檻と王女と元奴隷

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波乱

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 フィオ王妃の生誕祭に集まったのは出席可能な、全ての皇族と貴族。さらに、王宮に勤めている人々も、交代制で参加した。下働きの者も参加を許されている。軽く二百は越えてしまう人数だが、会場は広い。仮にその二百人全員が、刃渡り二メートルの刃物を振り回したとしても、誰一人怪我しないだろう。
 会場はとても華やかで、あちらこちらにあるテーブルには豪華な料理が用意されている。そのテーブルも、ひとつひとつに細やかな彫刻が施されており、職人が腕を振るってつくったものだ。足下の絨毯は、一歩踏み出す度に足が沈むくらい毛足の長く、柔らかい、上質なもの。テーブルクロスだって、複雑なレースを産み出す繊細な技術が光っている。
 それらを照らすのは、大きな大きなシャンデリア。その光は集まった人々や、フィオを照らす。
「皆、よく聞いて?今日は無礼講よ!各々楽しみなさい!以上!!」
 フィオ王妃の言葉により、生誕祭という名の宴会が始まった。





 楽しげな雰囲気が漂う会場。人々の話し声や笑い声で、ずいぶんと賑やかだ。
 そんな雰囲気に染まれるはずがなく、ミナとティナは緊張していた。
「この扉を開けばもう、会場です。」
 ダイナの淡々とした声。
 ミナはティナを見た。
 ティナもミナを見た。
 緊張しているな、とお互いに相手のことを見て思った。
「知ってる。」
 素っ気なく返したのはミナ。
 緊張するのは、必要だ。緊張することで、警戒心を持つことができるから。けれど、過剰な緊張はよくない。体が思うように動かせず、咄嗟の判断力が鈍る。
「奇遇ね、私も知ってるわ。」
 ティナの小さな冗談で、少し気が楽になったミナ。
 ミナは笑う。
「さあ、殺されに行こうか。」
 数秒前まで緊張していたのが嘘のように、気だるげに言ったミナ。
 言ってることとは真逆な、殺しに行くような妙に爛々とした目をしたミナは、笑っているのか嗤っているのかよくわからないような笑みを二人に見せる。
 若干躊躇っていた扉を開けることを、普通にやってのけたミナ。
 扉から漏れる光がミナの笑みを照らした。
 会場が広い分、扉は大きい。三メートル弱ある扉が開けば、少なからず注目は浴びるわけで。
「…」
 会場はざわめいた。
 けれどミナは無言。
 ティナも緊張で何も話せない。
 ダイナはもちろん無言。
 ミナは待った。わざわざ招待状と書いたんだ、詐欺師は声をかけてくるはず。
「やあ、ちゃんと来てくれたんだ。」
 ほら、話しかけてきた。
「あぁ、来てやったぞ。」
 次の瞬間、その場の全員の視線が突き刺さった。好意的からはほど遠い、文字通り刺すような視線が。
 理由を知っているミナは、気にしない。
「じゃあ早く返してよ。」
「ここからでいいのか?」
「うん、もちろん。」
「怪我しても知らないぞ。」
「すると思ってるの?」
「一応言ってみただけ。誰があんたの心配なんかするか。」
「酷いなあ。こっちはちゃんとしてるのに。」
「あっそ。」
 突如宴に乱入した人物とフィオが親しげに会話をしていることに、ミナとフィオとダイナ以外の人が驚いた。直後、フィオに向かってミナがナイフを投げたことにも驚いた。
 それについてティナもあっけにとられていると、ミナに耳元で言われた。
「ナイフ、ティナも持ってるんじゃないの?ティナじゃたぶん届かないから、俺が投げようと思ってるんだけど、ティナ、投げたい?」
「…ナイフ、持ってたい……」
 ミナは苦笑いで困った顔を隠した。
「そっか」
「次はティナよ。返しなさい?」
 会場は再びざわめいた。ティナがいることに驚いたのだろう。
「っティナ、いるのか!?」
 面白いくらいの動揺っぷりを見せた国王。
「カロン、静かにして。…ね?」
 対して落ち着き払ったフィオ。
「…何故だ?ティナは誘拐されたんだ。それが戻ってきたんだぞ?事情を説明させる必要がある。もしや、そこにいるのはティナを誘拐した者ではないのか?」
「カロン、黙って。」
「いや、そうに違いない。ただちに捕り押さえなければっ…」
 焦る国王にフィオはついキレた。キレたといってもほんの少しだが。
「黙れ」
 けれど、国王だけでなく、会場も静まり返った。あんなにざわめいていたのに。
 静かすぎて、会場に国王の荒い息が響く。
「もういいわ。ティナ、こちらにおいで。隣のアランもね。」
「わ、かりました。」
 フィオの異様な威圧感に、ティナが気圧される。
「私は…?」
「もちろん貴女もよ、ダイナ。」
 ダイナも僅かにたじろいだ。
 ミナだけが唯一、今のフィオを前にして平常でいる。
「三割…かな……?」
 本気の詐欺師を知っているからだ。
 絶え間無く血が流れる戦場では、こんなものではなかった。これに殺気が加わっている時点で、こんなものとは比較できない程の恐怖を周りに与えていた。
「正解。」
 声が思ったより響いたせいで、詐欺師にも聞こえたらしい。
 ミナとティナ、それにダイナの三人は、フィオ王妃の元へ向かう。
 自然と道ができた。
「お母様、あの、」
「なあに?」
「っ返したく、ありません…」
 柔らかい笑みだが、その凄絶さにティナは怯える。
「そう、返して。」
「っ…」
「じゃないと力ずくで奪うわよ。」
 目が据わっているフィオ。
 ティナはおずおずと、胸元からナイフを取り出す。少し震える手で、フィオにナイフを差し出した。
「よくできました。偉いわ。」
 フィオはナイフを受けとる。
「貴女にこれはもう、必要ないわ。だって彼がいるじゃない。」
 そしてティナの耳元で囁く。
「ただ、守られっぱなしじゃあ駄目よ。貴女は彼に、一度でも面と向かって好きと伝えたことはある?」
 顔を赤くしたティナ。
「…劇の途中に、」
「面と向かって、よ?」
「ない、です。」
「じゃあ今伝えなさい。」
「え?」
「いつまで、逃げて隠れてを繰り返すつもり?」
「…」
 劇の途中に言った時は、あくまでも魅せるための演技だ。自分であって自分ではない。面と向かって、ではないかもしれない。だからといって今言うのは、かなりの勇気がいる。
 ティナは、フィオの期待の眼差しを受けながら、どうしようか悩んだ。さすがに今ここでは言いづらい。けど、フィオに言えと言われたし。
「ミナ…」
「何だ?」
 とりあえず呼んだけれど、この後はどうしよう。
 困ってしまい、フィオを見たティナ。
「アラン。本名は、ミナじゃなくてアラン。」
 知ってる。
 ミナを好きになった。
 けどアランを知って、アランも好きになった。
 二人を知ったことで、好きという感情はさらに深いものになった。
「アランもミナも、好き。あなたが好きなの。」
「…」
 ミナは無言で、少しだけ頬に朱が入った。
「で?アランはどうなの?」
 ミナは顔をしかめる。
 言わせるつもりか。しかもこの雰囲気で。
 緩くなった空気で、年配の人からの柔らかい視線がむずがゆい。
「…俺も、好きだ。」
 微笑ましいものを見るような目をやめてほしい。普通に恥ずかしい。
「でもね、二人を認めない人がけっこういるんだ。どうにかして認めさせてよ。」
 だったら力で認めさせよう。いや…力以外で認めさせるべきなのか?
 詐欺師には既にナイフを返した。あれが暗号だとしたら、力ずく以外の方法で皆を認めさせろ、と言っているのか?
「アラン…凶悪犯の…?」
 誰かが呟いた。
「あれ、気づくの遅かったね。そうだよ、ここにいる彼は軍事裁判にかけられて、懲役三十七万年を言い渡された人物だよ。」
 フィオの言葉に、会場がざわめくのは仕方がない。
 ティナの表情は曇った。
「アランはそんな凶悪犯じゃないわ!確かに人を殺した!けどそれはアランが望んでしたことじゃない!」
「やめときな。どうせ誰も信じない。」
 ミナは苦笑した。
「っ…何で笑えるの?何で信じてもらおうとしないの?何で反論しないの?何で、」
「事実だから。」
 そう、事実だ。弁解を信じてもらえないくらい、酷いことをしたのだ。
「っ…」
 ミナは考えた。この状況はまずい。ティナが自分を庇ったことで、ティナを見る目が厳しいものになっている。
 詐欺師はにこにこ笑っているだけだし、一体どうしてほしいんだ?
「…俺は、旧国軍で、数え切れないぐらいの人数を殺した。あの頃は必死だった。殺される前に殺すのが当たり前で、味方が死んでいくのを看取る暇もなく、いつ死ぬのかわからない日々が続いた。目の前で味方が殺されても助けることはできなかったし、気にしてる余裕もなかった。ただ生きようとしていただけだった。最初は、軍隊の給料が高かったから入隊しただけだった。けど、気がついたら生きることが目的になってた。貯まった金を使う暇もあてもなく、ただの重荷になった。いつのまにか階級は上がり、英雄になってた。国民からは持ち上げられて、隊内では妬み嫉みを買い、けど上からは期待という名の重圧をかけられ、辞めるに辞められなくなった。そのままずるずると続けていると、いつかは来ると覚悟していた、敗戦の時が来た。正直ほっとした。ようやく戦うのをやめられるんだ、って思った。けど、捕縛されてからは違うことを思った。いっそのこと、戦いの最中に死ねればよかったのに、って。裁判で死刑制度がないって知ったときは、その思いは強くなった。檻の中で自殺しようともした。死んでも償えないくらいに重い罪を犯したこはわかっていた。それでも償おうとしないよりはマシだと思った。けど、死ねなかった。」
 無表情で話すミナは、泣いているようだった。
「今俺は、罪を重ねている。脱獄したから。ほんとに、死んだぐらいでは償えないくらいの罪だ。もういっそ、この場で殺してくれ。誰でもいい。殺してくれるのなら。自殺では駄目なんだ。自殺は犯罪なんだ。自分を殺すのも、誰かを殺すのも、殺しは殺しだ。これ以上罪を重ねないためにも、誰かが俺を殺してくれ。俺を殺したところで、俺は脱獄犯だ。どこかの国では射殺されることもあるらしいし。だから俺を殺してくれ。」
 声が震え始めて、縋るように周りを見渡すミナ。
 ミナの言動に、怯えている人がほとんどだった。
 国王、王妃、ダイナ、ティナだけが怯えていない。
 国王は無言で俯いている。
 王妃フィオは目を細めた。
 ダイナは何を考えているのかわからないような無表情。
 ティナは泣きそうな顔でミナを見ている。
 しんとした空気の中、俺を殺してくれと言う半狂乱のミナを、フィオが一喝した。
「おい、死にたがり!」
 ミナが黙った。
「そんなに死にたいんなら、俺が殺してあげようか?」
「詐欺師っ!お前は優しいな!よろしく頼んだぞ!」
 嬉しそうに笑いながら、フィオに近づくミナ。
「ただし、俺に勝ったらな。」
 フィオは剥き身のナイフをミナに投げた。先ほどミナがフィオに投げたものだ。
「俺に勝ったら、お前を殺してやる。」
 フィオはそう言いながら、ティナから半強制的に返させたナイフを手にした。
「わかった!」
 フィオは内心溜め息を吐いた。
 アランが不安定なことを忘れていたのだ。悪夢を見やすいアランは、感受性が高く、相手の立場になって物事を考えるのが癖になっている。今回はそれのいきすぎだろう。
 自分が生きているのが自分で許せなくなっている。自分が幸せをつかもうとしたことを許されるべきではないと思ってる。それに、アランはまだ過去にとらわれている。
 罪は罪だが、その罪を個人に問うことそのものが間違っているのではないだろうか。
「詐欺師、弱くなったか?」
 迫り来る切っ先を払うのに精一杯なフィオ。
 ミナは会話する余裕もあるのに。
「…なんか呆気ないな。」
 数秒の内に決着がついた。ミナがフィオの喉元に、ナイフを突きつけた。
「はぁ…仕方ないな。じゃあ殺してあげるよ。まずナイフ降ろして、それからもう少しこっちに寄って。」
「わかった。」
 ミナはナイフを降ろし、嬉々としてフィオに近づく。
 フィオはミナにだけ聞こえるように言った。
「いつまでうだうだ悩んでるつもりだ?死んでも償えないんだろ?なら生きろ。生きて今まで殺した命以上に多くの命を救おうとか、思わなかったのか?」
「っ…」
 固まったミナ。
 そんなミナを放っておいて、フィオは会場にいる人全員に向けて言った。
「アランは本当に罪人ですか?人を殺すことが罪なのは知っていますよね。なら、この国の軍人は罪人ということになります。けれど実際は違いますよね?それは何故かしら。考えたことはありますか?」
 誰も口を開かない。いや、開けない。
 よく考えてみればおかしいと気がつくはずなのに、こうして聞かなければ気がつかない。
 罪の線引きが、いかに歪んでいるかが示された。
「戦争は、勝てば正義なんだと思うんです。だってそうでしょう?この国は戦争に勝ったから、こうしてアランを罪人にしているけど、これが負けていたら、アランは勝利に貢献したことで昇格して、勲章を受け取っていたかもしれない。そしてこの国の軍人のほとんどは罪人になっていた。」
 軍の上層部も集まっている中、フィオは言った。
「けどね、それは少し違うんじゃないのかなって思うんです。だって、戦争は国同士の戦いでしょう?だったら、軍人のために畑を耕した国民も戦争に加担しているから、罪人にするべきじゃないかしら?それは違う、国のためにしたことだ、と言うのなら、軍人だって同じだと思うんです。国民は、国のために畑を耕した。軍人だって、国のために人を殺した。」?
 フィオはまだ固まっているアランを見た。
「責任は国がとるべきなのは、明らかでしょう?国は土地を明け渡して、全面的に降伏することで責任はとっていると思います。経済的にも従うし、政権は負けたら奪われるわけだし。」
 ナイフを手で弄びながら、フィオは続けた。
「何が言いたいかというと、アランはもう赦されてもいいんじゃないか、ということです。十年間、檻に入っていたし、当時アランは十代前半だった。まして、アランは軍隊に入るまでは奴隷だった。人を殺す行為が罪だということを理解していなかった可能性があります。」
 フィオは問う。
「さて、皆さんはアランを赦しますか?赦しませんか?」
 フィオは綺麗に笑うと、手近なテーブルの上に手を置いた。その笑顔のまま、持っていたナイフを置いた手に突き刺した。息を飲んだ人達を眺めながら、フィオはナイフを抜いた。
「ちょっとした手品よ?」
 傷ひとつない手をひらひらふりながら言ったフィオ。その手で指を鳴らすと、反対の手で握っていたナイフが消えた。
「答える期限はティナの誕生日までとします。その時までに、ゆっくり考えてみてはいかがでしょうか。」

  
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