らおまじないと言っても、にとっては呪いのろいかもしれないのよ?」

 (ほう!この子は本質を理解しているようだ。彼女達にしてみれば、軽いおまじない程度でも、相手にしてみれば・・・で、無意識にそこに連れて行かれるのだから)

「あ~ヒートアップしてる所申し訳ないけど、僕も慈善活動じゃないからさ。それに、この呪いまじないで誰が不幸になろうと、関係ないからね?」

「そうよ!だから私は!「澪!」!?うるさい!」

「!?」

「帰って・・・関係ない奴は帰れよ!」

 みお・・・



 結局私は澪の剣幕に負けて、一人帰ってしまった。その後の夏休み中は澪と会う事も無く、隣のクラスの男子とは、清く正しい交際を・4・昨日からスタートした。
 そして夏休み明けの学校では、澪の話題で溢れていた。

「聞いた?夏休み中にこの街やあっちこっちでが出てたの」
「知ってる!あれでしょ?」
「誰彼構わず当たっといて、逃げてた」
「そうなの?私が聞いたのは、ぶつかった相手をみて、何かブツブツ言ってたって聞いたよ?」
「それな?俺もぶつかられたんだ」
「「え?」」
「しかもその相手が、このクラスの風祭だったから、驚きだよ。しかもなんて言ったと思う?」
「「「さぁ?」」」
「俺の顔を確認して『チッ。アンタじゃない』って言われたんだよ」
「「「・・・」」」
「それ本当に澪だったの?見間違いじゃなくて」
「間違えるかよ!普段学校でしか会えない子に、夏休み中に出会えたんだぞ!」
「「まさかアンタ澪のこと・・・」」
「////////」
「「「なんかゴメン」」」

「ホームルーム始めるぞ!席につけ~!」

 ガタガタガタ・・・起立!一堂零!

「あ~、夏休み中の事故事件が一件で済んだといえば良いのか、ゼロでなかったと言えば良いのか・・・風祭が夏休み最終日に補導され、現在取調べ中だ」

「「「「「「!?」」」」」」

「詳しくは伏せておくが、しばらく学校には来れないらしい。これ以上はあまり憶測で物事を話すのは好ましくないと判断したので、しばらく彼女の話題は控えるように」

 何があったの?澪・・・あの男の人?しかないよね・・・
 翌日曜日。一人じゃ心細いので、お付き合いを始めて間もない彼と、フリーマーケットのあった公園に行くと

「待ってたよ」

 と、件の男性が一言

「待ってた?何故ですか?」

「あぁ、君のお友達が、大変なことになってるでしょ?多分詳しい状況を知りたくなって、探しに来るんじゃないかな?と思って、待ってたんだよ。四日程」

「・4・?学校があって、なかなか来れなかったんですが?」

「・・・夏休みだったのか!そしてもう新学期か!」

 夏休みの存在を忘れていたようだ・4・でもまぁ、多少は人の心があるらしい

「それで?澪は何をしたんですか?それに貴方はどう関わってるんですか?」

「簡単なことさ。彼女と呪いまじないの契約を結び、それが執行されただけ。此処からは顧客情報になるから有料なんだけど・・・聞く?」

「幾らですか?」

「喉が渇いたねえ・・・そこの自販機でブラックコーヒー十本でどうかな?」

 顧客情報漏洩・・・なのに、1000円・・・安い・・・でも、それならお小遣いの範囲でなんとか

「お願いします。今から買ってきましょうか?」

「じゃあ、とりあえず一本。残りは帰りに・・・」

 そして、口を湿らせた男性が語ったのは

「馬鹿よ!」

 お試しではないので、一回500円で、とりあえず10回お願いしたらしい。結果は、とはぶつかるものの、容姿や年齢などはバラバラで・・・結局また男性の元を訪れて、対象を絞れないかと。それなら一回1000円だと。
 その後の流れは・・・夏休み明けの教室でのクラスメイトや担任の話を思い出せば・・・最終的には一回10000円で10回・・・親の財布から失敬したそうだが、31日に現行犯され・・・今も反省の色はないそうだ

「望みが高くなりすぎてたんだろうね・・・因みにそのクラスメイトの男の子はどんな感じなの?」

 話の途中で、始業式の日のクラスメイトの話をしたのだが、思いの外食い付いてきたのだ

「普通?にイケメンだよ?見た目チャラ男だけど、実は超絶真面目で・・・」

 可哀想なのはどっちだったんだろうなぁ

「って、40回!?!?」

「それで運命の人に出会えなかったんなら、諦めが大事だよね?
 さて、残りの・・・まぁ、カタギの中学生からそんなに貰えないから、に出会えた時に貰うよ
 それじゃあね」

 呪いのろい呪いまじない・・・表裏一体?






 
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